※本記事は、株式会社PALTAC の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
PALTACは、化粧品・日用品、一般用医薬品などをメーカーから仕入れ、全国の小売業に販売する卸売事業を主たる事業としています。同社はメーカーと小売業の間に立ち、物流、在庫、情報伝達、金融といった流通に不可欠な機能を提供しています。
単体従業員数は2,363名です。同社は卸売事業の単一セグメントで事業を展開しています。
PALTACグループは、親会社であるメディパルホールディングスとPALTAC、および非連結子会社3社で構成されています。PALTACは、化粧品・日用品、一般用医薬品などをメーカーから仕入れ、全国の小売業に販売する事業を主軸としています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
PALTACは、いつの時代も「人々の豊かで快適な生活の実現」を目指し、流通の最適化・効率化を通じて社会課題の解決に取り組んでいます。同社では、従業員一人ひとりが長期的に活躍できるよう、給与水準や働き方の環境整備に力を入れています。多様な人材が自律的に働き、成長できるような制度設計が進められています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の長期的なキャリア形成を支援する環境が整っており、平均勤続年数から安定して働き続けられる傾向が見られます。平均年齢も比較的落ち着いており、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,761,779円 |
| 平均勤続年数 | 17.5年 |
| 平均年齢 | 43.8歳 |
| 単体従業員数 | 2,363人 |
同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。これらの制度は国内の従業員を対象としています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は63.7億円、年金資産は62.9億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、人材を価値創造の源泉かつ最も重要な資産と位置づけ、「多様な人材が自律・自発で活躍する組織の構築」を人材戦略の基本方針としています。流通の高度化、デジタル・データ活用、物流生産性の向上、新規事業創出を支える人材の育成・確保を重要課題としています。
給与や賞与の決定においては、役割・職務内容・責任の程度、個人の成果・能力に加え、同社の業績や財務状況、労働市場の動向、社会一般の賃金水準を総合的に勘案しています。賞与は会社業績と個人評価を反映させる仕組みで、経営目標達成への動機付けとして機能させています。
多様な人材の育成・確保に向けては、新たな流通の形をデザインできる人材やデジタル技術を活用できる人材のポートフォリオを構築し、能力開発プログラムの設計と運用、柔軟な採用を進めています。ジョブポスティングやジョブローテーションの活性化を通じて、新たな学習機会を提供し、部門を越えた「知と経験のダイバーシティ」にもつなげていく考えです。
活躍を促す環境整備としては、自律的なキャリア形成をサポートする制度やタレントマネジメントを活用した最適配置により「働きがい」を高めています。性別を問わず活躍を促す各種制度の整備、働き方改革、オフィスの快適性向上などのワークプレイス最適化により「働きやすい環境」を構築しています。2025年4月に導入したフレックスタイム制度は、翌事業年度から一部職種でコアタイムを廃止し、勤務時間の選択可能範囲を拡大する予定です。
健康経営の推進にも力を入れており、セミナーや研修による意識向上、心身の健康を守るサポート、労働安全衛生を守る専門チームの強化を通じて、従業員の健康と安全をトータルでケアする体制を強化しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男女の賃金の額の差異は、賃金制度・体系において性別による差異はなく、主に男女間の管理職比率、年齢構成及び雇用形態の差異によるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 8.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 62.5% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 52.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 74.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | 91.3% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 8.3% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 62.5% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| エンゲージメントスコア | 51.7 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
PALTACは、化粧品・日用品、一般用医薬品などの卸売事業を全国展開している企業です。メーカーと小売業の間に立ち、商品の流通を支える重要な役割を担っています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
PALTACは、親会社である株式会社メディパルホールディングスのもと、非連結子会社3社とともに事業を展開しています。化粧品、日用品、一般用医薬品などをメーカーから仕入れ、全国の小売業に販売することを主たる事業としています。
同社は、流通段階で不可欠な物流、在庫管理、情報伝達、金融といった機能を提供することで収益を上げています。購買データを活用し、健康志向の高まりや外出需要に伴う購買行動の変化を捉えた販売活動を展開しています。
特に化粧品を中心に付加価値の高い新規取扱商材を拡充しており、販売単価の上昇が売上高を押し上げる要因となっています。販売先はドラッグストアが最も大きく、ディスカウントストア、スーパーセンター、コンビニエンスストアなど多岐にわたります。
特定顧客として株式会社マツキヨココカラ&カンパニーへの販売実績があり、総販売実績の10.8%を占めています。同社は卸売事業の単一セグメントであるため、事業全体としてこれらの活動から収益を得ています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
PALTACの直近の業績は、売上高が増加傾向にある一方で、営業利益、経常利益、当期純利益は減少傾向を示しています。これは、売上高の拡大に伴い売上総利益は増加したものの、人件費や物流費の増加などにより販売費及び一般管理費の増加が売上総利益の増加を上回ったためです。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
PALTACの従業員1人あたりの収益性および生産性に関するデータは、直近の事業年度において開示されていません。しかし、同社は卸売事業の単一セグメントとして、全国の小売業に商品を供給する重要な役割を担っています。
事業環境としては、物価上昇に伴う節約志向の継続や物流費をはじめとする事業運営コストの上昇が続いています。このような状況下で、同社は帳合の獲得や新規取扱商材の拡充により売上高を伸ばしており、事業基盤の維持・強化に努めていることがうかがえます。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
PALTACは、財務の安定性や資金の流れにおいて、堅実な経営状況を示しています。本業で安定した資金を創出し、将来に向けた投資も行いながら、手元資金を確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
PALTACの財務基盤は、自己資本比率やROE、現預金残高といった指標からその健全性を測ることができます。これらの数値は、企業の安定性や成長性を示す重要な要素です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | - | - |
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金 | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
PALTACのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を創出し、事業活動と投資活動を通じて自由に使える余剰資金を確保している状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは増加しており、売上債権の増加や仕入債務の増加などが主な要因となっています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得や投資有価証券の売却などにより支出となっていますが、その支出額は減少しています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いや自己株式の取得などにより支出となっています。
これらの資金の流れから、同社は本業で着実に利益を上げ、将来に向けた投資も継続しつつ、健全な財務運営を行っていることがうかがえます。これは、入社後の雇用や給与の安定性、そして会社の持続的な成長を考える上で重要な要素となります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 207億円 | 249億円 |
| 投資CF | △4.3億円 | △4.0億円 |
| 財務CF | △113億円 | △112億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 202億円 | 245億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社が属する化粧品・日用品、一般用医薬品業界では、業種・業態を超えた競争の激化やM&Aによる規模拡大が続いています。取引先の企業再編等により取引先の政策や取引条件が大幅に変更された場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、親会社である株式会社メディパルホールディングスによる公開買付け及びその後の一連の手続を経て、同社株式は上場廃止となり、完全子会社となる予定です。
③ 人材・組織に関するリスク
労働人口減少は、同社の持続的成長に向けて対応すべき重要な環境変化の一つと認識されています。人件費の高騰や人材の確保が困難となるなど、事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
「美と健康」に関する生活必需品の中間流通を担うPALTACは、社会の変化に対応しながら持続的な成長を目指しています。同社は、人々の豊かな生活と社会の未来を創造するため、流通のイノベーションに挑戦する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
PALTACは、「美と健康」に関する生活必需品をフルラインで安定的に供給する中間流通業を目指しています。高品質・ローコストの物流機能と小売業の利益経営に貢献する営業機能を両軸に、サプライチェーン全体の最適化・効率化に貢献することを基本方針としています。
同社は「つなぐ力で人と社会のミライを創る」をスローガンとする長期ビジョンを掲げています。このビジョンを通じて、同社の存在意義、収益機会の獲得、リスクの低減を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
PALTACは、人財を価値創造の源泉かつ最も重要な資産と捉えています。長期ビジョンにおいて、多様な人財が互いを尊重し合い、自律・自発の活躍を通じて、組織ひいては社会とともに成長していくことを目指す企業風土があります。
サステナビリティ課題への対応に向けては、代表取締役社長の監督・指示のもと、サステナビリティプロジェクトを中心に全社横断的な取り組みを進めています。リスク管理においては、CSR推進本部が中心となり、サステナビリティの観点を含む事業運営に影響を及ぼすリスクの抽出・分析、評価、対応方針の立案を行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
PALTACは、労働人口減少や少子高齢化、価値観の多様化、気候変動、資源エネルギー不足といった重要な環境変化を捉え、持続的成長に向けた事業運営を行っています。これらの変化に対応するため、長期ビジョンにおいて優先的に対処すべき課題を認識しています。
中期経営計画「PALTAC VISION 2027」では、長期ビジョン実現に向けた「構造改革による変革基盤の構築」を期間と位置づけています。同社は、新たな価値創造への挑戦とサステナビリティの向上に取り組んでいます。
人的資本・多様性の戦略として、「多様な人財の育成・確保」、「活躍を促す環境の整備」、「健康経営の推進」に積極的な投資を実行しています。これにより、自律・自発の組織風土醸成と従業員エンゲージメントの向上を図っています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
PALTACは監査役会設置会社であり、取締役会は社外取締役が過半数を占める構成となっています。また、指名・報酬委員会などの諮問機関を設置し、ガバナンスの強化に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
PALTACの筆頭株主はメディパルホールディングスであり、同社はPALTACの親会社として経営を支える事業会社です。資本構成の特徴として、特定の事業会社が過半数の株式を保有している点が挙げられます。また、信託銀行や従業員持株会も上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| メディパルホールディングス | 52.40% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 7.22% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 2.73% |
| PALTAC従業員持株会 | 2.03% |
| NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE FIDELITY FUNDS | 1.93% |
なお、FMR LLCから2025年12月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書により、2026年3月31日現在で3,305,745株(5.33%)を所有している旨が記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は18名(男性14名・女性4名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長は吉田拓也氏が務めています。社外取締役比率は53.8%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 糟谷 誠一 | 代表取締役会長 | 1985年4月同社入社、2018年12月代表取締役社長兼COO営業統括本部長、2023年6月代表取締役会長より現職。 |
| 吉田 拓也 | 代表取締役社長 | 1995年4月三菱UFJ銀行入行、2000年4月同社入社、2023年6月代表取締役社長より現職。 |
| 野間 正裕 | 取締役 専務執行役員 管理統括本部長 | 1985年4月同社入社、2020年10月取締役専務執行役員営業統括本部長兼商品本部長兼海外事業本部長、2024年4月取締役専務執行役員管理統括本部長より現職。 |
| 嶋田 政治 | 取締役 専務執行役員 経営企画本部長 | 1990年4月三菱UFJ信託銀行入社、2005年4月同社入社、2023年4月取締役専務執行役員経営企画本部長より現職。 |
| 山田 恭嵩 | 取締役 専務執行役員 営業統括本部長 | 1993年11月同社入社、2023年6月取締役専務執行役員営業統括本部長兼海外事業本部長、2025年6月取締役専務執行役員営業統括本部長より現職。 |
| 左近 祐史 | 取締役 | 1977年4月メディパルホールディングス入社、2023年6月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、大石歌織氏(北浜法律事務所・外国法共同事業パートナー)、織作峰子氏(大阪芸術大学写真学科教授)、乾新悟氏(乾汽船顧問)、吉武一郎氏(元トヨタモビリティパーツ代表取締役社長)、髙森龍臣氏(元資生堂取締役執行役員常務)、服部明人氏(服部明人法律事務所代表)、伊賀真理氏(マーチ代表取締役)です。
同社は監査役会設置会社を採用しています。取締役会は、社外取締役7名が独立役員として選任されており、客観的・中立的な監視体制が有効に機能する体制を構築しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
PALTACの役員報酬は、固定報酬、単年度の業績に連動する賞与、および非金銭報酬で構成されています。中長期業績に連動する報酬は設定されていません。賞与は年間の総報酬の概ね20%から30%を目途とし、営業利益や経常利益、販管費率などの重要指標や担当業務の成果を総合的に検討して決定されます。報酬決定プロセスには、社外役員が過半数を占める指名・報酬委員会が関与しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 2.5億円 | 42.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 62百万円 | 31.0百万円 |
| 社外役員 | 10名 | 1.2億円 | 11.7百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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