※本記事は、ソレキア株式会社 の有価証券報告書(第67期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月27日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. ソレキアってどんな会社?
同社は、電子デバイスの販売やシステム構築、保守サービスをトータルで提供する独立系のIT商社です。
■(1) 会社概要
1958年に小林電材として設立され、1963年に富士通と特約店契約を締結しました。1990年に日本証券業協会へ店頭登録し、2002年に現在の社名へ変更しています。2013年には東京証券取引所と大阪証券取引所の統合に伴い、JASDAQ(スタンダード)へ上場しました。
連結従業員数は727名(単体719名)です。筆頭株主は同社の持分法適用関連会社であるフリージア・マクロス(30.07%)で、第2位は同社取締役顧問の佐々木ベジ氏(22.11%)、第3位は代表取締役社長の小林義和氏(4.41%)となっており、役員および関係会社が主要株主となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| フリージア・マクロス | 30.07% |
| 佐々木 ベジ | 22.11% |
| 小林 義和 | 4.41% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性16名、女性0名の計16名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は小林義和氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 小林 義和 | 代表取締役社長経営戦略統括兼管理グループ担当兼監査部担当兼経営企画室担当兼コーポレートサービス部担当兼ソレキア・アカデミー担当 | 1973年入社。取締役、常務、専務、副社長を経て1994年より現職。 |
| 樋口 雄三 | 常務取締役営業部門統括兼コーポレートサービス部副担当兼DC・クラウド推進室担当兼特定アカウント推進室担当兼バックオフィスセンター担当兼事業推進部担当兼経営企画室副担当兼DX推進センター長代理 | 1983年入社。長野支社営業統括部長、東日本支社長などを経て2019年より現職。 |
| 菊盛 信彦 | 常務取締役デジタルソリューション事業グループ担当兼ヘルスケアソリューション事業部担当兼東日本支社担当兼インフラサービス事業グループ担当 | 富士通入社。富士通マーケティング執行役員などを経て2019年同社入社。2021年より現職。 |
| 佐々木 ベジ | 取締役顧問管理グループ副担当兼海外及び新規ビジネス(人財・開発)担当兼管理グループ長兼DX推進センター長兼情報セキュリティビジネス推進室長 | フリージア・マクロス代表取締役などを経て2017年同社取締役。2019年より現職。 |
| 村下 順一 | 取締役システム部門統括兼システムソリューション事業グループ担当兼システム事業推進部担当 | 1983年入社。西日本システム統括部長などを経て2023年より現職。 |
| 塚田 武文 | 取締役西日本支社長 | 富士通入社。富士通Japan関西中四国エリア本部エグゼクティブディレクター等を経て2022年同社入社。2025年より現職。 |
| 竹田 錠一 | 取締役インフラサービス事業グループ長 | 富士通入社。富士通エフサス取締役常務などを経て2024年同社入社。2025年より現職。 |
| 酒井 英隆 | 取締役デジタルソリューション事業グループ長 | 1991年入社。東日本支社長代理などを経て2025年より現職。 |
社外取締役は、国安哲史(元古河電気工業監査部長)、塚本勲(加賀電子代表取締役会長)、昆幸弘(フリージア・マクロス試験機器事業部副部長)、佐藤生空(弁護士)です。
2. 事業内容
同社グループは、「首都圏」「東日本」「西日本」および「その他」事業を展開しています。
■首都圏
本社および東京都内の拠点で構成され、電子デバイスや半導体、システムインテグレーション、ITソリューション、保守サービスなどを提供しています。主な顧客は首都圏の民間企業や官公庁などです。
収益は、顧客からの製品販売代金やシステム開発費、保守サービス料などから得ています。運営は主にソレキアが行っています。
■東日本
首都圏を除く東日本地域の支店・拠点で構成され、システムインテグレーションやITソリューション、マネジメントサービス、フィールドサービスなどを提供しています。地域の自治体や文教、医療機関などが主な顧客です。
収益は、システム構築やIT機器の販売、各種サービスの提供に対する対価として受け取ります。運営はソレキアが担当しています。
■西日本
西日本地域の支店・拠点で構成され、電子デバイスや半導体などのコンポーネント、システムインテグレーション、ITソリューション、各種サービスを提供しています。民需や自治体、文教向けの商談を中心としています。
収益は、製品の販売やシステム開発、保守サービスの提供により顧客から得ています。運営はソレキアが行っています。
■その他
上記3部門に含まれない部署および海外現地法人などが該当し、電子デバイスやシステムインテグレーションなどを提供しています。海外におけるソフトウェア開発や製品販売も含まれます。
収益は、製品販売や開発サービスの対価として得ています。運営はソレキアのほか、ソレキア・プラッツ、SOLEKIA SINGAPORE、SOLEKIA VIETNAMなどの子会社が行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5期間の業績は、売上高、利益ともに増加傾向にあります。特に直近の第67期では売上高が280億円に達し、経常利益も17億円と過去最高水準を更新しました。利益率も安定して推移しており、堅調な成長を続けています。
| 項目 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 221億円 | 227億円 | 238億円 | 252億円 | 280億円 |
| 経常利益 | 13億円 | 7億円 | 10億円 | 17億円 | 17億円 |
| 利益率(%) | 5.8% | 3.3% | 4.3% | 6.6% | 6.2% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 8億円 | 5億円 | 7億円 | 10億円 | 11億円 |
■(2) 損益計算書
売上高の増加に伴い、売上総利益も順調に拡大しています。売上総利益率は約19%台を維持しており、安定した収益性を確保しています。営業利益も増益基調にあり、収益力の向上が見られます。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 252億円 | 280億円 |
| 売上総利益 | 50億円 | 54億円 |
| 売上総利益率(%) | 19.9% | 19.3% |
| 営業利益 | 16億円 | 17億円 |
| 営業利益率(%) | 6.4% | 6.2% |
販売費及び一般管理費のうち、給料手当及び賞与が21億円(構成比58%)、その他経費が10億円(同27%)を占めています。
■(3) セグメント収益
全セグメントで増収を達成しており、特に首都圏と西日本が業績を牽引しています。利益面では、首都圏と西日本が増益となった一方、東日本は微減となりました。全体として、情報通信機器やシステムエンジニアリングサービスの需要増が寄与しています。
| 区分 | 売上(2024年3月期) | 売上(2025年3月期) | 利益(2024年3月期) | 利益(2025年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 首都圏 | 141億円 | 154億円 | 9億円 | 10億円 | 6.7% |
| 東日本 | 57億円 | 65億円 | 5億円 | 5億円 | 8.2% |
| 西日本 | 53億円 | 60億円 | 4億円 | 4億円 | 6.2% |
| その他 | 1億円 | 1億円 | -0.2億円 | 0.2億円 | 22.5% |
| 調整額 | 1億円 | 3億円 | 0億円 | 0億円 | 0.1% |
| 連結(合計) | 252億円 | 280億円 | 16億円 | 17億円 | 6.2% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
ソレキアのキャッシュ・フローの状況は、営業活動による増加が主な要因となり、全体として資金が増加しました。
営業活動では、税金等調整前当期純利益や仕入債務の増加などが資金を増やしましたが、売上債権の増加や法人税等の支払いが資金を減少させました。投資活動では、有形固定資産の取得や関係会社株式の取得による支出が資金を減少させました。財務活動では、長期借入れによる収入があったものの、長期借入金の返済や配当金の支払いが資金を減少させました。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 24億円 | 15億円 |
| 投資CF | -0.5億円 | -1億円 |
| 財務CF | -5億円 | -3億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは、顧客を原点に常に変化を先取りして新たな価値を創造し、喜びと満足のある豊かな社会の実現に貢献することを使命としています。顧客に最適なソリューションと優れたサービスを提供することで企業価値を持続的に向上させ、社会からの信頼と期待に応えることを経営の基本としています。
■(2) 企業文化
一人ひとりの多様性と創造性の信頼の上に、衆知の結集を通じてこそ付加価値の創出や課題解決ができるという理念に基づき、顧客をはじめとするパートナー、従業員などのステークホルダーとの「Thinking Together」を事業活動方針として掲げています。
■(3) 経営計画・目標
同社グループは、総資産・自己資本・売上高に対する利益率を重視して効率的に経営することが重要と考えており、特に以下の経営指標を重視して意思決定を行っています。
* ROE(自己資本当期純利益率)
* 売上高営業利益率
■(4) 成長戦略と重点施策
ITサービス市場の拡大を背景に、IT専門スキルを持ったトータルサポート力で安全・安心なデジタル技術を提供し、企業価値向上を目指します。具体的には、AIやIoT等を活用したデジタルビジネスの推進、保守サービスの課題に対応したストック型ビジネスの強化、専門人材の育成、および経営基盤の強化に注力します。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
持続的な成長の原動力は人財であるとし、新たな市場創出と顧客価値創造のため、高度な専門知識やスキルを持つ人財の育成を強化しています。また、変化に柔軟に対応できる組織体制を構築し、従業員のモチベーション向上や働きやすい環境の確保を通じて、組織全体の提案力と実行力を高める方針です。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや上回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 44.5歳 | 20.1年 | 6,385,826円 |
※平均年間給与は基準外賃金及び賞与を含んでおります。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 1.5% |
| 男性育児休業取得率 | 66.6% |
| 男女賃金差異(全労働者) | -% |
| 男女賃金差異(正規) | -% |
| 男女賃金差異(非正規) | -% |
※男女賃金差異について、同社は「男女の賃金格差はありません」としており、具体的な数値の記載はありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 特定の取引先への依存
同社グループは、富士通グループ(富士通、富士通Japan、エフサステクノロジーズ)との取引割合が大きく、売上高の一部や仕入高の相当部分を占めています。取引関係は安定していますが、これらの企業の政策変更などが同社グループの業績に影響を与える可能性があります。
■(2) コンプライアンスおよび法務リスク
法令遵守や企業倫理への関心が高まる中、コンプライアンス体制の整備に努めていますが、重大な法令違反等が発生した場合は社会的信頼の低下を招く恐れがあります。また、ソフトウェア開発における契約上のリスクや訴訟発生のリスクも、経営に影響を与える可能性があります。
■(3) 在庫の増加リスク
顧客対応のための終息品保有や電子部品の調達方針、長期システム開発などにより、在庫が一時的に増加する場合があります。在庫管理を徹底していますが、在庫の増加が資金繰りや財政状態に影響を及ぼす可能性があります。



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