※本記事は、盟和産業株式会社の有価証券報告書(第71期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. 盟和産業ってどんな会社?
自動車内装部品と住宅設備資材の製造販売を主力とし、グローバル四極体制で事業を展開するメーカーです。
■(1) 会社概要
1956年に自動車用フロアマットの製造販売を目的として設立されました。1981年に東京証券取引所市場第二部へ上場し、2014年には市場第一部に指定、2022年にスタンダード市場へ移行しています。2006年の中国進出を皮切りに、タイ、北米、メキシコに拠点を設け、グローバルな生産体制を構築しています。
従業員数は連結で372名、単体で189名です。筆頭株主は太陽生命保険で、第2位は日本証券金融、第3位は陽栄です。太陽生命保険とは保険等の取引を通じた関係があり、事業会社や金融機関を中心とした安定的な株主構成となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 太陽生命保険 | 6.00% |
| 日本証券金融 | 5.39% |
| 陽栄 | 5.15% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性8名、女性1名の計9名で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は飯塚清氏が務めています。社外取締役比率は約55.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 飯塚 清 | 代表取締役社長 | 2005年12月三井住友銀行より出向。2006年6月執行役員。取締役常務執行役員等を経て、2017年4月より現職。 |
| 丸茂 康弘 | 取締役副社長執行役員 | 1982年4月同社入社。東海営業部長、常務執行役員などを歴任。2023年4月取締役副社長執行役員に就任し、2025年9月より現職。 |
| 高桑 重徳 | 取締役常務執行役員CFO | 2004年2月三井住友銀行より出向。総務部次長などを経て2017年6月執行役員。2022年6月常務執行役員となり2024年6月より現職。 |
| 桐生 直規 | 取締役常務執行役員 | 1987年4月同社入社。長野工場長、執行役員生産部門副担当などを歴任。2024年6月常務執行役員に就任し、2025年6月より現職。 |
社外取締役は、原秋彦(弁護士)、市川一郎(SWEAT CAPITAL代表取締役)、森山弘和(森山事務所代表取締役社長)、小峰光(小峰公認会計士事務所代表)、梶谷太作(陽栄ホールディングシニア・アドバイザー)です。
2. 事業内容
同社グループは、「自動車部品」「住宅」および「その他」事業を展開しています。
■自動車部品
主要な製品として、トランク部品、フロア部品、シート部品、ルーフ部品などの自動車内装部品を製造・販売しています。国内の自動車メーカーを中心に製品を供給するほか、海外の自動車メーカーへもグローバルに販路を拡大しています。
収益源は自動車メーカー等からの製品販売代金です。運営は同社が国内で製造販売を担うほか、海外では中国の盟和大連汽車配件や盟和佛山汽車配件、北米のMEIWA INDUSTRY NORTH AMERICA、タイのMEIWA INDUSTRY (THAILAND)などが展開しています。
■住宅
産業資材として、住宅設備資材や建築内装資材を製造・販売しています。独自の樹脂配合・加工技術を活用し、住設関連分野における取引の深耕や新規ビジネスの開拓を進めています。
収益源は、住宅設備メーカーや建設関連企業等に対する製品の販売代金です。本事業の開発・製造・販売等の運営主体は、同社が国内において担っています。
■その他
梱包用緩衝材などの発泡プラスチック成形品の製造・販売を展開しています。保有する技術を活かした関連分野の開拓として事業を行っています。
収益源は、顧客企業に対する梱包資材等の販売代金です。本事業の運営は、中国にある連結子会社の盟和大連汽車配件が担っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は回復基調にあり、直近5年間で197億円規模から231億円規模へと拡大しています。一方、経常利益は原材料・エネルギー価格の高騰や供給制約の影響を受け、赤字を計上した時期から黒字転換を果たしたものの、直近ではコスト上昇等により前年比で減益となっています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 196.8億円 | 212.0億円 | 223.9億円 | 232.5億円 | 230.7億円 |
| 経常利益 | 2.2億円 | -0.3億円 | -4.5億円 | 4.4億円 | 2.4億円 |
| 利益率(%) | 1.1% | -0.1% | -2.0% | 1.9% | 1.1% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 1.7億円 | 430万円 | 4.5億円 | 5.5億円 | 2.4億円 |
■(2) 損益計算書
売上高は微減となりましたが、原材料費や労務費等のコスト上昇による影響を吸収しきれず、売上総利益および営業利益は前年を下回っています。価格転嫁や原価低減に取り組むものの、利益率も全体的に低下傾向にあります。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 232.5億円 | 230.7億円 |
| 売上総利益 | 34.8億円 | 33.0億円 |
| 売上総利益率(%) | 15.0% | 14.3% |
| 営業利益 | 5.1億円 | 3.7億円 |
| 営業利益率(%) | 2.2% | 1.6% |
販売費及び一般管理費のうち、支払運賃が10.2億円(構成比35%)、給料が5.9億円(同20%)を占めています。
■(3) セグメント収益
主力事業である自動車部品セグメントは、価格転嫁を進めたものの中国市場における競争激化等の影響を受け、売上高は前年を下回りました。一方、住宅セグメントについては、住宅設備資材を中心に底堅く推移し、微増収となっています。
| 区分 | 売上(2025年3月期) | 売上(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 自動車部品 | 211.8億円 | 209.7億円 |
| 住宅 | 20.6億円 | 20.8億円 |
| その他 | 0.2億円 | 0.1億円 |
| 連結(合計) | 232.5億円 | 230.7億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
営業利益で借入返済を行い、投資も手元資金で賄う優良企業です。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.1億円 | 36.7億円 |
| 投資CF | -8.8億円 | -11.0億円 |
| 財務CF | -3.3億円 | -15.3億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は0.6%で市場平均を下回り、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率も52.9%で市場平均を下回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
経営理念として「法令順守と高い倫理観に基づく企業活動、環境にやさしい製品づくり、技術革新による顧客満足度向上に努め、株主、取引先、地域社会等会社をとりまくさまざまな関係者と良好なコミュニケーションを実践する」ことを掲げています。また、「より良いもの」「喜んでいただけるもの」を「より安く」「より早く」提供し、社会に貢献することを基本理念としています。
■(2) 企業文化
同社は、環境問題をはじめとするサステナビリティへの取り組みを重視する企業文化を持っています。「環境にやさしい製品づくり」を企業理念に掲げ、製品リサイクルや資源の再生を通じて新たな価値を生み出す循環型の物造りを推進しています。ISO14001に基づく環境マネジメントシステムの運用や、脱炭素社会の実現に向けた「カーボンニュートラル・プロジェクト」等、全社的な取り組みが定着しています。
■(3) 経営計画・目標
2025年3月期から2031年3月期までの7年間を対象とした中期経営計画「MWX2030」を策定しています。収益力強化、成長戦略、ESG経営の3つの重点課題に取り組み、最終年度の目標として以下の数値を掲げています。
* 当期純利益:9億円
* ROE:8%以上
■(4) 成長戦略と重点施策
長期ビジョン2035の実現に向けて、独自の樹脂技術と環境にやさしい循環型の物造り(サーキュラーエコノミー)を進化させる戦略を推進しています。自動車産業の変革期に対応するため、グローバル四極体制の最適化を図るとともに、自動化や省人化による収益力の強靭化を図っています。また、新規ビジネスの開拓やカーボンニュートラルへの対応に向けた施策を重点的に進めています。
* 2030年までにCO2排出量を2013年度比で半減
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
人材の採用・育成・定着を通じた事業基盤の強化を人的資本拡充の戦略として掲げています。海外グループ会社との人材交流を推進し、グローバルに活躍できる人材の育成を図っています。また、年齢・性別・国籍にかかわらず個々の強みを活かせる職場環境の整備を進めるとともに、即戦力人材の採用や多能化教育の推進により、持続的な企業価値の向上に努めています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや上回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | 44.7歳 | 21.2年 | 6,639,976円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 6.3% |
| 男性育児休業取得率 | 200.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 73.3% |
| 男女賃金差異(正規雇用労働者) | 42.9% |
| 男女賃金差異(パート・有期労働者) | 87.3% |
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 特定の取引先への依存リスク
同社グループは、国内外の自動車メーカーに製品を供給しており、特にトヨタ自動車グループ向けの売上高の占める割合が57.5%と高い水準にあります。販路の拡大に努めているものの、同社グループの自動車生産・販売の動向が、同社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 原材料価格の変動リスク
同社製品の主要な原材料はプラスチック樹脂であるため、原油市況の変動によって原材料の仕入価格や製品の販売価格が変動するリスクがあります。価格交渉や仕入ルートの多角化、原価低減活動に努めていますが、急激な価格高騰を吸収できない場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
■(3) 海外事業展開に伴うカントリーリスク
中国や北米、タイ等でのグローバル展開を進めていますが、進出国における予期せぬ政治・経済の不安定化や法制度の変更、人件費の高騰、労働問題の発生といったカントリーリスクが存在します。これらによる社会的混乱が生じた場合、事業遂行に支障をきたし業績に影響を与える可能性があります。



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