※本記事は、株式会社極楽湯ホールディングス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
極楽湯ホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は19名、グループ連結従業員数は188名です。
同社グループは、連結子会社2社を中心に温浴事業を中核事業としています。「極楽湯」や「RAKU SPA」の名称で温浴施設を40店舗展開しており、直営店では入館料や飲食、整体、物販などの収入を得ています。また、フランチャイズ店からは商品販売収入やロイヤリティ収入を得ており、関連事業として「RAKU CAFE」も展開しています。
主な国内グループ会社は、極楽湯(温浴事業)、GK Marketing(同)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
極楽湯ホールディングスは、企業理念である「人と自然を大切に思い、人の心と体を『癒』すことにより、地域社会に貢献する」ことを掲げ、人材への投資を不可欠と認識しています。同社グループは、ホスピタリティ、チャレンジ精神、経営マインドを持った人材の育成に注力し、従業員が安心して働ける環境整備にも努めています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
極楽湯ホールディングスでは、平均年齢が40代前半であり、平均勤続年数も10年を超えています。このことから、比較的落ち着いた年齢構成で、長期的にキャリアを築く従業員が多い傾向にあることがうかがえます。なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,437,000円 |
| 平均勤続年数 | 11.2年 |
| 平均年齢 | 41.3歳 |
| 単体従業員数 | 19人 |
| 連結従業員数 | 188人 |
| 単体のグループ内比率 | 10.1% |
同社グループは、従業員の退職給付制度として、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方を採用しています。これらの制度は同社グループ全体に適用されます。
退職一時金制度も採用されています。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、当連結会計年度における確定拠出制度への要拠出額は9百万円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
極楽湯ホールディングスは、「人と自然を大切に思い、人の心と体を『癒』すことにより、地域社会に貢献する」という企業理念の実現に向け、人材への投資を不可欠と位置付けています。同社グループは、ホスピタリティ、チャレンジ精神、経営マインドを持った人材の育成を基本方針とし、質の高いサービス提供や事業成長を牽引できる人材を求めています。
給与等の決定においては、企業理念の実現に向けた役割や成果を適切に処遇し、優秀な人材の確保と定着、従業員の生活基盤の安定を図ることを基本方針としています。特に、人材獲得競争が激化する中で、マネジメント人材や企画・接客を担う優秀な人材を惹きつけるため、処遇の改善を重要課題と捉え、報酬水準の定期的な検証と見直しを行っています。
具体的には、新入社員からマネジメント層まで、各段階に応じた体系的な階層別研修を実施し、継続的なスキルアップとキャリア形成を支援しています。また、従業員が安心して長く働けるよう、「安心・安全に働ける職場環境」の維持に努め、店舗オペレーションの標準化や業務効率化も推進しています。さらに、女性が参画する多様性に富んだ組織構築を目指し、正社員採用における女性比率や女性管理職の増加、年次有給休暇取得率の維持に関する行動計画を策定しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異(うち臨時雇用者)は、本記事では取得できていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 20.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 54.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 54.3% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社2社の数値のみ掲載します。
▼ 株式会社極楽湯
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 6.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 85.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 79.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) | 121.4% |
▼ 株式会社GK Marketing
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 93.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 104.7% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 正社員採用者に占める女性比率 | 56.4% |
| 女性管理職 | 6名 |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 社員の有給休暇取得率 | 51.5% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
極楽湯ホールディングスグループは、温浴事業を中核としたビジネスを展開しています。同社グループは、温浴施設の運営を通じて、顧客にリラクゼーションとエンターテイメントを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループの主たる事業は温浴事業であり、「極楽湯」や「RAKU SPA」といった名称で温浴施設を国内外に展開しています。現在、直営店30店舗とフランチャイズ店10店舗の合計40店舗を運営しています。
直営店では、入館料収入、飲食収入、整体や理髪、物販など多岐にわたるサービスから収益を得ています。一方、フランチャイズ店では、加盟契約に基づき、スーパー銭湯経営に関する商品販売収入やノウハウ提供によるロイヤリティ収入が主な収益源となっています。
また、温浴事業に加えて、「ヒナタの杜」や「RAKU CAFE」といった関連事業も展開しており、事業の多角化を図っています。同社グループの事業は温浴事業に集中しており、収益の大部分を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5年間で売上高が継続的に増加しています。利益面では、過去には純損失を計上した時期もありましたが、直近の2期は純利益を確保し、増益傾向を示しています。
特に当連結会計年度は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のすべてにおいて前期を上回る増収増益となり、過去最高益を更新しました。営業活動によるキャッシュ・フローは継続してプラスを維持しており、本業で安定的に資金を生み出している状況です。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 100億円 | 128億円 | 141億円 | 152億円 | 162億円 |
| 経常利益 | 7.5億円 | 1.8億円 | 7.2億円 | 12.8億円 | 13.3億円 |
| 経常利益率 | 7.5% | 1.4% | 5.1% | 8.4% | 8.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △19.8億円 | △3.0億円 | 7.0億円 | 7.7億円 | 9.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △99.20 | △14.20 | 24.69 | 24.69 | 29.49 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。従業員1人あたりの営業利益も同様に増加しており、収益性の改善がうかがえます。
これは、事業規模の拡大とともに、従業員一人ひとりの貢献度が高まっていることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 83.8百万円 | 86.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 6.3百万円 | 6.6百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を生み出しつつ、将来に向けた積極的な投資を行っている状況です。これにより、事業の成長フェーズにあることが示されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率はプライム市場の非製造業平均を上回る水準にあります。ROE(自己資本利益率)も高い水準を示しており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金は前期から減少していますが、これらの財務指標は、事業の安定性と成長性を支える基盤が整っていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 38.2億円 | 49.1億円 |
| 自己資本比率 | 27.4% | 35.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 24.5% | 22.7% |
| 現金及び預金 | 29.0億円 | 15.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは資金の獲得となりました。これは主に税金等調整前当期純利益や減価償却費などの加算要因があった一方で、仕入債務や未払金の減少、法人税等の支払額の増加によるものです。投資活動によるキャッシュフローは支出となっており、更新投資や新規出店による有形固定資産の取得が主な要因です。
これにより、フリーキャッシュフローはマイナスとなりました。財務活動によるキャッシュフローは支出で、長期借入金の返済があったものの、新たな借入れや新株予約権の行使による収入もありました。これらの資金の流れは、同社グループが本業で安定的に資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた積極的な投資を行っている段階にあることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 22.0億円 | 13.0億円 |
| 投資CF | △12.1億円 | △20.8億円 |
| 財務CF | △9.6億円 | △6.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 9.9億円 | △7.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、温浴施設における水質管理の徹底に努めていますが、万が一レジオネラ属菌による事故が発生した場合、ブランドイメージの低下や来店客数の減少、営業停止処分により業績に悪影響が及ぶ可能性があります。また、電気料金等のエネルギーコストの増大は、サービス提供に必要な設備維持運用に係る費用を増加させ、財政状態や経営成績に悪影響を与えるリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは小規模組織で運営されており、事業拡大に備えた人材の確保・育成を重視しています。しかし、人材の充実が適切に進まなかった場合や既存の人材が流出した場合、業務執行に支障が生じる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
株式会社極楽湯ホールディングスは、温浴施設事業を通じて顧客満足度を高め、地域社会に貢献することを目指しています。持続可能な企業価値の向上と、あらゆるステークホルダーを重視した経営を基本方針としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、温浴施設「極楽湯」「RAKU SPA」において、時代の変化や顧客ニーズを的確に捉えた質の高いサービスを提供することで、顧客満足度を高め、企業として適切な利益を安定的に獲得することを目指しています。あらゆるステークホルダーを重視した経営を行い、その健全な関係の維持・発展に努める方針です。
各地域の文化や慣習を尊重し、地域に根ざした企業活動を通じて、経済・社会の発展に貢献することを掲げています。「開かれた企業経営体質」を基本に、危機管理体制の構築と法令遵守を徹底し、ホスピタリティ、チャレンジ精神、経営マインドを持った人材の育成を通じて、企業価値の最大化に努めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「人と自然を大切に思い、人の心と体を『癒』すことにより、地域社会に貢献する」という企業理念を掲げています。この理念に基づき、持続可能な発展とサステナビリティ(SDGs)の達成を推進する企業風土です。
経営方針として、ホスピタリティ、チャレンジ精神、経営マインドを持った人材の育成を重視しています。また、人材の多様性の確保を含む人材育成の取り組みとして、女性が参画する多様性に富んだ組織構築のための行動計画を策定しています。正社員採用者に占める女性比率や女性管理職の目標を設定し、社員の年次有給休暇取得率の維持にも取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、60店舗体制の確立と直営店出店戦略の推進に対応できる人材の確保と育成を重要な経営課題としています。今後も採用活動の強化と社員に対する教育・研修に注力する方針です。
お客様に快適かつ安心して利用してもらうため、衛生管理の徹底と店舗設備の維持管理を最重要事項としています。子会社の適正かつ健全な経営をサポートし統括することで、グループ全体のブランド力向上と業績貢献を図っています。さらに、気候変動による自然災害や感染症拡大といった外部環境の著しい変化に対し、柔軟かつ慎重に対応していくことを重視しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
極楽湯ホールディングスは、社外取締役と社外監査役を配置した監査役会設置会社であり、透明性の高いガバナンス体制を構築しています。取締役会と監査役会が連携し、経営の監視と業務執行の適正化に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
極楽湯ホールディングスの筆頭株主は合同会社ミライニホン・アセットマネジメントであり、資産運用会社が上位に名を連ねています。また、海外のホテル投資・管理会社や事業会社も主要株主として名を連ねています。役員が関連会社の代表社員を務めていることから、関連会社を通じて資本構成に影響を与えている状況がうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 合同会社ミライニホン・アセットマネジメント | 9.40% |
| SPRING OF GOLD HOTEL INVESTMENT AND MANAGEMENT COMPANY LIMITED(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店) | 9.30% |
| アサヒビール | 1.50% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.0%です。代表取締役会長兼社長グループCEOは新川隆丈氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 新川 隆丈 | 代表取締役会長兼社長グループCEO | 1983年北陸銀行入行後、日興證券、伊藤忠商事を経て2005年同社特別顧問。同年6月代表取締役社長に就任し、2017年6月より代表取締役社長グループCEO。2024年4月より現職。 |
| 後藤 研二 | 取締役 常務執行役員 | 1991年兼松入社後、日興證券、伊藤忠商事、いちごグループホールディングスを経て、2015年株式会社オフィスゴトー代表取締役。2019年6月同社取締役に就任し、2025年6月より現職。 |
| 山本 真司 | 取締役執行役員 | 2000年同社入社後、店長、店舗営業課課長、海外事業部副部長、総合企画部長などを歴任。2019年4月執行役員CBO、2022年9月取締役執行役員CBOを経て、2024年4月より現職。 |
| 佐藤 剛史 | 取締役執行役員 | 2003年同社入社後、店長、スーパーバイザー、国内事業部課長などを経て、2019年4月子会社極楽湯経営企画部長、同年取締役。2022年9月取締役執行役員となり、2024年4月より現職。 |
| 新川 隆啓 | 取締役執行役員 | 2014年株式会社シリウス入社後、日本海事検定グローバルサポート会社を経て2019年同社入社。中国法人部課長、経営企画部課長などを歴任し、2025年4月より執行役員経営企画部長。 |
| 市山 勉 | 取締役 | 1981年国際航業入社後、北陸地下開発(現関連会社エオネックス)に入社し、1993年代表取締役に就任。2024年6月より同社取締役に就任し、現職。 |
社外取締役は、上野建太郎氏(プラスファーム代表取締役)、小林豪氏(リアルクオリティ代表取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役2名が経営の客観性と透明性の確保に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
極楽湯ホールディングスの取締役の報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして機能するよう設計されています。報酬は、固定報酬としての基本報酬、業績連動型報酬、および株式報酬(新株予約権)で構成されており、その割合は概ね基本報酬70%、業績連動型報酬5%、非金銭報酬等25%となっています。監査役の報酬は固定の月額報酬のみで、株主総会で定められた総枠内で監査役会が協議して決定しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.6億円 | 31.2百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 6百万円 | 6.5百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 7百万円 | 1.4百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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