【平均年収602万円】広島ガス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収602万円】広島ガス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

広島ガスは、広島県内の主要都市で都市ガス事業を主軸に、LPガス販売やエンジニアリング、高齢者介護サービスなど多角的な事業をグループ各社とともに展開しています。多くの従業員を擁し、直近の業績は減収増益となりました。


目次

※本記事は、広島ガス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、広島県内の主要都市を供給エリアとして、都市ガスの製造・供給・販売を行うガス事業を主軸としています。また、都市ガス未供給区域でのLPガス販売や、エンジニアリング、高齢者介護サービスなどの多角的な事業を展開しています。

単体従業員数は657名、連結従業員数は1,676名です。セグメントはガス事業、LPガス事業、その他事業の3つです。

主な国内グループ会社は、広島ガスプロパン(LPG事業)、広島ガステクノ・サービス(ガス事業・その他事業)、広島ガスライフ(ガス事業)、ビー・スマイル(その他事業)などです。

なお、同社グループは当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


広島ガスは、地域に根差したエネルギー供給事業者として、安定した事業基盤を持つ企業です。従業員の皆さんが長期的に安心して働ける環境づくりに力を入れていることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員が長く勤め、キャリアを築いていく傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、経験豊富な人材が多数在籍し、安定した組織運営がなされていることがう察しいただけます。

項目 数値
平均年間給与 6,019,000円
平均勤続年数 18.9年
平均年齢 44.3歳
単体従業員数 657人
連結従業員数 1,676人
単体のグループ内比率 39.2%


同社および連結子会社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両制度を採用しています。これらの退職給付制度は、同社グループ全体に適用されます。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。当連結会計年度末の退職給付債務は66.6億円、年金資産は78.8億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


広島ガスグループは、「地域社会から信頼される会社をめざす」という経営理念に基づき、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。この目標達成に向け、人材育成と従業員価値の向上を重要なテーマとして掲げています。

具体的には、「働き方改革の推進」や「労働安全衛生体制の充実」を通じて、従業員が働きやすい環境を整備しています。また、個々のキャリアプランを意識できる制度の確立や、キャリアプランに合わせた教育プログラムの充実にも取り組んでいます。

これらの取り組みは、「多様な人材の活躍・働きがいの向上」というマテリアリティ(重要課題)の一環として位置づけられています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データを示します。労働者の男女の賃金の差異のうち、正規雇用労働者の欄には有期契約から無期契約に当事業年度までに雇用転換した労働者を含む数値が記載されています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 7.7%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 73.7%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 75.4%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 66.8%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。なお、労働者の男女の賃金の差異のうち、正規雇用労働者の欄には有期契約から無期契約に当事業年度までに雇用転換した労働者を含む数値が記載されています。

▼ 広島ガスプロパン㈱

指標 数値
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 75.4%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 79.0%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 34.1%


▼ 広島ガステクノ・サービス㈱

指標 数値
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 87.8%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 88.9%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 58.1%


▼ 広島ガスメイト㈱

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 22.2%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 85.3%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 65.8%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 126.1%

多様性・登用

指標 数値
採用人数に占める女性比率 30.0%以上
障がい者雇用率 2.7%
女性管理職昇格比率 30.0%以上

育児・介護支援

指標 数値
男性の育児休業等取得率(配偶者出産時の特別休暇を含む) 100.0%
有給休暇取得率 70.0%以上

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
キャリア採用の実施 3人以上/年

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


広島ガスは、地域に根差したエネルギー事業者として、都市ガスやLPガスを供給しています。多様な事業を通じて、地域社会の生活と産業を支える役割を担っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、ガス事業、LPG事業、その他事業の3つのセグメントで構成されています。これらの事業を通じて、地域の顧客にエネルギーと関連サービスを提供し、収益を上げています。

ガス事業

都市ガスの製造・供給・販売を主軸とし、ガス器具の販売やガス設備工事も手掛けています。収益は都市ガス販売量と販売単価に影響を受け、当連結会計年度は前期に比べて減少しました。

LPG事業

LPガスの販売を行っています。販売量は増加したものの、販売単価の低下により、当連結会計年度の収益は前期に比べてわずかに減少しました。

その他事業

建設事業や高齢者サービス事業など、多岐にわたるサービスを提供しています。建設工事売上の増加により、当連結会計年度の収益は前期に比べて増加しました。

同社グループの経営成績には、為替や原油価格の変動が重要な影響を与えます。特にガス事業における原料価格に大きく影響するため、原油価格やLNG価格に関するスワップ等でリスクヘッジを行っています。また、特定の顧客への売上集中も見られ、当連結会計年度はマイクロンメモリジャパン ファシリティーズ株式会社への売上高が全体の1割強を占めています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
ガス事業 707億円 676億円
LPG事業 180億円 178億円
その他事業 29.2億円 29.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は変動しながらも、当連結会計年度は前期に比べて減少しました。一方で、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、前期から増加に転じ、3期ぶりの増益となりました。これは、効率的な業務運営による諸経費の減少や、持分法による投資利益の増加が主な要因です。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 768億円 952億円 907億円 916億円 884億円
経常利益 46.2億円 74.1億円 33.8億円 19.1億円 26.0億円
経常利益率 6.0% 7.8% 3.7% 2.1% 2.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 36.6億円 52.2億円 23.3億円 16.9億円 21.1億円
1株当たり当期純利益(円) 53.71 76.35 34.03 24.62 30.65

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、当連結会計年度に前期から減少しました。一方で、従業員1人あたりの営業利益は前期から増加しています。これは、売上高が減少したものの、効率的な業務運営により利益率が改善したことを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 54.9百万円 52.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.8百万円 0.9百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働いていけそうか?


広島ガスは、堅実な財務基盤を築き、安定した経営状況を示しています。本業で得た資金を元手に、将来に向けた投資も行いながら、着実に成長を続けています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


広島ガスは、高い自己資本比率を維持しており、強固な財務基盤を構築しています。これは、事業の安定性を示す重要な指標です。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、手元資金として十分な現金及び預金を確保しており、不測の事態にも対応できる体制が整っています。このような財務状況は、長期的な雇用や給与の安定性につながる要素と言えます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 716億円 748億円
自己資本比率 52.7% 54.2%
ROE(自己資本利益率) 2.5% 3.0%
現金及び預金 206億円 185億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


広島ガスは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが、当期は116.7億円のプラスとなりました。これは主に仕入債務の増加によるものです。投資活動によるキャッシュフローは84.3億円のマイナスとなっており、主に有形固定資産の取得による支出の減少が影響しています。フリーキャッシュフローは32.4億円のプラスとなっており、本業で得た資金が投資を上回る状況を示しています。財務活動によるキャッシュフローは54.1億円のマイナスで、主に長期借入金の返済による支出の増加が要因です。このキャッシュフローの状況は、同社グループが安定した事業運営を行いながら、将来に向けた投資も着実に実行していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながるものと考えられます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 58.7億円 116.7億円
投資CF △92.6億円 △84.3億円
財務CF △36.5億円 △54.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △33.9億円 32.4億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、気温・水温の変動や人口・世帯数の減少、ライフスタイルの変化によりガス需要が変動するリスクを認識しています。また、エネルギー間競争の激化による顧客離脱や販売価格低下のリスクも存在します。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、法令等に反する行為が発生した場合、社会的信用力の低下等により業績に影響を及ぼす可能性があると認識しています。コンプライアンス違反は、組織の健全性に関わるリスクです。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


広島ガスグループは、地域社会に不可欠なエネルギーを供給する事業者として、安心・安全なサービスを安定的に提供することを重要な使命としています。地域からの信頼を基盤に、持続可能な社会の実現を目指す企業グループです。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「地域社会から信頼される会社をめざす」という経営理念を掲げています。その使命は、「このまち」に暮らす皆さまの生活に欠かすことのできないエネルギーを供給する事業者として、安心・安全なエネルギーを安定的に供給し続けることです。

「広島ガスグループ2030年ビジョン」に基づき、地域社会と共に発展する企業グループを目指しています。さらに、2050年に向けては「2050年カーボンニュートラルへの取り組み」へ挑戦する方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、経営理念である「地域社会から信頼される会社をめざす」に基づき、実効性のあるコーポレート・ガバナンスに取り組んでいます。国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」に賛同し、「このまち思いエネルギー。」という企業スローガンのもと、持続可能な社会の実現に貢献する姿勢です。

「広島ガスグループ このまち思い SDGs実行宣言 ~笑顔あふれる未来へのAction~」を策定し、SDGs達成につながる事業活動を推進しています。これまでのCSR活動とESG経営・SDGsの取り組みを一本化し、グループ一丸となって企業成長につなげることを目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、「2026年度広島ガスグループ中期経営計画」において、「経営基盤の「強化」」を重点ポイントの一つとしています。デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みを推進し、グループ全体での組織機能の最適化と業務の高度化・効率化を進める方針です。

価値創造の源泉である人的資本の確保に向けて、エンゲージメント向上とDX人材の育成にも注力しています。また、グループ組織力の強化につながる創造性豊かな人材の育成と活用により、グループ総合力の向上を図ることを基本戦略としています。

安心安全の更なる追求やスマート保安の推進により、災害対策・レジリエンスの強化を図ることも重要なテーマです。社会貢献活動の推進を通じ、地域社会と共に発展する企業グループを目指し、地域社会からの信頼につながる経営を推進しています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


広島ガスは、経営の客観性と透明性を高め、取締役会の監督機能強化に注力しています。監査役会設置会社として、社外取締役や社外監査役を選任し、執行役員制度を導入することで、迅速な意思決定と経営の分離を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


広島ガスは、複数の事業会社や金融機関、機関投資家によって支えられている資本構成となっています。筆頭株主はエネルギー関連事業を展開する岩谷産業であり、同社グループの事業基盤を多角的に支える株主構成が特徴です。

株主名 持株比率
岩谷産業 11.06%
明治安田生命保険相互会社 5.60%
日本マスタートラスト信託銀行 4.55%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は14名(男性12名・女性2名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長社長執行役員は中川智彦氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
松 藤 研 介 代表取締役会長 1983年4月 同社入社、2017年6月 代表取締役社長社長執行役員、2024年4月 代表取締役会長より現職。
中 川 智 彦 代表取締役社長 社長執行役員 1987年4月 同社入社、2016年6月 取締役執行役員生産事業部長、2024年4月 代表取締役社長社長執行役員より現職。
田 村 和 典 取締役 常務執行役員 生産事業部長 1985年4月 同社入社、2020年4月 取締役常務執行役員生産事業部長、2026年4月 取締役常務執行役員生産事業部長より現職。
沖 田 康 孝 取締役 常務執行役員 1986年4月 同社入社、2023年6月 取締役常務執行役員総務部長、2025年8月 取締役常務執行役員より現職。
吉 﨑 直 取締役 常務執行役員エネルギー事業本部長 1988年4月 同社入社、2023年6月 取締役常務執行役員エネルギー事業部長、2025年4月 取締役常務執行役員エネルギー事業本部長より現職。
荒 田 秀 和 取締役 常務執行役員導管事業部長 1993年4月 同社入社、2025年6月 取締役常務執行役員導管事業部長より現職。


社外取締役は、椋田昌夫氏(広島電鉄代表取締役会長)、池田晃治氏(ひろぎんホールディングス代表取締役会長)、尾崎裕氏(大阪瓦斯相談役)、前田香織氏(広島市立大学理事長・学長)です。

同社は監査役会設置会社であり、経営の客観性と透明性を高めるため社外取締役を選任しています。社外取締役は、豊富な経験と高い見識に基づき、客観的な立場から経営への監督と助言を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


広島ガスの取締役報酬は、固定報酬である「基本報酬」と、企業価値の持続的な向上と株主との価値共有を目的とした「譲渡制限付株式報酬」で構成されています。社外取締役に対しては、客観的な監督・助言の役割を考慮し、固定報酬のみが支給される体系です。報酬額の決定は、社外役員が半数以上を占める報酬委員会での審議を経て行われます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 8名 2.8億円 35.5百万円
監査役(社外除く) 2名 33百万円 16.5百万円
社外役員 6名 43百万円 7.2百万円


同社グループの役員報酬等の総額は3.6億円であり、報酬の支給対象となった役員の総数は16名です。
なお、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。