【平均年収397万円】日本一ソフトウェア 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収397万円】日本一ソフトウェア 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

日本一ソフトウェアは、コンピュータソフトウェアの開発・製造・販売を主軸に、グループ各社とともにエンターテインメント事業を展開しています。直近の業績は売上高が大きく減少し、利益面では損失が続いています。


目次

※本記事は、株式会社日本一ソフトウェア の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日本一ソフトウェアは、コンピュータソフトウェアの開発・製造・販売を主軸とするエンターテインメント事業を展開しています。同社グループは、ゲームソフトの配信やローカライズ販売、学生寮の運営なども手がけています。

単体従業員数は110名、連結従業員数は182名です。セグメントはエンターテインメント事業、学生寮・その他事業の2つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)STUDIO ToOeuf(エンターテインメント事業)、(連結子会社)楽しみチーム(学生寮・その他事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


株式会社日本一ソフトウェアは、エンターテインメント事業を主軸とし、多様な人材の活躍を重視する企業です。従業員の能力開発や働きやすい環境づくりに力を入れ、長期的なキャリア形成を支援する方針が見られます。給与制度においても、専門性や役割に応じた報酬体系を構築し、従業員の貢献を評価する姿勢がうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均年齢が30代半ばであり、比較的若い世代が中心となって活躍している傾向が見られます。平均勤続年数も一定の長さがあり、従業員が長期的にキャリアを築いている様子がうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 3,971,810円
平均勤続年数 8.3年
平均年齢 35.7歳
単体従業員数 110人
連結従業員数 182人
単体のグループ内比率 60.4%


同社グループは、退職給付制度として確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。

同社は確定給付型の退職一時金制度を採用しており、給付額の一部に特定退職金共済制度からの給付額を充当しています。海外連結子会社では確定拠出による退職年金制度を採用しています。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。海外連結子会社の確定拠出制度への要拠出額は6百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、年齢、性別、地域を問わず多様なエンターテインメントを提供するため、国内販売20万本を超えるIP創出を中期経営計画の目標としています。この目標達成に向け、従業員一人ひとりの能力開発と経験蓄積による成長、組織力の強化を推進し、人的資本投資の成果である生産性の最大化に注力しています。

従業員への報酬は、担う役割の重要度、難易度、専門性に応じて等級・区分を決定し、基本給を設定する方針です。特に優秀な開発人材の採用と育成を最重要課題とし、専門性に特化した従業員への「特別手当」導入など、高付加価値を追求する組織体制の構築に努めています。また、役員および従業員等を対象とした「ストック・オプション制度」を導入し、中長期的な企業価値向上への貢献意欲を高めています。

人材の育成と登用においては、社内における女性の活躍促進を含む多様性の確保を推進しています。具体的には、短時間勤務や産前産後休暇、育児休暇などを取得しやすくするための規程を設けています。女性・中途採用者の管理職登用も積極的に行い、複数の実績があるとのことです。

人事においては、管理職の半分に女性(心は女性を含む)を登用することを目標に掲げています。採用に関しても男女公平な採用を行い、男女の区別なく有能な人材の採用を継続する方針です。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


同社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示項目は記載を省略しています。

多様性・登用

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合(目標) 半分

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社日本一ソフトウェアは、コンピュータソフトウェアの開発・製造・販売を主な事業とするエンターテインメント事業と、学生寮の運営を行う学生寮・その他事業を展開しています。同社グループは、ゲームという分野に限らず、年齢・性別・地域を超えたすべての人々に楽しさを提供することを目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主にゲームソフトウェアの開発・販売を通じて収益を上げています。国内だけでなく、北米・欧州・アジア地域へのローカライズと販売も積極的に行い、グローバルに事業を展開しています。

エンターテインメント事業

この事業では、家庭用ゲームソフトの開発・製造・販売を主力としています。PlayStation Network、ニンテンドーeショップ、Steam等を通じたゲームソフトやダウンロードコンテンツの配信も行っています。収益は、パッケージ売上、自社通販サイトでのパッケージ売上、ダウンロード売上、ライセンス売上などから得ています。運営は、株式会社日本一ソフトウェア本体および連結子会社であるNIS America, Inc.などが行っています。前期と比較して、この事業の売上高は減少しています。

学生寮・その他事業

この事業では、岐阜県内の大学学生寮の運営を通じて学生支援を行っています。収益は、学生寮の運営等から得ています。運営は、連結子会社である株式会社楽しみチームが行っています。前期と比較して、この事業の売上高は増加しています。

同社グループは海外市場での展開も重視しており、特に米国での売上高が全体の地域別売上高の中で最も大きな割合を占めています。主要な顧客としては、任天堂株式会社やSONY INTERACTIVE ENTERTAINMENT AMERICAがあります。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
エンターテインメント事業 52.0億円 34.9億円
学生寮・その他事業 97百万円 1.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期の業績を見ると、売上高は減少傾向にあり、特に当期は大きく減少しました。利益面では、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益ともに直近2期連続で損失を計上しています。当期は営業損失も拡大しましたが、経常損失は前期から縮小しました。営業活動によるキャッシュ・フローは当期もプラスを維持しており、本業によるキャッシュ創出は継続しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 57.2億円 48.3億円 53.4億円 53.0億円 36.1億円
経常利益 16.9億円 9.4億円 8.4億円 △75百万円 △55百万円
経常利益率 29.5% 19.5% 15.8% △1.4% △1.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 12.7億円 6.7億円 5.9億円 △1.6億円 △2.6億円
1株当たり当期純利益(円) 253.06 133.50 117.73 △31.08 △50.51

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期と比較して減少しています。従業員1人あたりの営業利益は、前期に引き続き損失を計上しており、損失額は拡大しています。当期は減損損失も計上されており、これらの要因が1人あたりの収益性指標に影響を与えていると考えられます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 29.9百万円 19.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △1.6百万円 △2.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で得た資金を上回る投資を行っており、成長に向けた資金投下を進めている状況です。財務基盤は安定しているものの、収益性の改善が今後の課題となっています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は当期で69.4%となっており、前期の69.6%からほぼ横ばいです。これはプライム市場の平均(製造業46.8%、非製造業24.2%)と比較して高い水準を示しており、財務の安定性があると言えます。一方で、ROE(自己資本利益率)は当期で△3.3%とマイナスが続いており、収益性の改善が課題となっています。

現金及び預金は当期で64.2億円と、前期の52.0億円から増加しています。手元資金が潤沢にあることは、事業運営における資金的な余裕を示すものです。これらの財務状況は、同社グループが安定した事業運営を継続するための基盤を保ちつつも、収益性向上への取り組みが今後の雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 78.7億円 79.5億円
自己資本比率 69.6% 69.4%
ROE(自己資本利益率) △2.0% △3.3%
現金及び預金 52.0億円 64.2億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは50百万円の獲得となり、前期の4.0億円の獲得から減少しました。これは主に、税金等調整前当期純損失の発生があった一方で、売上債権及び契約資産の減少があったことによるものです。投資活動によるキャッシュフローは△12.2億円の使用となり、前期の△2.3億円の使用から支出が大幅に増加しています。これは主に、定期預金の預入による支出や有形固定資産の取得による支出があったことによるものです。

財務活動によるキャッシュフローは△42百万円の使用となり、前期の4.7億円の獲得から使用へ転換しました。これは主に、短期借入金の純減少や配当金の支払いがあったことによるものです。その結果、自由に使える資金を示すフリーキャッシュフローは当期で△11.7億円となり、前期の1.8億円のプラスからマイナスに転じています。このキャッシュフローの状況は、同社グループが事業の成長のために資金を投下しているものの、本業での資金創出力の強化が今後の安定性や成長性を左右する可能性があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 4.0億円 50百万円
投資CF △2.3億円 △12.2億円
財務CF 4.7億円 △42百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) 1.8億円 △11.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、特定のゲームソフトへの売上高依存度が高い傾向があります。また、デジタル・コンテンツ市場における顧客嗜好の変化や技術革新への対応の遅れが、同社グループの業績に影響を与える可能性があります。特定の取引先への販売委託に依存している点もリスクとして挙げられています。

③ 人材・組織に関するリスク

有能な開発人員の確保と育成が不可欠であり、人材を確保できなかった場合や多数流出した場合には、事業活動に支障が生じる可能性があると記載されています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日本一ソフトウェアは、「ゲームは作品ではなく商品である」という創業理念に基づき、顧客との喜びを分かち合う企業として発展することを使命としています。同社グループは、利益追求ではなく付加価値の追求を重視し、あらゆるエンターテインメント分野で楽しさを提供することを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


日本一ソフトウェアは、「ゲームは作品ではなく商品である」という創業理念を掲げています。商品を購入するユーザーだけでなく、取引先や株主など、同社グループに関わるすべての人々と喜びを分かち合える企業として発展することを使命としています。

同社グループは、年齢・性別・地域に関わらず、すべての人にあらゆるエンターテインメント分野で楽しさを提供することを目指しています。利益追求集団ではなく、付加価値追求集団として、商品やサービスを通じて人々の豊かさに貢献することを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


日本一ソフトウェアは、長期的な付加価値の追求を重要な指標としています。永続的な発展を目指し、「開発力の強化」「販売力の強化」「生産性の向上」に取り組む企業風土です。

従業員の能力発掘と経験蓄積による成長、組織力の強化を通じて、ブランド価値と顧客満足度の向上を目指しています。また、人材育成と登用においては、女性の活躍促進を含む多様性の確保を推進しており、短時間勤務や育児休暇などの規程を設けています。

適材適所を旨とし、人物本位の人事考課を行っています。管理職の半分に女性を登用することを目標に掲げ、男女公平な採用を継続しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


日本一ソフトウェアは、永続的な発展を目指し、「開発力の強化」「販売力の強化」「生産性の向上」を重点テーマとしています。開発力の強化では、従業員の能力発掘と経験蓄積、組織力強化を通じたブランド価値向上を目指しています。サステナビリティに関する課題への対応も重要な経営課題と認識し、リスクと機会の分析や対応策の検討を継続的に行っています。

人的資本では、多様性を妨げない人事・採用を進めています。地域社会への貢献活動も重点テーマの一つです。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


同社グループは、企業活動を支えるあらゆるステークホルダーの利益を重視し、コーポレート・ガバナンスの確立を重要な経営課題と認識しています。取締役会と監査役会を設置し、経営上の意思決定、業務執行状況の監督、法令で定められた事項及び重要事項の決定を行っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社グループの株主構成を見ると、筆頭株主は有限会社ローゼンクイーン商会であり、同社グループの創業家または関連会社が大きな比率を占めていることが特徴です。これにより、特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。

株主名 持株比率
有限会社ローゼンクイーン商会 46.30%
INTERTRUST TRUSTEES(CAYMAN)LIMITED AS TRUSTEE OF THE UBIQUITOUS MASTER SERIES TRUST MELCO GROUP MASTER FUND 7.70%
SBI証券 5.10%
合同会社センス 3.20%
仙石 丈晴 2.20%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は猿橋健蔵氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。

氏名 役職 主な経歴
猿橋 健蔵 代表取締役社長 平成18年4月同社入社、平成27年10月同社営業部長、令和5年6月同社取締役管理部長を経て、令和7年1月より現職。
北角 浩一 取締役会長 平成3年9月有限会社プリズム(現ローゼンクイーン商会)設立、平成5年7月有限会社プリズム企画(現同社)設立、平成28年6月同社取締役会長を経て、令和6年6月より現職。
多々内 良則 取締役開発部長 平成5年4月三菱電機中部コンピュータシステム株式会社入社、平成19年4月同社入社、平成27年10月同社開発部長を経て、令和元年6月より現職。
平岡 三知 取締役 平成7年4月株式会社コーエー入社、平成18年7月NIS America, Inc.入社、令和7年4月同社入社を経て、令和7年6月より現職。


社外取締役は、後藤昭人氏(スライヴパートナーズ代表取締役社長)です。
社外監査役は、服部賢二氏(日本防災通信協会岐阜県支部統括支部長)、加藤剛氏(岐阜商工会議所専務理事)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会は5名の取締役で構成されています。社外取締役1名、社外監査役2名が選任されており、客観的かつ適切な監督・監査機能を通じて、企業価値及び株主価値向上に貢献する体制となっています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社では、取締役の報酬は基本報酬が中心となっており、業績連動報酬は現在導入していません。報酬額は世間水準、会社業績、従業員給与とのバランスを考慮し、株主総会で決定された報酬総額の範囲内で取締役会にて決定されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 73百万円 18.3百万円
監査役(社外除く) 1名 6百万円 5.7百万円
社外役員 3名 4百万円 1.3百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。