【平均年収609万円】築地魚市場 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収609万円】築地魚市場 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

築地魚市場は、水産物の卸売業を主要事業とし、冷蔵倉庫業や不動産賃貸業も展開しています。連結従業員数は約300名です。直近の期では売上高が増加し、経常利益は減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は増加しました。


目次

※本記事は、築地魚市場株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


築地魚市場は、水産物の卸売業および売買を主要事業としています。同社グループは、冷蔵倉庫業務や不動産賃貸業務も附帯事業として展開しています。

単体従業員数は164名、連結従業員数は292名です。セグメントは水産物卸売業、冷蔵倉庫業、不動産賃貸業の3つです。

主な国内グループ会社は、東市ロジスティクス(冷蔵倉庫業)、キタショク(水産物卸売業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


築地魚市場は、日本の食生活を支える水産物卸売業を主軸に、冷蔵倉庫業や不動産賃貸業も展開しています。同社グループは、卸売市場という社会インフラの一翼を担い、安全安心な水産物の安定供給を通じて社会貢献を目指しています。このような事業特性から、長期的な視点での人材育成と安定した働き方を重視する傾向が見られます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


築地魚市場では、従業員の平均年齢が高く、勤続年数も長い傾向が見られます。これは、長年にわたり培われた経験と専門知識を持つ人材が定着し、安定して働き続けていることを示唆しています。

項目 数値
平均年間給与 6,093,935円
平均勤続年数 17.2年
平均年齢 46.2歳
単体従業員数 164人
連結従業員数 292人
単体のグループ内比率 56.2%


同社グループは、退職給付制度として確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両制度を採用しています。適用範囲については、同社は退職一時金制度と確定拠出型年金制度を、連結子会社は退職一時金制度を採用しています。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、中期経営計画「MF-2026」において「人員採用拡大によりダイバーシティを促進し、強靭な組織力を構築」を重点課題に掲げています。これに基づき、新卒採用とキャリア採用を強化し、組織の活性化とワークライフバランスの一層の改善を目指しています。特に、シニア世代や女性が活躍できる職場づくりを推進し、多様な人材が能力を発揮できる環境整備に注力しています。

報酬制度については、一般職では知識やスキルの蓄積を重視し、成果と行動に基づく評価を組み合わせて等級ごとに給与を決定しています。賞与は業績や外部環境を総合的に考慮して支給されます。管理職は、部下育成を担うライン管理職と専門性で成果を出すプロフェッショナル管理職に区分され、それぞれの役割に応じた評価制度が適用されます。また、業務に資する国家資格等の取得者には資格手当を支給し、社員の能力開発と専門性向上を促進しています。

具体的な取り組みとして、育児・介護・労働安全に関わる諸規程を更新し、働きがいを感じられる人事制度を採用しています。育児休業規程では、小学4年生の始期に達するまでの子を養育する社員に対し、所定労働時間の短縮や時差出勤制度を設けることで、仕事と家庭生活の両立を支援しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。

多様性・登用


当社グループの女性活躍関連指標は2026年3月現在、以下の通りです。

指標 数値
従業員に占める女性社員比率 21.6%
管理職に占める女性管理職比率 5.3%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


築地魚市場は、水産物の卸売を主要事業とし、冷蔵倉庫業や不動産賃貸業も手掛ける企業グループです。日本の食文化を支える水産物の流通において、重要な役割を担っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、水産物の卸売業を核に、冷蔵倉庫業、不動産賃貸業の3つの事業を展開しています。水産物の安定供給と流通を支える多角的な事業構造が特徴です。

水産物卸売業

この事業では、生鮮加工水産物の委託販売や買付販売を行っています。収益は、生鮮加工水産物の流通から得ています。運営は、築地魚市場、共同水産、キタショク、築地市川水産が行っています。同社グループの事業の中で最も規模が大きく、前期と比較して収益が増加しています。

冷蔵倉庫業

水産物の冷蔵保管や荷役作業を担う事業です。収益は、冷蔵倉庫の利用料から得ています。運営は、東市ロジスティクス、築地企業が行っています。この事業は前期と比較して収益が増加しています。

不動産賃貸業

同社グループが所有する不動産の一部を外部やグループ会社に賃貸しています。収益は、不動産の賃貸料から得ています。運営は、築地魚市場、共同水産が行っています。この事業は同社グループの中で最も規模が小さく、前期と比較して収益が減少しています。

同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えており、国内市場が中心となっています。特定の顧客への売上高が連結売上高の10%以上を占める相手先はありません。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
水産物卸売業 609億円 658億円
冷蔵倉庫業 14.0億円 14.7億円
不動産賃貸業 1.6億円 1.5億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの連結売上高は、過去5年間で一貫して増加傾向にあります。一方で、経常利益は変動が見られ、直近の期では前期から減少しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の期で前期から大きく増加しています。

直近の期では、販売費及び一般管理費に貸倒引当金繰入額等を計上したことにより、営業利益と経常利益は前期から減少しました。しかし、特別利益に投資有価証券売却益を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は増加しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 550億円 580億円 587億円 624億円 674億円
経常利益 1.7億円 2.2億円 76百万円 3.3億円 1.9億円
経常利益率 0.3% 0.4% 0.1% 0.5% 0.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 2.6億円 2.2億円 2.0億円 2.9億円 3.9億円
1株当たり当期純利益(円) 117.84 100.18 91.07 128.60 173.90

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、直近の期で前期から増加しました。これは、従業員一人あたりの売上創出能力が向上していることを示しています。

一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は、直近の期で前期から減少しました。売上高の増加に対して、営業利益の伸びが追いついていない状況がうかがえます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 219.8百万円 231.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.1百万円 0.6百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


築地魚市場グループの財務基盤は、事業活動による資金創出と投資活動による資金増加が見られ、安定した状態を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


築地魚市場グループの自己資本比率は39.2%となっており、プライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較して高い水準を示しています。一方、ROE(自己資本利益率)は5.7%であり、プライム市場平均(9.4%)を下回っています。手元資金である現金及び預金は18.1億円となっており、前期から増加しています。これらの財務状況は、同社グループが安定した経営基盤を維持していることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 65.4億円 70.9億円
自己資本比率 39.4% 39.2%
ROE(自己資本利益率) 4.4% 5.7%
現金及び預金 8.6億円 18.1億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


築地魚市場グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは9.8億円の収入となり、前期の△4.5億円の支出からプラスに転換しました。これは主に営業活動による収入等によるものです。投資活動によるキャッシュフローも4.1億円の収入となり、前期の△3.5億円の支出からプラスに転換しています。これは投資有価証券の売却等によるものです。

財務活動によるキャッシュフローは△4.3億円の支出となり、前期の2.7億円の収入から支出に転じています。これは長期借入金の返済等によるものです。この結果、フリーキャッシュフローは13.9億円のプラスとなり、前期の△8.0億円のマイナスから大きく改善しました。本業で資金を創出し、投資活動でも収入を得ていることから、同社グループは安定した資金繰りを維持しており、今後の事業展開や雇用安定性にも期待が持てる状況です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △4.5億円 9.8億円
投資CF △3.5億円 4.1億円
財務CF 2.7億円 △4.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △8.0億円 13.9億円


※フリーCF(フリーキャッシュ・フロー)とは、会社が事業活動と投資活動を通じて自由に使える余剰資金のこと。

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、東京都中央卸売市場豊洲市場での水産物卸売販売を主たる事業としており、卸売市場への依存度が高い状況です。市場内の仲卸業者の経営状況悪化に伴う不良債権の発生や、豊洲市場の設備コスト増が業績に影響を与える可能性があります。

また、国際的な政治情勢や地域紛争により、輸入水産物の高騰や輸出入の取扱量減少、仕入コストの上昇が損益に影響を及ぼす可能性があります。これらの外部環境の変化が、同社グループの事業構造や収益性に影響を与えるリスクとして認識されています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、食の安定供給や市場機能の維持のため、休業日や勤務時間が変則的となっています。日本の労働人口減少や転職市場の活性化により、必要な人員・人材が確保できない恐れがあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


築地魚市場グループは、日本の食生活を支える水産物卸売業において、社会的な使命と責任を果たすことを重視しています。ここでは、同社グループがどのような価値観や文化のもとで経営を行い、未来に向けてどのような組織を目指しているのかをご紹介します。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


築地魚市場は、卸売市場法に基づく東京都中央卸売市場の荷受会社として、国民の健康的な食生活への貢献を社会的使命としています。同社グループは、集荷力と販売力の強化に努め、首都圏の一大消費地を抱える市場荷受としての優位性を発揮することを目指しています。旧来型の荷受会社から、広範な機能を有する販売会社への転換を図り、新たな価値創造を通じてステークホルダーの期待に応えることを経営方針としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


築地魚市場グループは、安全安心な水産物を消費者に届け、日本の豊かな食生活に貢献することを企業理念としています。経営理念では、株主、取引先、従業員、消費者、地域社会への貢献を目指し、CSRを重視してステークホルダーの信頼を得ることを掲げています。

同社グループは「サステナビリティに関する基本方針」を制定し、法令遵守、人権尊重、環境保全、安全衛生、品質管理、適切な情報開示を重視しています。特に人権尊重においては、多様な価値観を尊重し、安全で快適な職場環境の実現と働き方の多様性を尊重した人材育成を目指しています。人員採用拡大によるダイバーシティ推進と強靭な組織力構築も重視しており、シニア世代や女性が活躍できる職場作りを進めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


築地魚市場グループは、新中期経営計画「MF-2026」において、持続的な成長のための重点課題に取り組んでいます。特に組織・人材面では、「人員採用拡大によりダイバーシティを推進し、強靭な組織力を構築」を掲げています。具体的には、新卒採用とキャリア採用を強化し、組織の活性化を図るとともに、ワークライフバランスの一層の改善を目指しています。

また、物流2024年問題への対応を踏まえた、市場内外の物流効率化も推進しています。市場内外物流の効率化とグループ内商流の集約を図り、「商・物流」の一元化を進めています。投資政策としては、人材投資やDXを推進するシステム投資を重点テーマとしています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


築地魚市場は、取締役会と監査役会を中心とした経営管理体制を構築しています。業務執行のスピードアップと効率化を図るため、執行役員制度を導入しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


築地魚市場は、複数の事業会社が大株主として名を連ねる資本構成となっています。筆頭株主は丸紅シーフーズであり、その他にも水産関連や食品関連の事業会社が上位に位置しています。これらの株主が同社の経営を支えている状況です。

株主名 持株比率
丸紅シーフーズ 11.80%
ヨンキュウ 9.80%
東洋水産 5.47%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長は吉田猛氏、代表取締役社長は山﨑康司氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
吉田 猛 代表取締役会長 1975年4月丸紅株式会社入社、2003年4月札幌中央水産株式会社入社、2006年5月同社入社、2013年6月同社代表取締役社長、2024年4月同社代表取締役会長より現職。
山﨑 康司 代表取締役社長 1978年4月丸紅株式会社入社、2006年9月株式会社ダイエー出向 常務執行役員、2014年4月丸紅株式会社執行役員食品部門長、2021年4月同社顧問、2025年4月同社代表取締役社長兼管理部門管掌より現職。
大竹 利夫 取締役 常務執行役員 管理本部長 1982年4月同社入社、2009年6月同社執行役員経理部長、2016年6月同社取締役執行役員経理部長、2021年4月同社取締役常務執行役員管理本部長兼コンプライアンス委員長、2026年4月同社取締役常務執行役員冷蔵事業本部管掌兼管理本部長兼コンプライアンス委員長より現職。
関 均 取締役 1984年4月同社入社、2009年6月同社執行役員総務部、不動産開発部担当兼総務部長兼不動産開発部長、2013年6月同社取締役執行役員経営企画部、総務部担当役員補佐兼経営企画部長、2026年4月同社取締役より現職。


社外取締役は、石川誠氏(石川公認会計士事務所代表)、池邊吉博氏(元名村造船所常勤監査役)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の意思決定と監督機能を担っています。社外取締役2名と社外監査役2名が設置されており、外部からの客観的かつ中立的な経営監視機能の強化を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


築地魚市場の役員報酬は、持続的な成長と企業価値向上を重視した設計となっています。取締役(社外取締役を除く)の金銭報酬は、固定報酬と業績連動報酬を区分せず、役職ごとの基準報酬に会社業績評価と個人業績評価を反映させて毎月支給されます。また、非金銭報酬として譲渡制限付株式を付与し、長期的なインセンティブとしています。社外取締役および監査役の報酬は、業績に連動しない固定報酬です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 1.0億円 26.0百万円
監査役(社外除く) 1名 10百万円 10.0百万円
社外役員 4名 19百万円 4.8百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。