【平均年収680万円】タカラバイオ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年3月期)

【平均年収680万円】タカラバイオ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年3月期)

タカラバイオは、バイオテクノロジー関連事業を展開する企業などを傘下に持つ純粋持株会社です。グループ全体で多くの従業員を擁し、海外の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。直近の業績は増収減益となりました。


目次

※本記事は、タカラバイオ株式会社 の有価証券報告書(2025年3月期、2024年4月1日 ~ 2025年3月31日、2025年6月20日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


タカラバイオは純粋持株会社であり、単体従業員数は762名、グループ連結従業員数は1,779名です。

主な国内グループ会社は、宝ホールディングス(純粋持株・会社)などです。

同社グループは、バイオテクノロジーを利用した研究、製品開発、検査事業などを展開しています。試薬、機器、受託、遺伝子医療の各事業を通じて、ライフサイエンス産業のインフラを担うグローバルプラットフォーマーを目指しています。連結子会社8社を中心に事業を推進しています。

国内においてはタカラバイオが生産・販売を一手に担い、海外8社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。

2025年1月には米国Curio Bioscience Inc.を買収し、空間トランスクリプトーム解析領域の製品群を強化しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


タカラバイオグループは、遺伝子治療などの革新的なバイオ技術を通じて人々の健康に貢献するという企業理念を掲げています。持続可能な社会の実現とグループの成長を両立させるため、人材育成や多様な人材の活躍推進、快適な職場環境の整備に力を入れています。社員一人ひとりのスキルやチャレンジを尊重し、ワークライフバランスを重視した働き方を推進する企業文化が特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


タカラバイオの従業員は、平均年齢が40代前半であり、平均勤続年数は10年を超えています。このことから、比較的落ち着いた年齢構成で、長期的にキャリアを築いている従業員が多い傾向が見られます。多様な人材の活躍推進や快適な職場環境の整備に注力しており、安定した環境で専門性を高めたいと考える方にとって魅力的な環境と言えるでしょう。なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 6,798,000円
平均勤続年数 11.8年
平均年齢 40.4歳
単体従業員数 762人
連結従業員数 1,779人
単体のグループ内比率 42.8%


同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。これらの制度は、同社および一部の連結子会社に適用されています。退職一時金制度も採用されています。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、2025年3月31日時点の退職給付債務は17.8億円、年金資産は10.4億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは「人間尊重」の立場に立ち、「いきいきと明るい職場、人を育む風土」を築き、企業人・社会人・個人のバランスがとれた人材育成を目指しています。社員一人ひとりのスキルやチャレンジを経営や事業に反映できる企業風土を目指し、人事制度や育成プログラムを整備しています。具体的には、役職や勤続年数に応じた「階層別研修」や「目的別研修」、事業で活躍できる専門性の高い教育研修を実施しています。

また、性別や国籍にとらわれず多様な視点や価値観が社内に存在することが持続的成長の強みであると考えており、多様な人材の活躍推進にも注力しています。快適な職場環境とワークライフバランスの実現も重視しており、個々のライフスタイルに合わせた働き方ができるよう制度整備を進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男女の賃金の差異は、若年層の労働者に占める女性比率が高いことによるものです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 23.8%
男性労働者の育児休業取得率 75.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 80.1%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 79.6%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 80.8%

多様な人材の活躍推進(提出会社)

指標 数値
新任女性役職登用者数 11名
障がい者雇用率 3.0%

快適な職場環境とワークライフバランスの実現(提出会社)

指標 数値
総労働時間前年度比 97.9%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


タカラバイオは、バイオテクノロジーを基盤とした研究用試薬・機器の提供、再生・細胞医療・遺伝子治療分野の受託開発・製造(CDMO)、そして遺伝子医療の創薬基盤技術開発と臨床開発を手掛ける企業グループです。ライフサイエンス産業のインフラを担うグローバルプラットフォーマーを目指し、幅広い事業を展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、試薬、機器、受託、遺伝子医療の各事業を展開しています。大学や公的研究機関、企業、検査会社を主な顧客とし、バイオテクノロジーを活用した研究開発や検査事業を支援しています。

収益は、遺伝子工学や細胞工学技術を基盤とした製品・サービスの提供から得ています。具体的には、DNA/RNA解析製品、酵素等の製造、幹細胞関連製品、シングルセル解析、空間トランスクリプトーム解析など多岐にわたります。また、再生医療等製品の製造受託や遺伝子解析・検査関連受託サービスといったCDMO事業にも注力しています。

遺伝子医療分野では、バイオ創薬基盤技術の開発を進め、遺伝子改変T細胞療法などの臨床開発も手掛けています。レトロネクチン®やmRNA合成酵素といった製造補助剤の開発・製造・販売も行っています。

同社グループの売上高は、試薬、機器、受託、遺伝子医療の全てのカテゴリーで前期から増加しました。海外売上高も大きく、米国、中国、欧州などからの収益が全体の相当部分を占めており、グローバルに事業を展開しています。特定の顧客への売上高が連結売上高の10%以上を占めるケースもあります。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5年間で売上高が大きく変動しています。一時期は大幅な増収を達成しましたが、その後は減少に転じ、直近の連結会計年度ではわずかな増収となりました。

利益面では、売上高の変動と連動して経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も大きく推移しています。特に直近の連結会計年度では、売上高は増加したものの、売上総利益の減少や売上構成の変化などの影響により、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも減少となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、直近の連結会計年度において前期から増加し、プラスを維持しています。本業でキャッシュを生み出す力は継続している状況です。

項目 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
売上高 461億円 677億円 781億円 435億円 450億円
経常利益 142億円 285億円 207億円 34.0億円 25.9億円
経常利益率 30.7% 42.0% 26.5% 7.8% 5.8%
親会社株主に帰属する当期純利益 95.5億円 198億円 160億円 14.8億円 10.4億円
1株当たり当期純利益(円) 79.29 164.84 132.97 12.30 8.65

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から増加しています。これは、従業員数が増加する中で、売上高がそれを上回る伸びを示したことを表しています。

一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から減少しています。売上高の増加に対して利益の伸びが追いつかず、従業員あたりの利益創出効率が低下した状況がうかがえます。

指標 2024年3月期 2025年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 23.7百万円 25.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.6百万円 1.3百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。これにより、財務基盤を維持しながら成長を目指していることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって強固な状態を示しています。自己資本比率はプライム市場平均を大きく上回っており、安定した経営基盤を構築していることがうかがえます。ROEはプライム市場平均を下回っていますが、手元資金は一定の水準を維持しており、不況時にも耐えうる資金力を有している状況です。

指標 2024年3月期(前期) 2025年3月期(当期)
純資産 1,118億円 1,158億円
自己資本比率 92.0% 92.2%
ROE(自己資本利益率) 1.3% 0.9%
現金及び預金 354億円 295億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、減価償却費や税金等調整前当期純利益などにより58.4億円の収入となり、前期から増加しています。投資活動によるキャッシュフローは、有形及び無形固定資産の取得による支出などにより109.1億円の支出となりましたが、前期に比べて支出額は減少しています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払額などにより22.6億円の支出となり、こちらも前期から支出額が減少しています。

これらの結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっていますが、本業で安定的に資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を継続している成長投資フェーズにあることが示されています。この状況は、中長期的な成長への期待とともに、雇用や給与の安定性にもつながる可能性があります。

項目 2024年3月期(前期) 2025年3月期(当期)
営業CF 17.1億円 58.4億円
投資CF △130.4億円 △109.1億円
財務CF △52.3億円 △22.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △113.3億円 △50.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、海外展開において、北米、欧州、中国を中心とするアジア等で事業活動を展開しています。これらの国や地域における経済状況、政治および社会体制の著しい変化、国際税務問題等の事象が発生した場合、事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、研究用の試薬・機器・受託サービスの製造・販売・提供には多数の競合企業が存在しており、遺伝子治療分野においても多くの企業が研究開発に取り組んでいます。他社が類似の製品や技術分野で先行した場合、製品開発や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

バイオテクノロジー業界において、専門的な知識・技能をもった優秀な人材の確保は必須であると同社グループは認識しています。計画通りに人材が確保できなかった場合や、人材が社外に流出する状況になった場合には、事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


タカラバイオは、革新的なバイオ技術で人々の健康に貢献するという企業理念を掲げ、持続的な成長と社会貢献の両立を目指しています。技術を基盤とした事業展開を通じて、未来の医療と社会の発展に貢献する企業風土を築いています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「遺伝子治療などの革新的なバイオ技術の開発を通じて、人々の健康に貢献します。」という企業理念を掲げています。この理念のもと、技術基盤であるバイオテクノロジーを活用し、社会への貢献と企業価値の向上を目指しています。

「長期経営構想2025」では、「試薬・機器事業とCDMO事業を通じ、バイオ創薬基盤技術開発を進め、新モダリティを創出し続ける創薬企業」を目指すビジョンを掲げています。事業領域の拡大と新技術の開発を進める方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、企業理念のもと、技術基盤であるバイオテクノロジーを活用し、社会への貢献と企業価値の向上を目指しています。人間尊重の立場に立ち、「いきいきと明るい職場、人を育む風土」をつくり、その中で「企業人・社会人・個人のバランスのとれた人材」を育成することを目指しています。

社員一人ひとりの持つスキルやチャレンジを経営や事業に反映できる企業風土を目指し、人事制度・育成プログラムを整備しています。性別や国籍などにとらわれず、異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観が社内に存在することが、持続的成長の強みとなると考えています。快適な職場環境とワークライフバランスの実現にも努め、全社員が個々のライフスタイルに応じていきいきと働くことができる制度の整備を進めています。

サステナビリティ活動推進の体制として、同社社長執行役員を委員長とした「タカラバイオグループ・サステナビリティ推進委員会」を設置し、サステナビリティ活動を推進しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、中期経営計画2025において、経営基盤強化策として「会社と従業員とのつながりを深め、強固な成長基盤を構築」することに取り組んでいます。また、「持続可能な社会の実現」と「同社グループの持続的な成長」の両立を目指し、社会的価値の創造にも注力しています。

具体的には、CO2排出削減の推進、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の開示レベルの強化、人権デューデリジェンスの推進に取り組んでいます。人・組織の課題としては、採用から育成にシフトし、変化に対応できる人材の育成を目指しています。困難に柔軟に適応できる組織づくりと、多様な人材が能力発揮できる就業環境の整備も重点テーマとしています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


タカラバイオは監査役会設置会社であり、取締役会による経営の監督機能と執行役員による業務執行の分離を図る体制を採用しています。また、取締役会の諮問機関として指名・報酬委員会および特別委員会を設置し、ガバナンスの強化に努めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


タカラバイオは、宝ホールディングスが筆頭株主として経営を支える体制です。宝ホールディングスは同社の親会社であり、グループ全体の企業価値最大化を目指す「グループ会社管理規程」を運用しています。これにより、親会社が同社グループの経営に大きな影響力を持つ資本構成となっています。

株主名 持株比率
宝ホールディングス 60.91%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 6.42%
日本カストディ銀行(信託口) 1.67%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は14名(男性12名・女性2名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長社長執行役員CEOは仲尾功一氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
仲尾 功一 代表取締役 社長 社長執行役員 CEO 1985年寳酒造㈱入社。2002年同社取締役、2009年代表取締役社長に就任。2015年社長執行役員、2020年CEOに就任し、現在に至る。宝ホールディングス㈱取締役も兼任。
峰野 純一 取締役副社長 副社長執行役員 1984年寳酒造㈱入社。2004年同社細胞・遺伝子治療センター長。2011年執行役員、2022年副社長執行役員、2023年取締役副社長に就任し、現在に至る。
浜岡 陽 専務取締役 専務執行役員 1987年日本たばこ産業㈱入社。2000年寳酒造㈱入社。2004年同社執行役員、2021年取締役、専務執行役員。2023年専務取締役に就任し、現在に至る。
宮村 毅 専務取締役 専務執行役員 1988年寳酒造㈱入社。2009年同社営業部長、執行役員。2018年取締役、2022年専務執行役員。2023年専務取締役に就任し、現在に至る。
日下部 克彦 専務取締役 専務執行役員 1986年寳酒造㈱入社。2017年同社執行役員。2023年専務執行役員、専務取締役に就任し、現在に至る。
木村 睦 取締役 1985年寳酒造㈱入社。2002年同社取締役、2009年代表取締役副社長。2018年宝ホールディングス㈱代表取締役社長、2022年同社取締役に就任し、現在に至る。


社外取締役は、河島伸子氏(同志社大学経済学部教授・指名・報酬委員会委員長)、木村和子氏(金沢大学名誉教授・指名・報酬委員会委員)、松村謙臣氏(近畿大学医学部産婦人科学教授・指名・報酬委員会委員)です。

同社は監査役会設置会社です。社外取締役は、業務執行から独立した立場で取締役の経営監督機能を果たしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は年俸制を採用しており、業務執行取締役は固定給と業績連動報酬で構成されています。固定給は前年度報酬額の50%で、変動給は全社業績評価と部門業績評価に基づいて決定されます。業績連動報酬の指標には、同社が重視する経営指標である営業利益が用いられています。業務執行から独立した取締役および監査役の報酬は固定給のみです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 2.2億円 36.8百万円
監査役(社外除く) 2名 34百万円 17.0百万円
社外取締役 3名 23百万円 7.7百万円
社外監査役 3名 24百万円 8.0百万円


役員報酬の総額は3.02億円であり、報酬の支給対象となった役員は合計14名です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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