【平均年収634万円】メディキット 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収634万円】メディキット 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

メディキットは、血管・血液に関する医療機器の開発、製造、販売をグループ各社とともに国内外で展開しています。世界中のユーザーに製品を提供しており、直近期は増収減益となりました。


目次

※本記事は、メディキット株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


メディキットは、医療機器の開発、製造、販売を手がける企業です。同社グループは、主に血管・血液に関する分野の医療機器を取り扱っており、国内外のユーザーに製品を提供しています。

単体従業員数は179名、連結従業員数は994名です。同社グループの事業セグメントは単一です。

主な国内グループ会社は、東郷メディキット(医療機器の製造)、Bolt Medical(医療機器の研究・開発)などです。

メディキットグループは、2022年12月に株式会社Bolt Medicalを買収し、脳血管用誘導補助器具「Medilizer AGD システム」を2025年3月に販売開始しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


メディキットは、医療機器メーカーとして社会貢献を目指す企業です。ここでは、同社グループで働く上での給与水準や、従業員の働き方に関する具体的なデータと方針を見ていきます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が10年を超えており、従業員が長期的に勤務する傾向が見られます。平均年齢も40代前半であることから、経験豊富な人材が在籍していることが示されています。

項目 数値
平均年間給与 6,344,778円
平均勤続年数 13.7年
平均年齢 40.1歳
単体従業員数 179人
連結従業員数 994人
単体のグループ内比率 18.0%


同社グループは、従業員の退職給付制度として確定給付企業年金制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)を採用しています。この制度は同社及び国内連結子会社に適用されています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、当連結会計年度末における退職給付債務は16.5億円、年金資産は22.6億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「医療機器メーカーとして、医療を通じて社会に貢献し、共感いただける企業を目指します。」という経営理念のもと、人的資本を最重要事項の一つと位置付けています。持続的な企業発展と企業価値向上に向け、「多様な人財が活躍できる職場づくり」を重要課題としています。

給与制度は、コンピテンシー評価に基づく等級制度を基本とし、管理職には一部ジョブ型の制度を取り入れています。賞与は全社業績に連動した原資から、組織や個人の業績貢献度を考慮して決定される仕組みです。また、年度成績が特に優れた組織や個人には特別報奨も行われます。

重点テーマとして「やりがいと誇りを持てる組織風土の醸成」と「ダイバーシティ&インクルージョン」を掲げています。具体的には、人事制度の改善やキャリアコンサルティング、健康増進施策に取り組んでいます。さらに、中途採用の拡大や、性別等に関わらず活躍できる社内環境の整備を推進しています。

女性が働きやすい職場づくりにも注力しており、メディキットではフレックスタイム制の導入や各種制度の見直しを進めています。東郷メディキットでは「女性活躍推進プロジェクトチーム」を立ち上げ、女性管理職に向けた意識改革などの取り組みを推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は本記事では取得できていません。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 3.3%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 60.7%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 60.8%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 53.4%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 東郷メディキット

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 0.0%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


メディキットは、医療機器の開発、製造、販売を手掛ける企業グループです。主に血管・血液に関する分野の製品を提供し、国内外の医療現場を支えています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


メディキットグループは、メディキットと同社の連結子会社4社で構成されており、医療機器の製造・販売を主な事業としています。製造は連結子会社である東郷メディキット、Medikit Vietnam Co.,Ltd.が担当し、メディキットがこれらの製品を仕入れて国内外のユーザーに販売する体制です。

同社グループは、人工透析類、静脈留置針類、インターベンション類の3つの主要な品目を取り扱っています。人工透析類では、慢性腎不全の血液透析時に使用する「ハッピーキャス」などの人工透析用留置針を中心に製造・販売しています。

静脈留置針類では、輸血や輸液などに使用する針を製造・販売しており、誤刺防止機能付きの「スーパーキャス」シリーズなど、安全に配慮した製品の開発・販売に注力しています。インターベンション類では、血管造影や血管内治療に用いられるシースイントロデューサーやカテーテルなどの製造・販売を行っています。

当連結会計年度の品目別売上高を見ると、静脈留置針類が前年同期比で増加し、インターベンション類も増加しています。一方で人工透析類は減少しています。

同社グループは単一セグメントで事業を展開していますが、海外での販売にも注力しています。当連結会計年度の売上高は、日本国内が約195億円、海外が約42億円となっており、海外売上高は前年同期から増加しています。北米をはじめとする世界的な需要の高まりを捉え、静脈留置針類を中心に海外販売の拡大に取り組んでいます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


メディキットグループの過去5期間の業績推移を見ると、売上高は一貫して増加傾向にあります。当連結会計年度の売上高は前年同期比で増加し、堅調な成長を示しています。一方で、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度において前年同期からわずかに減少しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 201億円 216億円 219億円 226億円 238億円
経常利益 45.5億円 41.8億円 47.8億円 46.6億円 44.8億円
経常利益率 22.6% 19.3% 21.9% 20.7% 18.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 29.9億円 28.6億円 30.7億円 30.1億円 30.1億円
1株当たり当期純利益(円) 178.14 170.67 187.95 204.55 206.37

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


メディキットグループの従業員1人あたりの売上高は、当連結会計年度において前期から増加しています。これは、同社グループ全体の売上高が伸びる中で、従業員一人ひとりの貢献度が高まっていることを示唆しています。

一方、従業員1人あたりの営業利益は、当連結会計年度において前期から減少しています。これは、売上高は増加したものの、設備投資に伴う減価償却費の増加などの影響により、営業利益が減少したことが要因と考えられます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 22.8百万円 23.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.5百万円 4.3百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


財務基盤の厚みとキャッシュフローの状況から、同社グループの経営の安定性について見ていきます。本業で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資を適切に行っているかを確認することは、入社後の安定性や成長性を判断する上で重要です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は87.8%となっており、プライム市場上場製造業の平均と比較して高い水準を示しています。手元資金である現金及び預金も210億円あり、財務基盤は厚い状態です。一方で、ROE(自己資本利益率)は6.5%であり、プライム市場平均と比較すると低い水準となっています。これらの財務状況は、同社グループが安定した事業運営を継続する上での基盤となっていると言えます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 452億円 468億円
自己資本比率 86.1% 87.8%
ROE(自己資本利益率) 6.8% 6.5%
現金及び預金 216億円 210億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に47.3億円のプラスとなり、前期から増加しています。これは税金等調整前当期純利益の計上などが主な要因です。投資活動によるキャッシュフローは、定期預金の払戻による収入があった一方で、定期預金の預入や有形固定資産の取得による支出があり、当期は△12.9億円の支出となりましたが、前期に比べて使用した資金は減少しています。

財務活動によるキャッシュフローは、自己株式の取得や配当金の支払いにより△18.2億円の資金が流出しており、前期に比べて使用した資金は減少しています。その結果、フリーキャッシュフローは当期に34.4億円のプラスとなっており、本業で稼いだ資金が投資を上回る状況です。このキャッシュフローの状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資余力も確保していることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 35.6億円 47.3億円
投資CF △38.7億円 △12.9億円
財務CF △18.8億円 △18.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △3.1億円 34.4億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

日本国内の医療制度改革の一環として、特定保険医療材料の償還価格の改定が定期的に実施されており、これに連動する製品価格の低下が同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、同社グループは人工透析類、静脈留置針類、インターベンション類という3つの品目の製品を提供していますが、各品目とも主力製品が高い比率を占めています。このため、主力製品が過度な価格競争に巻き込まれたり、陳腐化したりする場合には、事業及び業績が影響を受ける可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


メディキットは、医療機器メーカーとして社会貢献を目指し、信頼と共感を大切にする企業です。医療を通じて社会に貢献し、世界中の医療従事者から信頼される企業を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「経営理念」、「ビジョン」、「行動指針」を経営の基本方針としています。経営理念は「医療機器メーカーとして、医療を通じて社会に貢献し、共感いただける企業を目指します」と掲げています。

ビジョンとしては、「信頼と共感」を世界の医療従事者の方々から獲得すべく、安全性・有効性に優れた日本発の医療機器を普及させることを目指しています。健全な企業の発展と企業価値の向上に努め、株主や医療関係者からの信頼を高める方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、「創造・迅速・確実」を行動指針のモットーとしています。高品質の製品・サービスを提供し、日々進歩する医療現場のために有益な提案を実行することを重視しています。

短中長期の経営戦略における重要な検討課題として、「医療を通じた社会への貢献」「多様な人財が活躍できる職場づくり」「経営基盤の強化」「環境負荷の低減」「地域社会への貢献」の5つの「マテリアリティ(重要課題)」を特定しています。

特に「多様な人財が活躍できる職場づくり」を重視しており、メディキットでは女性が働きやすい職場づくりに向けたフレックスタイム制の導入などに取り組んでいます。連結子会社の東郷メディキットでも「女性活躍推進プロジェクトチーム」を立ち上げ、女性管理職に向けた意識改革などを推進しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、医療機器メーカーとして安全性をすべての土台としつつ、成長性と収益性の向上に取り組んでいます。

短中長期の経営戦略における重要な検討課題として、5つの「マテリアリティ(重要課題)」を特定しています。これらには「医療を通じた社会への貢献」「多様な人財が活躍できる職場づくり」「経営基盤の強化」「環境負荷の低減」「地域社会への貢献」が含まれます。

同社グループは、各マテリアリティの取り組みを推進し、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、企業価値の向上に努める方針です。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


メディキットは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を中心に企業統治体制を構築しています。経営環境の変化に対応し、迅速な意思決定とコンプライアンス遵守を重視した経営を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


メディキットの株主構成を見ると、筆頭株主はナカジマコーポレーションであり、同社グループの資本構成において重要な位置を占めていることがうかがえます。また、複数の海外機関投資家や、中島氏個人、関連財団も上位株主として名を連ねています。特定の企業や個人が上位に位置し、経営に一定の影響力を持つ構造となっています。

株主名 持株比率
ナカジマコーポレーション 40.69%
GOLDMAN,SACHS & CO.REG 9.68%
NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE FIDELITY FUNDS 6.22%
GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL 6.16%
一般財団法人中島育英奨学会 4.14%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.0%です。代表取締役社長は景山洋二氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
景山 洋二 代表取締役社長 1986年同社入社。執行役員営業部長などを経て、2009年6月取締役、2010年6月常務取締役。2021年6月より代表取締役社長に現職。
中島 崇 取締役副社長 管理部門担当 1995年同社入社。東郷メディキット取締役、経営企画室担当部長などを経て、2010年6月取締役。2021年6月より取締役副社長管理部門担当に現職。
中島 史博 取締役 経営企画担当 営業管理部担当 薬事/教育担当 朝日生命保険相互会社、東京海上火災保険株式会社を経て、2017年7月同社入社。執行役員経営企画室担当部長。2019年6月取締役。2025年6月より取締役経営企画担当営業管理部担当薬事/教育担当に現職。


社外取締役は、吉田安幸氏(元旭化成顧問)、大瀧敦子氏(石本哲敏法律事務所パートナー弁護士)、入江敏之氏(筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター・放射線科教授)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が企業統治の中核を担っています。社外取締役は、社外の独立した立場から経営を監督し、内部監査室や監査役監査の結果も踏まえて意見を述べる役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


メディキットの役員報酬は、金銭による月例の固定報酬と、非金銭報酬としての譲渡制限付株式報酬を組み合わせています。社外取締役および監査役には金銭による固定報酬のみが支給される仕組みです。譲渡制限付株式報酬は、企業価値の持続的な向上と株主との価値共有を目的としています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 67百万円 16.8百万円
監査役(社外除く) 1名 7百万円 7.3百万円
社外役員 5名 17百万円 3.4百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。