※本記事は、新光商事株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
新光商事は、集積回路・半導体素子などの電子部品、アセンブリ製品、電子機器の販売・輸出入を主たる業務としています。同社グループは、子会社15社および関連会社1社で構成されています。
単体従業員数は288名、連結従業員数は667名です。セグメントは電子部品事業、アセンブリ事業、その他の事業の3つです。
主な国内グループ会社は、ノバラックスジャパン(電子部品事業・その他の事業)、NT販売(電子部品・事業・その他の事業)、新光商事エルエスアイデザインセンター(その他の・事業)などです。
なお、2026年4月1日付でノバラックスジャパンを吸収合併しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
新光商事は、エレクトロニクス業界の変革期において、DX推進やカーボンニュートラル対応といった新たな需要に対応しています。このような事業環境の中で、従業員が安定してキャリアを築けるような給与水準と働き方の提供を目指していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
新光商事では、従業員の平均勤続年数が比較的長く、安定したキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。平均年齢も40代前半であり、経験豊富な人材が多数在籍していることが特徴です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,252,000円 |
| 平均勤続年数 | 15.75年 |
| 平均年齢 | 43.3歳 |
| 単体従業員数 | 288人 |
| 連結従業員数 | 667人 |
| 単体のグループ内比率 | 43.2% |
新光商事では、退職金規程に基づく退職一時金制度、確定拠出型年金制度、前払退職金制度を採用しています。一部の連結子会社でも退職給付債務の算定に簡便法を適用しています。退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は9.4億円、年金資産は3.8億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、経営戦略の一つとして人的資本への投資を掲げ、多様な人材の採用、教育研修投資、従業員エンゲージメント向上に取り組んでいます。創業以来「人間尊重主義」を掲げ、社員の自己実現を企業の目的の一つとしています。
従業員の給与・報酬は、年齢や勤続年数のみに依拠せず、担う役割や発揮された成果に基づき決定することを基本としています。ベースアップについては、社会経済情勢、労働市場の動向、同社の業績および財務状況を考慮しつつ実施されています。
社員が自らの意志で学べる環境を提供することを企業の責任と考え、体系的な人材教育制度を整えています。管理職によるチームの人的資本の最大化・企業価値の向上が重要な責務となった今、管理職の部下育成スキル向上にも力を入れています。
経営理念のもと多様性を重視し、個々人を尊重・受容して組織の力を最大限に発揮できるよう最適な人材を登用しています。多様な個人が能力を最大限に発揮できる環境整備と人材育成に取り組み、平等に機会を提供しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率は、本記事では取得できていません。同一資格同一賃金としており、男女間の賃金格差はございません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 3.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 53.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 61.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 35.0% |
グループ全体(連結)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職の占める割合 | 10.2% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
新光商事は、電子部品やアセンブリ製品の販売・輸出入を主軸とする事業を展開しています。同社グループは、これらの製品を通じて幅広い顧客層にサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、集積回路や半導体素子などの電子部品、アセンブリ製品、電子機器の販売・輸出入を主な業務としています。事業は「電子部品事業」「アセンブリ事業」「その他の事業」の3つのセグメントに区分されています。収益は主にこれらの製品販売から得られており、国内外の顧客に提供されています。
電子部品事業
半導体や電子部品を主要商品としています。自動車電装機器関連をはじめとする全ての分野で低調に推移しました。収益は、半導体と電子部品の販売から得ています。
アセンブリ事業
アセンブリ製品を主要商品としています。娯楽機器関連が低調に推移しました。収益は、アセンブリ製品の販売から得ています。
その他の事業
電子機器の販売やマイクロコンピュータのソフトウェア受託開発を主要商品としています。株式会社シミズシンテックの業績が反映されたことや、設備装置が好調に推移したことにより、売上高は大きく増加しました。収益は、電子機器の販売やソフトウェア受託開発から得ています。
同社グループは日本、アジア、北米、ヨーロッパといった複数の地域で売上を上げており、グローバルな事業展開を行っています。特定の顧客への売上集中は見られません。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 電子部品事業 | 891億円 | 645億円 |
| その他の事業 | 103億円 | 205億円 |
| アセンブリ事業 | 166億円 | 141億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの連結業績は、直近5年間で売上高に変動が見られます。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も、売上高の変動に伴い増減する傾向を示しています。特に直近の当連結会計年度では、売上高は減少したものの、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも増加となりました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,352億円 | 1,791億円 | 1,758億円 | 1,160億円 | 991億円 |
| 経常利益 | 41.0億円 | 68.4億円 | 47.7億円 | 5.8億円 | 15.6億円 |
| 経常利益率 | 3.0% | 3.8% | 2.7% | 0.5% | 1.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 28.2億円 | 47.1億円 | 31.9億円 | 5.0億円 | 11.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 76.11 | 137.77 | 96.53 | 15.75 | 38.72 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から減少しています。一方で、従業員1人あたりの営業利益は前期から増加しており、収益性の改善が見られます。これらの指標は、同社グループの事業規模や効率性、そして従業員が創出する価値の傾向を示すものとなっています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 201.1百万円 | 148.6百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.1百万円 | 1.8百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
新光商事グループの財務状況は、安定した基盤を維持していることを示しています。本業で得た資金を元手に、将来に向けた投資も行われています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定しています。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、強固な財務体質を示しています。手元資金も十分に確保されており、事業運営における安定性がうかがえます。ROEはプライム市場平均を下回っていますが、これらの財務状況は、事業の継続性や雇用・給与の安定性につながる要素であると言えます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 525億円 | 535億円 |
| 自己資本比率 | 64.6% | 65.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 0.9% | 2.2% |
| 現金及び預金 | 286億円 | 303億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは58.2億円のプラスとなっています。これは主に税金等調整前当期純利益の増加、未収入金や棚卸資産の減少によるものです。投資活動によるキャッシュフローは△3.9億円のマイナスとなっており、関係会社株式の取得による支出があった一方で、投資有価証券の売却による収入も発生しています。財務活動によるキャッシュフローは△67.7億円のマイナスで、短期借入金や長期借入金の返済、自己株式の取得による支出が主な要因です。
結果として、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは54.3億円のプラスとなっており、本業で安定的に資金を生み出し、投資を賄った上で余剰資金を確保できている状況を示しています。この資金の流れは、同社グループの事業継続性や将来の成長に向けた基盤が安定していることを示唆しており、雇用や給与の安定性にもつながると考えられます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 317.2億円 | 58.2億円 |
| 投資CF | △30.9億円 | △3.9億円 |
| 財務CF | △115.7億円 | △67.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 286.3億円 | 54.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは半導体を中心とした電子部品及び電子機器を取り扱う商社であるため、得意先である電子・電気機器業界の需要動向や設備投資動向の影響を受ける可能性があります。また、海外市場での事業拡大を戦略の一つとしており、海外の金融市場や経済、社会的・政治的な問題が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
新光商事グループは、電子部品商社として持続可能な社会の実現に貢献することを目指し、人と地球の環境を大切にする経営を推進しています。変革の時代に対応し、多様なエレクトロニクス商材・サービスを通じて存在価値を高めることを追求する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
新光商事は、「電子部品商社グループとして持続可能な社会の実現に貢献する」ことを経営理念としています。同社グループは、多様化する事業課題に対し迅速かつ最適な対応を行い、企業価値向上を図るとともに、人と地球の環境を大切にする社会の実現に貢献していく方針です。
また、「変革の時代の中で、多様なエレクトロニクス商材・サービス等の提供を通じ存在価値を高め、進化する電子部品商社グループを具現化する」ことを経営方針に掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
新光商事グループは、創業以来「人間尊重主義」を掲げ、企業活動に取り組んでいます。これは、企業を支えるのは社員一人ひとりで、企業の目的の一つが「社員の自己実現」であるという考え方です。
同社グループは、経営理念に基づき、人と地球の環境を大切にする社会の実現に貢献することを重視しています。ステークホルダーとの対話、公平・公正かつ透明性の高いガバナンス、人権・環境・多様性への配慮を大切にする方針です。
多様性を重視し、個々人を尊重・受容することで組織の力を最大限に発揮できる環境整備に取り組んでいます。多様な個人が能力を最大限に発揮できるよう、平等に機会を提供していく方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
新光商事グループは、持続的な成長を目指すべく、優先的に対処すべき課題に取り組んでいます。
人的資本への投資を重点施策とし、多様な人材の採用、教育研修投資、従業員エンゲージメントの向上を推進しています。
環境に関する取り組みも重要テーマであり、2050年カーボンニュートラルに向けて活動を進めています。CSR/ESG/SDGs対応の充実として、脱炭素社会への貢献やサプライチェーンの透明性確保に取り組む方針です。
危機管理体制の更なる充実も課題としており、情報セキュリティ強化やサイバー保険の加入を進めています。従業員の生産性向上に向けては、従業員エンゲージメントの向上、柔軟な働き方の拡充、社内業務のDX化を推進しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
新光商事では、監査等委員会設置会社として、経営の意思決定の迅速化と取締役会の監督機能強化、経営の透明性向上を目指したガバナンス体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、その他に個人株主や事業会社、投資会社が上位に名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 10.16% |
| 野村 絢 | 9.69% |
| シティインデックスファースト | 6.90% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.0%です。代表取締役社長は小川達哉氏が務めています。社外取締役比率は36.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 小川 達哉 | 代表取締役社長 | 1986年同社入社後、NOVALUX EUROPE LTD.社長などを歴任。2008年同社取締役に就任し、2013年より代表取締役社長を務め、監査室・事業戦略室・組込みソリューション営業部担当より現職。 |
| 細野 克宏 | 常務取締役 | 1989年同社入社後、名古屋支店長などを経て、2014年同社取締役に就任。2026年より常務取締役として営業部門・開発技術部門統括などを担当より現職。 |
| 一色 修志 | 常務取締役 | 1986年横浜銀行入行。コンコルディア・フィナンシャル・グループを経て、2019年同社入社。同年取締役に就任し、2026年より常務取締役として管理部門統括などを担当より現職。 |
| 小林 克衛 | 取締役 | 1990年日本電気入社。NEC Electronics、ルネサスエレクトロニクスを経て、2013年同社入社。2019年取締役に就任し、第一・第二・第三ソリューション技術部を担当より現職。 |
| 井上 邦博 | 取締役 | 1988年同社入社後、大阪支店長、SHINKO(PTE)LTD.社長などを歴任。2020年同社取締役に就任し、西日本ブロック・電装営業部などを担当より現職。 |
| 石戸 正典 | 取締役 | 1989年同社入社後、千葉支店長、楽法洛(上海)貿易有限公司社長などを歴任。2021年同社取締役に就任し、営業第二部・東日本ブロックなどを担当より現職。 |
社外取締役は、吉池達悦氏(元日置電機代表取締役社長・チノー社外取締役)、石原敏彦氏(元富士電機執行役員兼人事室長)、坂巻吉輝氏(弁護士)、田中一恵氏(税理士)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、経営の意思決定の迅速化と取締役会の監督機能強化、経営の透明性向上を目指しています。指名・報酬委員会は半数以上を社外取締役が占め、委員長も独立社外取締役が務めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、役員の報酬等について、取締役(監査等委員を除く)と監査等委員である取締役で異なる方針を定めています。取締役(監査等委員を除く)の報酬は、中長期的な業績向上と企業価値増大への貢献意識を高めることを目的に、固定報酬と業績・株価に連動する変動報酬(役員賞与および役員株式報酬)で構成されています。一方、監査等委員である取締役の報酬は、業務執行から独立した立場を考慮し、固定報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 1.8億円 | 29.8百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 20百万円 | 20.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 29百万円 | 7.2百万円 |
役員ごとの連結報酬等の総額については、1億円以上を支給している役員はいないため、個別の開示は行われていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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