【平均年収615万円】メタルアート 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収615万円】メタルアート 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

メタルアートは、自動車や建設機械部品などに使われる精密型打鍛造品の製造販売を主たる事業としています。数百名規模の従業員が在籍しており、直近期の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社メタルアート の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


メタルアートは、精密型打鍛造品の製造販売を主たる事業としています。同社グループの製品は、自動車や建設機械部品を中心に展開されています。

単体従業員数は545名、連結従業員数は668名です。

2025年4月1日付けで完全子会社であったメタルフォージを吸収合併しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


メタルアートは、従業員を重要な経営資源と捉え、「ものづくりはひとづくり」という考え方に基づき、人材育成に力を入れています。給与面では公正性と透明性を重視し、働きがいのある環境づくりを進めていることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、従業員が長期的にキャリアを築きやすい環境にあると考えられます。安定した環境で専門性を高めたいと考える方にとって、魅力的な職場である可能性があります。

項目 数値
平均年間給与 6,147,000円
平均勤続年数 17.1年
平均年齢 43.7歳
単体従業員数 545人
連結従業員数 668人
単体のグループ内比率 81.6%


同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、積立型および非積立型の確定給付制度を採用しています。確定給付型とは、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度です。この制度は、国内および海外の連結子会社を含む従業員に適用されています。

退職一時金制度もあり、給与と勤務期間に基づいた一時金、または職能、役職、勤務期間に基づいた一時金等が支給されます。

なお、当連結会計年度末における退職給付債務は24.1億円、年金資産は3.1億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


メタルアートグループは、経営理念と「メタルアートウェイ」を基盤に、「ひとづくり戦略」としてメタルアートウェイの浸透とプロ人材の育成を掲げています。従業員を最も重要な経営資源と位置づけ、「ものづくりはひとづくり」の考えのもと、人間力の向上、高技能の継承、若手人材の育成、生産技術の高度化、デジタル化への対応、グローバル人材の育成などを推進しています。また、「安全は絶対」という原則のもと、安全で働きやすい環境整備と健康経営を推進し、多様性を尊重することで従業員のエンゲージメント向上を図っています。

処遇については、公正性と透明性を重視し、職務遂行能力、技能、成果等を総合的に評価して賃金を決定しています。適正な給与水準への見直しは、インフレ動向や従業員の生活環境を考慮し、賞与は会社業績と個人評価を踏まえて労働組合との協議を経て決定されます。海外子会社においても、現地の法規制や市場環境に応じた処遇体系を整備し、グループ全体の公平性と競争力確保に努めています。

具体的な取り組みとして、「メタルアートウェイ」の浸透と実践を重視しており、社長自らが語り部となり、従業員全員に向けた教育活動を毎年実施しています。また、従業員のランクや役割に応じた専門知識・技能・マネジメントスキル向上などの階層別教育を実施し、海外子会社や社外との人的交流を通じてグローバルに活躍できる人材の育成にも力を入れています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 5.8%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 75.7%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 77.9%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 70.0%

多様性・登用

指標 数値
海外業務経験者 12.4%
障がい者雇用率 2.0%

育児・介護支援

指標 数値
育児休業後の復帰率 100.0%
男性育休取得率 62.5%

人材育成・エンゲージメント


社員定着率(%)は(1-当期間内退職数(定年退職除く)÷前期末社員数)×100で算出されます。

指標 数値
研修受講率 95.0%
社員定着率 98.4%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


メタルアートグループは、精密型打鍛造品の製造販売を主軸とする事業を展開しています。その製品は主に自動車部品や建設機械部品として利用されており、社会のインフラを支える重要な役割を担っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


メタルアートグループは、精密型打鍛造品の製造販売を単一の報告セグメントとしています。同社グループの事業は、自動車部品、建設機械部品、農業機械部品、その他部品の製造販売で構成されています。連結子会社のメタルヴィレッジは、農産物の製造・販売事業も手掛けています。

同社グループの受注環境は、自動車部門においてアセアン市場の経済低迷により海外子会社の販売が減少したものの、国内では一部顧客の出荷停止影響が解消され、需要が底堅く推移したことから売上高が増加しました。建設機械部門および農業機械部門では需要の低迷が続いているものの、底打ちの兆しが見られ、売上高は前期比で増加しています。その他の部門も新規拡販の寄与により、売上高は前期比で増加しました。

同社グループの収益は、主に日本とインドネシアの顧客からの売上によって構成されています。主要な顧客としては、ダイハツ工業、トヨタ自動車、コベルコ建機が挙げられます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


過去5期間の業績を見ると、同社グループの売上高は増減を繰り返しながらも、直近の期では増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も同様に変動が見られますが、直近の期では大きく増加しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 350億円 442億円 450億円 440億円 453億円
経常利益 33.1億円 38.7億円 31.8億円 32.5億円 41.9億円
経常利益率 9.4% 8.7% 7.1% 7.4% 9.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 22.1億円 26.3億円 21.2億円 20.0億円 26.9億円
1株当たり当期純利益(円) 732.78 879.91 719.21 679.15 939.35

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたり営業利益も前期から増加しており、収益性の改善を示しています。これらの指標の向上は、同社グループが効率的な事業運営を進めていることを示唆しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 65.5百万円 67.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.5百万円 5.8百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


メタルアートグループの財務状況は、本業で安定的に資金を生み出し、事業成長のための投資も行いながら、手元に資金を残している状態を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は前期から増加し、プライム市場の製造業平均を上回る水準となっています。ROE(自己資本利益率)も前期から向上し、プライム市場平均を上回る水準を示しています。手元資金である現金及び預金も増加しており、安定した財務基盤がうかがえます。これらの状況は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 265億円 292億円
自己資本比率 53.0% 56.3%
ROE(自己資本利益率) 8.7% 10.9%
現金及び預金 97.3億円 107億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費の増加を主な要因として、49.1億円の増加となりました。これは本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出により、30.5億円の減少となりました。これは事業成長のための投資を積極的に行っていることを示唆しています。その結果、フリーキャッシュ・フローは18.6億円のプラスとなり、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している優良な状態です。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる収入と返済、配当金の支払いを主な要因として、10.9億円の減少となりました。これらのキャッシュ・フローの状況は、同社グループが安定した事業運営と将来への投資を両立しており、雇用や給与の安定性、そして持続的な成長が期待できる財務状況にあることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 54.8億円 49.1億円
投資CF △40.0億円 △30.5億円
財務CF △8.9億円 △10.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 14.8億円 18.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの売上は自動車部品及び建設機械部品が90%以上を占めており、これらの国内外の販売状況により売上高及び利益が大きく変動する可能性があります。また、製品製造のための鋼材や部品等の購入価格が世界市場の需要動向や生産環境の変化により変動した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループの従業員に新型コロナウイルスやインフルエンザ等の感染が拡大した場合、一時的に操業を停止するなど、経営成績や財務状況等に影響を与える可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


メタルアートは、ものづくりを通じて社会に貢献し、お客様や従業員とともに成長する喜びを追求する会社です。挑戦を恐れず、常に新たな価値創造を目指す文化が根付いています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


メタルアートは、「常に新たな価値を生みだしお客様の感動を創造する」「革新的なものづくりを通じて社会の発展に貢献する」「リスクを恐れず挑戦し成長する喜びを共感する」を経営理念としています。お客様、取引先、株主、従業員がともに満足を得られる経営を行い、社会・環境に貢献することを基本方針としています。

同社グループは「原点回帰と変革」を基本に「2030年グループビジョン」を策定しており、「ダントツものづくりのグローバル企業」「新規事業を創出し大変革に対応できる企業」「地域貢献活動を通じ地域に愛される企業」をめざす姿としています。スローガンは「ワクワクする会社になろう!」です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


メタルアートでは、経営理念の浸透とともに、「メタルアートウェイ」をグループ共通の価値観として重視しています。メタルアートウェイとは、「挑戦」「人間性尊重」「感動と感謝」「持続的成長」の4つからなる、代々受け継がれていくべき価値観を明文化したものです。

社長自らが語りべとなり、6ヶ月間かけて従業員全員に向けた教育活動を毎年実施し、その浸透と実践を図っています。同社グループは「ものづくりはひとづくり」という考えに基づき、人財育成センターを設立し、全従業員に対して具体的な取り組みを進めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、国内外の景気不透明感や地政学的リスク、為替変動といった経営環境に対応するため、「原点回帰と変革」を基本に「2030年グループビジョン」を策定しています。このビジョン実現に向けた重点テーマとして、4つの戦略に取り組んでいます。

具体的には、「ひとづくり戦略」として、経営理念やメタルアートウェイ、行動指針の浸透、タフ&マルチ・グローバル人財、スペシャリスト人財の育成、従業員のためのしあわせづくり活動を推進しています。また、「コトづくり戦略」では、地域密着活動への参画・企画や環境負荷低減に積極的に取り組んでいます。併せて、ESG経営の実践を通じて企業価値の向上を目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


メタルアートは監査役会設置会社であり、取締役会による業務執行の決定と監督、監査役による監査を通じて、経営の効率性と透明性の確保に取り組んでいます。社外取締役が経営の客観性を高める役割を担っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


メタルアートの筆頭株主はダイハツ工業であり、同社グループの資本構成において事業会社が大きな割合を占めています。上位株主には複数の事業会社や金融機関が名を連ねており、安定した基盤に支えられていることがうかがえます。

株主名 持株比率
ダイハツ工業 36.22%
ゴーシュー 4.48%
INTERACTIVE BROKERS LLC(常任代理人 インタラクティブ・ブローカーズ証券株式会社) 4.07%
松澤孝一 3.91%
滋賀銀行 3.49%


なお、三井住友DSアセットマネジメントは2024年7月31日現在で158,400株(5.02%)を保有している旨が記載されていますが、2026年3月31日現在における実質所有株式数が確認できないため、大株主の状況には含められていません。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性6名・女性2名)で構成され、女性役員比率は25.0%です。代表取締役社長は友岡正明氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
友岡正明 代表取締役社長 1990年12月同社入社、生産管理部長、執行役員、グローバル事業部長を経て、2017年6月同社取締役、2019年6月より同社取締役社長現職。
戸村一弥 常務取締役 1988年4月ダイハツ工業入社、滋賀(竜王)工場第1製造部長、PT.Astra Daihatsu Motor取締役、ユニット生技部長、生産調達本部統括部長・主査を経て、2025年6月同社取締役、2026年6月より同社常務取締役現職。
福本照久 取締役 1996年3月同社入社、製造部長、執行役員を経て、2018年6月より同社取締役現職。PT.METALART ASTRA INDONESIA代表取締役社長、メタルフォージ代表取締役社長も務める。


社外取締役は、荻野奈緒氏(京都大学大学院法学研究科教授)、大石悠人氏(株式会社ユナイテッドアドバイザリー代表取締役社長)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会が業務執行の決定・監督を行うとともに、監査役が取締役の職務執行について厳正な監査を行っています。社外取締役は、企業経営に対する優れた識見や専門的知識に基づき、客観的な立場から経営の監督機能強化や中立性・客観性を高める役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、企業価値の最大化と株主の中長期的利益との連動性を意識した設計となっています。取締役(社外取締役を除く)の報酬は、固定報酬、業績連動報酬としての役員賞与、非金銭報酬、および退職慰労金で構成されています。役員賞与は、単年度の連結業績や配当水準、利益計画の達成度を主な指標として決定されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 1.2億円 29.8百万円
監査役(社外除く) 1名 12百万円 12.0百万円
社外役員 3名 8百万円 2.7百万円


取締役の報酬限度額は、2022年6月24日開催の定時株主総会において年額144百万円以内(うち社外取締役年額7百万円以内)と決議されています。監査役の報酬限度額は、2022年6月24日開催の定時株主総会にて年額24百万円以内と決議されています。非金銭報酬等として、2025年6月26日開催の定時株主総会において、譲渡制限付株式の付与のために支給する金銭報酬債権として、年額50百万円以内、株式の上限を年20,000株以内(社外取締役は付与対象外)と決議されています。社外役員の支給人員は、無報酬の社外監査役2名を除いています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。