※本記事は、高島株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月16日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
高島グループは、建材、産業資材、電子・デバイスの3つの事業セグメントを通じて、取引先へのソリューション提供を中核戦略としています。建設・建築資材から高機能産業資材、電子デバイスの製造・販売まで多岐にわたる事業を展開しています。
単体従業員数は220名、連結従業員数は1,200名です。セグメントは建材、産業資材、電子・デバイスの3つです。
主な国内グループ会社は、海外、当社、◎レスト、◎新エネルギー流通システム、◎岩水開発などです。
直近では、2025年4月に高島インダストリーズがシーエルエスを、2026年1月にはサンワシステムがサンワホールディングス他6社を吸収合併しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
高島は、事業を通じて社会貢献を目指す「サステナの先進商社」として、持続的な成長を追求しています。従業員一人ひとりのキャリア形成を重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりに力を入れている点が特徴です。ここでは、同社の給与水準や働き方の具体的な状況についてご紹介します。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
高島では、平均勤続年数が比較的長く、従業員が安定してキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も40代半ばであり、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,404,000円 |
| 平均勤続年数 | 12.4年 |
| 平均年齢 | 43.5歳 |
| 単体従業員数 | 220人 |
| 連結従業員数 | 1,200人 |
| 単体のグループ内比率 | 18.3% |
同社は、従業員の退職給付制度として、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方を採用しています。当社は、従業員の退職給付に備えるため、会社規定による退職金の全額について確定給付企業年金制度を採用しております。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
退職給付債務は13.1億円、年金資産は16.3億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
高島は、持続的成長の実現に向け、「キャリア型人財」モデルの浸透と成長支援を人材戦略の基本方針としています。従業員一人ひとりが「自身が自身の経営者である」という意識を持つ「キャリア・オーナーシップ」を確立し、自律的なキャリア開発を推進しています。また、仕事と私生活を統合する「ワーク・ライフ・インテグレーション」を通じて、高い価値を提供できる人材の育成を目指しています。
給与制度においては、職種や等級の役割・責任に基づく「役割給」を基本給とし、年1回の人事考課で能力発揮度や行動事実を評価し昇降給を決定しています。賞与は年2回の成果評価に基づき、組織目標や個人の達成度を点数化した絶対評価に応じて支給され、業績への貢献度を還元する仕組みです。
同社は、2021年4月から「キャリア型人財」育成を目指した新人事制度を導入し、その運用主体として「人の成長を考える委員会」を発足させ、キャリア型人財育成プロセスを推進しています。多様な人材が能力を発揮し活躍できる職場環境づくりにも注力しており、総合職では外国人、女性、理系、事務職では外国人、男性の採用を積極的に進めています。また、介護休業や男性育児休業を希望する従業員が働き続けられるよう、適正な労働時間管理と安全教育研修を継続して実施しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 7.1% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 65.3% |
| 男女賃金差異(正規雇用労働者) | 63.3% |
| 男女賃金差異(非正規雇用労働者) | 69.4% |
グループ全体(連結)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職における女性比率 | 19.0% |
| 中途採用者比率 | 75.9% |
| 外国人比率 | 23.1% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
高島は、建材、産業資材、電子・デバイスの3つの事業セグメントを通じて、多岐にわたる商材の販売とソリューション提供を行っています。国内外の幅広い顧客に対して、企画から施工、製造まで一貫したサービスを提供することで収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、高島を中核として連結子会社23社、関連会社3社で構成されています。取引先に対して開発提案力や複合完結力を発揮し、ソリューション提供を中核戦略としています。売上高の約14%を海外地域から得ており、特定の顧客への収益集中は見られません。
建材
建設・建築に関わる様々な商材を取り扱っています。具体的には、壁材、基礎杭(パイル)、断熱材、太陽光パネル、インテリアなどが含まれます。販売網を全国に構築し、企画、設計から施工まで幅広い工程を請け負うことで収益を得ています。当期は住宅資材分野と再生可能エネルギー資材分野が好調に推移したものの、非住宅資材分野が低調に推移し、セグメント売上高は減少しました。
産業資材
樹脂材料や成形品、鉄道車輌用の高機能製品、産業用繊維、LED工事、アパレルOEMなど多種多様な商材を提供しています。グループ内にメーカーを持ち、多様な機能を提供することで収益を得ています。樹脂関連資材分野は増収となりましたが、繊維関連資材分野は需要減少や事業縮小により減収となりました。売上構成の改善や連結子会社の工場稼働率向上により、セグメント利益は増加しています。
電子・デバイス
国内外で電子デバイスの販売を行い、海外自社工場(タイ・ベトナム)での製造・販売も手掛けています。iTak(International)Limitedの下にアジア地域をベースに複数の拠点を擁しています。日本国内の民生電子機器市場や白物家電市場における競争激化、電子部品の在庫解消、デジタルカメラ関連の低迷などにより、セグメント売上高は減少しました。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 建材 | 610億円 | 584億円 |
| 産業資材 | 180億円 | 179億円 |
| 電子・デバイス | 155億円 | 143億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近5年間で増加傾向にありましたが、当期は減少に転じました。経常利益も同様に減少しており、特定の事業における損失計上が影響しています。一方で、営業活動によるキャッシュ・フローは増加しており、本業での資金創出力は維持している状況です。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 741億円 | 797億円 | 901億円 | 945億円 | 906億円 |
| 経常利益 | 18.4億円 | 19.4億円 | 20.0億円 | 20.2億円 | 15.2億円 |
| 経常利益率 | 2.5% | 2.4% | 2.2% | 2.1% | 1.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 13.0億円 | 15.8億円 | 48.3億円 | 15.7億円 | 12.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 36.02 | 44.36 | 136.49 | 45.70 | 35.88 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から減少しました。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期と同水準を維持しています。これは、売上高の減少がありながらも、営業利益の効率性は維持されていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 77.7百万円 | 75.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.8百万円 | 1.8百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務基盤は、事業活動による資金創出と手元資金の状況から、その安定性や将来に向けた投資余力を確認できます。キャッシュフローの動きからは、本業で稼いだ資金がどのように使われているかが見えてきます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は前期から増加し、プライム市場の非製造業平均を上回る水準で推移しています。これは、事業活動を支える安定した財務基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)は前期から減少しており、プライム市場平均を下回っています。手元資金である現金及び預金は増加傾向にあり、事業運営に必要な流動性を確保している状況です。これらの財務状況は、同社グループが安定した事業運営を継続していく上での基盤となり、従業員の雇用や給与の安定性にも影響を与える要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 239億円 | 232億円 |
| 自己資本比率 | 39.8% | 40.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 6.6% | 5.2% |
| 現金及び預金 | 90.8億円 | 105億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当期のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは増加となりました。これは主に売上債権・契約資産の減少によるものです。投資活動によるキャッシュフローも増加となり、主な要因は投資有価証券の売却によるものです。その結果、営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローはプラスとなっています。一方、財務活動によるキャッシュフローは減少しており、長期借入金の返済や配当金の支払いが主な要因です。前期は営業活動および投資活動によるキャッシュフローが減少していましたが、当期は改善傾向を示しています。本業で安定的に資金を創出し、財務活動で資金を減少させている状況は、同社グループの事業運営が健全な状態にあることを示しており、従業員の雇用安定性や将来の成長性にも良い影響を与えると考えられます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △27.4億円 | 28.1億円 |
| 投資CF | △12.8億円 | 7.1億円 |
| 財務CF | 4.2億円 | △21.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △40.2億円 | 35.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの売上高のうち重要な部分を占める建材セグメントは、民間設備投資や住宅着工戸数などの状況変化により影響を受ける可能性があります。また、産業資材セグメントや電子・デバイスセグメントは、アジアをはじめとする海外諸国の経済状況悪化による納入先の減産が業績に悪影響を及ぼす可能性を認識しています。同社グループが関わるほとんどの業界において厳しい価格競争が展開されており、価格面での圧力による取引の減少や利益率の低下が業績に影響を及ぼす可能性もあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業の拡大や多角化により、十分な内部管理体制の構築、整備、運用が追いつかない場合に、適切な業務運営が困難となるリスクを認識しています。当事業年度においては、持分法適用関連会社において不正な資金流出事案が確認されており、内部管理体制の見直しと再発防止策の策定に努めている状況です。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
高島は「事業を通じて社会に貢献する」ことを企業使命とし、持続可能な社会の実現を目指す専門商社です。環境配慮事業を中核に、オリジナルな発想でソリューションを提供する企業文化を持っています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
高島グループは、「事業を通じて社会に貢献する」ことを企業使命としています。持続的発展が可能な社会の実現に貢献することを重視しており、温暖化対策などの環境配慮事業を中核に据えています。
同社グループは、仕入先や協力会社の支援・協力を得ながら、オリジナルな発想で顧客にソリューションを提供していくことを必要と認識しています。中期経営計画2028では「持続的好循環の創出」をテーマに、持続的な企業価値の向上を目指しています。資本効率の向上と社会課題解決を両立させ、広く社会から支持される高島グループの実現を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
高島は創業以来、「誠実一筋」を経営姿勢として掲げています。従業員には誠意をもって約束を守り、明るく素直で謙虚であること、感謝の念を忘れず、法令遵守と規律、正しいマナーを身につけることが共通認識として求められています。
同社グループのサステナビリティ基本方針は、「事業を通じて社会に貢献する」という企業使命に基づき、持続的な価値創造と企業価値向上の好循環を創ることで持続的成長を目指すものです。サステナビリティ社会の実現に貢献する事業活動、社会課題への取り組み、企業統治の強化を重視しています。
また、同社は「キャリア型人財」(従業員一人ひとりが経営力と専門力を掛け合わせ、自身にあるキャリアオーナーシップを発揮し社内外で価値創造を実現できる人財)の成長を推進しています。多様な人財が活躍し、その役割を果たしていく企業風土を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、中期経営計画2028において「持続的好循環の創出」をテーマに、持続的な企業価値の向上を目指しています。そのための基本方針として、「稼ぐ人財の持続的輩出」を掲げています。
具体的には、多彩なキャリア型人財による稼ぐ人財輩出基盤の確立や、成長支援体制の運用と投資の実行に取り組んでいます。これらの取り組みを通して、資本効率の向上と社会課題解決を両立させ、持続的な成長を実現できる高島グループを目指しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
高島は、監査等委員会設置会社として、社外取締役の機能を活用し、取締役会の監督機能とコーポレート・ガバナンス体制の強化を図っています。権限委譲による迅速な意思決定と業務執行を通じて、経営の健全性と効率性を高めることを目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は高島取引先持株会であり、取引先との連携を重視する姿勢がうかがえます。また、平和や東京海上日動火災保険といった事業会社や金融機関も上位株主として名を連ねています。同社関係者による持株会や個人株主も上位に複数見られ、安定的な資本構成を形成していることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 高島取引先持株会 | 13.73% |
| 平和 | 4.46% |
| 東京海上日動火災保険 | 2.42% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.0%です。代表取締役社長は高島幸一氏が務めています。社外取締役比率は66.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 高島 幸一 | 代表取締役社長 社長執行役員 | 1978年プロクター・アンド・ギャンブル日本法人入社、2002年同社入社、取締役副社長、2004年代表取締役社長、2018年より現職。 |
| 山本 明 | 取締役 専務執行役員 社長付 | 1987年株式会社大阪東通入社、2010年同社入社、建材事業本部各役職を経て、2018年取締役兼執行役員、2026年より現職。 |
| 後藤 俊夫 | 取締役 専務執行役員 電子・デバイス事業本部長兼 iTak(International)Limited 代表取締役社長 | 1983年同社入社、iTak(International)Limited代表取締役社長、2012年取締役兼iTak(International)Limited代表取締役社長、2026年より現職。 |
社外取締役は、河合順子氏(弁護士法人梅ヶ枝中央法律事務所パートナー弁護士・指名委員・報酬委員)、宇治田明史氏(元株式会社サカタのタネ取締役常務執行役員・監査等委員長・指名委員長・報酬委員長)、桃崎有治氏(桃崎有治公認会計士事務所代表・監査等委員・指名委員・報酬委員)、篠連氏(光和総合法律事務所パートナー弁護士・監査等委員・指名委員・報酬委員)、青木寧氏(元花王株式会社常務執行役員・監査等委員・指名委員・報酬委員)、坂本修一氏(元旭化成株式会社取締役専務執行役員・監査等委員・指名委員・報酬委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役の機能を活用することで、取締役会の監督機能とコーポレート・ガバナンス体制の強化を図っています。過半数を社外取締役で構成する監査等委員会を置くことで、経営の健全性と効率性を高めることを目的としています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、基本報酬、利益連動金銭報酬、株式報酬で構成されています。監査等委員である取締役および社外取締役には、その独立性および中立性を確保するため、利益連動金銭報酬は適用されません。利益連動金銭報酬は「親会社株主に帰属する当期純利益」を基準とし、株式報酬としては譲渡制限付株式報酬制度を導入しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 1.2億円 | 41.3百万円 |
| 社外取締役 | 1名 | 5百万円 | 5.0百万円 |
報酬等の総額は1.29億円であり、対象となる役員の員数は4名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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