【平均年収642万円】カネミツ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収642万円】カネミツ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

カネミツは、自動車や農業機械向けの鋼板製プーリを主軸に、塑性加工技術を活かしたトランスミッション部品やロボット部品などをグループ各社とともに展開しています。日本、東南アジア、中国に事業を展開し、直近の業績は売上高が微減ながら利益は大きく伸びました。


目次

※本記事は、株式会社カネミツ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、自動車、農業機械、一般機械用の鋼板製プーリの設計、開発、製造、販売を主軸事業としています。プーリで培った塑性加工技術を活かし、トランスミッション部品、xEV部品、EPS部品、ロボット部品など多岐にわたる製品を展開しています。

単体従業員数は218名、連結従業員数は569名です。セグメントは日本、東南アジア、中国の3つです。

主な国内グループ会社は、松本精工(自動車用電装部品等の製造加工)、津村製作所、キーネクストなどです。

同社グループは、自動車の電動化によるプーリ需要減少に対応し、第10次中期経営計画でロボット部品事業を新たな事業の柱と位置付け、事業ポートフォリオの推進に取り組んでいます。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


株式会社カネミツは、自動車業界の電動化シフトに対応し、新しい事業創出に挑戦する中で、人材育成と働き方の多様化を重視しています。従業員の定着を促しつつ、リスキリングやAI活用を通じて個人の能力向上と業務効率化を図る方針が示されています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が長く、従業員の定着性が高い傾向が見られます。経験豊富な人材が安定して活躍できる環境がうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,424,000円
平均勤続年数 18.0年
平均年齢 42.8歳
単体従業員数 218人
連結従業員数 569人
単体のグループ内比率 38.3%


同社および一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出型の両制度を採用しています。退職一時金制度もあります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、第10次中期経営計画において「ひとづくり」を主要施策の一つとして掲げています。事業戦略と人事戦略を連動させ、必要な人材の確保とグループ全体の人の能力の統合管理を進める方針です。従業員の給与その他の給付の額及び内容については、社内規程に明記されているルールに基づき決定されています。

自動車のEV化へのシフトなど電動化が加速する中で、EV用部品開発や拡販、新しい事業創出にチャレンジしています。これらを念頭に、リスキリングやアップスキリングによる能力向上、AI活用による業務工数低減を図っています。教育制度の見直しでは、階層別・テーマ別教育やジョブローテーション等の既存制度を活用し、学びと挑戦が根付く制度を構築しています。

働き方の多様化への適応として、エンゲージメント向上を目的に評価・処遇制度を再構築する計画です。ITリテラシー教育とAIの有効活用により定型業務の効率化を推進し、創造的業務を中心とした働き方へのシフトを目指しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データを示します。連結子会社は公表義務の対象外のため、記載を省略しています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 11.1%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 71.4%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 78.2%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 51.0%

人材育成・エンゲージメント


提出会社単体の数値です。

指標 数値
役員および管理監督者に占める女性労働者の割合 21.0%
社員満足度(ES) 49.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


カネミツは、自動車、農業機械、一般機械向けの鋼板製プーリの設計、開発、製造、販売を主軸とする企業です。長年培ってきた塑性加工技術を応用し、電動車部品やロボット部品といった新たな分野にも事業を拡大しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


カネミツグループは、自動車、農業機械、一般機械用の鋼板製プーリの設計、開発、製造、販売を主な事業としています。独自開発の回転成形法による高精度・軽量化・低コストなプーリを国内自動車会社や主要部品会社に供給し、海外グループ会社を通じてアジア地域にも展開しています。主力製品であるプーリは、自動車エンジンのウォーターポンプ、クランクシャフト、オルタネータ、パワーステアリング等に装着されています。農業機械及び一般機械へも供給を行っています。

培われた塑性加工技術は、トランスミッション部品、xEV部品、EPS部品、そしてロボット部品にも応用されており、ロボット部品はプーリに続く未来を支える事業として位置付けられています。同社グループの事業は「日本」「東南アジア」「中国」の3つの地域別セグメントで構成されています。

日本

日本セグメントでは、プーリを中心に自動車部品等を生産・販売しています。収益は、主に国内の顧客への製品販売から得ています。運営は、カネミツ、松本精工、津村製作所が行っています。

東南アジア

東南アジアセグメントでは、プーリを中心に自動車部品等を生産・販売しています。収益は、主に東南アジア地域の顧客への製品販売から得ています。運営は、KANEMITSU PULLEY CO., LTD.、PT. KANEMITSU SGS INDONESIAが行っています。

中国

中国セグメントでは、プーリを中心に自動車部品等を生産・販売しています。収益は、主に中国地域の顧客への製品販売から得ています。運営は、佛山金光汽車零部件有限公司が行っています。

同社グループは、タイでの国内自動車販売低迷や中国での日系自動車販売低迷による売上減少の影響を受けつつも、中国でのプーリ外製品の受注伸長や国内でのトランスミッション部品等の拡大により、売上高の減少を抑えています。特定の顧客としては、株式会社アイシンへの売上高が全体の約2割を占めています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
日本 81.6億円 81.3億円
東南アジア 21.4億円 20.9億円
中国 8.2億円 8.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


カネミツグループの過去5期間の業績は、売上高が概ね横ばいで推移する中で、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は着実に増加傾向を示しています。特に直近の当連結会計年度では、売上高は微減となったものの、生産性改善などにより各段階利益が大きく伸びています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 87.6億円 100億円 111億円 111億円 110億円
経常利益 2.4億円 4.9億円 6.7億円 8.1億円 9.4億円
経常利益率 2.7% 4.9% 6.1% 7.3% 8.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 1.6億円 5.4億円 6.3億円 5.4億円 7.4億円
1株当たり当期純利益(円) 32.02 105.22 123.65 105.72 145.30

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


カネミツの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけてわずかに増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から当期にかけて増加しており、同社グループ全体の生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、組織の効率化や収益性の向上を示唆しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 19.3百万円 19.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.3百万円 1.5百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務基盤は、事業活動で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いつつ、手元資金を確保している状況です。これにより、安定した経営基盤を築いていることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場平均と比較して高い水準にあり、安定した経営を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、手元資金である現金及び預金は増加傾向にあり、不測の事態への耐性も備えていることがうかがえます。このような財務状況は、長期的な雇用や給与の安定性につながる基盤となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 117億円 127億円
自己資本比率 71.3% 77.2%
ROE(自己資本利益率) 4.9% 6.2%
現金及び預金 41.4億円 50.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが前期から増加し、安定的に資金を生み出している状況です。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出などにより資金を使用していますが、その使用額は前期よりも減少しています。これにより、事業活動で得た資金が投資活動を上回り、自由に使える資金であるフリーキャッシュフローは前期から大きく増加しています。

財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の純減少額や長期借入金の返済による支出などにより資金を使用しており、マイナス幅が拡大しています。これらの状況は、同社グループが本業で安定した収益力を持ち、将来に向けた投資も行いつつ、財務的な健全性を保っていることを示しており、長期的な雇用や給与の安定性、そして事業の成長性につながるものと考えられます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 16.5億円 21.2億円
投資CF △10.4億円 △6.1億円
財務CF △8.0億円 △9.7億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 6.1億円 15.1億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループの主力製品は自動車用部品であり、自動車業界の需要動向や電動化の動向が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外売上高の比率が26.4%であるため、為替変動も経営成績及び財務状況に影響を与えるリスクとして認識されています。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループは、大規模な自然災害や地域紛争等が発生した場合、従業員の安全確保や営業活動に支障が生じるリスクを認識しており、必要な対策を行っています。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


カネミツグループは、独自の技術を追求し、社会貢献を目指す企業です。技術開発を経営の核に据え、環境変化に対応しながら持続的な成長を目指す価値観を持っています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


カネミツグループは、「カネミツは技術を尊び技術でOnly-Oneを目指す」「カネミツはOnly-One技術で安全と環境に貢献する」を経営理念としています。創業以来、技術開発志向の経営を推進し、独自の塑性加工技術を活かしたオンリーワン製品の商品化に取り組んできました。自動車用鋼板製プーリなどの製品を通じて自動車業界の発展に貢献し、企業倫理を遵守することで、全てのステークホルダーにとって存在価値のある企業を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


カネミツグループは、企業倫理を遵守し社会的責任を果たすことを重視しています。ステークホルダーにとって存在価値のある企業を目指しています。

サステナビリティ方針としてカーボンニュートラルを掲げ、環境問題への取り組みを強力に進めています。自動車の電動化へのシフトに対応するため、EV用部品開発や新規事業創出にチャレンジしています。

人材戦略では、必要な人材の確保とAIの活用、教育制度の見直し、働き方の多様化への適応を主要施策としています。学びと挑戦が根付く教育制度の構築、創造的業務へのシフトを推進しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


カネミツグループが優先的に対処すべき課題として、第10次中期経営計画において「ひとづくり」と「全社共通で取り組む課題」を挙げています。

具体的には、「ひとづくり」において、必要な人材の確保とAIの活用、教育制度の見直し、働き方の多様化への適応に取り組んでいます。

また、「全社共通で取り組む課題」として、新規事業開発組織の整備と情報セキュリティの継続的な強化を推進しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


カネミツは監査役会設置会社であり、経営の効率性と透明性の確保に努めています。取締役会は社外取締役を含む構成で、経営の監督機能を強化しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


カネミツの株主構成を見ると、筆頭株主は個人の金光俊明氏であり、創業家が上位株主として名を連ねています。また、大阪中小企業投資育成株式会社やカネミツ従業員持株会も主要な株主として同社を支えています。

株主名 持株比率
金光 俊明 9.28%
大阪中小企業投資育成 6.82%
カネミツ従業員持株会 6.61%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性8名・女性2名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役は金光俊明氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
金光 俊明 代表取締役 1982年4月(資)金光銅工熔接所(現カネミツ)入社、1987年2月同社取締役管理部業務課長、2009年6月同社代表取締役社長、2012年4月同社代表取締役社長執行役員より現職。
金光 秀治 取締役 1987年3月同社入社、1999年3月同社取締役営業開発部設計開発グループ課長、2008年2月同社取締役業務本部長、2021年7月同社取締役常務執行役員より現職。
藤井 直樹 取締役 1992年4月同社入社、2009年6月同社取締役新技術開発室長、2012年4月同社取締役執行役員、2021年8月同社取締役常務執行役員より現職。
山川 清日 取締役 2007年4月同社入社、2016年4月同社執行役員、2021年6月同社取締役、2024年6月同社常務執行役員より現職。


社外取締役は、竹治康公氏(神戸学院大学経済学部教授)、林隆一氏(神戸学院大学経済学部教授)、石橋正明氏(元プロネクサス常務執行役員)、廣瀨敬三氏(元モロゾフ監査等委員である取締役)、高坂佳詩子氏(弁護士法人色川法律事務所弁護士)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役3名と社外監査役2名を選任しています。これにより、外部からの客観的かつ中立的な視点を取り入れ、経営の監督機能と監視機能の強化を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


カネミツの役員報酬は、固定報酬と株式報酬で構成される体系を採用しています。報酬委員会が公正かつ適正な報酬決定に関与し、会社の業績や職務執行状況、責任を勘案して決定されています。固定報酬は月例報酬と取締役賞与、株式報酬は連結営業利益に基づき支給されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 71百万円 17.8百万円
監査役(社外除く) 1名 12百万円 12.0百万円
社外役員 5名 30百万円 6.0百万円


なお、取締役の報酬等の総額には、当事業年度に係る役員賞与として支払い予定の金額が含まれています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。