【平均年収575万円】ナンシン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収575万円】ナンシン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

ナンシンは、キャスターや台車などの製造・販売を主要事業としています。海外に連結子会社を擁し、マレーシアと中国に報告セグメントを持つなど、グローバルに事業を展開しています。直近の業績は減収増益となりました。 (149字)


目次

※本記事は、株式会社ナンシン の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、キャスターや台車などの製造・販売を主要事業としています。同社を中核に子会社を擁し、企業集団として事業を展開しています。

単体従業員数は173名、連結従業員数は438名です。同社グループの報告セグメントは、マレーシアと中国の2つです。

主な国内グループ会社は、販売、中 国などです。

ナンシンは、キャスター、台車等の製造及び販売を主要な事業とする会社です。海外の連結子会社2社を擁し、企業集団として事業を展開しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ナンシンは、従業員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていると考えられます。多様な人材が活躍できるような制度設計や、スキルアップを促す教育機会の提供にも力を入れている傾向が見られます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員の平均年齢が比較的高く、平均勤続年数も一定の水準を保っていることから、人材が長く定着しやすい環境にあることがうかがえます。これは、安定したキャリアを築きたいと考える方にとって魅力的な要素となるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 5,754,893円
平均勤続年数 12.3年
平均年齢 46.2歳
単体従業員数 173人
連結従業員数 438人
単体のグループ内比率 39.5%


同社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。これらの制度は、国内および一部の在外連結子会社に適用されています。

退職一時金制度があり、給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


ナンシンは、「人造り、製品造りを通して広く社会に貢献する」という経営理念のもと、人的資本を持続的な企業価値向上の源泉と捉え、人材への投資と活用を重要な経営課題の一つとして位置付けています。顧客ニーズに対応できる提案力、製品理解力、及び新分野への対応力を備えた人材の確保・育成を通じて競争力の強化を図ることを基本方針としています。

人材育成においては、経営理念の浸透、人事評価制度、教育制度、研修、スキルピラミッドの導入等により、従業員の能力開発及び次世代リーダーの育成に取り組んでいます。また、人事異動及びジョブローテーションを通じて、多様な経験機会を提供し、課題解決能力及び組織運営能力の向上を図っています。採用は中途採用を主体とし、専門性や実務経験を有する戦略人材の獲得に努めています。

報酬については、市場における賃金動向を勘案し、全体として適切な水準の確保に努めています。その上で、公平性を重視した評価制度に基づき、個々の能力、成果及び貢献度を反映したメリハリのある処遇を行っており、従業員のモチベーション向上及び定着を図っています。職場環境・エンゲージメントの面では、ダイバーシティの推進、エンゲージメントの把握、リモートワーク環境整備、コミュニケーション活性化等を通じて、従業員が能力を発揮できる環境整備を進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。管理職に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金の差異は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の規定に基づき算出されています。男性労働者の育児休業取得率は、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定に基づき算出されています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 10.3%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 75.3%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 75.2%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 73.8%

多様性・登用

指標 数値
女性管理職人数 3名
女性役員数 1名

育児・介護支援

指標 数値
男性労働者育児休業取得率 100.0%

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
平均勤続年数 12.34年
スキルピラミッドの制定 -

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ナンシンは、キャスターや台車などの製造と販売を主要な事業とする企業グループです。同社グループは、国内を中核としつつ、マレーシアと中国に現地法人を擁し、生産と販売を連携させながら事業を展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、キャスターや台車、ロールボックスパレット、店舗用品、医療用樹脂部品といった製品の製造・販売を通じて収益を上げています。これらの製品は、物流機械として日本市場を中心に展開されており、効率的な生産・販売体制の構築と製品構成の最適化に努めています。新しいニーズに対応する新製品の開発も進め、事業基盤の強化を図っています。

事業の種類別に見ると、キャスター事業とその他事業に分かれています。キャスター事業の売上高は前期から減少しましたが、その他事業の売上高は前期から増加しました。

同社グループの事業は、地域別に「日本」「マレーシア」「中国」の3つの報告セグメントで構成されています。国際情勢の不安定化や金融政策の転換による先行き不透明感、物価上昇や需要の選別化といった外部環境の影響を受けやすい傾向があります。

日本

日本セグメントは、同社グループの中核を担い、国内におけるキャスターや台車などの生産・販売を行っています。収益は、キャスター事業とその他事業からの外部顧客への売上から得ています。前期と比較して売上高はほぼ横ばいであり、セグメント利益は前期の損失から利益へと転換しました。主要な顧客として、株式会社山善や株式会社本宏製作所への販売実績が示されています。

マレーシア

マレーシアセグメントは、アジア地域における生産・販売を担当しています。収益は、主にキャスター事業からの外部顧客への売上から得ています。運営は、NANSIN (MALAYSIA) SDN. BHD.が行っています。前期と比較して売上高は減少しましたが、セグメント損失は縮小しました。

中国

中国セグメントは、中国地域における生産・販売を担当しています。収益は、キャスター事業とその他事業からの外部顧客への売上から得ています。運営は、南星物流器械(蘇州)有限公司が行っています。前期と比較して売上高は減少しており、セグメント利益も減少しました。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
日本 91.7億円 91.7億円
中国 5.2億円 4.9億円
マレーシア 1.2億円 1.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は92億円台から98億円台で推移しており、直近の当連結会計年度では前期からわずかに減少しました。経常利益は1億円台から5億円台の間で変動が見られ、当連結会計年度は前期から増加しています。親会社株主に帰属する当期純利益も同様に変動しながら、当連結会計年度は前期から増加となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 92.0億円 98.1億円 89.2億円 98.2億円 97.8億円
経常利益 1.8億円 3.3億円 2.5億円 2.5億円 3.0億円
経常利益率 2.0% 3.4% 2.8% 2.5% 3.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 1.8億円 5.9億円 1.6億円 2.1億円 2.3億円
1株当たり当期純利益(円) 26.38 87.69 23.32 31.91 34.82

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から減少しましたが、従業員1人あたりの営業利益は前期から増加しました。これは、売上高が減少する中でも、効率的な経営努力により利益創出能力が向上していることを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 24.7百万円 22.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.3百万円 0.5百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


ナンシンは、財務基盤の安定性と資金の流れから、堅実な経営状況を示しています。本業で得た資金を適切に活用し、安定した事業運営を行っていることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


ナンシンは、高い自己資本比率を維持しており、強固な財務基盤を築いています。これは、外部環境の変化に強く、安定した事業運営を継続できることを示しています。手元資金も潤沢であり、不測の事態にも対応できる体制が整っています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 117億円 121億円
自己資本比率 81.3% 83.0%
ROE(自己資本利益率) 1.8% 1.9%
現金及び預金 35.1億円 41.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


ナンシンのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の増加により、前期から大きく増加しています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出があったものの、前期のプラスから当期はマイナスに転じています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いがあったものの、前期に比べて資金の減少幅が縮小しています。

これらの結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは前期から増加しており、本業で安定的に資金を生み出し、投資を行いながらも手元に資金を残せる優良な状態を示しています。これは、将来の成長に向けた投資余力と、雇用や給与の安定性につながる堅実な財務運営が期待できる状況です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 1.1億円 6.5億円
投資CF 1.9億円 △0.2億円
財務CF △16.1億円 △2.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 3.1億円 6.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

ナンシンは、事業を取り巻く経済情勢の変動による影響をリスクとして認識しています。市場の景気減速や需要構造の変化、価格競争の激化が進むことにより、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、大幅な為替変動が発生した場合にも、同社グループの営業成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

ナンシンは、当連結会計年度に事業構造改善費用として1.0億円を計上しています。この費用は事業再編・拠点統廃合・人員削減等に伴うものであり、転職先を検討する際に留意すべき情報です。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ナンシンは、どのような価値観を大切にし、どのような企業風土を築いているのでしょうか。同社グループの経営理念やビジョン、そして日々の事業活動で重視している行動指針や今後の重点テーマについてご紹介します。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「人づくり、製品(物)づくりを通して広く社会に貢献する」ことを経営理念としています。顧客満足度を高め、企業価値を向上させることにより、持続可能な企業としての責任を果たしていくことを経営の基本方針としています。

具体的には、「社会から頼られる企業」「社会から求められる製品やサービスを提供する企業」「社会から愛される人材の育成に努める企業」の3本柱を掲げています。これらを通じて、広く社会に貢献することを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、経営理念の3本柱に基づき、社会から頼られ、愛される企業となるための価値観を大切にしています。役に立つ製品やサービスの提供、法令や社会的規範の遵守、環境や雇用問題への取り組みと地域貢献・共生を重視しています。

また、製造原価の低減や製品・サービスの品質向上、新製品の開発、海外市場の開拓を通じて、社会に求められる価値の実現を目指しています。顧客ニーズをつかむ情報感応度や商品知識、提案型セールス、そして誠実で迅速な対応ができる人材の育成にも努めています。サステナビリティへの取り組みも重要な経営課題と位置付け、リスク管理委員会を設置し、持続的な成長を目指すことを宣言しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、持続的な成長軌道の確保に向け、いくつかの経営課題に取り組んでいます。経営基盤の再構築として、強みを活かした製品に経営資源を集中配分し、安定した高い品質の維持と顧客満足度の向上を図る「選択と集中」を進めています。

また、原材料価格上昇などの外部環境の変化に適応するため、事業全体の効率改善によるコストダウンと、適正なマージン確保に向けた価格改定にも取り組んでいます。成長への投資としては、開発体制を強化し新製品の展開を図るとともに、ASEANを中心に海外事業の強化を進めています。さらに、コミュニケーションの活性化と学びの機会提供を通じて、次世代に向けた人財の充実を図る「人財の育成」も重点テーマとしています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ナンシンは監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能を強化しつつ、業務執行取締役による迅速な経営を目指しています。取締役会は経営方針などの最重要事項や各業務執行の意思決定を行っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ナンシンの筆頭株主は個人株主である齋藤邦彦氏です。上位株主には、機関投資家や投資事業有限責任組合が複数名を連ねています。特定の個人や投資ファンドが上位に位置する資本構成となっています。

株主名 持株比率
齋 藤 邦 彦 13.50%
INTERACTIVE BROKERS LLC 10.68%
UH Partners2投資事業有限責任組合 7.49%
光通信KK投資事業有限責任組合 6.43%
田中 園枝 6.01%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は諏訪隆博氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
諏 訪 隆 博 代表取締役社長 1991年4月三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行、2010年6月三菱自動車工業財務統括室室長、2021年5月同社入社、2024年4月より現職。
山 本 貴 広 取締役会長 1992年9月同社入社、2011年6月同社取締役営業本部第三営業部長、2021年6月同社代表取締役社長、2024年4月より現職。
横 堀 剛 宏 常務取締役開発・生産担当 1989年4月同社入社、2017年6月同社取締役生産本部長、2018年6月同社常務取締役生産本部長、2023年4月より現職。
大 園   岳 常務取締役営業本部長 1997年12月同社入社、2017年6月同社取締役本社営業部長、2018年6月同社常務取締役営業本部長、2024年4月より現職。
齋 藤 聖 崇 取締役ニュービジネス開発担当 2013年8月同社入社、2021年6月同社取締役経営企画室長、2024年4月より現職。
井 川 裕 介 取締役管理本部長 1986年4月三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行、2016年4月㈱セレスポ入社、2022年9月同社入社、2025年4月より現職。


社外取締役は、谷眞人氏(日比谷見附法律事務所弁護士・監査等委員)、千倉成示氏(千倉書房代表取締役社長・監査等委員)、曽我昌子氏(kokoromachi代表取締役・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、非常勤監査等委員3名で構成される監査等委員会が、会計監査人および内部監査室と連携し、適正な監査に努めています。社外取締役は、内部監査や会計監査と監査情報を交換し、相互に連携・協力する体制です。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ナンシンの取締役の報酬は、同社グループの業績と株主価値の持続的な向上に資することを基本方針としています。報酬は固定報酬である基本報酬、業績連動報酬、非金銭報酬等で構成されます。ただし、監査等委員である取締役および社外取締役には業績連動報酬および非金銭報酬等は支給されません。固定報酬、業績連動報酬等、非金銭報酬等の割合は、概ね3:1:1としています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 5名 1.1億円 21.7百万円
監査等委員(社外除く) 1名 14百万円 14.1百万円
社外取締役 3名 16百万円 5.3百万円


なお、当事業年度中において監査等委員の構成(常勤・社外)の変更がありました。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。