※本記事は、盟和産業株式会社 の有価証券報告書(第70期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月27日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. 盟和産業ってどんな会社?
自動車用内装部品の製造を主力とし、樹脂加工技術を強みにグローバル展開する独立系サプライヤーです。
■(1) 会社概要
1956年に設立し、自動車用塩化ビニール製フロアマットの製造販売を開始しました。1981年に東証二部へ上場し、2006年には中国へ進出するなど海外展開を加速させました。その後、2014年に東証一部指定替えを経て、2022年の市場区分見直しに伴いスタンダード市場へ移行しました。
現在の従業員数は連結397名、単体199名です。筆頭株主は生命保険会社の太陽生命保険で、第2位は証券金融会社の日本証券金融、第3位は不動産賃貸等を行う陽栄となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 太陽生命保険 | 6.00% |
| 日本証券金融 | 5.95% |
| 陽栄 | 5.15% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性8名、女性1名の計9名で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は飯塚清氏が務めています。社外取締役比率は55.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 飯塚清 | 代表取締役社長 | 2005年三井住友銀行より出向。管理部門、海外事業、内部統制などを歴任し、2015年取締役副社長執行役員を経て、2017年4月より現職。 |
| 丸茂康弘 | 取締役副社長執行役員 | 1982年入社。甲府工場長、東海営業部長、タイ現地法人社長などを経て、2020年専務執行役員。2024年6月より現職。 |
| 高桑重徳 | 取締役常務執行役員 | 2004年三井住友銀行より出向。総務部次長、総合管理部副部長などを経て、2022年常務執行役員。2024年6月より現職。 |
| 桐生直規 | 取締役常務執行役員 | 1987年入社。長野工場長、東京営業部長などを歴任。2024年常務執行役員を経て、2025年6月より現職。 |
社外取締役は、原秋彦(弁護士)、市川一郎(公認会計士・税理士)、森山弘和(元山一證券経営調査部長)、小峰光(公認会計士)、梶谷太作(元三井住友銀行人材開発部長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「自動車部品」「住宅」の2つの報告セグメントおよび「その他」事業を展開しています。
■(1) 自動車部品
トランク部品、フロア部品、シート部品、ルーフ部品などの自動車内装部品を製造・販売しており、これらが同社の主力製品となっています。主な顧客は自動車メーカーおよび車体部品メーカーであり、日本国内だけでなく、中国、北米、ASEANのグローバル4極体制で製品を供給しています。
収益は、顧客への製品販売による対価として得ています。運営は、国内では同社が行い、海外では盟和(大連)汽車配件有限公司、盟和(佛山)汽車配件有限公司、MEIWA INDUSTRY NORTH AMERICA,INC.、MEIWA INDUSTRY (THAILAND) CO.,LTD.などの連結子会社が各地域で製造販売を担当しています。
■(2) 住宅
産業資材として、住宅設備資材および建築内装資材の製造・販売を行っています。長年培った樹脂加工技術等を応用し、住宅市場向けの部材を提供しています。
収益は、住宅設備機器メーカーや建材商社などへの製品販売により得ています。この事業の運営は、主に同社が単体で行っています。
■(3) その他
報告セグメントに含まれない事業として、梱包用緩衝材等の発泡プラスチック成形品などの製造・販売を行っています。
収益は、製品の販売対価として得ています。運営は、中国の子会社である盟和(大連)汽車配件有限公司が行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5期間の業績を見ると、売上高は第66期の183億円から第70期の233億円へと右肩上がりで推移しており、事業規模は拡大傾向にあります。利益面では第69期に赤字を計上しましたが、第70期には経常利益4.4億円、当期純利益5.5億円となり、黒字転換を果たしました。利益率は低水準ながらも改善が見られます。
| 項目 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 183億円 | 197億円 | 212億円 | 224億円 | 233億円 |
| 経常利益 | -5.3億円 | 2.2億円 | -0.3億円 | -4.5億円 | 4.4億円 |
| 利益率(%) | -2.9% | 1.1% | -0.1% | -2.0% | 1.9% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | -10.3億円 | 3.1億円 | -0.7億円 | -3.1億円 | 5.5億円 |
■(2) 損益計算書
前期と比較すると、売上高は約9億円増加し、売上総利益も約10億円増加しました。これにより売上総利益率は11.2%から15.0%へ改善しています。販管費は微増にとどまったため、営業損益は前期の4.2億円の赤字から5.1億円の黒字へと大きく改善し、収益性が向上していることが分かります。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 224億円 | 233億円 |
| 売上総利益 | 25億円 | 35億円 |
| 売上総利益率(%) | 11.2% | 15.0% |
| 営業利益 | -4.2億円 | 5.1億円 |
| 営業利益率(%) | -1.9% | 2.2% |
販売費及び一般管理費のうち、支払運賃が10億円(構成比34%)、給料が6億円(同21%)を占めています。売上原価については、詳細は記載されていませんが、製造業であるため材料費や労務費等が主な構成要素と考えられます。
■(3) セグメント収益
主力の自動車部品事業は増収となり、利益面でも黒字転換を果たしました。住宅事業も増収を確保し、安定した利益率を維持しています。全社的に売上規模の拡大とともに収益性の改善が進んでいます。
| 区分 | 売上(2024年3月期) | 売上(2025年3月期) | 利益(2024年3月期) | 利益(2025年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 自動車部品 | 204億円 | 212億円 | -5億円 | 4億円 | 2.1% |
| 住宅 | 19億円 | 21億円 | 0.6億円 | 0.6億円 | 3.1% |
| その他 | 0.2億円 | 0.2億円 | 0.0億円 | 0.0億円 | 11.6% |
| 連結(合計) | 224億円 | 233億円 | -4億円 | 5億円 | 2.2% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
盟和産業のキャッシュ・フローの状況についてご説明します。
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加や仕入債務の減少があったものの、減価償却費や税金等調整前当期純利益の計上により、収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が主な要因となり、支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済や配当金の支払いがあった一方、長期借入れや短期借入金の増加があったため、支出となりました。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 5.6億円 | 1.1億円 |
| 投資CF | -4.1億円 | -8.8億円 |
| 財務CF | 8.1億円 | -3.3億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは設立以来、「より良いもの」、「喜んでいただけるもの」を、「より安く」、そして「より早く」提供することにより社会に貢献することを基本理念としています。自動車内装部品を中心とした事業展開を通じて、この理念の実現を目指しています。
■(2) 企業文化
同社は「法令順守と高い倫理観に基づく企業活動、環境にやさしい製品づくり、技術革新による顧客満足度向上」を重視しています。また、株主、取引先、地域社会など会社を取り巻く多様な関係者との「良好なコミュニケーションの実践」を行動指針として掲げています。
■(3) 経営計画・目標
2035年を見据えた「長期ビジョン2035」に基づき、2025年3月期から7年間の中期経営計画「MWX2030」を推進しています。最終年度となる2031年3月期の数値目標として、以下の指標を掲げています。
* 当期純利益:9億円
* ROE:8%以上
■(4) 成長戦略と重点施策
中期経営計画「MWX2030」では、「収益力強化」「成長戦略」「ESG経営」を重点課題としています。収益力強化では販売価格適正化や一貫生産体制強化、DX活用による効率化を進め、成長戦略では新分野開拓や循環型ものづくり(サーキュラーエコノミー)への対応、非日系顧客の開拓などを推進しています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
社会情勢や雇用環境の変化に対応し、魅力ある企業づくりを推進しています。人材の採用・育成と定着化による基盤強化を目指し、年齢層別の人員体制確保、リーダー・マネジメント人材の育成、技術伝承に向けた技術者の採用・育成を強化しています。また、働き方改革とコミュニケーション強化により社員満足度の向上にも努めています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや上回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 45.2歳 | 22.1年 | 6,216,460円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 3.1% |
| 男性育児休業取得率 | 40.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 73.1% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 89.6% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 44.1% |
また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、女性管理職比率目標(2026年3月期5.6%)、CO2排出量削減目標(2030年度までに2013年度比50%削減)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 特定の取引先への依存
同社グループはトヨタ自動車グループへの売上依存度が高く、連結売上高の54.3%を占めています。同社グループは販路の多角化を進めていますが、トヨタグループの自動車生産・販売動向が同社の経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
■(2) 海外事業展開に伴うカントリーリスク
中国、米国、タイなどに生産拠点を展開しており、これらの地域における予期せぬ政治・経済の不安定化、法規制の変更、労働問題、社会的混乱などが生じた場合、事業遂行に支障をきたし、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
■(3) 原材料価格の変動
主要製品の原材料であるプラスチック樹脂は原油市況の影響を受けやすく、価格変動リスクがあります。価格転嫁や原価低減活動に努めていますが、原油価格や為替の変動による原材料価格の高騰や製品販売価格の下落が、収益性に影響を与える可能性があります。



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