※本記事は、クラスターテクノロジー株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
クラスターテクノロジーは、高精度・高機能に特化した樹脂製品を提供する企業です。樹脂複合材料技術、成形加工技術、金型技術、計測・解析技術、融合技術を基幹技術とし、ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業、マクロ・テクノロジー関連事業、その他事業の3つの事業を展開しています。
単体従業員数は76名です。事業セグメントは、ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業、マクロ・テクノロジー関連事業、その他事業の3つです。
クラスターテクノロジーは、高精度・高機能に特化した樹脂製品の開発、製造、販売を一貫して行っています。基幹技術を活かし、ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業、マクロ・テクノロジー関連事業、その他事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
クラスターテクノロジーは、人材を重要な経営資源と位置づけ、待遇改善や人事制度の見直しを通じて、社員の活躍を支援する環境づくりに注力しています。年功序列から脱却し、貢献度や成果に応じた評価・報酬制度を導入することで、社員一人ひとりの成長と会社の発展を両立させることを目指している会社です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、社員の平均年齢が40代半ばであり、平均勤続年数も10年を超えていることから、比較的落ち着いた年齢構成で、長期的に働く社員が多い傾向にあることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,382,000円 |
| 平均勤続年数 | 11.3年 |
| 平均年齢 | 45.1歳 |
| 単体従業員数 | 76人 |
同社は確定拠出型の退職給付制度を導入しており、会社が拠出した資金を従業員が運用する仕組みです。適用範囲は国内グループ会社となっています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
クラスターテクノロジーは、将来の成長に必要な「人材」と「モノ」(生産設備及び能力)が不足していると認識しており、次期中期経営計画以降の成長戦略を見据え、これらへの投資に迅速に対応すべきであると考えています。人的資本投資としては、関東工場への大型投資に伴う製造人員の増員、顧客提案力及び対応力強化に伴う技術者と営業員の増員、東京証券取引所スタンダード市場への上場市場区分変更に伴う管理体制の強化に伴う人員増を進める方針です。
同社は、重要な経営資源の一つである人材の待遇改善(所得改善と安定化)を推進してきました。2022年4月には、年功序列の色彩が強かった従来の制度から脱却し、人材活性化を通じて会社を飛躍させるために給与体系・人事制度の見直しを実施しています。具体的には、本人が現在担っている「役割の大きさ」により、処遇のベースとなる「等級制度」を導入し、各等級に求める人材像を明確にしました。
評価については、従来から導入していた「成果志向制度」の内容を見直し、毎年、各人が掲げた目標に対する行動や実績について評価を実施しています。評価にあたっては本人と上司間の対話を通じて納得性と主体的に行動する人材の醸成をはかっています。報酬については、年度予算作成時に基本となる賞与水準を定めると共に、年度内の業績連動部分を反映し、個人ごとの賞与額は、担当業務における個人の実績や会社への貢献度等を加味し、メリハリの強い成果配分を実施することを基本としています。
2026年4月には、給与制度及び嘱託制度の見直しを実施しました。現在の「等級制度」における各等級の基本給テーブル上限を引上げ、同等級であっても基本給に大きな格差が生じる制度に見直すことで、貢献度や成果に応じた配分をより明確にし、更なる活性化を期待しています。また、定年後の嘱託雇用に関しては、一律に処遇するのではなく、会社への貢献度や能力、そして強い意欲がある人材については、引き続きその経験や能力を充分に発揮できるよう、個別に検討し、活躍できる環境を整える方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
クラスターテクノロジーは、高精度・高機能に特化した樹脂製品の提供を事業方針としています。製品に求められるサイズや精度に応じて、ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業とマクロ・テクノロジー関連事業、その他事業の3つの分野で事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、樹脂複合材料を基幹技術とし、高機能な樹脂製品を開発・製造・販売しています。ナノメートルから肉眼で見えるマクロスコピックな領域まで、幅広いサイズと精度が要求される製品に対応しています。
ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業
この事業では、機能性樹脂複合材料をベースとした機能性精密成形品や部品、研究開発用及び評価・分析用パルスインジェクター®システム(PIJ)を提供しています。デジタルカメラのオートフォーカスセンサー部品、インクジェットプリンターのインク供給部部品、バーコードリーダー装置のレーザー反射ミラー部品、精密寸法測定器のエンコーダ部品などに同社の製品が使用されています。PIJは超微量の溶液を高速で吐出できる装置であり、エレクトロニクスやバイオテクノロジー分野の研究開発ツールとして活用されています。収益は、これらの機能性精密成形品やPIJ関連製品の製造・販売から得ています。当事業年度の売上高は前期から大幅に増加しました。
マクロ・テクノロジー関連事業
この事業では、樹脂成形碍子や機能性樹脂複合材料を提供しています。同社の樹脂成形碍子は、重電機メーカーで50年以上の使用実績があり、ビルや工場などの受配電設備に設置されています。顧客の要望に応じて、碍子だけでなく成形材料としての販売も行っています。収益は、機能性樹脂複合材料、樹脂成形碍子、金型・部品の販売から得ています。当事業年度の売上高は前期から大幅に増加しました。
その他事業
その他の事業では、同社の基幹技術を活用した医薬品容器の異物検査や、微細加工技術を応用した精密部品の組立を行っています。収益は、これらのサービス提供から得ています。当事業年度の売上高は前期から減少しました。
同社は本邦以外の外部顧客への売上高がなく、海外比率はありません。また、当事業年度の販売実績では、長瀬産業、黒田電気、ナガセエレックスが主要な相手先となっています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業 | 8.2億円 | 10.6億円 |
| マクロ・テクノロジー関連事業 | 1.8億円 | 2.3億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
当事業年度の業績は、売上高、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益の全てにおいて前年同期比で増加しました。特に営業利益と経常利益は、昨年度に続き過去最高を更新しています。これは、売上高が大きく伸び、利益率が改善した結果によるものです。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
クラスターテクノロジーは、堅実な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しています。本業で着実に資金を生み出し、将来に向けた投資も行っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社は高い自己資本比率を維持しており、財務基盤が安定していることを示しています。手元資金も増加傾向にあり、事業運営の安定性がうかがえます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 1,652百万円 | 1,754百万円 |
| 自己資本比率 | 90.0% | 86.7% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 549百万円 | 651百万円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、本業で安定的に資金を稼ぎ出し、投資活動にも資金を投入している状況です。営業活動によるキャッシュフローがプラスであり、事業の収益性が高いことを示しています。投資活動によるキャッシュフローもプラスとなっており、定期預金の預入支出の減少や有形固定資産の取得による支出が主な要因です。
財務活動によるキャッシュフローはマイナスとなっており、配当金の支払いやリース債務の返済による支出が影響しています。全体として、本業で得た資金を元手に、事業の成長と安定的な運営を両立している状況がうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 216百万円 |
| 投資CF | - | 100百万円 |
| 財務CF | - | △24百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | 316百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
多業種や異業種の大手企業がナノ/マイクロ・テクノロジー業界へ参入することや、マクロ・テクノロジー関連事業において低価格品が日本市場へ流入することが、同社の事業に影響を及ぼすリスクがあります。また、ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業を会社の大きな柱としていく考えですが、ターゲットとする分野の成長予測には限界があり、売上実績の齟齬や課題発生のリスクが存在します。
③ 人材・組織に関するリスク
同社の研究開発は、高分子化学、無機化学、充填材技術、精密成形技術、金型技術などの多彩な能力を持った技術者を必要としています。そのため、必要とする人材を確保できない場合や有能な人材が社外に流出した場合、同社の事業に悪影響を及ぼす恐れがあります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
クラスターテクノロジーは、「日々新たに、社会に役立つ」という経営理念のもと、社会貢献から生まれる利益を追求する企業です。利己ではなく利他の心で活動することを大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「日々新たに、社会に役立つ」という経営理念を掲げています。一時の利益にとらわれず、社会貢献から生まれる利益を追求し、社会、企業、人心を結びつけ、新しい活力を創造することを目指しています。利己の心ではなく、利他の心で活動することを重視しています。
経営方針としては、新規開拓に向けた営業力の強化、環境への対応と未来への商品開発、生産力の強化と人材育成を掲げています。高精度・高機能に特化した樹脂製品の提供を通じて、顧客の商品価値向上に貢献することを事業方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は経営理念である「日々新たに、社会に役立つ」に基づき、社会貢献と利他の心を重視する企業風土です。会社と社員の成長、そして成果の配分を徹底する方針が示されています。
環境意識への対応を経営方針の一つとし、「環境への対応と未来への商品開発」を掲げ、全社的な体制づくりを進めています。また、人的資本に関する戦略として、人材の待遇改善(所得改善と安定化)を推進し、貢献度や成果に応じた配分を強化しています。定年後の嘱託雇用においても、貢献度や能力、強い意欲がある人材が活躍できる環境を整えることを重視しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、将来の成長に必要な「人材」と「モノ(生産設備及び能力)」が現状で不足していると認識しており、これらへの投資に迅速に対応すべき時期であると考えています。中長期的な視点での企業価値向上に取り組むため、新規設備投資及び生産能力の拡大、人的資本投資(人材採用の強化)を積極的に進める方針です。
人的資本に関する取り組みとして、中期経営計画の「経営方針」における実行力強化を掲げ、管理と教育システムの構築に取り組んでいます。具体的には、企業風土の改革、現場責任者の資格取得や研修への参加強化、技術継承方法の確立、ワーキンググループ活動の強化による現場の意識改革を進めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
クラスターテクノロジーは、監査等委員会設置会社として、経営の透明性・効率化と迅速な意思決定を基本方針としています。社外取締役が過半数を占める監査等委員会により、客観的かつ中立的な経営監視機能が強化されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は個人である河野信夫氏です。上位には複数の個人株主が名を連ねており、代表取締役社長の安達良紀氏や取締役の安達俊彦氏も主要な株主として名を連ねています。特定の個人や事業会社が上位に位置する構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 河野 信夫 | 4.81% |
| 大熊 崇 | 4.74% |
| 安達 良紀 | 4.14% |
| 関 誠 | 4.04% |
| 小西 恭彦 | 3.54% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は安達良紀氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 安達 良紀 | 代表取締役社長開発本部長 | 1994年東神電気入社、1997年同社入社。2007年開発本部長、同年取締役就任。2014年代表取締役専務、2017年製造第1本部長を経て、2017年より代表取締役社長現職。 |
| 藤田 雅之 | 取締役営業・マーケティング本部長 | 1979年日本専売公社入社、1992年同社入社。2004年関東工場長、同年取締役就任。製造本部長、製造第2本部長を経て、2018年より営業・マーケティング本部長現職。 |
| 駒井 幸三 | 取締役管理本部長 | 1981年立花証券入社。2004年タカトリ代表取締役社長兼営業本部長。2013年同社社外取締役就任、2017年取締役就任、同年より管理本部長現職。 |
| 安達 俊彦 | 取締役製造本部長 | 1997年クロースタジオ入社、2011年同社入社。2020年製造第2本部長、2023年製造本部長を経て、2026年より取締役現職。 |
社外取締役は、松本茂氏(松本茂法律税務事務所代表・監査等委員)、原哲朗氏(元東京証券代行取締役企画本部長・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役7名のうち3名が監査等委員です。監査等委員の過半数が社外取締役であるため、客観的かつ中立的な経営監視機能が確保されています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、各取締役の職務や貢献度を考慮した固定報酬が中心です。業績連動報酬や金銭報酬以外の報酬は設定されておらず、確定額報酬が個人別の報酬等の全額を占めています。監査等委員の報酬も、経営の独立性と客観性を重視し固定報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 41百万円 | 13.8百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 3百万円 | 3.0百万円 |
| 社外取締役 | 2名 | 3百万円 | 1.6百万円 |
役員報酬の総額は、対象となる役員6名に対して47.5百万円となっています。
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