※本記事は、レック株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
レックは、日用品の企画・製造・販売を主な事業内容としています。同社グループは、子会社21社および関連会社1社で構成され、幅広い日用品を提供しています。
単体従業員数は703名、連結従業員数は956名です。同社グループの事業セグメントは日用雑貨衣料品事業の単一です。
主な国内グループ会社は、バルサン(日用雑貨衣料品事業)、プラマイゼロ(同)、駿河ヘルスケア(同)、エフトイズ・コンフェクト(同)、アイプラス(同)などです。
2024年6月には「グロンサン」・「グロモント」のドリンク剤事業を譲受しており、事業領域を拡大しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
レックは日用雑貨衣料品事業を展開しており、人々の生活に密着した製品を提供しています。同社グループは、「常に挑戦」を社風として掲げ、持続可能な社会の実現に貢献しながら事業活動を行っています。従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出し、働きがいのある環境を整備することに注力しているようです。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
レックでは、従業員の平均年齢と平均勤続年数から、比較的バランスの取れた年齢構成と、一定の期間にわたってキャリアを築いている人材が多い傾向が見られます。これは、同社が従業員の長期的な活躍を支援する環境を整えていることの表れと言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,685,000円 |
| 平均勤続年数 | 11.1年 |
| 平均年齢 | 38.6歳 |
| 単体従業員数 | 703人 |
| 連結従業員数 | 956人 |
| 単体のグループ内比率 | 73.5% |
レックでは、退職給付制度として確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両制度を設けています。これらの制度は国内グループ会社を対象としています。
また、退職一時金制度もあります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
同社グループの退職給付債務は12.9億円、年金資産は13.4億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
レックは、「お客様が感動する製品を一生懸命開発する」という経営理念のもと、多様な知識、経験、価値観を持つ人材が能力を最大限に発揮し、挑戦し続ける組織づくりを重視しています。人材を企業価値創造のための最も重要な経営資本と位置付け、事業戦略と連動した人材戦略を推進しています。
従業員の給与は、職務内容、職位、役割、責任の大きさ、専門性等を基本とし、能力、成果、組織への貢献度を総合的に勘案して決定されます。能力開発やキャリア形成への取り組みが適切に評価され、給与等の処遇に反映される仕組みです。また、株価や業績との連動性を高めるため、株式給付信託を導入し、従業員の意欲向上と中長期的な企業価値向上への参画意識を高めています。
人材育成においては、各年次、職位、職能ごとに必要な専門知識の習得を目的とした研修制度を設け、従業員一人ひとりの自律的なキャリア構築を支援する多彩な教育を実施しています。従業員エンゲージメントレベル、ウェルビーイング、定着率の向上を目指し、ワークライフ・バランスを整えながら、働きがいを持って能力を最大限に発揮できる仕組みづくりや、安心して働き続けられる職場環境の整備に努めています。
具体的には、管理職による経営方針の共有機会や、新卒採用者向けの研修を通じた経営方針の共有、キャリア採用者の能力発揮のモニタリングなどを行っています。女性活躍推進にも力を入れており、女性管理職候補者の育成や登用、テレワークや時短勤務といった柔軟な働き方の選択肢を提供しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は、課長代理以上の管理職(正社員)の割合を示しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 17.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 25.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 53.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 77.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 50.5% |
多様性・登用
提出会社単体の任意開示データです。連結グループ全体での記載は困難なため、主要な事業を営む提出会社の数値を記載しています。
| 指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
|---|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 25.0% (2030年3月まで) | 17.0% |
育児・介護支援
提出会社単体の任意開示データです。連結グループ全体での記載は困難なため、主要な事業を営む提出会社の数値を記載しています。
| 指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
|---|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% (2030年3月まで) | 25.0% |
人材育成・エンゲージメント
提出会社単体の任意開示データです。連結グループ全体での記載は困難なため、主要な事業を営む提出会社の数値を記載しています。
| 指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
|---|---|---|
| 労働者の男女の賃金の額の差異 | 70.0% (2030年3月まで) | 53.6% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
レックは、日用品の企画・製造・販売を主な事業内容としています。同社グループは、家庭で使われる様々な製品を通じて、人々の暮らしを支えるビジネスを展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、日用雑貨衣料品事業の単一セグメントで事業活動を行っています。主な収益源は、家庭用日用雑貨品、清掃・衛生用消耗品、そしてその他の製品の販売です。これらの製品は、消費者の節約志向に対応した利便性とコストパフォーマンスの高い製品開発に注力し、業容の拡大を図っています。
特に、バルサンなどの同社ブランド製品やキャラクターとのコラボレーション製品、趣味嗜好に合わせた各種キャラクター製品の売上が伸長しています。主要な顧客としては、株式会社大創産業や株式会社セリアといった企業への販売実績が大きく、特定の顧客への収益集中が見られます。
家庭用日用雑貨品の販売高は前期に比べて増加しており、清掃・衛生用消耗品はわずかに減少しています。また、その他の品目も前期から販売高を伸ばしています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、売上高が継続的に増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、過去5年間で変動が見られるものの、直近の当期においては大幅な増加を示しています。これは、売上総利益率および営業利益率の改善が主な要因となっています。
円安や原材料価格の高止まりといった厳しい経営環境の中、同社グループは経費削減や製品の改廃、業務工程の見直しによる生産性向上に努めてきました。その結果、売上高の増加に加え、利益率の改善が実現しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 514億円 | 555億円 | 608億円 | 663億円 | 683億円 |
| 経常利益 | 33.0億円 | 10.8億円 | 16.9億円 | 30.7億円 | 44.3億円 |
| 経常利益率 | 6.4% | 2.0% | 2.8% | 4.6% | 6.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 22.8億円 | 9.4億円 | 8.0億円 | 16.7億円 | 29.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 66.36 | 27.24 | 22.87 | 50.92 | 91.22 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期からわずかに減少しています。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期に比べて増加しており、事業活動における効率性が向上している傾向が見られます。
これらの指標は、同社グループが従業員一人ひとりの生産性向上に努め、収益創出能力を高めていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 71.8百万円 | 71.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.0百万円 | 4.3百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、安定した財務基盤を維持しつつ、事業活動と投資活動を通じて資金を創出しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均を上回る水準で推移しています。ROE(自己資本利益率)は前期から改善傾向にあり、収益性の向上が見られます。手元資金である現金及び預金も増加しており、不況時の耐性や将来の事業展開に向けた資金余力がある状態です。このような財務の安定性は、事業の継続性や将来の成長投資の余力につながる基盤を示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 360億円 | 388億円 |
| 自己資本比率 | 38.7% | 40.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 4.8% | 8.3% |
| 現金及び預金 | 300億円 | 347億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、当期において営業活動と投資活動の両方で資金を創出しています。本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローは前期から大幅に増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益と減価償却費の増加によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは、前期の減少から当期は増加に転じています。これは主に定期預金の純減少額によるものであり、有形固定資産や有価証券の取得による支出は減少要因となっています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や配当金の支払いにより減少しています。
結果として、フリーキャッシュフローは当期に大幅なプラスとなり、本業と投資活動を通じて自由に使える資金が増加しました。これは、事業の持続的な成長と雇用・給与の安定性につながる基盤を示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 42.1億円 | 90.3億円 |
| 投資CF | △107.6億円 | 25.0億円 |
| 財務CF | △2.5億円 | △11.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △65.5億円 | 115.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、生産の多くを中国の協力工場及び製造子会社にて行っており、同国の政治及び経済体制の変化が生じた場合には、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、消費者の嗜好及び需要は絶えず変化していることから、市場動向に対応できなかった場合には、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
レックグループは、日用品業界において「全世界の消費者から最も賞賛される生活用品メーカー」を目指し、お客様への感動提供を追求する企業です。挑戦を社風とし、持続可能な社会の実現にも貢献しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
レックは、日用品業界において「全世界の消費者から最も賞賛される生活用品メーカーとなり、世界の文化の発展に貢献すること」を社是として掲げています。同社グループ共通の経営理念は「お客様が感動する製品を一生懸命開発する」であり、お客様本位の製品開発と提供を経営の基本方針としています。
この基本方針の徹底的な追求を通じて、株主価値の拡大と社会への貢献につながるものと確信しており、今後もお客様に満足していただける製品を提供し続けていくことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
レックグループは、新たな価値を創造するために「常に挑戦」を社風としています。挑戦し続けることでお客様の生活を豊かにし、お客様が感動する製品を一生懸命開発し続けることで成長発展を目指しています。
持続可能な社会の実現に向けた取り組みとして、研究開発や製品企画段階から環境への負荷を低減することを意識した製品開発を行っています。また、公平な評価・処遇制度の充実や健康経営の推進、多様な働き方への対応等を通じて、従業員にとって働きやすい職場環境の整備に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
レックグループは、持続的な成長と企業価値向上のため、いくつかの経営課題に取り組んでいます。その一つが、コーポレート・ガバナンスの推進です。
経営の効率性やリスク管理能力を高め、全てのステークホルダーからの信頼に応えるため、透明性、健全性、遵法性の確保を目的としたガバナンス体制の強化に努めています。また、SDGsへの取り組みとして、研究開発や製品企画段階から環境への負荷を低減することを意識した製品開発を行っています。公平な評価・処遇制度の充実や健康経営を通じて、従業員にとって働きやすい職場環境の整備にも取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会における監督機能の強化と経営の透明性確保を重要な課題と位置付けています。迅速な意思決定を可能にするため、監督と業務執行を分離する体制を整えています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、機関投資家や事業会社に加え、代表取締役会長兼社長である青木光男氏が上位株主として名を連ねています。これにより、創業家が経営に一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 10.44% |
| エスエヌ興産 | 9.76% |
| 青 木 光 男 | 7.15% |
| 永 守 貴 樹 | 5.95% |
| 福山通運 | 5.64% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性11名・女性1名)で構成され、女性役員比率は8.0%です。代表取締役会長最高経営責任者(CEO)兼社長最高執行責任者(COO)は青木光男氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 青 木 光 男 | 代表取締役会長最高経営責任者(CEO)兼社長最高執行責任者(COO) | 1972年4月ジェーアイシー㈱入社、1983年3月同社設立 代表取締役社長、2024年6月同社代表取締役会長最高経営責任者(CEO)兼社長最高執行責任者(COO)より現職。 |
| 青 木 勇 | 取締役副社長執行役員営業本部統括 | 1981年11月バニヤンインポート㈱入社、1983年3月同社設立 取締役、2019年3月同社取締役副社長執行役員営業本部統括より現職。 |
| 貝方士 利 浩 | 取締役専務執行役員兼管理本部長 | 2005年6月田淵電機㈱代表取締役社長、2019年2月同社入社、2021年6月同社取締役専務執行役員兼管理本部長より現職。 |
| 増 田 英 生 | 取締役常務執行役員最高財務責任者(CFO)兼管理本部副本部長 | 1988年4月スター精密㈱入社、1997年4月同社入社、2021年6月同社取締役常務執行役員最高財務責任者(CFO)兼管理本部副本部長より現職。 |
社外取締役は、久米裕康氏(ライオンアドバイザー)、永野紀吉氏(SBI証券社外取締役)、坂口隆夫氏(市民防災研究所理事・特別研究員)、瀬口宇晴氏(ユーダッシュ代表取締役社長)、野末寿一氏(静岡のぞみ法律特許事務所弁護士)、逸見佳代氏(弁護士法人大江橋法律事務所弁護士)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、過半数が社外取締役である監査等委員で構成される監査等委員会を設置することで、取締役会の監督機能強化と経営の透明性確保を図っています。社外取締役は独立した立場から、取締役会及び監査等委員会において経営の透明性・客観性・妥当性の確保に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社では、監査等委員である取締役を除く取締役の報酬は、基本報酬、短期業績連動報酬、株式報酬の3つの要素で構成されています。これは、中長期的な企業価値向上へのインセンティブと、各職責に応じた適正な水準を確保することを目的としています。一方、監査等委員である取締役の報酬は、経営の独立性と客観性を重視し、固定報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 4.5億円 | 74.5百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 14百万円 | 14.0百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 41百万円 | 5.9百万円 |
個人別報酬が開示されている役員は、青木光男氏(1.28億円)、青木勇氏(1.46億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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