※本記事は、三谷産業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月11日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
三谷産業グループは、化学品、樹脂・エレクトロニクス、情報システム、空調設備工事、住宅設備機器、エネルギーなど多岐にわたる事業を展開しています。子会社24社、関連会社6社とともに、幅広い分野で製品やサービスを提供しています。
単体従業員数は629名、連結従業員数は3,569名です。同社グループの事業セグメントは、化学品関連、樹脂・エレクトロニクス関連、情報システム関連、空調設備工事関連、住宅設備機器関連、エネルギー関連、その他の7つです。
主な国内グループ会社は、アクティブファーマ(化学品関連事業)、三谷産業イー・シー、三谷産業コンストラクションズ、ディサークル(情報システム関連事業)、インフィル(住宅設備機器関連事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
三谷産業グループは、化学品から情報システム、エネルギーまで多岐にわたる事業を展開しており、多様な働き方が期待できる企業グループです。人材を持続的成長の源泉と位置づけ、高能率・高収益を通じて高福祉の実現を目指しています。個人の挑戦を支え、組織の生産性向上とイノベーション創出の両立を図る方針が示されています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
三谷産業の平均勤続年数は11.9年、平均年齢は41.5歳となっています。これらの数値から、同社では比較的長期にわたってキャリアを築く社員が多く、安定した環境で経験を積むことができる傾向がうかがえます。幅広い年齢層の社員が活躍していることが示されています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,673,710円 |
| 平均勤続年数 | 11.9年 |
| 平均年齢 | 41.5歳 |
| 単体従業員数 | 629人 |
| 連結従業員数 | 3,569人 |
| 単体のグループ内比率 | 17.6% |
三谷産業グループは、従業員の退職給付制度として、主に確定拠出制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しており、一部確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)も採用しています。これらの制度は、同社および連結子会社に適用されています。
退職一時金制度も存在します。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
確定給付制度における退職給付債務は4.2億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
三谷産業グループは、「お客さまにとって『特別な会社』になろう」という全社経営方針のもと、人材戦略を持続的成長の源泉と位置づけています。事業ポートフォリオの転換と競争優位の確立に貢献するスキルや多様性を備えた人材の獲得・育成・定着を最重要課題とし、個人の挑戦を支え、組織の生産性向上とイノベーション創出の両立を図っています。
給与やその他の給付は、事業特性や環境、個人の役割、職責、成果を公正に評価し反映することを基本としています。給与・賞与は、年度業績や事業環境、個人の貢献度を考慮して決定され、外部の雇用環境や賃金水準も踏まえて適切さが維持されています。福利厚生や各種社内制度も、人的資本経営の観点から人材の獲得・育成・定着の実現に向けた多様な制度導入を進め、総合的な給付水準の充実を図っています。
同社グループは「人的資本経営」を推進し、個々の社員の複合力である人的資本の「増強」と「効率化」を追求しています。具体的には、イノベーションの誘発、モチベーションとエンゲージメントの醸成、長期的なキャリア自律と成長促進、安心して業務遂行ができる環境構築、厳しさと温かさの融合という5つの取り組みを実行しています。
人材育成においては、性別や国籍、新卒・中途採用の区別なく「機会の平等」と「結果の公正」に基づき、次世代リーダー・管理職育成研修や階層別研修、キャリア面談などを提供しています。社内環境整備では、テレワーク、フレックスタイム制、無期限の継続雇用制度、副業制度、男性育児休業取得制度の拡充(パパ育しながら就業「産後パパ育休」)、社内公募制度、育児・介護、病気治療中、満60歳以上の社員を対象とした「週休3日制」、社内育児支援窓口「いくQコンシェルジュ」の導入など、社員のライフステージに応じた柔軟な働き方を支援する多様な制度を整備しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率におけるパート・有期労働者は、育児休業取得の対象となる男性労働者がいないため「-」と表記されています。労働者の男女の賃金の額の差異は、管理的地位にある女性労働者が少ないことが主な要因となっています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 8.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率(全労働者) | 100.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率(正規雇用労働者) | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 74.4% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 74.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 51.0% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ アクティブファーマ
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 10.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率(全労働者) | 100.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率(正規雇用労働者) | 100.0% |
▼ 三谷産業イー・シー
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 10.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率(全労働者) | 100.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率(正規雇用労働者) | 100.0% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 社員エンゲージメントスコア(国内連結) | 78.1点 |
| キャリアの実現性(実感値)(国内連結) | 7.3点 |
| キャリアの納得感(実感値)(国内連結) | 7.2点 |
| 挑戦機会(実感値)(国内連結) | 7.1点 |
| 入社後3年間の定着率(新卒採用)(国内連結) | 80% |
| 入社後3年間の定着率(キャリア採用)(国内連結) | 80% |
| 中堅社員の定着率(国内連結) | 98% |
| AI・ディープラーニングに関する全社的な理解度の向上(G検定取得率)(国内連結) | 70% |
健康・安全
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 所定時間外労働時間(管理職)(月間一人当たり平均)(国内連結) | 46.8時間 |
| 所定時間外労働時間(管理職)(月間一人当たり平均)(建設業関係) | 46.9時間 |
| 所定時間外労働時間(非管理職)(月間一人当たり平均)(国内連結) | 27.7時間 |
| 所定時間外労働時間(非管理職)(月間一人当たり平均)(建設業関係) | 32.6時間 |
| 年10日以上の有給休暇取得者数(国内連結) | 70% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 育児休業取得率(男性)(国内連結) | 94% |
| 育児休業取得率(女性)(国内連結) | 100% |
多様性・登用
2026年3月末時点における、当社および国内連結子会社の非管理職社員のうち管理職を目指している社員の比率です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 非管理職社員のうち管理職を目指している社員の比率(男性) | 35.8% |
| 非管理職社員のうち管理職を目指している社員の比率(女性) | 16.4% |
| 非管理職社員のうち管理職を目指している社員の比率(日本人) | 28.7% |
| 非管理職社員のうち管理職を目指している社員の比率(外国人) | 18.9% |
| 非管理職社員のうち管理職を目指している社員の比率(新卒採用者) | 27.8% |
| 非管理職社員のうち管理職を目指している社員の比率(中途採用者) | 28.9% |
海外連結子会社も含めた当企業集団全体の非管理職社員のうち管理職を目指している社員の比率です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 非管理職社員のうち管理職を目指している社員の比率(男性) | 50.8% |
| 非管理職社員のうち管理職を目指している社員の比率(女性) | 43.2% |
| 非管理職社員のうち管理職を目指している社員の比率(日本人) | 28.7% |
| 非管理職社員のうち管理職を目指している社員の比率(外国人) | 61.5% |
| 非管理職社員のうち管理職を目指している社員の比率(新卒採用者) | 27.8% |
| 非管理職社員のうち管理職を目指している社員の比率(中途採用者) | 53.2% |
なお、同社グループの2026年3月末時点における60歳以上の継続雇用社員の男女別の人数は、以下のとおりとなっています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 60歳以上の継続雇用社員(男性) | 102名 |
| 60歳以上の継続雇用社員(女性) | 9名 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
三谷産業グループは、化学品、樹脂・エレクトロニクス、情報システム、空調設備工事、住宅設備機器、エネルギーといった多岐にわたる事業を展開しています。それぞれの事業が独立したセグメントとして機能し、多様な顧客ニーズに応えることで収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、幅広い産業分野において商品やサービスを提供し、顧客との契約から収益を得ています。各事業セグメントは専門性を持ち、それぞれの市場で事業活動を展開しています。
化学品関連事業
化学品の販売、樹脂材料の販売、機能性材料の受託製造・販売、医薬中間体・医薬品原薬の製造・販売、化学品・環境に関わるコンサルティング・コーディネーションを主要な事業としています。収益は、国内化成品販売の増加や医薬品原薬の好調な販売、機能性素材の受託製造の需要増、有価金属回収事業の取扱量増加などから得ています。
空調設備工事関連事業
新築物件やリニューアル物件における空調設備・給排水衛生設備・クリーンルーム・消防設備の設計・施工、電気工事・内装工事の設計・施工を主要な事業としています。収益は、首都圏や北陸地区での研究施設や病院施設といった大型新築工事案件の順調な進捗から得ています。
情報システム関連事業
システムインテグレーションサービス、パッケージソフトウエアの開発・販売、ネットワーク・セキュリティ等の情報インフラの構築、ハードウエアの保守、システムの保守・運用サポートサービス、クラウドサービスを主要な事業としています。収益は、NEXTGIGAスクール案件の納入や教育現場のDX推進案件、複数の基幹システム更新案件の進捗から得ています。
住宅設備機器関連事業
住宅機器の販売・設計・施工、空調機器の販売、システム収納・システムキッチン・洗面化粧台等の開発・製造・販売・設計・施工、浴室空間の企画・設計・開発・製造・販売を主要な事業としています。収益は、首都圏での複数の大型案件の進捗やオリジナルブランドのシステムキッチンが都内高級マンションで採用されたことから得ています。
樹脂・エレクトロニクス関連事業
金型の設計・製造・販売、樹脂成形品の製造・販売、電子部品の販売を主要な事業としています。収益は、車載向け樹脂成形品の需要回復に加え、円安による外貨建取引の円貨換算額増加、新製品納入による利益寄与から得ています。
エネルギー関連事業
石油製品の販売、LPガスの販売、ガス関連機器・家庭用燃料電池・太陽光発電システムの販売を主要な事業としています。収益は、石油製品や民生用LPガスの販売数量増加、コスト構造の改善から得ています。
その他の事業セグメント
報告セグメントに含まれない事業であり、主にコンピュータ・事務機器等のサプライ品の販売およびオフィスビル等の保全管理事業を展開しています。
同社グループの売上高は日本国内が大部分を占めていますが、海外での売上高も一定の割合を占めています。特に樹脂・エレクトロニクス関連事業や化学品関連事業では、為替の円安進行が外貨建取引の円貨換算額増加に影響を与えています。特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%以上を占めることはありません。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 化学品関連事業 | 402億円 | 447億円 |
| 空調設備工事関連事業 | 196億円 | 205億円 |
| 情報システム関連事業 | 102億円 | 166億円 |
| 住宅設備機器関連事業 | 129億円 | 143億円 |
| 樹脂・エレクトロニクス関連事業 | 115億円 | 122億円 |
| エネルギー関連事業 | 70.7億円 | 72.1億円 |
| その他の事業セグメント | 16.6億円 | 19.9億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
三谷産業グループの業績は、直近5年間で堅調な成長傾向を示しています。売上高は連続して増加しており、当連結会計年度においては過去最高を更新しました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も同様に増加傾向にあり、特に当連結会計年度は大幅な増益を達成し、過去最高を更新しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 844億円 | 904億円 | 959億円 | 1,031億円 | 1,175億円 |
| 経常利益 | 19.7億円 | 17.2億円 | 24.4億円 | 26.6億円 | 45.2億円 |
| 経常利益率 | 2.3% | 1.9% | 2.5% | 2.6% | 3.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 14.2億円 | 9.6億円 | 20.7億円 | 24.4億円 | 36.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 23.14 | 15.60 | 33.59 | 39.64 | 58.92 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの生産性は、前期と比較して向上しています。従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、事業規模の拡大と効率的な運営が進んでいることを示しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から増加しており、収益性の改善がうかがえます。これらの指標の改善は、同社グループの収益体質の強化や組織効率化の傾向を示していると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 28.9百万円 | 32.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.6百万円 | 0.9百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
三谷産業は、安定した事業運営を通じて着実に資金を生み出し、将来に向けた投資も継続しています。財務基盤の健全性とキャッシュフローの状況から、同社グループの現在地を把握できます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
三谷産業の財務基盤は、自己資本比率やROEの推移から安定性が見られます。手元資金も確保されており、事業運営の安定性につながる要素です。これらの指標は、従業員の雇用や給与の安定性にも影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 476億円 | 570億円 |
| 自己資本比率 | 50.7% | 55.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 5.2% | 7.0% |
| 現金及び預金 | 84.5億円 | 90.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
三谷産業のキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが前期から増加し、85.6億円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益や減価償却費、売上債権の減少、仕入債務の増加が主な要因です。
投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出があったものの、投資有価証券の売却による収入もあり、支出額は前期より減少して△6.6億円となりました。
財務活動によるキャッシュフローは、短期および長期の借入金の純減額や配当金の支払額を主要因として、前期から支出額が増加し△74.2億円となっています。
これらの結果、本業で得た資金で投資を賄い、さらに余剰資金を生み出すフリーキャッシュフローは前期から大きく増加し、79.0億円のプラスとなりました。この状況は、同社グループが安定した事業運営を通じて資金を創出し、財務的な健全性を維持していることを示しており、従業員の雇用や給与の安定性、将来の成長性にもつながる傾向が見られます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 42.4億円 | 85.6億円 |
| 投資CF | △14.8億円 | △6.6億円 |
| 財務CF | △32.0億円 | △74.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 27.6億円 | 79.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、海外での事業展開や海外との取引において、テロ・紛争等による政情の不安定化、経済情勢の変動、為替レートの急激な変動、法制度の変更、労働者の採用・雇用環境の変化等のカントリーリスクに晒される可能性があります。これらの要因が財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、事業投資活動においては、投下資金の回収が不能となるリスクや、事業計画通りに進捗しないリスク、撤退に伴う追加損失が発生するリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合には、同社グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、不正行為の抑制を図るべく、従業員の倫理観・遵法意識を高める取り組みを行っています。また、従業員エンゲージメントの向上や、心理的安全性の確保された風通しの良い企業風土の形成に努めています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
三谷産業グループは、お客様とのビジネスを基盤とし、多様な関係者との調和を重視する企業です。単なる商社にとどまらず、メーカーやコンサルタントとしての機能も持ち、多角的な事業展開を通じて社会の持続的発展に貢献することを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、お客様とのビジネスを軸に、仕入先、地域社会、株主、社員・役員といった関係者間で調和を作り上げていくことを経営の基本方針としています。
お客様の要望にそのまま応えるだけでなく、同社グループの知識や技術を活かし、短期的な課題解決と中長期的な価値創出、社会の持続的な発展においてバランスのとれた真の最適を追求しています。
さまざまな業界をつなぐネットワークの中で重要な結び目となり、お客様のイノベーションを促進する役割を担うことを目指しています。
また、財務的側面と非財務的側面からバランスのとれた経営を推進し、長期的視野で持続的に事業を成長させながら価値創出・社会貢献する“良い会社”であり続けることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、社会の一員として良識を持ち、誠実かつ公正な事業活動を通じて企業としての存在価値を高め、社会の持続可能な発展や豊かさに貢献することを使命と考えています。
「三谷産業グループ企業倫理憲章」の精神に基づき、同社グループのみならず社会全体のサステナビリティ向上に資する取り組みを推進しています。
サステナビリティ基本方針として「循環型社会への貢献」「より豊かな社会の実現」「健全な経営管理体制の構築」「企業としての存在価値の向上」を掲げています。
創出した付加価値を社員・社会・株主などに公正・公平に分配する「DS経営」を通じて、関係者と共に永続的な成長の実現を目指す考え方を示しています。
「人的資本経営の方針」では、社員とその家族の永続的な幸せを確保するために、永続的に成長する企業集団を目指し、人的資本の「増強」と「効率化」を追求し続けることを掲げています。
「イノベーションの誘発」「モチベーションとエンゲージメントの醸成」「長期的なキャリア自律と成長促進」「安心して業務遂行ができる環境構築」「厳しさと温かさの融合」の5つを人的資本形成の取り組みとして実行しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、物価上昇や金利上昇、海外経済の減速懸念、各種コストの高止まり、地政学的リスクなど、不透明な経営環境に直面しています。
各事業では、建設業界での人手不足や省エネ・脱炭素化、自動車業界の電動化、情報システム業界でのDX推進やセキュリティリスク増大といった課題に取り組んでいます。
化学品業界での原材料価格変動や循環型社会への貢献、エネルギー分野での環境負荷低減、住宅市場での新築着工数減少といった課題にも対応しています。
サステナビリティに関する取り組みとして、サステナビリティ委員会やリスクマネジメント委員会を設置し、気候変動対応としてTCFD提言への賛同を表明しています。
人的資本に関する戦略では、中核人材の育成と管理職登用における多様性確保のため、意識改革、キャリア形成に関する啓蒙活動、制度改正・新設、支援体制構築を推進しています。
社員が労働時間の10%を使って他部門で働く「10%キャリア制度」の導入など、自律的なキャリア形成を支援する取り組みを進めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
三谷産業は監査役会設置会社であり、執行役員制度を導入することで経営の監督と執行の分離を図っています。取締役会は経営戦略の意思決定と監督機能を担い、監査役会は取締役の職務遂行を監査し経営の健全性を確保しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
三谷産業の株主構成を見ると、筆頭株主は個人である三谷充氏です。上位には三谷株式会社や公益財団法人三谷育英会など、同社の名称を冠する法人や関連団体が複数名を連ねています。これは、創業家や関連会社が同社グループの主要な株主として経営を支えている資本構成を示しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 三谷 充 | 15.83% |
| 三谷 | 9.71% |
| 公益財団法人三谷育英会 | 7.64% |
| 公益財団法人三谷研究開発支援財団 | 6.50% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 4.39% |
なお、2026年4月28日付の開示により、当事業年度末において主要株主であった三谷充氏は2026年5月11日付で主要株主ではなくなり、三谷株式会社が新たに主要株主となりました。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は19名(男性16名・女性3名)で構成され、女性役員比率は15.7%です。代表取締役社長は三谷忠照氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 三谷 忠照 | 代表取締役社長 | 2010年6月同社取締役、2012年10月同社常務取締役組織構造担当兼情報活用担当、2017年6月同社代表取締役社長品質担当兼組織戦略担当兼組織構造担当、2022年6月同社代表取締役社長より現職。 |
| 森 浩一 | 取締役副社長 業務執行担当・営業統括 | 1984年4月同社入社、2009年6月同社執行役員情報システム事業部長、2012年6月同社取締役事業戦術担当兼海外事業担当兼個人情報保護管理担当兼情報システム事業部長兼空調事業部長、2023年6月同社取締役副社長業務執行担当・営業統括より現職。 |
| 竹内 昇 | 常務取締役 人事担当兼空間デザイン統括担当 | 1988年4月同社入社、2008年4月同社執行役員空調首都圏事業部長、2019年6月同社取締役組織構造担当、2025年6月同社常務取締役人事担当兼空間デザイン統括担当より現職。 |
| 内田 大剛 | 常務取締役 財務担当兼広報担当 | 2010年4月同社入社、2019年4月同社執行役員事業開発本部長兼コーポレート本部経営企画部長、2021年6月同社取締役広報担当兼経営企画本部長、2025年6月同社常務取締役財務担当兼広報担当より現職。 |
| 渡邊 伸寿 | 取締役 品質担当兼生産・製造技術担当 | 2013年6月富士通ものづくり推進本部本部長、2017年6月Fujitsu Computer Products of Vietnam,Inc.取締役社長、2020年7月同社取締役品質担当兼生産・製造技術担当より現職。 |
| 深堀 俊彰 | 取締役 DX推進担当 | 2001年4月同社入社、2005年3月日本オラクル入社、2009年9月同社再入社、2018年4月同社執行役員ICTソリューション事業部長、2026年4月同社取締役DX推進担当より現職。 |
| 三浦 秀平 | 取締役 海外事業担当兼ベトナム事業企画促進室長 | 2006年8月Aureole Construction Software Development Inc.入社、2013年1月同社入社社長室長、2014年2月Aureole Expert Integrators Inc.取締役社長、2023年4月同社取締役海外事業担当兼ベトナム事業企画促進室長より現職。 |
| 正元 敏之 | 取締役 特命担当 | 2000年2月同社入社、2018年4月同社執行役員情報システム事業部長、2021年4月同社執行役員、ニッコー執行役員陶磁器事業部長、2023年6月同社取締役特命担当より現職。 |
| 茂 知一 | 取締役 危機管理担当兼関連事業担当兼社内情報システム担当兼CSR本部長兼社内システム室長 | 1991年4月同社入社、2008年4月同社内部統制本部ITシステム統制部長、2018年4月同社技術執行役員情報システム事業部北陸システム部長、2025年6月同社取締役危機管理担当兼関連事業担当兼社内情報システム担当兼CSR本部長兼社内システム室長より現職。 |
| 山田 徹 | 取締役 特命担当 | 1992年4月同社入社、2015年1月同社執行役員ケミカル事業部長、2025年6月同社取締役特命担当より現職。 |
社外取締役は、花田光世氏(慶應義塾大学名誉教授・オイシックス・ラ・大地社外取締役)、長澤裕子氏(坂井法律事務所弁護士)、清木康氏(武蔵野大学データサイエンス学部学部長・教授)、増田幸宏氏(芝浦工業大学システム理工学部教授)、清水雅楽乃氏(アステナホールディングス常務執行役員)です。
同社は監査役会設置会社であり、経営の監督機能強化のため執行役員制度を導入しています。社外取締役は経営者から独立した客観的な立場から意見を述べ、経営の透明性向上に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
三谷産業の役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬、役員退職慰労金、非金銭報酬で構成されています。取締役の基本報酬は役位ごとの報酬テーブルに基づき、業績連動報酬は中期経営計画達成への意欲を高めるため、受注高、受注粗利益、売上高、経常利益の連結・単体計画達成率、経常利益伸長率を評価軸としています。社外役員は独立した監督・監査の立場を考慮し、業績連動報酬は支給されていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 12名 | 4.5億円 | 37.8百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 42百万円 | 42.0百万円 |
| 社外役員 | 8名 | 48百万円 | 6.0百万円 |
なお、取締役の報酬等の額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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