ソレキア 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ソレキア 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ソレキアは東京証券取引所スタンダード市場に上場し、電子デバイス等のコンポーネント販売やITソリューション、フィールドサービスを提供する企業です。直近の業績では、各分野での商談増加や採算性の向上、人件費の圧縮効果などにより、売上高・利益ともに拡大傾向にあり、順調な増収増益を達成しています。


※本記事は、ソレキア株式会社 の有価証券報告書(第68期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. ソレキアってどんな会社?


同社は、ITソリューションや電子デバイスの提供、システムの保守・運用サービスなどを幅広く展開する企業です。

(1) 会社概要


同社は1958年に小林電材として設立されました。1963年に富士通と特約店契約を結び、その後コンピューターやIT関連へと事業を拡大しました。1969年に小林電子産業、2002年に現在のソレキアへ商号を変更し、2004年に株式を上場しました。長年にわたりITインフラとデバイスの供給を支えています。

現在の従業員数は連結で713名、単体で703名です。筆頭株主はフリージア・マクロスで、第2位は同社取締役顧問でもある佐々木ベジ氏、第3位は証券・投資関連企業となっています。主要取引先である富士通グループとの強固なパートナーシップのもと、多様な顧客ニーズに応える事業体制を築いています。

氏名 持株比率
フリージア・マクロス 30.07%
佐々木 ベジ 22.11%
INTERACTIVE BROKERS LLC 5.68%

(2) 経営陣


同社の役員は男性16名、女性0名の計16名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は小林義和氏が務めており、取締役12名のうち4名が社外取締役です。

氏名 役職 主な経歴
小林 義和 代表取締役社長経営戦略統括兼管理グループ担当兼監査部担当兼経営企画室担当兼コーポレートサービス部担当兼ソレキア・アカデミー担当 1973年同社入社。専務取締役、代表取締役副社長等を経て、1994年6月より現職。
樋口 雄三 常務取締役営業部門統括兼コーポレートサービス部副担当兼DC・クラウド推進室担当兼特定アカウント推進室担当兼バックオフィスセンター担当兼事業推進部担当兼経営企画室副担当兼DX推進センター長代理 1983年同社入社。長野支社営業統括部長、東日本支社長等を経て、2019年6月より現職。
菊盛 信彦 常務取締役デジタルソリューション事業グループ担当兼ヘルスケアソリューション事業部担当兼東日本支社担当兼インフラサービス事業グループ担当 1982年富士通入社。富士通マーケティング上席執行役員等を経て、2021年6月より現職。
佐々木 ベジ 取締役顧問管理グループ副担当兼海外及び新規ビジネス(人財・開発)担当兼管理グループ長兼DX推進センター長兼情報セキュリティビジネス推進室長 フリージア・マクロス代表取締役等を経て、2019年同社取締役顧問就任。2021年6月より現職。
村下 順一 取締役システム部門統括兼システムソリューション事業グループ担当兼システム事業推進部担当 1983年同社入社。西日本システム統括部長等を経て、2023年6月より現職。
塚田 武文 取締役西日本支社長 1986年富士通入社。富士通Japanの各役職を経て2022年同社入社。2025年6月より現職。
竹田 錠一 取締役インフラサービス事業グループ長 1985年富士通入社。エフサステクノロジーズ取締役常務を経て2024年入社。2025年6月より現職。
酒井 英隆 取締役デジタルソリューション事業グループ長 1991年同社入社。東日本支社長代理などを経て、2025年6月より現職。


社外取締役は、国安哲史(東特巻線監査役)、塚本勲(加賀電子代表取締役)、昆幸弘(フリージア・マクロス副部長)、佐藤生空(弁護士法人ABC代表社員)です。

2. 事業内容


同社グループは、「首都圏」「東日本」「西日本」の報告セグメントおよび「その他」事業を展開しています。

首都圏


本社および都内に位置する拠点で構成され、電子デバイスや半導体などのコンポーネント販売をはじめ、ITソリューション、システムインテグレーション、フィールドサービスなどを幅広く提供しています。

顧客企業への機器販売やシステム開発、運用・保守のサービス提供を通じて収益を得ています。首都圏におけるこれらの事業運営は、同社が主体となって展開しています。

東日本


首都圏を除く東日本エリアの支店および拠点で構成され、地域に密着したITソリューションや各種マネジメント、フィールドサービスなどを主な事業として展開しています。

システムの構築から保守運用までのトータルサービスに対する対価として収益を計上しています。東日本エリアの事業運営についても、同社が主体となって担っています。

西日本


西日本エリアの支店および拠点で構成され、電子デバイスや半導体の販売に加え、システムインテグレーション等のITソリューション、保守サービスなどを提供しています。

デバイス販売代金やITインフラの構築・保守に関するサービス料が主な収益源です。西日本エリアにおける事業運営も、同社が主体となって行っています。

その他


上記3部門に含まれない部署や連結子会社によって構成され、デバイスソリューション、ITソリューション、各種マネジメントサービスを展開しています。

電子部品の販売やソフトウェアの設計・開発などの対価として収益を得ています。運営は同社ならびに子会社のソレキア・プラッツ、SOLEKIA SINGAPORE、SOLEKIA VIETNAMなどが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


過去5年間の業績を振り返ると、デジタルトランスフォーメーション(DX)需要の高まりや基幹システムの更新案件を獲得し、売上高は一貫して増加しています。利益面でも採算性の向上や業務効率化が寄与し、経常利益および当期利益も順調に拡大しており、安定的な成長軌道に乗っています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 227億円 238億円 252億円 280億円 304億円
経常利益 7億円 10億円 17億円 17億円 27億円
利益率(%) 3.3% 4.3% 6.6% 6.2% 8.7%
当期利益(親会社所有者帰属) 5億円 7億円 10億円 11億円 17億円

(2) 損益計算書


各分野での商談が好調に推移したことに加え、採算性の改善が大きく寄与し、売上総利益・営業利益ともに増加傾向にあります。

項目 2025年3月期 2026年3月期
売上高 280億円 304億円
売上総利益 54億円 63億円
売上総利益率(%) 19.3% 20.7%
営業利益 17億円 26億円
営業利益率(%) 6.2% 8.6%


販売費及び一般管理費のうち、給料手当及び賞与が21億円(構成比58%)、福利厚生費が4億円(同11%)を占めています。

(3) セグメント収益


主力である東日本や西日本エリアにおいて、自治体や文教、医療機関向けの大型商談や基幹システム更新需要を捉え、大幅な増収増益を達成しています。一方、首都圏はパソコン供給遅延等の影響でやや減収となりましたが、利益面では採算性の向上により増益を確保しています。

区分 売上(2025年3月期) 売上(2026年3月期) 利益(2025年3月期) 利益(2026年3月期) 利益率
首都圏 149億円 149億円 10億円 12億円 8.3%
東日本 65億円 81億円 5億円 9億円 11.2%
西日本 60億円 71億円 4億円 7億円 9.2%
その他 1億円 3億円 0.2億円 0.3億円 9.4%
連結(合計) 280億円 304億円 17億円 26億円 8.6%

(4) キャッシュ・フローと財務指標


営業活動で得た資金を元手に、借入を行いながら積極的な投資を継続する「積極型」のキャッシュ・フロー状況です。

項目 2025年3月期 2026年3月期
営業CF 15億円 13億円
投資CF -1億円 -1億円
財務CF -3億円 9億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は14.2%、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は53.1%となっており、いずれも市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


「お客様を原点に常に変化を先取りして新たな価値を創造し、喜びと満足のある物心とともに豊かな社会の実現に貢献すること」を使命としています。変化する環境へ柔軟に対応し、最適なソリューションの提供を通じて企業価値を持続的に向上させ、社会からの信頼に応えることを基本方針に掲げています。

(2) 企業文化


一人ひとりの多様性と創造性への信頼のもと、衆知を結集することで付加価値の創出や課題解決が可能になると考えています。お客様をはじめ、パートナー企業や従業員などのステークホルダーと共創する「Thinking Together」を事業活動方針として重んじています。

(3) 経営計画・目標


総資産・自己資本・売上高に対する利益率を重視し、効率的な経営を推進することが重要と考えています。とくに経営指標として「ROE」(自己資本当期純利益率)や「売上高営業利益率」を重視し、持続的な成長に向けた経営上の意思決定を行っています。

(4) 成長戦略と重点施策


生成AIや先端技術を活用した高付加価値サービスの創出、ストック型ビジネスの進化と伴走型支援の拡充、人財育成、そして経営基盤の強化を重点課題としています。長年培った業種知見と最新テクノロジーを掛け合わせ、セキュリティ対策の強化や安定的な収益基盤の構築を推進する方針です。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


従業員を持続的な成長の原動力である「人財」と位置づけ、AI等の先端技術を使いこなせる「コンサルティング型人財」の育成を最優先事項としています。教育体系の整備やオンライン学習の導入を進め、採用面でもアルムナイ採用やリファラル採用などの新制度を取り入れ、多様な人材の確保と定着率向上を目指しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや上回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2026年3月期 44.2歳 20.4年 6,660,914円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 1.1%
男性育児休業取得率 50.0%
労働者の男女の賃金の差異 -


※男女の賃金格差はありません。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) ソフトウェア開発の遅延・障害リスク


ソフトウェア開発業務において、顧客の要求の高度化や複雑化、仕様変更などに伴い、納期の遅延やバグ、システム障害が発生する可能性があります。万が一、修復不能な障害が生じた場合、同社の業績に影響を及ぼすリスクがあります。

(2) 在庫増加による財務リスク


取引先による電子部品の海外調達方針の変更や長期にわたるシステム開発、終息品の保有などにより、一時的に在庫が増加することがあります。健全な在庫管理を実施していますが、予測を超えた増加は財務状態に影響を与える可能性があります。

(3) コンプライアンス・法務リスク


法制度の変更やコンプライアンス意識の高まりに対応するため、社内体制の整備や従業員教育を徹底しています。しかし、重大な法令違反や契約に伴う訴訟などが発生した場合、社会的信用の低下や損害賠償により経営に甚大な影響を及ぼすリスクがあります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。