※本記事は、株式会社ナガホリ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ナガホリは、宝飾品の製造販売を主たる事業としています。同社グループは、海外及び国内からの仕入れに加え、連結子会社ソマや茂原工場での自社製造も行い、卸売と小売りの両方で事業を展開しています。
単体従業員数は300名、連結従業員数は484名です。セグメントは宝飾事業、貸ビル事業、太陽光発電事業の3つです。
主な国内グループ会社は、ソマ(貴金属製造・加工卸)、ナガホリリテール、エスジェイジュエリー(宝飾品製造加工販売)、仲庭時計店(時計販売・宝飾品卸売)、翔(宝飾品卸売)などです。
直近では、M&Aにより札幌百貨店の店舗を展開する翔を子会社化し、事業を強化しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ナガホリは、従業員の安定したキャリア形成を支援しつつ、多様な人材が活躍できる環境づくりに注力しています。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社グループの職場環境の傾向を把握することができます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の定着を重視する傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、長期的なキャリアを築きやすい環境であることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,561,000円 |
| 平均勤続年数 | 14年1ヶ月 |
| 平均年齢 | 47歳4ヶ月 |
| 単体従業員数 | 300人 |
| 連結従業員数 | 484人 |
| 単体のグループ内比率 | 62.0% |
退職給付制度は、確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。これらの制度は、同社および一部の連結子会社に適用されています。
非積立型の確定給付制度である退職一時金制度では、退職給付として給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。確定給付制度に係る退職給付債務は5.8億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、中期経営計画『Beyond Growth』の実現に向け、人材戦略を重要な柱と位置付けています。持続的成長と収益性向上を目指し、すべての社員にとって働き甲斐のある企業集団となることを目指しています。
人材戦略は「人材採用の多様化」「組織見直し、適材適所に向けた配置・異動」「人材育成の見直し」の3つの柱を中心に取り組んでいます。具体的には、中長期的な視野での新卒採用と、高い専門性を持つ人材の中途採用を推進しています。社員の能力や適性に応じた配置・異動により、業務効率化と生産性向上を図るとともに、営業戦略・商品戦略の実現に向けた人材育成や管理職のマネジメント能力強化にも力を入れています。
従業員の給与は、職務の内容、役割、責任の大きさを基準に決定されます。個人の業績や成果、会社全体の業績を総合的に勘案し、公正かつ透明性の高い評価制度に基づいて決定する方針です。中長期的な企業価値向上への貢献を適切に還元するため、評価基準や方法についても適宜見直しを検討しています。
また、人材の多様性・育成にも注力しており、各事業分野で専門性の高い人材の発掘・育成を念頭に置いた柔軟な起用を行っています。仕事と子育ての両立支援として、育児休業等の取得推進や育児休業復職者に対する時短勤務等の柔軟な運用が可能な社内環境を整備し、人材の多様性や女性活躍の機会を積極的に進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 18.6% |
| 男性育児休業取得率 | 0.8% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 70.2% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 68.9% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 71.4% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| グループ全体の本部・店舗マネジメントに従事する女性労働者の割合 | 34.4% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社ナガホリは、宝飾品の製造販売を主軸に、貸ビル事業や太陽光発電事業も展開する企業グループです。多角的な事業を通じて収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、宝飾品の製造販売を主要な事業としています。海外および国内からの仕入れに加え、連結子会社や自社工場での製造も行っています。販売は卸売と小売の両方で展開しており、グループ各社がそれぞれのチャネルで事業を推進しています。
宝飾事業
宝飾品の製造および販売を手掛ける同社グループの主力事業です。海外や国内からの仕入れ品、連結子会社ソマや同社茂原工場で製造された製品を扱っています。卸売および小売販売を主とし、同社、エスジェイジュエリー、仲庭時計店、翔、ナガホリリテールといったグループ各社が販売を担っています。当連結会計年度においては、売上高が大きく増加しました。
貸ビル事業
同社グループが保有する不動産の賃貸を行う事業です。当連結会計年度では、売上高が増加しました。
太陽光発電事業
売電を行う事業です。当連結会計年度では、売上高はわずかに減少しました。
同社グループの売上高は、当連結会計年度において特定の顧客への集中は見られません。また、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えており、国内市場が中心となっています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 宝飾事業 | 228億円 | 292億円 |
| 貸ビル事業 | 75百万円 | 1.1億円 |
| 太陽光発電事業 | 48百万円 | 46百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも、全体として増加傾向にあります。特に当連結会計年度は、売上高が大きく伸び、それに伴い経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も大幅に増加しました。一方で、当連結会計年度には株主対応等に係るアドバイザリー費用を特別損失として計上しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 169億円 | 177億円 | 218億円 | 229億円 | 294億円 |
| 経常利益 | 2.5億円 | 5.4億円 | 10.0億円 | 6.5億円 | 15.9億円 |
| 経常利益率 | 1.5% | 3.0% | 4.6% | 2.8% | 5.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.6億円 | 61百万円 | 5.2億円 | 4.1億円 | 11.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 10.69 | 3.96 | 33.91 | 26.50 | 71.78 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しました。また、従業員1人あたりの営業利益(連結)も同様に増加しています。これらの指標の改善は、同社グループ全体の生産性が向上していることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 48.3百万円 | 60.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.5百万円 | 3.6百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務の安定性の観点から、現在の状況を示します。事業拡大やM&Aに伴う投資を積極的に行っている状況であり、資金調達によってそれを支えていることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は前期から減少していますが、プライム市場の非製造業平均と比較すると高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)は前期から大きく改善し、プライム市場平均に近い水準となっています。現金及び預金は前期から増加しており、手元資金の厚みが増している状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 130億円 | 141億円 |
| 自己資本比率 | 49.5% | 45.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.2% | 8.1% |
| 現金及び預金 | 22.9億円 | 30.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、前期に引き続きマイナスで推移しています。これは主に棚卸資産の増加額22億48百万円、売上債権の増加額1億32百万円、法人税等の支払額2億70百万円等の支出があったことによるものです。投資活動によるキャッシュフローもマイナスとなり、有形固定資産の取得による支出8億36百万円や投資有価証券の取得による支出1億54百万円等に資金を投じています。
この結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローはマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュフローはプラスであり、主に短期借入金の純増加額31億40百万円等の収入によって資金を調達しています。同社グループは事業拡大やM&Aに伴う投資を積極的に行っている状況であり、資金調達によってそれを支えていることがうかがえます。このような資金の流れは、今後の事業展開や成長戦略に影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △9.7億円 | △9.7億円 |
| 投資CF | 0.6億円 | △9.9億円 |
| 財務CF | 3.1億円 | 27.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △9.1億円 | △19.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの宝飾事業は、激しい企業間競争の事業環境にあります。また、為替相場や地金相場の変動が業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ナガホリは宝飾品を通じて人類の文化生活に貢献することを経営理念としています。社員一人ひとりの誠実な働きを重視し、持続的な成長と社員のモチベーション向上を目指す企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ナガホリは、宝飾品を通じて人類の高い文化生活に貢献することを経営の理念としています。広く世界に市場を求め、人間性豊かな理想の会社を築き、永遠の繁栄を図ることを目指しています。また、社業を通じて株主・取引先・社員の最大多数の最大幸福の実現を経営の基本方針としています。
同社グループの10年後のビジョンは「ジュエリー業界のリーディングカンパニーとしてのポジションを確固たるものとする」ことです。グループビジョンとして、既存事業の持続的成長と収益力の向上、新市場の開拓を掲げています。さらに、「社員のモチベーション向上」から始まる好循環の輪を実現し、すべての社員にとって働き甲斐のある企業集団を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ナガホリは、社員一人ひとりが誠実に働くことを経営の基本方針としています。すべての社員にとって働き甲斐のある企業集団を目指しており、人材採用の多様化や組織の見直し、適材適所の人材配置・異動を通じて、社員のモチベーション向上を図る人材戦略を進めています。
同社グループは、中長期的な企業価値向上の観点から、サステナビリティを極めて重要な経営課題と認識しています。人材の多様性・育成においては、専門性の高い人材の発掘・育成に注力し、仕事と子育ての両立を支援する社内環境整備を進めています。育休取得推進や育休復職者に対する時短勤務の柔軟な運用を通じて、人材の多様性と女性活躍の機会を積極的に推進しています。
また、人権尊重と腐敗防止にも取り組んでおり、透明なダイヤモンド取引の世界的な枠組み「SoW(システム・オブ・ワランティ)」の推進に賛同しています。紛争への資金提供などに関与しない供給先からダイヤモンドを購入し、キンバリープロセスの遵守を徹底しています。SDGsに沿ったSoW 2nd Editionの原則、例えば人権と労働者の権利、腐敗防止、ジェンダー平等、差別の廃止などにも賛同し、実践に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ナガホリグループは、中期経営計画『Beyond Growth』~成長のその先へ~に基づき、組織・文化・人材に関わる様々な課題に取り組んでいます。社内においては、令和7年8月より新基幹システムの本格稼働を開始し、既存業務フローの見直しと改善、新体制の構築を通じて業務の平準化・標準化を進め、生産性の向上を図っています。
グループ戦略としては、グループ内で企業活動に適応した人員政策を戦略的に展開しています。サステナビリティに関する目標として、女性が管理職として活躍できる雇用環境の整備を掲げています。定期的なフォローアップや研修による意識改革、適材適所となる配置替え等を行い、グループ全体の本部・店舗マネジメントに従事する女性労働者の割合を40%以上へ引き上げることを目標としています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査役制度を採用しており、取締役会と監査役会による業務執行の監督・監視を行っています。取締役会は社外取締役を含めて構成され、経営の健全性向上と株主価値の最大化を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主はリ・ジェネレーションです。上位株主には有限会社エムエフ長堀や布山高士氏が名を連ねています。同社は、特定の株主による株式の急速かつ大量な買い集め状況を踏まえ、中長期的な企業価値確保の観点から買収防衛策を導入しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| リ・ジェネレーション | 11.56% |
| 有限会社エムエフ長堀 | 7.69% |
| 布山 高士 | 6.34% |
(注)当社は自己株式1,438千株を保有しておりますが、上記大株主には含めておりません。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長は長堀慶太氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 長堀 慶太 | 代表取締役 社長 | 昭和62年4月株式会社協和銀行(現株式会社りそな銀行)入行。平成5年3月同社入社。平成20年6月同社代表取締役社長に就任。ソマ代表取締役社長、エスジェイジュエリー代表取締役会長などを兼任し、現在に至ります。 |
| 吾郷 雅文 | 常務取締役 管理本部長 | 昭和62年4月株式会社協和銀行(現株式会社りそな銀行)入行。平成29年2月同社入社。平成30年6月取締役管理本部長。令和2年6月常務取締役管理本部長に就任し、現在に至ります。 |
| 白川 文彦 | 取締役 | 昭和63年4月同社入社。平成23年6月取締役ジュエリー事業部長。令和4年11月取締役管理本部経営企画部長。株式会社仲庭時計店代表取締役社長を兼任し、現在に至ります。 |
| 中尾 直 | 取締役 商品本部長 | 昭和60年4月同社入社。平成30年4月執行役員商品本部長。令和5年6月取締役商品本部長に就任し、現在に至ります。 |
| 浦島 一彰 | 取締役 営業本部長 | 平成3年4月株式会社太陽神戸三井銀行(現株式会社三井住友銀行)入行。令和6年7月同社入社。令和7年6月取締役営業本部長に就任し、現在に至ります。 |
社外取締役は、洲桃麻由子氏(すもも法律事務所代表弁護士)、米村敏朗氏(元警視総監)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が業務執行の監督・監視を担っています。取締役会に占める独立社外取締役の割合は28.5%であり、客観的な視点から経営のチェック機能強化に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は固定報酬と賞与で構成されています。中長期的な企業成長への貢献度や個人の業績をもとに、株主総会で決議された総額の範囲内で取締役会決議によって決定する方針です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 91百万円 | 15.2百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 22百万円 | 3.1百万円 |
上記のほか、費用処理した役員賞与引当金繰入額13百万円(取締役(社外取締役を除く)13百万円、監査役(社外監査役を除く)-百万円、社外役員-百万円)及び役員退職慰労引当金繰入額9百万円(取締役(社外取締役を除く)9百万円、監査役(社外監査役を除く)0百万円、社外役員0百万円)があります。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
💬キャリコネで会社の実態を確認する
決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。
ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。
企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。