※本記事は、極東開発工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
極東開発工業は、特装車事業、環境事業、パーキング事業を主軸に、幅広い分野で事業を展開しています。ダンプトラックやごみ収集車などの特装車の製造販売、リサイクル施設の製造販売、立体駐車装置の製造・運営などをグループ各社とともに手掛けています。
単体従業員数は1,181名、連結従業員数は3,585名です。連結セグメントは特装車事業、環境事業、パーキング事業の3つです。
主な国内グループ会社は、極東サービスエンジニアリング、エフ・イ・イ(食堂運営、損害保険代理業)、エフ・イ・オート、極東開発パーキング、日本トレクスなどです。
なお、極東開発パーキングは2026年4月1日を効力発生日として、極東開発工業を存続会社とする吸収合併を行いました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
極東開発工業は、特装車や環境関連機器、パーキングシステムなどを手掛ける企業グループです。同社グループの給与水準や働き方に関する取り組みは、従業員の成長と働きがいを重視し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員が長期的にキャリアを築ける環境を提供している傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、安定して働き続けられる職場であることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,142,000円 |
| 平均勤続年数 | 16.6年 |
| 平均年齢 | 42.3歳 |
| 単体従業員数 | 1,181人 |
| 連結従業員数 | 3,585人 |
| 単体のグループ内比率 | 32.9% |
同社グループは、退職給付制度として確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度であり、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は、同社および日本トレクス、PT.Kyokuto Indomobil Manufacturing Indonesia、SATRAC ENGINEERING PRIVATE LIMITEDを含む国内外のグループ会社に適用されています。
退職一時金制度も設けられています。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。2026年3月31日時点の退職給付債務は75.9億円、年金資産は96.7億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、長期経営ビジョンにおいて技術力と信用、和協の精神を礎に、サステナブル社会の実現・発展に貢献し業界をリードするグローバルな総合インフラメーカーを目指しています。このビジョン達成のためには、技術力と品質を作り上げていく従業員の成長が不可欠であると考えています。
人事制度は「仕事を通じた価値創造ができる人材育成」を追求し、企業品質の向上を実現するために必要とされる「社員の総合力」を高めることを目指しています。従業員の給与は、職位ごとの期待役割を明確化した資格制度に基づき、基本給と短期業績連動報酬である賞与で構成されています。年齢・性別・勤続年数等の属人的な手当には依拠せず、個人の能力と職責、目標達成度を評価して決定されます。
また、長期経営ビジョン実現に向けた人材に関するリスクと機会を洗い出し、人材マテリアリティを策定しています。重点課題として「ワーク・ライフ・バランスの追究」「ダイバーシティの推進」「人権への配慮、労働災害の撲滅」の3つを掲げています。これらの課題に対し、総労働時間削減や男性育休取得率向上、役職者へのアンコンシャス・バイアス研修、フレキシブルな勤務形態の推進、企業ヘルプラインの設置、トップ安全パトロールの実施など、具体的な戦略と取り組みを進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金の額の差異は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の規定に基づき算出されています。男性労働者の育児休業取得率は、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 0.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 66.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 67.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 69.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | 69.5% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 日本トレクス㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 1.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 55.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 73.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 73.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | 68.7% |
▼ 極東サービスエンジニアリング㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 55.4% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 76.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | 60.4% |
ワーク・ライフ・バランスの追究
総労働時間は国内グループ会社が対象となります。男性育休取得率は国内グループ会社が対象となります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 総労働時間削減(2025年度実績) | △0.9% |
| 男性育休取得率(2025年度実績) | 58.8% |
ダイバーシティの推進
役職者(係長級以上)における女性比率は国内グループ会社が対象となります。女性採用者比率は国内グループ会社が対象となります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 役職者(係長級以上)における女性比率(2025年度実績) | 2.4% |
| 女性採用者比率(2025年度実績) | 17.2% |
人権への配慮(ハラスメントの根絶・心理的安全性の向上)
管理職ハラスメント講習(Eラーニング)は、Eラーニング導入1年目のため提出会社の実績です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職ハラスメント講習(Eラーニング)(2025年度実績) | 0.66時間/人 |
労働災害の撲滅
休業災害度数率および休業災害件数は提出会社および連結子会社の日本トレクス㈱が対象となります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 休業災害度数率(2025年度実績) | 0.83 |
| 休業災害件数(2025年度実績) | 6件 |
人材育成・エンゲージメント
従業員エンゲージメントは、第三者(株式会社アドバンテッジリスクマネジメント)によるエンゲージサーベイの結果を同社顧客全体における偏差値で示しています。ワークエンゲージメントは「仕事に対する熱意や姿勢」をあらわす指標で、「自発的な行動」「ポジティブな感情」の項目が含まれています。業界平均は、同社にて算出した2023年12月~2024年11月の業界平均偏差値を指します。上記実績は提出会社の調査結果となります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 従業員エンゲージメント(2025年度実績) | 49.2 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
極東開発工業グループは、特装車、環境、パーキングの3つの事業を主軸に、社会インフラを支える多岐にわたる製品とサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、自動車の特別装備の製造・販売から、リサイクル施設の建設・運営、立体駐車装置の提供まで、幅広い分野で事業を展開しています。各事業は独立した経営単位として活動し、それぞれの専門性を活かして収益を上げています。
特装車事業
この事業では、ダンプトラック、テールゲートリフタ、タンクローリ、ごみ収集車、トレーラ、バン、ウィングボデーといった特装車の製造、架装、販売、および修理を行っています。収益は、特装車の製造販売や部品の販売、アフターサービスから得ています。運営は、極東開発工業、日本トレクス、北陸重機工業、エフ・イ・オート、振興自動車、井上自動車工業、九州特殊モータース、極東開発(昆山)機械有限公司、PT.Kyokuto Indomobil Manufacturing Indonesia、SATRAC ENGINEERING PRIVATE LIMITED、Kyokuto Australia Holdings Pty Ltd、STG Global Holdings Pty Ltd、Kyokuto Australia Pty Ltd、極東特装車貿易(上海)有限公司、PT.Kyokuto Indomobil Distributor Indonesiaなどが行っています。
当連結会計年度の売上高は、国内トラックシャシの供給改善や製品価格の改定、生産性向上への取り組みにより、前期から増加しました。海外ではインドやインドネシアでの生産拠点強化、オーストラリアでのグループ化を進めています。
環境事業
粗大ごみ処理施設、リサイクルセンター、ごみ固形燃料化(RDF)施設、バイオガスプラントなどの各種リサイクル施設の建設、および破砕機、ガラスびん色選別装置といったリサイクル設備の製造・販売を手掛けています。収益は、施設建設や設備販売、部品販売、サービス業務全般、およびメンテナンス・運転受託といったストックビジネスから得ています。運営は、極東開発工業、極東サービスエンジニアリング、極東サービスエンジニアリング北海道、エコファシリティ船橋、エコファシリティ西宮、モリプラントなどが行っています。
当連結会計年度は、プラント建設の進捗や新規物件の受注活動、バイオマス事業への取り組み強化により、前期から売上高が増加しました。
パーキング事業
マンション向け立体駐車装置の製造、据付、販売、メンテナンス、およびコインパーキングの運営を主な事業内容としています。収益は、立体駐車装置の販売・メンテナンス、コインパーキングの運営、不動産賃貸、メガソーラー発電所の運営、損害保険代理店業務などから得ています。運営は、極東開発パーキング、エフ・イ・イなどが行っています。
当連結会計年度は、リニューアルやメンテナンスといったストックビジネスに加え、新規物件の受注活動やコインパーキングの稼働率向上に注力し、前期から売上高が増加しました。
同社グループの売上高は、当連結会計年度において日本が全体の大部分を占めていますが、アジアやオセアニア地域での海外売上高も計上されており、グローバルな事業展開を進めています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 特装車事業 | 1,187億円 | 1,352億円 |
| 環境事業 | 142億円 | 181億円 |
| パーキング事業 | 75.7億円 | 80.4億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は一貫して増加傾向にあり、当連結会計年度も前期から大きく伸びています。経常利益も同様に増加傾向を示しており、本業の収益力は堅調に推移していることがうかがえます。
一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度に前期から減少となりました。これは、独占禁止法関連損失として59.3億円を特別損失に計上したことが主な要因となっています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,169億円 | 1,131億円 | 1,280億円 | 1,404億円 | 1,613億円 |
| 経常利益 | 75.7億円 | 11.9億円 | 56.2億円 | 68.9億円 | 94.8億円 |
| 経常利益率 | 6.5% | 1.0% | 4.4% | 4.9% | 5.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 143億円 | 35.8億円 | 35.0億円 | 58.2億円 | 36.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 358.35 | 90.91 | 91.49 | 151.74 | 96.04 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、当連結会計年度に前期から増加しており、組織全体の収益創出力が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、効率的な事業運営が進んでいることを示しています。これらの指標の改善は、同社グループの収益体質の強化や生産性向上への取り組みが成果を上げていることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 40.3百万円 | 45.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.9百万円 | 2.5百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。財務基盤の厚みや資金の流れから、現在の経営状態を把握できます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあります。これは安定した経営基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、手元資金である現金及び預金は増加傾向にあります。これらの財務状況は、同社グループが事業活動を継続し、従業員の雇用や給与を安定的に維持するための基盤となっていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 1,173億円 | 1,149億円 |
| 自己資本比率 | 61.8% | 55.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 5.0% | 3.2% |
| 現金及び預金 | 203億円 | 225億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益の計上により資金が増加したものの、法人税等の支払いにより前期から減少しました。投資活動によるキャッシュフローは、固定資産の取得による資金減少があった一方で、投資有価証券の売却により前期から資金流出が減少しています。フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況です。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の増加があったものの、短期借入金の返済により前期から減少しました。これらの資金の流れは、同社グループが事業拡大に向けた投資を継続しており、将来の成長を見据えた経営を行っていることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 52.3億円 | 33.7億円 |
| 投資CF | △154.7億円 | △72.9億円 |
| 財務CF | 112.0億円 | 65.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △102.5億円 | △39.2億円 |
※フリーCF(フリーキャッシュ・フロー)とは、会社が事業活動と投資活動を通じて自由に使える余剰資金のこと。
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの事業は、特装車事業における国内外のトラック需要や建設・物流・環境の景気・市場動向、および関連する法規制等の影響を受けます。また、環境事業も廃棄物行政や公共投資の動向に左右される傾向があります。
生産に必要な鋼材をはじめとする原材料や部品等の調達価格が、国際情勢や為替、災害等によって高騰した場合、製造原価の上昇により業績に影響が生じる可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
少子高齢化や人口減少の環境下で、採用難や人材流出が深刻化し、人材不足を起因とした品質やサービスの低下により業績に影響が生じる可能性があります。同社グループは、連結全体での採用・人材育成強化や人事制度改善、福利厚生強化を通じて、多様な人材の確保とエンゲージメント向上に努めています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
極東開発工業は、社会貢献と企業価値の拡大を目指し、技術と信用を重んじる経営を基本としています。特装車、環境、パーキングの3つの事業を展開し、持続可能な社会の実現に貢献する総合インフラメーカーを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
極東開発工業グループは、「技術と信用を重んじ 一致協力して企業の生々発展に努力し広く社会に奉仕する」ことを経営理念としています。お客様や取引先、株主、従業員、地域社会との関係の中で、企業としての社会的役割と責任を自覚した経営を行っています。公正で健全な企業活動を通じて、安全で高性能・高品質な製品とサービスを提供し、社会への貢献と企業価値の拡大を図ることを経営の基本方針としています。2030年度を見据えた長期経営ビジョン「Kyokuto Kaihatsu 2030」では、「サステナブル社会の実現・発展に貢献し業界をリードするグローバルな総合インフラメーカー」を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
極東開発工業グループは、経営理念である「技術と信用を重んじ 一致協力して企業の生々発展に努力し広く社会に奉仕する」ことを大切にしています。中期経営計画では、高付加価値製品・サービスを通じた社会的課題解決と価値創造、生産性の向上と利益体質の強化、海外事業の成長加速を基本方針としています。また、サステナビリティ経営の推進による魅力ある企業づくりと、企業価値向上を実現する資本政策の推進も掲げています。人こそが価値を生み出す源泉であると考え、従業員が躍動できる環境づくりを重視し、社是にもある和協の精神を深化させ、個性が発揮される風土構築を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
極東開発工業グループは、事業環境の変化に対応し、様々な課題に取り組んでいます。特装車事業では、環境法規制や車両重量規制、自動車の型式変更による需要変動への対応が課題です。環境事業では、少子高齢化や地方自治体の財政難を背景とした市場環境の変化に対応しています。パーキング事業では、マンション等の駐車場設置率低下に対し、リニューアル工事やアフターサービスに注力しています。
また、サステナビリティ経営を推進しており、CO2排出量削減や新環境基準認証取得率100%を目指しています。人的資本においては、ワーク・ライフ・バランスの追究として総労働時間削減や男性育休取得率向上に取り組んでいます。ダイバーシティの推進として役職者における女性比率向上や女性採用者比率向上を図り、人権への配慮としてハラスメントの根絶と心理的安全性の向上、労働災害の撲滅にも取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
極東開発工業は、環境変化に対応した迅速な意思決定と実行体制の強化を経営の主眼としています。法令遵守を徹底し、監査・監督機能の強化を通じて企業価値の拡大を図るガバナンス体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
極東開発工業の株主構成を見ると、筆頭株主は信託銀行が占めています。その他、同社グループの共栄会や従業員持株会も上位株主として名を連ねています。幅広い株主によって支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 15.07% |
| 三井住友銀行 | 4.15% |
| 極東開発共栄会 | 4.11% |
| 日本カストディ銀行(りそな銀行再信託分・株式会社みなと銀行退職給付信託口) | 3.89% |
| 極東開発従業員持株会 | 3.21% |
なお、株式会社三菱UFJ銀行及びその共同保有者の計3名は2025年12月8日付で2,458千株、りそなアセットマネジメント株式会社及びその共同保有者の計2名は2020年11月6日付で2,138千株を保有しています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性11名・女性1名)で構成され、女性役員比率は8.3%です。代表取締役社長は布原達也氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 布原 達也 | 代表取締役社長 社長執行役員 | 1982年同社入社。技術部長、開発部長、執行役員、技術本部長、生産本部長、取締役、特装事業部長、常務執行役員を経て、2020年より現職。 |
| 則光 健男 | 代表取締役専務 専務執行役員 管理本部長 | 1982年同社入社。経営企画部長、執行役員、海外推進部長、海外事業部長、取締役、常務執行役員を経て、2024年より現職。 |
| 堀本 昇 | 取締役 常務執行役員 環境事業部長 | 1988年同社入社。環境事業部建設部長、執行役員、環境事業部副事業部長、環境事業部営業本部長を経て、2019年より同社環境事業部長、取締役。2022年より常務執行役員。 |
| 木津 輝幸 | 取締役 常務執行役員 特装事業部長 | 1992年同社入社。三木工場長、横浜工場長、執行役員、生産本部長を経て、2021年より常務執行役員。2022年より同社特装事業部長、取締役。 |
| 市村 哲也 | 取締役 執行役員 管理本部財務部長 | 2003年同社入社。2019年より同社管理本部財務部長。2022年より執行役員。2024年より同社取締役。 |
社外取締役は、寺川博之氏(元阪急阪神ビルマネジメント代表取締役会長・指名委員会委員長)、金子啓子氏(大阪経済大学経営学部ビジネス法学科准教授・報酬委員会委員長)、友廣隆宣氏(神戸海都法律事務所パートナー)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役3名を含んだ8名の取締役による取締役会と、社外監査役2名を含んだ4名の監査役による監査役会を設置しています。外部からの客観的かつ中立的な経営監視機能を重視し、社外取締役による監督と社外監査役による監査を通じて、経営の監督機能の充実・強化を図っています。なお、2026年6月24日開催予定の定時株主総会で承認可決された場合、同社は監査等委員会設置会社に移行する予定です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
極東開発工業の役員報酬は、固定報酬である基本報酬、業績連動報酬、および譲渡制限付株式による非金銭報酬で構成されています。社外取締役は基本報酬のみです。業績連動報酬は、単年度の連結営業利益を指標とする短期インセンティブ報酬と、中期経営計画の業績目標およびROEを指標とする中長期インセンティブ報酬から成り立っています。これにより、企業価値の持続的な向上と株主利益との連動性を強化する報酬体系となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 2.1億円 | 42.8百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 27百万円 | 13.5百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 47百万円 | 9.4百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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