※本記事は、株式会社カーメイト の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
カーメイトは、車関連事業とアウトドア・レジャー・スポーツ関連事業を展開しています。同社グループの主力は車関連事業であり、車用品、運搬架台、ケミカル類、電子・電気機器の製造・販売を手掛けています。
単体従業員数は343名、連結従業員数は640名です。セグメントは車関連事業、アウトドア・レジャー・スポーツ関連事業の2つです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
カーメイトは、モビリティ市場の変革に対応しながら、従業員の働きがいと生産性向上を重視する企業です。人材の定着を促しつつ、多様な働き方を支援する環境整備にも力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員が長期的にキャリアを築ける環境が整っており、平均勤続年数から安定した就業傾向がうかがえます。年齢構成もバランスが取れており、幅広い世代が活躍していることが示されています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,510,000円 |
| 平均勤続年数 | 18.7年 |
| 平均年齢 | 46.0歳 |
| 単体従業員数 | 343人 |
| 連結従業員数 | 640人 |
| 単体のグループ内比率 | 53.6% |
同社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)を採用しています。この制度は国内および海外のグループ会社に適用されています。
退職一時金制度があり、給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。退職給付債務は11.9億円、年金資産は5.3億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社の人材戦略は、モビリティ市場の変革に対応し、価値創造力を高める人材基盤の構築を基本方針としています。事業戦略と連動した人材ポートフォリオの最適化を図り、商品企画力・製品開発力を担うクリエイティブ人材の育成を中核に据えています。
また、ECやデータ活用を支えるデジタル人材の強化を進めるとともに、自律的に挑戦できる組織・評価制度を取り入れています。多様で柔軟な働き方を整備し、従業員エンゲージメントの向上と生産性の最大化を両立し、持続的な成長を支える組織を目指しています。
従業員の給与は、職務の複雑さと責任の度合、ならびに従業員の能力・年齢・勤続年数、および勤務成績に基づき、勤務条件等を考慮して決定されます。昇給については人事考課や業績等を勘案し年1回行われることとなっており、社会情勢や労働市場の変化を踏まえたベースアップも適宜実施されています。
優秀な人材の確保と生産性の向上を目的として、働きがいを感じることができる社内環境の整備、多様性を尊重した人材の採用・育成・登用にも努めています。業務に必要なスキルの維持・向上のため、各種資格取得を推奨し、その費用を補助する制度も設けられています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 4.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 25.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 59.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 72.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 47.3% |
人材育成・エンゲージメント
連結会社ベースでの人的資本についての開示は、各社の事業内容や事業規模が異なり、統一した開示が困難であるため提出会社のみを対象としています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 有給休暇取得率 | 67.4% |
| 1月当たり残業時間 | 8.2時間 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
カーメイトグループは、主に車関連事業とアウトドア・レジャー・スポーツ関連事業を展開しています。幅広い製品の製造・販売を通じて、多様な顧客ニーズに応えるビジネス構造となっています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
カーメイトグループは、車用品、運搬架台、ケミカル類、電子・電気機器などの車関連製品と、スノーボード用品を中心としたアウトドア・レジャー・スポーツ関連製品の製造・販売を行っています。同社グループの事業は、主に製品の販売から収益を得るモデルとなっています。
車関連事業
車用品、運搬架台・タイヤ滑止、ケミカル類、電子・電気機器の各部門の製品を製造・販売しており、同社グループの主力事業となっています。収益は、車用小物類、チャイルドシート、ルーフキャリア、非金属タイヤチェーン、芳香剤、消臭剤、ドライブレコーダー、リモコンエンジンスターターなどの製品販売から得ています。運営は、海外現地法人であるCar Mate USA,Inc.(米国)が販売を、快美特汽車精品(深セン)有限公司(中国)が主に製造を、カーメイト物流が物流業務を担っています。当期はケミカル類部門は増収となったものの、チャイルドシート類やドライブレコーダーの減収により、セグメント全体の売上高は前期から減少しました。
アウトドア・レジャー・スポーツ関連事業
スノーボード関連製品を中心としたスポーツ用品の製造・販売、および自転車関連商品の販売を行っています。収益は、FLUXブランドのバインディング等のスノーボード関連用品や自転車関連用品の販売から得ています。運営は、快美特汽車精品(深セン)有限公司が一部製品の製造・販売を、カーメイト物流が一部製品の物流業務を担っています。当期は主力のスノーボード関連製品が増収となり、セグメント全体の売上高は前期から増加しました。
同社グループの売上高は日本とその他地域で構成されており、海外での事業展開も行っています。主要な顧客としては、株式会社オートバックスセブン、アマゾンジャパン合同会社、株式会社イエローハットへの販売実績が挙げられます。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 車関連事業 | 140億円 | 129億円 |
| アウトドア・レジャー・スポーツ関連事業 | 15.0億円 | 17.1億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動しながらも直近の当期は減少傾向を示しています。経常利益は前期から大きく増加し、親会社株主に帰属する当期純利益も前期の損失から当期は黒字に転換しました。当期は特別損失として減損損失を計上しているものの、営業利益は前期から大幅に増加しており、本業の収益性が改善していることがうかがえます。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 159億円 | 166億円 | 160億円 | 155億円 | 146億円 |
| 経常利益 | 14.1億円 | 5.9億円 | 3.2億円 | 3.8億円 | 6.5億円 |
| 経常利益率 | 8.9% | 3.5% | 2.0% | 2.4% | 4.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 9.7億円 | 3.6億円 | 2.1億円 | △3.3億円 | 2.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 138.06 | 51.30 | 30.12 | △47.08 | 39.86 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から当期にかけて減少しています。一方で、従業員1人あたりの営業利益は前期から大きく増加しており、組織全体の収益性が向上している傾向が見られます。これは、売上高が減少する中でも、原価率の改善や販売費及び一般管理費の減少などにより、効率的な事業運営が進んだことを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 23.6百万円 | 22.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.5百万円 | 0.9百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で得た資金を将来に向けた投資に充てている状況です。これにより、事業の成長を追求していることが示されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率はプライム市場の製造業平均を大きく上回る水準にあります。手元資金も潤沢であり、財務基盤の安定性が示されています。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っています。これらの状況は、同社が安定した経営基盤を維持しつつ、収益性の向上に取り組んでいることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 148億円 | 152億円 |
| 自己資本比率 | 73.0% | 75.2% |
| ROE(自己資本利益率) | -2.2% | 1.9% |
| 現金及び預金 | 107億円 | 111億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上、減価償却費や減損損失の増加、棚卸資産の減少などによりプラスとなりました。しかし、前年同期に比べると減少しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入や有形固定資産の取得による支出が主な要因となり、マイナス幅が拡大しました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや社債の償還による支出が主な要因で、マイナスとなっています。これらの結果、フリーキャッシュ・フローはマイナスに転じています。
本業で得た資金を投資に充てている状況であり、事業の成長に向けた投資を積極的に行っていることが示されています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 14.5億円 | 8.7億円 |
| 投資CF | △8.1億円 | △10.9億円 |
| 財務CF | △3.6億円 | △3.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 6.4億円 | △2.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、売上高が冬季製品に偏重し、降雪量によって業績が影響を受ける季節的変動のリスクがあります。また、株式会社オートバックスセブンと株式会社イエローハットの2社への販売依存度が高い状況です。原材料の約45%を海外から調達しており、為替相場の急激な変動が経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
カーメイトは「CREATE―創造―」を企業理念に掲げ、快適なカーライフを通じて豊かな社会の実現を目指しています。安全・安心なモノづくりとサステナビリティを重視する企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、創業以来「CREATE―創造―」を企業理念としています。快適なカーライフを通じて豊かで幸せな社会を実現するため、社会に貢献できるモノづくりを目指しています。
お客様に納得・満足してもらえる、環境に配慮した「安全・安心なモノづくり」を追求しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、企業価値の増大を図ることを行動指針としています。株主や取引先など、同社に関係するすべての人々の信頼と期待に応えることを重視しています。
また、中長期的な企業価値向上のため、サステナビリティに関する課題への対応を重要視しています。経営理念には「ESG企業として地球環境に貢献」、行動指針には「社会に省資源とCO2削減で貢献する」という項目を掲げています。
同社事業所ではISO14001の認証を取得し、持続可能な社会づくりに貢献する事業活動を推進しています。働きがいを感じられる社内環境の整備や、多様性を尊重した人材の採用・育成・登用にも努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、新製品・新サービスの市場導入強化を継続的な課題として認識しています。安全・安心なモノづくりやサステナビリティの強化にも取り組んでいます。
海外市場への積極的な展開による輸出の増加、新規チャネル・新規顧客の開拓、新ビジネスモデルへの取り組みも重点テーマです。気候変動への対応として、製品パッケージのプラスチック使用量をモニタリングし、リサイクルが容易な紙へのシフトを推進しています。
社有車の低公害車への切替えや事業所の照明のLED化、空調設備の省電力機器への切替えなど、CO2排出削減にも努めています。人的資本と多様性の観点からは、有給休暇取得推進と残業時間削減、業務に必要なスキルの維持・向上のための各種資格取得推奨と費用補助制度を設けています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
カーメイトは、取締役が執行役員を兼務し、現場・現物主義に基づいた業務執行と意思決定を行っています。経営の効率性・透明性向上のため、取締役会での経営監視機能と社外取締役による牽制体制を整えています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
カーメイトの筆頭株主は有限会社エム・テイ興産です。大株主には創業家とみられる個人名が複数含まれており、関連会社を通じて経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。また、従業員持株会も上位株主の一角を占めています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 有限会社エム・テイ興産 | 45.94% |
| USBK NA JP I&W TS (常任代理人三菱UFJ銀行) | 7.19% |
| みずほ銀行 | 4.62% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
カーメイトの役員は12名(男性12名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長執行役員は徳田勝氏が務めています。社外取締役比率は22.2%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 徳田 勝 | 代表取締役社長執行役員経営全般品質保証担当全社技術部門担当 | 2003年4月同社入社、2007年3月同社技術研究所長、2010年6月同社取締役技術研究所長、2017年4月同社取締役兼副社長執行役員、2019年6月同社代表取締役社長執行役員より現職。 |
| 村田 隆昭 | 代表取締役会長 | 1966年6月カーメイト設立代表取締役社長、2003年6月同社代表取締役会長兼社長CEO、2019年6月同社代表取締役会長より現職。 |
| 赤羽 道明 | 取締役兼専務執行役員中国事業担当 | 1994年4月同社入社、2018年2月株式会社オールライフメイト代表取締役、2019年6月同社取締役兼専務執行役員中国事業担当より現職。 |
| 井上 満 | 取締役兼常務執行役員国内営業統括部統括部長 | 1979年3月同社入社、2010年7月同社執行役員国内営業統括副部長、2015年6月同社取締役兼執行役員、2017年4月同社取締役兼常務執行役員より現職。 |
| 長崎 良夫 | 取締役兼常務執行役員商品開発全般新規事業開発担当 | 1985年4月同社入社、2008年6月同社執行役員アイ・カンパニーゼネラルマネージャー、2013年6月同社取締役兼執行役員、2017年4月同社取締役兼常務執行役員より現職。 |
| 打江 佳典 | 取締役兼常務執行役員エールベベカンパニー担当FLUXカンパニー担当 | 1990年3月同社入社、2017年4月同社執行役員Eスポーツカンパニーゼネラルマネージャー、2019年6月同社取締役兼常務執行役員より現職。 |
| 真子 義邦 | 取締役兼常務執行役員LIFEデザインラボ担当ケミカル類生産・技術担当 | 1991年9月同社入社、2014年6月同社執行役員、2018年6月同社上席執行役員、2020年6月同社取締役兼常務執行役員より現職。 |
社外取締役は、谷口彬雄氏(信州大学名誉教授)、本橋智明氏(アプトシステムズ取締役)です。
カーメイトは監査役会設置会社です。社外取締役は独立した立場で経営監視機能を果たし、コーポレートガバナンス体制の強化と経営の透明性向上に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
カーメイトの役員報酬は、株主総会で定められた報酬総額の範囲内で、経営内容や従業員給与とのバランスを考慮して決定されます。各役員の役位、職務、職責、会社業績への貢献度を総合的に勘案し、月例金銭報酬として支払われる仕組みです。賞与等の業績連動報酬や非金銭報酬は設定されていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 7名 | 1.8億円 | 25.4百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 15百万円 | 14.5百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 25百万円 | 6.3百万円 |
上記のほか、社外監査役が同社子会社から当事業年度の監査役として受けた報酬額は4,200千円です。退職慰労金の額は役員退職慰労引当金の当期増加額となっています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。