※本記事は、株式会社ヤマダコーポレーション の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ヤマダコーポレーションは、オートモティブ機器、インダストリアル機器、その他の3部門で事業を展開しています。同社グループは、自動車整備工場やガソリンスタンド向けの潤滑給油機器や環境整備機器、各種産業分野向けの流体圧送用ポンプなどを製造・販売しています。
単体従業員数は220名、連結従業員数は338名です。報告セグメントは日本、米国、オランダ、中国、タイの5つです。
主な国内グループ会社は、ヤマダプロダクツサービス(日本)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ヤマダコーポレーションは、グローバルな事業展開を背景に、社員の成長と会社の持続的な発展を重視する企業文化を醸成しています。人材育成に力を入れ、変化に対応できる人材の育成を目指す方針が示されています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が43.1歳、平均勤続年数が18.1年となっており、従業員が長期にわたって勤務する傾向が見られます。これは、経験豊富な人材が多数在籍し、安定した環境でキャリアを築いていることを示しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,243,594円 |
| 平均勤続年数 | 18.1年 |
| 平均年齢 | 43.1歳 |
| 単体従業員数 | 220人 |
| 連結従業員数 | 338人 |
| 単体のグループ内比率 | 65.1% |
同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の企業年金制度を設けています。国内連結子会社では退職一時金制度や中小企業退職金共済制度を採用しており、一部の在外連結子会社では確定拠出制度等を設けています。
退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
退職給付債務は12.8億円、年金資産は1.4億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、2024年度からグループビジョン「For the Next Century with YAMADA PRIDE」を掲げ、中期経営計画を遂行するための経営基盤として「人財ビジョンを実現し、社員と会社の成長を支える」ことを重視しています。変化に対応し持続的に成長できる企業文化の醸成と、各階層での次世代を担う人財育成に取り組んでいます。
従業員の給与は「賃金規定」や「昇給・賞与取扱規定」に基づき決定されます。同社が求める人財像を明確化した『人財ビジョン』に定める「変化」「お客様志向」「共創」の「3つの価値観」を含む評価項目と、半期ごとの個人目標達成度を合わせて評価し、個別の給与額を決定しています。
新卒採用を基本としつつキャリア採用も行い、必要な人材を定期的に採用しています。新入社員研修や階層別研修、管理職・監督職研修を適宜実施しており、グローバルカンパニーを牽引する人財を育成する研修制度の導入も検討しています。
2023年4月には「人財ビジョン」の視点に立った新人事評価制度を先行導入しました。2027年度からは「人財ビジョン」と「次世代を担う人財育成」の方針を反映した新たな人事制度の導入を計画しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性育児休業取得率および男女賃金差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 6.5% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ヤマダコーポレーションは、潤滑給油機器や環境整備機器、各種産業分野で利用される流体圧送機器の製造・販売を主軸とする事業を展開しています。同社グループは、日本、米国、オランダ、中国、タイの5つの地域別セグメントで構成されており、グローバルに事業を展開していることが特徴です。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、オートモティブ機器、インダストリアル機器、その他の3部門に関わる事業を主としています。これらの製品は幅広い種類にわたり、自動車整備工場やガソリンスタンド、各種産業分野の顧客に提供されています。収益は主に製品の製造・販売から得られており、海外市場での販売も重要な収益源となっています。
日本
当セグメントでは、オートモティブ機器、インダストリアル機器、その他の部門にわたる製品の製造・販売を行っています。収益は、国内顧客への製品販売やサービス提供から得ています。運営は、ヤマダコーポレーション及び国内連結子会社が担当しています。
米国
当セグメントは、主にインダストリアル機器の販売を担っています。収益は、米国市場におけるエアポンプやダイアフラムポンプなどの販売から得ています。運営は、ヤマダアメリカINC.が行っています。
オランダ
当セグメントは、主にインダストリアル機器の販売を担当しています。収益は、欧州市場における流体圧送機器の販売から得ています。運営は、ヤマダヨーロッパB.V.が行っています。
中国
当セグメントは、主にインダストリアル機器の販売を担っています。収益は、中国市場における流体圧送機器の販売から得ています。運営は、ヤマダ上海ポンプ貿易有限公司が行っています。
タイ
当セグメントは、主にインダストリアル機器の販売を担当しています。収益は、タイ市場における流体圧送機器の販売から得ています。運営は、ヤマダタイランドCO.,LTD.が行っています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 米国 | 57.8億円 | 65.3億円 |
| 日本 | 62.9億円 | 65.3億円 |
| オランダ | 14.5億円 | 18.1億円 |
| 中国 | 7.5億円 | 9.9億円 |
| タイ | 3.5億円 | 3.6億円 |
同社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は高く、前期からさらに増加しています。そのため、グローバル経済の動向や為替レートの変動が同社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。特に、当連結会計年度においては円安が売上高の増加に寄与したとされています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は全体的に増加傾向にあります。特に当期は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から増加となりました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 122億円 | 137億円 | 148億円 | 146億円 | 162億円 |
| 経常利益 | 17.0億円 | 20.9億円 | 25.5億円 | 21.9億円 | 27.0億円 |
| 経常利益率 | 13.9% | 15.3% | 17.3% | 15.0% | 16.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 11.7億円 | 14.9億円 | 19.2億円 | 16.1億円 | 17.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 487.56 | 624.19 | 801.41 | 671.49 | 723.67 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、組織全体の効率化や収益体質の強化を示していると言えます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 42.3百万円 | 48.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.7百万円 | 7.9百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社ヤマダコーポレーションの経営の安定性について、財務基盤、キャッシュフロー、そして事業リスクの観点から見ていきます。同社グループは、堅実な財務基盤と安定した資金の流れを維持している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と安定したROEを示しています。自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較しても高い水準にあり、強固な財務体質を構築していることがうかがえます。また、手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、事業運営における安定性が確保されている状況です。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素であると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 167億円 | 184億円 |
| 自己資本比率 | 85.0% | 85.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 10.1% | 10.0% |
| 現金及び預金 | 41.0億円 | 46.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、それを成長投資に充てている状況を示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益の増加を主な要因として、前期から増加しました。これは本業が堅調に推移し、安定した収益力を維持していることを示しています。
投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出が増加したため、前期に比べて純支出が増加しました。これは将来に向けた積極的な設備投資が行われていることを示唆しています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いや長期借入金の返済による支出があったものの、前期に比べて純支出が減少しました。
結果として、事業活動で得た資金が投資活動の支出を上回るフリーキャッシュフローは、前期から増加しプラスを維持しています。この状況は、同社グループが本業で安定した資金を創出し、成長のための投資を行いながらも、資金繰りに余裕があることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性、そして会社の成長性への期待につながる要素であると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 16.0億円 | 25.8億円 |
| 投資CF | △7.8億円 | △13.9億円 |
| 財務CF | △9.9億円 | △7.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 8.2億円 | 11.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、国内外の景気動向や設備投資動向に大きく影響を受ける傾向にあります。経済環境の変化が業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、成長戦略の一環として海外事業の拡大を進めており、グローバル経済や為替の動向、法的規制、商習慣、労使関係など、様々な要因の影響を受ける可能性があります。急激な為替レートの変動は、売上高や損益、財務諸表上の円換算に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ヤマダコーポレーションは、「For the Next Century with YAMADA PRIDE」というグループビジョンを掲げ、次の100年に向けた持続的成長を目指しています。堅実で公正な企業活動を通じて、社会に貢献し続けるグローバルカンパニーを目指すことを企業理念としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ヤマダコーポレーションの企業理念は、「堅実で公正な企業活動を通じて、お客様のニーズ、社員の喜び、株主の期待、産業と社会の発展に誠実に取り組む」ことです。
同社グループは、2024年度からグループビジョン「For the Next Century with YAMADA PRIDE」を掲げています。
このビジョンのもと、100年で培ったYamada Qualityをさらに磨き上げ、オートモティブ産業の基盤を支えつつ、ポンプ事業を成長エンジンと位置付けています。
次の100年も社会に貢献し続けるグローバルカンパニーを目指しており、ポンプ事業では世界のさまざまな国や地域へ製品を供給し、ダイアフラムポンプでトップブランドを目指す方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ヤマダコーポレーションは、企業理念として「堅実で公正な企業活動を通じて、お客様のニーズ、社員の喜び、株主の期待、産業と社会の発展に誠実に取り組む」ことを掲げています。
同社グループは、「行動憲章」、「行動規範」及び「環境方針」を定め、地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮、公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引などを重視しています。
また、「人財ビジョン」に基づき、「変化」「お客様志向」「共創」の3つの価値観を体現できる人財の育成を促進しています。
これらの価値観は、同社グループが求める人材像として明確化されており、企業文化の醸成と次世代を担う人財育成の基盤となっています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ヤマダコーポレーションは、中期経営計画PhaseⅠにおいて、組織・文化・人材に関する複数の重点テーマに取り組んでいます。
「人財ビジョン」の定着を掲げ、次世代組織に引き継ぐ土壌づくりを進めています。
また、人にやさしいデジタル活用として「DXへの第一歩」を踏み出し、アナログからデジタルへの移行を推進しています。
その他にも、構内物流・製商品物流の再構築による生産性向上、子会社戦略の再構築による生産体制の最適化、ESG経営の推進、BCPの推進といった課題に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ヤマダコーポレーションは監査役会設置会社であり、取締役会、監査役会、および任意の諮問機関である指名・報酬委員会を設置しています。この体制により、経営効率化と透明性の向上を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ヤマダコーポレーションの株主構成を見ると、筆頭株主は海外の金融機関であるCHARON FINANCE GMBHです。一方で、代表取締役社長である山田昌太郎氏や、取締役の山田幸太郎氏といった創業家関係者も上位株主として名を連ねています。その他、事業会社や金融機関も主要な株主として同社を支える構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| CHARON FINANCE GMBH | 8.63% |
| 山田 昌太郎 | 8.02% |
| 豊和 | 7.22% |
| INTERACTIVE BROKERS LLC | 5.25% |
| 埼玉りそな銀行 | 4.91% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は山田昌太郎氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山田 昌太郎 | 取締役社長 (代表取締役) | 1985年4月 久保田鉄工㈱入社、1987年10月 同社入社、1992年6月 同社取締役就任、1998年6月 同社常務取締役就任、2012年6月 同社代表取締役社長就任より現職。 |
| 山田 幸太郎 | 取締役 相模原工場長 | 2000年4月 同社入社、2007年6月 同社執行役員営業部長、2012年6月 同社取締役就任、相模原工場担当委嘱、2025年4月 同社相模原工場長委嘱より現職。 |
| 亀山 慎史 | 取締役 営業本部長 | 1984年3月 同社入社、2000年4月 ヤマダアメリカINC. President就任、2012年6月 同社取締役就任、営業統括委嘱、2024年4月 同社営業本部長委嘱より現職。 |
| 池原 賢二 | 取締役 管理本部長 | 1988年4月 埼玉銀行(現りそなグループ)入社、2019年6月 同社常勤監査役就任、2022年6月 同社取締役就任管理本部長委嘱より現職。 |
社外取締役は、早稲本和徳氏(伊東・早稲本法律事務所パートナー・指名・報酬委員会委員長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会の監督機能強化と機動的な業務執行体制の構築を目指しています。社外取締役は、専門的知識と経験に基づき、コーポレート・ガバナンス体制の強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ヤマダコーポレーションの取締役の報酬は、固定報酬、業績評価報酬、個人評価報酬で構成されています。固定報酬は業績に関わらず定額で、業績評価報酬は前期の業績結果や経営改善実績によって変動します。また、個人評価報酬は前期の個人目標達成度に応じて変動する仕組みです。監査役の報酬は、報酬限度額の範囲内で監査役の協議によって決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 1.3億円 | 33.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 26百万円 | 6.6百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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