※本記事は、株式会社 シャルレ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
シャルレグループは、レディースインナー、スポーツウェア、ファインバブル製品の企画・製造・販売を手掛けています。子会社3社とともに多角的な事業を展開しています。
単体従業員数は205名、連結従業員数は291名です。セグメントはレディースインナー事業、スポーツウェア事業、ファインバブル事業の3つです。
主な国内グループ会社は、オンヨネ(スポーツウェア事業)、TKS(ファインバブル事業)などです。
また、2026年2月1日付で、TKSを存続会社、WATER CONNECTを消滅会社とする吸収合併を実施し、事業運営の効率化と企業価値向上を図っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
シャルレは、多岐にわたる事業を展開しながら、従業員一人ひとりの成長と働きがいを重視する企業です。多様な人材が活躍できる環境づくりに力を入れ、柔軟な働き方を推進しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、安定して働き続けられる環境が整っている傾向が見られます。平均年齢も比較的高く、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,102,000円 |
| 平均勤続年数 | 19.8年 |
| 平均年齢 | 46.4歳 |
| 単体従業員数 | 205人 |
| 連結従業員数 | 291人 |
| 単体のグループ内比率 | 70.4% |
同社は、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出型の退職給付制度を採用しています。これらの制度は、同社の従業員に適用されています。退職一時金制度もあり、勤続年数や役職等に応じて付与されるポイントの累計に一定額を乗じて一時金が支給されます。当連結会計年度末の退職給付債務は12.3億円、年金資産は23.2億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人材を重要な経営資源と位置づけ、一人ひとりの能力を最大限に発揮できる環境を整備することで、中長期的な企業価値の向上を目指しています。従業員が仕事に誇りとやりがいを持ち、自発的に組織へ貢献するとともに、新たな価値創造に向けて挑戦できる組織風土の醸成を人事戦略の基本方針としています。その実現に向け、多様な人材が相互に理解・尊重し合える環境づくりを推進するとともに、ワークライフバランスの充実や柔軟な働き方の整備を進めています。
同社における従業員への報酬は、給与と賞与で構成されています。給与については、業界、事業規模、従業員数、年齢などの世間水準を考慮したうえで、職務・役割および能力等に応じた処遇を行うことにより、人材の確保・定着および持続的な成長を支えることを目的に設計されています。賞与については、会計年度における営業利益の目標達成度合いを支給基準として、個人業績および会社業績との連動を通じて成果を適切に還元する設計となっています。
また、働き方改革、女性活躍推進、エンゲージメント向上および新たな価値創造を促進する組織風土改革に取り組んでいます。具体的には、残業時間の抑制や有給休暇の取得向上を推進するとともに、フレックスタイム制度、半日有給休暇制度およびテレワーク勤務制度を設けることにより、柔軟な働き方を推奨しています。育児や介護による休職や短時間勤務制度の利用者を支える従業員に対する「Thank youサポートPAY制度」のテスト運用を行うなど、多様な人材がお互いを支え合える組織風土の醸成を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性育児休業取得率および男女賃金差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 29.7% |
指標及び目標
| 指標 | 目標(2030年) | 実績(当連結会計年度) |
|---|---|---|
| 女性社員の平均勤続年数 | 17.5年 | 16.5年 |
| 女性管理職比率 | 33.3% | 29.7% |
| 女性社員の育児休業取得率 | 100% | 100% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
シャルレは、レディースインナー事業を主軸に、スポーツウェア事業、ファインバブル事業を展開する企業グループです。各事業を通じて、多様な製品やサービスを顧客に提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
シャルレグループは、シャルレと3つの子会社で構成されており、レディースインナー、スポーツウェア、ファインバブル製品の企画、製造、販売を主な事業としています。収益モデルは、ビジネスメンバーを通じた訪問販売を主軸としつつ、訪問販売を補完するチャネルとしてECサイトによる通信販売も展開しています。国内事業が中心であり、特定の顧客への収益集中は見られません。
レディースインナー事業
レディースインナーを主体とする衣料品、化粧品、健康食品等の販売事業を行っています。収益は、ビジネスメンバーを通じたメイト(消費者会員)及び一般消費者への訪問販売、並びにECサイトによる通信販売から得ています。運営は、シャルレが行っています。当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べて減少しています。
スポーツウェア事業
スキーウェア、スノーボードウェア、アウトドアウェア、フィジカルサポートウェアなど、各種高機能ウェアの企画、製造及び販売を行っています。収益は、日本国内のスキー団体向けのオフィシャルウェアなどの高額品を中心とした受注生産や、リカバリーウェア関連商品の販売から得ています。運営は、オンヨネが行っています。当連結会計年度より報告セグメントに追加され、売上高は堅調に推移しています。
ファインバブル事業
ウルトラファインバブル技術製品(シャワーヘッド等)及び水回り製品等の製造及び販売を行っています。収益は、ミスト機能付き高機能シャワーヘッドなどの新製品開発・販売や、ECサイトを通じた販売から得ています。運営は、TKSが行っています。当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べて増加しています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| レディースインナー事業 | 111億円 | 107億円 |
| スポーツウェア事業 | - | 18.2億円 |
| ファインバブル事業 | 4.7億円 | 4.2億円 |
| その他の事業セグメント | - | 34百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
過去5期の連結経営指標を見ると、売上高は変動が見られます。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、損失を計上する期と利益を計上する期が混在しており、直近の当期は大幅な損失となっています。当期の親会社株主に帰属する当期純損失の大幅な増加は、固定資産に係る多額の減損損失の計上などが主な要因です。営業活動によるキャッシュ・フローは直近2期連続で支出となっており、投資活動によるキャッシュ・フローも継続して支出となっています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 156億円 | 133億円 | 132億円 | 115億円 | 129億円 |
| 経常利益 | 17.2億円 | 3.0億円 | 6.2億円 | △9.3億円 | △10.5億円 |
| 経常利益率 | 11.1% | 2.3% | 4.7% | △8.1% | △8.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 10.2億円 | △7.4億円 | 5.8億円 | △10.1億円 | △35.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 64.18 | △46.75 | 37.01 | △64.51 | △231.22 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
連結従業員1人あたりの売上高は、前期に比べて当期は減少しています。連結従業員1人あたりの営業利益は、前期に引き続き当期も損失を計上しており、損失額は拡大しています。これらの指標は、同社グループの収益性および生産性において、直近で課題を抱えている状況を示しています。当期の営業利益の損失拡大は、レディースインナー事業における減損損失の計上などが影響しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 51.8百万円 | 44.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △4.3百万円 | △3.8百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、財務の安定性において、継続的な事業構造改革を進めている段階にあります。本業での資金流出が続いている状況であり、今後の事業展開と資金繰りの動向が注目されます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が高い水準を維持しているものの、純資産と現金及び預金は前期から減少しています。ROEはマイナスとなっており、収益性の改善が課題として挙げられます。手元資金の減少は、事業活動における資金の使途や効率性が今後の雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 169億円 | 130億円 |
| 自己資本比率 | 87.5% | 76.5% |
| ROE(自己資本利益率) | △5.8% | △23.8% |
| 現金及び預金 | 83.1億円 | 48.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失の計上や売上債権の増加などにより、支出となっています。投資活動によるキャッシュ・フローも、子会社株式の取得や投資有価証券の取得、定期預金の増加などにより、支出が継続しています。財務活動によるキャッシュ・フローも、配当金の支払いや自己株式の取得による支出が主な要因となり、支出となりました。
これらの結果、フリーキャッシュ・フローは当期もマイナスで推移しており、本業で得た資金だけでは投資を賄いきれていない状況を示しています。この資金の流れは、今後の事業成長に向けた投資の方向性や、資金調達の必要性が雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △18.0億円 | △10.3億円 |
| 投資CF | △26.8億円 | △34.5億円 |
| 財務CF | △5.1億円 | △1.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △44.8億円 | △44.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社グループは、前連結会計年度および当連結会計年度において継続的な営業損失が発生しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しているものと認識しています。この状況を解消するため、商品ポートフォリオの見直し、仕入コストリダクション、在庫ロスの軽減、顧客サービスの最適化、デジタル化による業務削減などの対策に取り組む方針を示しています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの主たる事業であるレディースインナー事業は訪問販売業界に属しており、販売員の高齢化やビジネス意欲の減退により、売上が減少する可能性があります。また、国内における景気動向や消費動向の変化、競合他社との競争激化、消費者の嗜好変化などにより、需要予測の見誤りが発生し、販売不振による在庫ロスの増加や販売機会損失につながるリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
販売員の高齢化やビジネス意欲の減退により、販売活動が低下し、顧客や販売員の獲得が伸び悩むことで同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
シャルレは、「人はみな豊かでなければならない」という基本理念のもと、人々の「Well-Being」の実現を目指しています。女性一人ひとりの変化に寄り添い、生活の質を向上させる商品・サービス・ビジネスを提供することを使命としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「人はみな豊かでなければならない 我々に関係ある人はみな どうしても豊かでなければならない」を基本理念としています。シャルレが目指すことは「いつも、私らしく輝ける場所がある。」であり、女性一人ひとりの変化に寄り添い、生活の質を向上させる商品・サービス・ビジネスを提供することを約束しています。
2035年3月期をゴールとした長期ビジョン「Charle Group Vision 2035」では、『いつの時代も「新しい豊かさ」を追求する企業へ』を掲げています。心身ともに健やかに過ごし、社会や人との関わりを通じて自分らしく輝ける「Well-Being」の実現を目指し、挑戦を続けていく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、従業員一人ひとりが仕事に誇りとやりがいを持ち、自発的に挑戦・貢献できる組織風土の醸成を目指しています。働き方改革、女性活躍推進、エンゲージメント向上、新たな価値創造を促進する組織風土改革に取り組んでいます。
ワークライフバランスの充実を図るため、残業時間の抑制や有給休暇の取得向上を推進しています。また、フレックスタイム制度、半日有給休暇制度、テレワーク勤務制度を設け、柔軟な働き方を推奨しています。
多様な人材がお互いを支え合える組織風土の醸成を目指し、育児や介護による休職・短時間勤務制度利用者を支える「Thank youサポートPAY制度」のテスト運用も行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、中期経営計画において、中核事業であるシャルレ事業を第二創業期と位置付け、事業構造改革を完遂に導くことを基本戦略方針としています。顧客データの利活用やグループシナジーの創出による拡大、資本コスト経営及び人的資本経営の実現、新しい豊かさの実現による企業価値向上も掲げています。
シャルレ事業では、組織風土改革、働き方改革、人材開発等の推進による従業員エンゲージメント向上を人事戦略としています。また、「環境」「人的資本」「DX推進」「ガバナンス」のマテリアリティへの取り組み推進をサステナビリティ推進の重点テーマとしています。
レディースインナー事業においては、販売員の高齢化による活動鈍化や稼働人数の低下、次世代の新規ビジネス参画者の減少が改善すべき経営課題として認識されています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会における監督機能の向上と戦略議論の活発化を目指しています。社外取締役が経営の客観性や透明性を高める役割を担っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
林雅晴氏が筆頭株主であり、創業家や関連会社が上位株主として名を連ねています。特定の株主グループが経営に影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 林 雅晴 | 10.12% |
| 有限会社G&L | 8.53% |
| 有限会社Lam’s | 6.41% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は林勝哉氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 林 勝哉 | 代表取締役社長 | 伊藤忠商事㈱を経て同社に入社し、取締役、代表取締役副社長を歴任。2008年12月より同社代表取締役社長に就任し現職。 |
| 高畑 則雄 | 取締役 | ㈱大成を経て同社に入社。営業本部副本部長、執行役員営業本部長を歴任し、2019年6月より取締役に就任し現職。 |
| 千本松 重雄 | 取締役 | 中央出版㈱を経て同社に入社。営業本部営業戦略部長、執行役員経営企画部長を歴任。2021年6月より取締役に就任し現職。 |
| 濵野 正治 | 取締役 | 同社に入社後、総務グループマネージャー、管理統括部統括部長、管理本部本部長などを歴任。2021年6月より取締役に就任し現職。 |
| 石岡 弘幸 | 取締役 | ㈱エフエルを経て同社に入社。商品執行部インナー部部長、マーケティング本部商品開発部部長などを歴任。2023年6月より取締役に就任し現職。 |
社外取締役は、吉田稔氏(元帝人フロンティア㈱監査役・監査等委員長・指名委員長・報酬委員長)、茂永崇氏(松村・茂永法律事務所代表弁護士・コンプライアンス委員長・ガバナンス向上委員長)、中西律子氏(元NECビジネスインテリジェンス㈱取締役執行役員兼CHRO・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役はすべて独立社外取締役で構成されています。社外取締役は、客観的かつ公正な立場で経営の健全性確保やコーポレート・ガバナンス強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、企業価値向上と競争力維持のため、優秀な人材確保と企業規模にふさわしい水準・構成を基本方針としています。業務執行取締役には固定報酬と業績連動報酬からなる基本報酬を支給し、社外取締役には独立性の観点から固定報酬のみを支給する方針です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 90百万円 | 18.0百万円 |
なお、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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