※本記事は、株式会社テイン の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
テインは、子会社8社および持分法適用関連会社2社で構成される同社グループとして、自動車用サスペンション製品の開発、製造、販売を主な事業内容としています。国内での開発を中心に、国内外の工場で製造を行い、グローバルに販売を展開しています。
単体従業員数は82名、連結従業員数は398名です。セグメントは自動車用サスペンションの製造・販売事業の1つです。
国内においてはテインが開発から小売店等を通じた販売までを一手に担い、海外8社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。
なお、2025年11月にはタイに自動車部品および用品の生産工場であるTEIN Manufacturing(Thailand),Co.,Ltd.を新設しましたが、当連結会計年度末時点では事業活動を開始していません。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
テインは、自動車用サスペンションの製造・販売を主軸とする企業です。従業員の平均勤続年数や平均年齢から、長期的なキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、安定して働き続けられる環境が整っていると考えられます。経験豊富な人材が多数在籍し、知識や技術の継承が活発に行われている傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,054,000円 |
| 平均勤続年数 | 16.0年 |
| 平均年齢 | 45.7歳 |
| 単体従業員数 | 82人 |
| 連結従業員数 | 398人 |
| 単体のグループ内比率 | 20.6% |
同社グループは確定給付型の制度として退職一時金制度を採用しています。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、たゆまぬ研鑽と先端を目指した技術力でドライビングプレジャーを創造し、多様化する顧客ニーズに応えることを経営理念としています。この実現に向け、人的資本に関する取り組みを取締役会や経営企画会議で適宜報告し、人材育成や多様性の確保、労働環境整備に注力しています。
報酬制度においては、従業員の生活基盤の安定と成果に対する適切な報奨の両立を基本方針としています。物価動向や社会的要請、財政状態を総合的に考慮し、継続的な賃上げを実施しています。また、業績連動賞与は連結営業利益を主要な原資指標とし、企業業績の成果を適切に還元する仕組みを構築しています。
中長期的な成長に向けては多様性の確保を推進しており、性別を問わず誰もが活躍できる労働環境の整備や新卒採用の強化を通じて人材基盤を構築する方針です。人材確保の難化、技能伝承不足、従業員エンゲージメントの低下といったリスクに対しては、採用活動の強化、教育研修の充実、労働環境整備を通じてリスク低減に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、公表義務の対象ではないため記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 15.0% |
多様性・登用
これらの取り組みは提出会社において実施しているものであり、連結グループに属する全ての会社において同様の取り組みが行われているものではありません。そのため、以下に記載する指標は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものとしています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 役員に占める女性の割合 | 12.5% |
| 管理職に占める女性の割合 | 15.0% |
育児・介護支援
これらの取り組みは提出会社において実施しているものであり、連結グループに属する全ての会社において同様の取り組みが行われているものではありません。そのため、以下に記載する指標は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものとしています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性育児休業対象者数 | 1名 |
| 男性育児休業取得者数 | 1名 |
| 女性育児休業対象者数 | 0名 |
| 女性育児休業取得者数 | 0名 |
人材育成・エンゲージメント
これらの取り組みは提出会社において実施しているものであり、連結グループに属する全ての会社において同様の取り組みが行われているものではありません。そのため、以下に記載する指標は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものとしています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 有給休暇取得率(目標) | 60.0% |
| 有給休暇取得率(実績) | 66.6% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
テインは、自動車用サスペンション製品の開発、製造、販売を主な事業内容としています。同社グループは、国内と海外に拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、自動車用サスペンションの製造・販売事業の単一セグメントで事業を展開しています。開発は主に日本国内で行われ、製造は国内工場と中国工場で行われています。販売は日本国内の小売店等を通じて行われるほか、北米、欧州、中国・香港、タイ、その他のアジア・オセアニア地域にも子会社を通じて製品を供給しています。
中国工場では主にアジア地域のエントリーユーザー向け製品を生産し、国内工場との間で役割分担を図っています。また、海外からの製品用資材や消耗品等の調達も中国を中心にアジア地域で行い、調達の合理化や原価低減を推進しています。同社グループはカーアフターマーケットにおいて、展示会や試乗会への積極的な参加、適合車種の迅速な展開を通じて、海外市場の開拓と販売力強化に注力しています。
グローバルマーケットへのブランド浸透に加え、特定の製品シリーズの訴求強化や、市場ニーズの高い商品開発にも力を入れています。売上高は日本国内やタイで好調に推移した一方で、中国地域では経済停滞の影響が見られました。為替変動が経常利益に影響を与えるなど、海外事業の比率が高いことから為替リスクを抱えている状況です。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、直近5年間で売上高が概ね増加傾向を示しています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、期間中に変動が見られるものの、直近の連結会計年度では増加に転じています。特に当連結会計年度においては、売上高、経常利益、親会社株属する当期純利益のいずれも前期から増加しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 49.7億円 | 52.4億円 | 48.7億円 | 53.4億円 | 55.9億円 |
| 経常利益 | 9.9億円 | 6.6億円 | 6.7億円 | 3.9億円 | 4.6億円 |
| 経常利益率 | 19.9% | 12.6% | 13.7% | 7.3% | 8.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 7.5億円 | 5.6億円 | 4.7億円 | 2.5億円 | 3.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 72.34 | 54.09 | 45.12 | 24.66 | 33.97 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期と比較して増加しています。これは、従業員一人ひとりの売上貢献度が高まっている傾向を示しています。
一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から減少しています。このことは、売上高の増加に対して、営業利益の伸びが追いついていない状況を示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 13.4百万円 | 14.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.9百万円 | 0.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動による資金創出と投資活動のバランスから、安定した基盤を築いていることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって強固な状態を示しています。当期の自己資本比率は76.0%であり、プライム市場の製造業平均と比較しても高い水準にあります。これにより、外部環境の変化に対する耐性が高く、安定した事業運営が期待できる財務状況です。
また、ROE(自己資本利益率)は当期で5.2%となっており、前期の3.9%から改善傾向を示しています。プライム市場平均と比較すると改善の余地があるものの、収益性の向上が見られます。手元資金である現金及び預金も当期で16.3億円と増加しており、事業活動に必要な資金を十分に確保している状況です。これらの財務状況は、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 62.0億円 | 67.3億円 |
| 自己資本比率 | 77.0% | 76.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.9% | 5.2% |
| 現金及び預金 | 12.7億円 | 16.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、それを成長投資に充てている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは当期で8.4億円のプラスとなり、前期の6.9億円から増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは当期で△5.2億円のマイナスとなっており、前期の△2.7億円から支出が増加しています。これは主に有形固定資産の取得による支出によるもので、将来に向けた積極的な投資が行われていることがうかがえます。財務活動によるキャッシュフローは当期で△0.8億円のマイナスとなり、前期の△5.6億円から支出が減少しました。これは主に長期借入金の返済によるものです。
これらの結果、フリーキャッシュフローは当期で3.2億円のプラスとなっており、本業で生み出した資金で投資を賄い、なお余剰資金がある優良な状態です。この安定した資金の流れは、事業の持続的な成長と従業員の雇用・給与の安定性につながる基盤となります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 6.9億円 | 8.4億円 |
| 投資CF | △2.7億円 | △5.2億円 |
| 財務CF | △5.6億円 | △0.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 4.2億円 | 3.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、自動車用サスペンションの開発、製造、販売という単一セグメント事業を展開しており、カーアフターマーケットにおけるユーザーニーズの変化や販売競争の激化が業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外に所在する連結子会社が含まれるため、為替レートの変動が業績および財務状況に影響を与えるリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループはグローバル規模での事業拡大を図る上で、国内外での優秀な人材および良質な労働力の確保が不可欠であると認識しています。求める人材の確保や育成が計画通りに進捗しない場合、今後の事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
テインは、カーアフターマーケット向けサスペンションの専門メーカーとして、世界戦略に相応しい品質と性能、価格の製品づくりを目指しています。お客様の満足度向上と豊かな社会への貢献を重視し、持続可能な社会の実現に向けてガバナンス体制の充実にも取り組んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「たゆまぬ研鑚と先端を目指した技術力でドライビングプレジャーを創造し、多様化するお客様のニーズに応え、より豊かな社会に貢献する」ことを経営理念としています。カーアフターマーケット向けサスペンションの専門メーカーとして、「世界戦略に相応した品質、性能、価格の製品を作り上げ、カーアフターマーケット、プレミアム・リプレースメント市場におけるサスペンション事業」の確立を長期経営ビジョンに掲げています。
このビジョンを実現するため、「ROA重視の経営」「セイフティー、ハイクオリティー、リーズナブルプライス」の商品製造、ユーザーニーズへの対応、客観的データに基づく判断を基本経営方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、事業効率を重視する「ROA(総資産利益率)重視の経営」を基本経営方針の一つとして掲げています。また、「セイフティー、ハイクオリティー、リーズナブルプライス」の商品を製造し、新たな市場を創造することを目指しています。
ユーザーの欲するものを、欲するときに、必要なだけ提供することや、客観的データに基づいて判断することも重視しています。経営戦略においては、販売力、研究開発力、コスト削減力、品質力、総合力の5つの力を強化することで、強固な経営基盤の構築を目指しています。
ガバナンスにおいては、意思決定の透明性、公正性、即時性を持ち、企業規模に則した経営管理組織の構築を重視しています。人的資本については、多様性の確保を推進し、性別を問わず誰もが活躍できる労働環境の整備や新卒採用の強化を通じて、人材基盤の構築を図っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、グローバルマーケットにおけるブランド力の強化と販売網の拡充を重点テーマとしています。特にアジア地域では、現地パートナーとの合弁販売会社設立を通じて、現地販売体制の整備とブランド認知の向上を図り、中長期的な成長基盤の構築を進めています。
また、内製化の推進や柔軟な生産体制の強化により、外部環境の変化に強い事業構造の構築を目指しています。人的資本に関しては、人材確保の難化、技能伝承不足、従業員エンゲージメントの低下を重要なリスクと認識しています。これらのリスクに対し、採用活動の強化、教育研修の充実、労働環境整備等を通じて、リスク低減に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、社外取締役を含む取締役で構成される取締役会と、社外監査役で構成される監査役会を設置しており、透明性と公正性を重視した経営体制を構築しています。企業規模に即した経営管理組織を通じて、意思決定の透明性、公正性、即時性を確保しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社は、筆頭株主であるイチノホールディングスをはじめ、代表取締役社長の市野氏、専務取締役の藤本氏など、創業家や現経営陣が上位株主として名を連ねています。これにより、特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| イチノホールディングス | 37.34% |
| 市野 諮 | 14.02% |
| 藤本 吉郎 | 10.61% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は市野諮氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 市野 諮 | 代表取締役社長 | 1979年4月有限会社松本自動車用品入社、1985年2月同社入社、同社代表取締役社長より現職。 |
| 藤本 吉郎 | 専務取締役 | 1982年4月新日本鋼球株式会社入社、1985年8月同社入社。TEIN U.S.A.,INC.取締役社長、天御減振器制造(江蘇)有限公司董事長、TEIN Europe Sp.z o.o.取締役社長などを歴任し、2021年6月同社専務取締役より現職。 |
| 古林 泰 | 専務取締役 | 2003年7月日本アイリッヒ株式会社入社、2005年1月同社入社。海外営業担当執行役員などを経て、2019年6月同社専務取締役より現職。 |
社外取締役は、武井共夫氏(市民総合法律事務所所長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会には社外取締役が参加し、客観的な視点から経営の監督機能を強化しています。監査役会も社外監査役で構成され、経営活動の健全化を支援しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、役員報酬について固定報酬と退職慰労金で構成されており、業績連動報酬や非金銭報酬は導入していません。報酬額は、役位や職責、在任期間などを総合的に考慮し、企業価値向上への意欲を高めることを目的としています。社外役員に対しては、業務執行から独立した立場を尊重し、一定の金額を設定しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.1億円 | 21.8百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 23百万円 | 3.9百万円 |
なお、人数および総額には、事業年度中に退任した取締役3名が含まれています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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