※本記事は、永大化工株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
永大化工は、合成樹脂各種成形品の製造及び販売を手掛ける企業です。同社グループは、自動車用品関連と産業資材関連の2つの事業を展開しています。
単体従業員数は142名、連結従業員数は465名です。セグメントは自動車用品関連、産業資材関連の2つです。
主な国内グループ会社は、K&M(産業資材関連)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
永大化工は、合成樹脂の可能性を拓き、社会に新たな価値を提供し続ける企業です。同社グループでは、従業員一人ひとりが健康で活き活きと働ける環境を重視し、多様な人材の活躍と自律的なキャリア開発を支援しています。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社グループの職場環境を詳しく見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
永大化工では、従業員の長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていることがうかがえます。平均勤続年数と平均年齢からは、安定して働き続ける従業員が多い傾向が見られます。同社は、多様な人材のスキルと経験を活かし、個々の能力を最大限に引き出す職場環境の整備に努めています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,898,000円 |
| 平均勤続年数 | 16.0年 |
| 平均年齢 | 43.8歳 |
| 単体従業員数 | 142人 |
| 連結従業員数 | 465人 |
| 単体のグループ内比率 | 30.5% |
永大化工グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。これらの制度は、永大化工単体、国内連結子会社、および在外連結子会社に適用されています。
退職一時金制度も存在します。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
当連結会計年度末における退職給付債務は7.4億円、年金資産は9.2億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
永大化工グループは、「英知と活力を集結して事業の発展を目指し、法令順守のもと我々が誇れる会社を目指す」という経営方針のもと、人材を最も重要な財産と捉えています。人材価値を最大限に引き出し、健康で活気に満ちた人材と組織の実現を通じて、会社の持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。
給与・報酬額の決定にあたっては、各従業員の役割・職責に基づき、成果および能力発揮の度合いを基本的な評価軸としています。目標管理と主体的な挑戦や価値創出につながる行動を重視して評価し、人事評価制度を通じて給与および賞与に反映しています。給与は基本給、等級、職責ごとに明確化され、賞与は会社業績と個人評価に基づいて決定されます。給与水準は労働市場の動向や社会情勢を踏まえ、内部の公平性を確保しつつ、事業環境や業績動向との整合を図りながら適宜見直しが行われています。
同社グループは「人的資本への投資と多様性の推進」に積極的に取り組んでいます。多様な人材の活用と個人の能力開発支援に力を入れ、一人ひとりの能力を最大限に引き出すことを目指しています。
新卒・経験者採用に加え、契約社員や派遣社員から正社員への登用も進めています。女性、高齢者、外国籍社員、育児・介護を担う者等、全ての社員がスキルと経験を活かせる職場環境を整備しています。また、全社各部門で定期的な1on1ミーティングを実施し、社員の自律的なキャリア開発を支援する環境を構築しています。健康経営も推進しており、心身の健康維持・増進をサポートし、元気で活気溢れる職場環境づくりに努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結グループにおける記載が困難であるため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 15.9% |
| 男性育児休業取得率 | 0.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 69.7% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 78.3% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 57.4% |
多様な人材の活躍
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 全社員に占める女性の割合 | 28.9% |
| 全管理職に占める女性の割合 | 15.9% |
| 採用した社員に占める女性の割合 | 30.8% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
永大化工は、合成樹脂の各種成形品の製造と販売を手掛ける同社グループです。自動車用品関連と産業資材関連の二つの事業セグメントを通じて、社会の発展に貢献する「ものづくり企業」を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、合成樹脂製品のメーカーとして、卓越した独自の技術を基盤に事業を展開しています。企画開発設計から提案までトータルにサポートする体制を強みとしています。
自動車用品関連
自動車用フロアマットや自動車用その他アクセサリー用品の製造販売を行っています。収益は、主に自動車業界向けの製品販売から得ています。運営は、永大化工、永大化工ベトナム会社、永大化工トレーディングベトナム会社が行っています。
産業資材関連
エアコンダクト、家庭冷蔵庫用部材、事務デスク用部材、プラスチック竹パネル、住宅用内装材、風呂蓋、マガジンスティック、端子台用カバー、乾燥機用スタンド、オフィスチェアー、下水道用補修部材、合成木材などの製造販売を手掛けています。収益は、幅広い産業資材製品の提供から得ています。運営は、永大化工、永大化工ベトナム会社、K&Mが行っています。
同社グループの売上高は、主に国内の外部顧客からのものであり、その割合は連結損益計算書の売上高の90%を超えています。また、円安の長期化に伴う輸入コスト高が製造コストの増加要因となるなど、為替変動の影響を受ける可能性があります。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 自動車用品関連 | 58.9億円 | 60.8億円 |
| 産業資材関連 | 29.7億円 | 31.4億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は概ね増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、直近の期において大きく改善しています。
ただし、過去には経常損失や親会社株主に帰属する当期純損失を計上した期もありました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 82.9億円 | 83.0億円 | 90.9億円 | 88.6億円 | 92.2億円 |
| 経常利益 | 1.9億円 | △1.9億円 | 2.4億円 | 2.8億円 | 4.9億円 |
| 経常利益率 | 2.2% | △2.3% | 2.6% | 3.2% | 5.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.6億円 | △2.4億円 | 1.8億円 | 1.9億円 | 3.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 117.43 | △178.53 | 135.07 | 141.13 | 265.20 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期と比較して増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から向上しており、生産性の改善が見られます。これらの指標の改善は、同社グループの収益体質の強化と組織効率化の傾向を示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 18.6百万円 | 19.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.6百万円 | 1.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動で安定的に資金を生み出し、投資活動も適切に行われていることを示しています。これにより、経営基盤の安定性がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定している状況です。自己資本比率は73.2%と、プライム市場の製造業平均(46.8%)と比較しても高い水準にあり、強固な財務体質を示しています。ROEは前期から改善傾向にあり、収益性の向上が見られます。手元資金も増加しており、不測の事態への耐性も備わっていると言えます。これらの状況は、入社後の雇用や給与の安定性につながる要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 72.0億円 | 74.1億円 |
| 自己資本比率 | 73.1% | 73.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 2.6% | 4.6% |
| 現金及び預金 | 23.8億円 | 28.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。当期における営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費、売上債権および棚卸資産の減少などにより、前期から増加しました。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得や保険積立金の積立による支出があり、前期と比較して支出が増加しています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や配当金の支払いなどにより、前期から支出が増加しました。結果として、フリーキャッシュフローはプラスを維持しており、事業活動で得た資金を投資に回しつつも、手元資金を確保できている状況です。これは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来に向けた投資も行っていることを示しており、入社後の安定性や成長性につながる要素と言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 8.9億円 | 9.4億円 |
| 投資CF | △1.5億円 | △1.7億円 |
| 財務CF | △0.8億円 | △3.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 7.4億円 | 7.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、株式会社ホンダアクセスおよびスズキ株式会社への販売比率が高く、特定の取引先の経営施策や取引方針の変更が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、異型押出成形品の主原料が石油化学製品であるため、国際的な原油市場の変動が原材料の仕入価格に影響を及ぼす傾向があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
永大化工は、合成樹脂製品のメーカーとして独自の技術と研究開発を基盤に、社会の発展に貢献することを目指しています。法令遵守を経営の礎とし、従業員一人ひとりの英知と活力を結集して事業の発展を追求する企業文化があります。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「英知と活力を集結して事業の発展を目指し、法令順守のもと我々が誇れる会社を目指す」ことを経営方針としています。また、ビジョンとして「合成樹脂の可能性を切り拓き、新しい未来を創出しよう」を掲げています。
創業以来、異型押出成形加工を中心とした合成樹脂製品のメーカーとして、卓越した独自の技術を時代に対応させてきました。研究開発活動を通じて新しい分野へ応用し、産業資材分野および自動車用品分野において、企画開発設計から提案までトータルにサポートできる「ものづくり企業」を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、経営方針のもと「人的資本への投資と多様性の推進」に積極的に取り組んでいます。従業員一人ひとりが健康で活き活きと働くことができる職場環境を常に整え、個人の能力開発の支援にも力を入れています。
新卒採用や経験者採用に加え、契約社員や派遣社員から正社員への登用も進めています。女性、高齢者、外国籍社員、育児・介護を担う者等、全ての社員がスキルと経験を活かし、個々の能力と実力を発揮できる職場環境を整備しています。全社各部門で社員と上司による1on1ミーティングを定期的に実施し、自律的なキャリア開発を支援する環境を構築しています。
健康経営も推進しており、社長と社員の「ランチ対話会」や「チーム対抗ウォーキングイベント」などを通じて、心身の健康維持・増進とコミュニケーション促進を図っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、産業資材部門において、個人消費の影響を受けにくい公共事業関連にも注力し、安定的な収益確保を図ることを課題としています。自動車用品部門では、製品開発力を強化し、国内外の自動車販売台数減少が懸念される中でのシェア拡大および収益拡大を目指しています。
事業継続計画の観点から、国内外への生産拠点の分散とその対策・実施を課題としています。また、海外生産拠点を起点とした同国および近隣諸国への販売拡大も課題とし、体制を整え推進しています。永続的な事業継続の礎として、リスクマネジメントの強化とコンプライアンスの徹底を図り、環境、社会に配慮した企業活動を行うことを目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
永大化工は、2019年6月より監査等委員会設置会社へ移行しています。経営の意思決定と監督機能、業務執行機能を分離し、コーポレート・ガバナンスの強化を図る体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
永大化工の株主構成を見ると、筆頭株主は個人株主であり、上位には複数の個人株主や同社グループの関連団体が名を連ねています。特定の株主グループが上位に複数存在していることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 和田 正行 | 12.60% |
| 永大化工共栄会 | 11.26% |
| 遠山 和子 | 3.50% |
| 加貫 るり子 | 3.33% |
| 大阪中小企業投資育成 | 3.19% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は5名(男性5名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は浦義則氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 浦 義則 | 代表取締役社長 | 1990年7月同社入社。2013年6月取締役管理本部長就任。2019年6月代表取締役社長就任。2026年4月代表取締役社長兼社長執行役員より現職。 |
| 鈴木 広二 | 専務取締役 | 1992年4月同社入社。2016年6月取締役自動車用品営業部門統括兼奈良事業本部長就任。2026年4月専務取締役兼専務執行役員より現職。 |
社外取締役は、籔本憲靖氏(元三笠コカ・コーラボトリング代表取締役専務執行役員・第三者委員会委員)、北畠昭二氏(北畠税理士事務所)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、独立性の高い社外取締役が監査等委員の過半数を占める体制です。社外取締役は、客観的かつ専門的な知見に基づき、取締役会の監督機能を強化する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
永大化工の役員報酬は、基本報酬、賞与、退職慰労金で構成されています。株主の負託に応え、役員の業績向上への意欲を高め、長期的な企業価値増大に寄与する報酬体系を目指しています。特に賞与は、連結営業利益の達成状況を業績指標として決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 58百万円 | 28.8百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 16百万円 | 16.2百万円 |
| 社外役員 | 2名 | 8百万円 | 3.9百万円 |
同社の役員報酬総額は81百万円であり、報酬の支給対象となった役員は合計5名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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