【平均年収455万円】武蔵野興業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収455万円】武蔵野興業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

武蔵野興業は、映画事業を主力に、不動産関連事業や自動車教習所運営などをグループ各社とともに展開しています。直近の業績は、売上高は横ばい傾向ながら、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は増加しました。


目次

※本記事は、武蔵野興業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


武蔵野興業は、映画事業を主力としつつ、保有資産を活用した不動産関連事業や自動車教習所運営などをグループ各社とともに展開しています。多角的な事業を通じて安定的な経営基盤を築いています。

単体従業員数は20名、連結従業員数は43名です。同社グループの事業セグメントは、映画事業、不動産事業、自動車教習事業、商事事業、その他の5つです。

主な国内グループ会社は、寄居武蔵野自動車教習所(自動車教習事業)、自由ケ丘土地興業(不動産事業)、武蔵野エンタテインメント(映画事業)などです。

2026年1月には、同社グループが運営する映画館「シネマカリテ」が閉館となりました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


武蔵野興業は、映画興行を主軸に不動産や自動車教習所など多角的な事業を展開しています。創業以来「人々に夢と楽しみと感動を提供する」という理念を掲げ、お客様のニーズに応える事業内容の構築を目指してきました。同社グループでは、多様な人材の活躍を重視し、働きやすい環境づくりに力を入れています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


武蔵野興業の従業員は、比較的高い年齢層で、勤続年数も長い傾向が見られます。これは、同社が従業員の長期的なキャリア形成を支援し、安定した雇用環境を提供していることを示唆しています。

項目 数値
平均年間給与 4,554,846円
平均勤続年数 15.9年
平均年齢 54.3歳
単体従業員数 20人
連結従業員数 43人
単体のグループ内比率 46.5%


同社および連結子会社は、確定給付型の退職一時金制度(非積立型制度)を設けています。この制度は、給与や勤続年数に応じて給付額が決まるものです。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


武蔵野興業は、「人々に夢と楽しみと感動を提供する」という経営理念に基づき、お客様の多様性に対応するため、社内人的資本の多様性を重視しています。映画事業を通じた健全な娯楽提供と映画文化の発展への寄与を通じて、持続的な企業成長を目指しています。

従業員の給与は、毎月の固定報酬である基本給と、業績連動報酬である賞与で構成されています。基本給は個人の評価に加え、職務内容や職責を考慮して決定されます。賞与は、同社グループの業績、部門別の業績、個人の貢献度を勘案して決定される仕組みです。

公正で納得性の高い評価を実現するため、社内役員が参加する会議で部門間の評価のばらつきを抑制しています。また、経営環境や労働市場の変化を踏まえ、給与等の決定方針について必要な見直しを行い、人的資本への適切な投資を通じて持続的な企業価値の向上に努めています。

人的資本の多様性を維持するため、社員が働きやすい社内環境の整備にも力を入れています。具体的には、残業時間の削減や有給休暇の取得促進といった労務環境の改善を継続的に行っており、シニア人材の積極活用も推進しています。入社後の社員育成においては、個々のスキルや経験、適性を総合的に勘案したOJTや研修を通じて、能力・キャリアの蓄積を企図しています。さらに、社員のやりがいを高めるための表彰制度も設けています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

多様性・登用


提出会社単体のデータです。

指標 数値
女性社員比率 15.0%

人材育成・エンゲージメント


提出会社単体のデータです。

指標 数値
有給休暇取得率 60.2%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


武蔵野興業は、映画事業を主軸に、不動産事業、自動車教習事業、商事事業など多角的な事業を展開しています。保有資産の活用を通じて、安定的な収益基盤を築いていることが特徴です。

映画事業

同社は東京都新宿区に映画館「新宿武蔵野館」を経営し、映画興行を行っています。連結子会社の武蔵野エンタテインメントが映画関連事業で連携しています。
収益は、映画の興行収入や配給収入、映画館売店での販売から得ています。運営は、武蔵野興業と武蔵野エンタテインメントが行っています。

不動産事業

埼玉県さいたま市大宮区の商業テナントビルや東京都杉並区の賃貸マンション、東京都目黒区の商業テナントビルなどの賃貸経営を主力としています。不動産の仲介・販売も手掛けています。
収益は、テナント収入や不動産仲介取引から得ています。運営は、武蔵野興業と自由ケ丘土地興業が行っています。

自動車教習事業

埼玉県大里郡寄居町において自動車教習所を運営しています。
収益は、普通車教習料金や高齢者講習等の委託料収入から得ています。運営は、寄居武蔵野自動車教習所が行っています。

商事事業

東京都目黒区で軽飲食店の委託経営を行っています。
収益は、飲食店の営業成績から得ています。運営は、自由ケ丘土地興業が行っています。

その他の事業セグメント

主に自販機手数料などから収益を得ています。運営は、武蔵野興業と自由ケ丘土地興業が行っています。

同社グループの事業はすべて国内で展開されており、海外からの売上高はありません。特定の顧客への収益集中としては、不動産事業において、株式会社高島屋と株式会社野和ビルが主要な顧客となっています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
不動産事業 5.8億円 5.8億円
映画事業 4.6億円 4.2億円
自動車教習事業 3.0億円 3.2億円
その他の事業セグメント 7百万円 8百万円
商事事業 7百万円 7百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は概ね横ばいから微減傾向にあります。一方で、経常利益は変動しながらも直近で増加し、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅な増加となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 12.9億円 13.8億円 12.8億円 13.6億円 13.3億円
経常利益 64百万円 26百万円 19百万円 87百万円 97百万円
経常利益率 5.0% 1.9% 1.5% 6.4% 7.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 50百万円 41百万円 5百万円 65百万円 3.6億円
1株当たり当期純利益(円) 47.79 38.78 4.46 62.09 344.49

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、組織全体の収益を稼ぐ力が強化されていることがうかがえます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 28.4百万円 30.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.4百万円 1.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務基盤と資金の流れについて、現在の状況を見ていきます。これらの情報は、入社後の安定性や成長性を判断する上で重要な要素となります。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均を大きく上回る水準で推移しており、堅固な財務体質を示しています。ROE(自己資本利益率)は当期にプライム市場平均と同水準まで上昇しました。手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、不測の事態への耐性も備わっている状況です。これらの財務指標は、事業活動を安定的に継続していく上での基盤が整っていることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 36.2億円 39.8億円
自己資本比率 59.5% 62.8%
ROE(自己資本利益率) 1.8% 9.5%
現金及び預金 8.6億円 11.7億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、当期は営業活動によるキャッシュフローが法人税等の支払額により使用に転じました。一方、投資活動によるキャッシュフローは投資有価証券の売却収入により大幅なプラスとなりました。これにより、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは前期から増加し、プラスを維持しています。財務活動によるキャッシュフローは長期借入金の返済により使用が継続しています。これらの資金の流れは、同社グループが本業からの資金創出を強化しつつ、資産の効率的な運用により資金を確保し、財務体質の健全化を図っている状況を示しており、事業の安定的な継続に繋がるものと考えられます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 2.0億円 △4百万円
投資CF △6千9百万円 3.7億円
財務CF △2千8百万円 △5千3百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) 1.3億円 3.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、映画事業において上映作品の集客力により興行成績が大きく左右される側面があることをリスクとして認識しています。また、各事業において主に個人顧客を対象としているため、景気の悪化等による消費低迷が続いた場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるとしています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、持続的成長のために人材の確保及び育成が必要であるものの、必要な人材の確保が困難な場合や人件費が急激に上昇した場合に、業績に影響を及ぼす可能性があることをリスクとして挙げています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


武蔵野興業は、創業以来の理念に基づき、映画事業を核としながら多角的なサービスを展開する企業グループです。お客様に夢と感動を提供し続けることを目指し、社会の変化に対応しながら持続的な成長を追求しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


武蔵野興業は1920年の創業以来、映画文化の多様性を通じて「人々に夢と楽しみと感動を提供する」ことを経営理念としています。同社グループは、映画興行事業を中心に、不動産賃貸事業や自動車教習事業など、お客様のニーズに応える複合的なサービス事業を展開しています。

今後も創業時の礎に沿い、「映画事業を通じて社会に健全な娯楽を提供するとともに、映画文化の発展に寄与すること」を経営の基本方針としています。お客様の期待に応えられる企業グループ経営を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


武蔵野興業グループは、「人々に夢と楽しみと感動を提供する」という理念を大切にしています。映画事業では、映画文化の多様性をより多くの人々に楽しんでもらうことをミニシアターの存在意義と位置づけ、良作・話題作の上映やイベントを通じて映画ファンの裾野拡大に取り組んでいます。

人的資本に関する戦略では、お客様の多様性に則した社内人的資本の多様性の積み上げを重視しています。採用においては、性別や国籍、新卒・中途を問わず、個人のパーソナリティが同社の多様性と組織力向上に寄与するかを重視しています。

社員が働きやすい社内環境の整備にも力を入れ、残業時間の削減や有給休暇の取得促進、シニア人材の積極活用など、労務環境の改善を継続的に行っています。また、社員のやりがいを高める表彰制度も設けています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


武蔵野興業グループは、個人の消費活動の動向に大きく影響を受ける事業環境において、物価上昇や地政学リスクなど、引き続き注視が必要な状況にあると認識しています。

各事業部門では、組織・文化・人材に関わる課題への対応を進めています。映画事業では、地元商圏との連携や映画ファンの裾野拡大、配信サービスを活用した新たな付加価値の構築に取り組んでいます。

不動産事業では、入居テナントとの情報共有による良好な賃貸借環境の維持、建物・設備の安全管理に努めています。自動車教習事業では、新規運転免許取得者の減少に対応するため、地域社会との結び付きを強化し、顧客ニーズに対応した教習コンテンツの充実や送迎ルート網の見直しを進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


武蔵野興業は、取締役会と監査役会を設置する監査役設置会社です。社外取締役と社外監査役が経営の監督と監視を担う体制となっています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


武蔵野興業の株主構成を見ると、筆頭株主は個人である河野義勝氏です。上位株主には、河野氏の関連会社や親族とみられる個人が複数名を連ねています。これにより、創業家が同社の資本の大部分を保有し、経営に強い影響力を持つ体制であることがうかがえます。

株主名 持株比率
河野義勝 30.82%
有限会社河野商事 9.55%
リサ・パートナーズ 9.54%
河野優子 7.88%
小泉 3.05%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.2%です。代表取締役社長は河野義勝氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。

氏名 役職 主な経歴
河野 義勝 代表取締役社長 1986年8月同社入社、1988年6月同社取締役就任、2005年6月同社代表取締役社長就任より現職。
河野 優子 常務取締役営業担当兼内部統制担当 2009年4月同社顧問、2009年6月同社取締役就任、2009年11月同社常務取締役就任より現職。
マッシュー アイアトン 取締役 2015年4月アイアトン・エンタテインメント入社プロデューサー、2019年6月同社取締役就任より現職。
朝山 英夫 取締役 1973年5月ニューエンタープライズ(現パンジャパン)設立代表取締役、2015年2月パンジャパン代表取締役就任より現職、2022年6月同社取締役就任より現職。


社外取締役は、マッシュー アイアトン氏(Yoshimoto Entertainment U.S.A., Inc. CEO)、朝山 英夫氏(パンジャパン代表取締役)です。

同社は監査役設置会社です。社外取締役は、客観的な立場から同社の業務執行の監督や経営に関する助言・指導の役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


武蔵野興業の役員報酬は、基本報酬(金銭報酬)のみで構成されています。業務執行取締役の報酬は、役位や職責、在任年数などを総合的に勘案して決定されます。社外取締役の報酬も基本報酬のみであり、業績連動報酬は導入されていません。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 2名 66百万円 32.9百万円
監査役(社外除く) 1名 10百万円 9.7百万円
社外役員 4名 13百万円 3.2百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。