※本記事は、株式会社創健社の有価証券報告書(第59期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. 創健社ってどんな会社?
安全性と栄養性を追求した健康自然食品の企画開発および卸売を展開する企業です。
■(1) 会社概要
1968年2月に無添加の健康自然食品の開発および卸売を目的として設立されました。1972年にはべに花油100%の食用植物油「べに花一番」を販売開始しています。1994年の株式店頭登録を経て、2004年にジャスダック証券取引所へ上場し、現在はスタンダード市場に所属しています。
現在の従業員数は連結で38名、単体で35名です。筆頭株主は代表取締役社長である中村靖氏で、第2位は取引先持株会である創健会、第3位は資本提携関係などがある事業会社の太田油脂となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 中村靖 | 23.24% |
| 創健会(取引先持株会) | 8.23% |
| 太田油脂 | 7.94% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性6名、女性1名の計7名で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は中村靖氏が務めています。社外取締役は2名選任されています。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 中村靖 | 代表取締役社長 | 1987年同社入社。経営企画室長、営業本部長、商品開発部長などを歴任。2001年6月より現職。 |
| 岸本英喜 | 専務取締役管理本部長 | 1984年同社入社。横浜支店長、商品本部長、営業本部長などを歴任。2021年7月に専務取締役へ就任し、2026年6月より現職。 |
| 山田一斗資 | 取締役商品本部長 | 1991年同社入社。総務経理部長などを経て、2014年6月より現職。子会社の髙橋製麺代表取締役社長も兼任。 |
| 村田幸隆 | 取締役営業本部長 | 1989年同社入社。沖縄営業所長、横浜支店長、大阪支店長などを経て、2026年6月より現職。 |
| 飯田雅之 | 取締役(常勤監査等委員) | 1987年同社入社。情報システム部長、総務経理部長などを歴任し、2016年に取締役管理本部長へ就任。2026年6月より現職。 |
社外取締役は、鈴木久衞(元東京国税局調査第四部統括国税調査官)、合田真琴(司法書士事務所開業)です。
2. 事業内容
同社グループは、健康自然食品の卸売業として単一セグメントで事業を展開しています。
■(1) 健康自然食品の企画・販売
同社グループは、食べ物による健康作りを目指し、不要な食品添加物を使わない自然食品専業企業として「安心で」「おいしく」「栄養価値のある」食品の企画・開発・販売を展開しています。主に食品量販店や小売店などを顧客としています。
収益源は、自社企画のプライベートブランド商品や仕入商品の販売代金です。主に創健社が国内外の優良メーカーに製造を委託し、自社ブランド商品を企画・販売しています。
■(2) 即席麺の製造およびOEM供給
同社グループでは、自社ブランドの即席麺に加えて、他社ブランドの即席麺商品のOEM供給を行っています。また、仕入先への原材料販売なども手がけています。
収益モデルは、OEM供給先からの商品代金や原材料の販売代金から成り立っています。製造および供給事業の運営は、連結子会社である髙橋製麺が担当しています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は46億円から49億円のレンジで推移しており、直近の2026年3月期は47.5億円と前年比で減少しました。経常利益についても、2025年3月期の0.7億円をピークに直近は0.2億円へ減益となっています。利益率は0.5%から1.4%の間で推移しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 46.3億円 | 48.5億円 | 48.8億円 | 49.5億円 | 47.5億円 |
| 経常利益 | 0.3億円 | 0.3億円 | 0.3億円 | 0.7億円 | 0.2億円 |
| 利益率(%) | 0.6% | 0.6% | 0.6% | 1.4% | 0.5% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 0.3億円 | 0.2億円 | 0.1億円 | 0.5億円 | 0.2億円 |
■(2) 損益計算書
売上高は前年比で減少しましたが、売上総利益率は約25%と同水準を維持しています。一方、営業費用がほぼ横ばいで推移したことにより、営業利益および営業利益率は前年を下回る結果となりました。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 49.5億円 | 47.5億円 |
| 売上総利益 | 12.5億円 | 12.0億円 |
| 売上総利益率(%) | 25.2% | 25.3% |
| 営業利益 | 0.7億円 | 0.2億円 |
| 営業利益率(%) | 1.3% | 0.4% |
販売費及び一般管理費のうち、荷造運送・保管費が3.3億円(構成比28%)、給料手当及び賞与が2.8億円(同24%)を占めています。
■(3) キャッシュ・フローと財務指標
同社のキャッシュ・フローは、営業CFがマイナス、投資CFがマイナス、財務CFがプラスとなっており、借入などによって資金を調達しつつ投資を継続する勝負型の傾向を示しています。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | -0.4億円 | -0.0億円 |
| 投資CF | -0.1億円 | -0.1億円 |
| 財務CF | -0.1億円 | 1.1億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は1.4%、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は38.9%となっており、いずれもスタンダード市場の平均を下回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
「地球環境を大切にし、食生活の提案を通して人々の健康的な生活向上に貢献する」という企業理念のもと、「食」が持つ大切さを訴え続けながら、人間の健康、地球の健康、そして企業の健康を目指しています。これらを通じて企業価値を高め、社会貢献に結びつけることを存在意義としています。
■(2) 企業文化
不要な食品添加物を使わない自然食品専業企業として55年余の年月を積み重ねてきた歴史と信頼を重視する文化があります。環境に配慮したオーガニック商品や身体にやさしい商品の開発に注力し、おいしい食卓と健康な暮らしを消費者とともに考える姿勢を明確に打ち出しています。
■(3) 経営計画・目標
第7次中期経営計画「共創と変革による成長基盤の強化」(2026年4月1日~2029年3月31日)を開始し、持続的な成長に向けて戦略の転換を図っています。また、経営上の目標を達成するための客観的な指標として「売上総利益率」と「売上高営業利益率」を重視しています。
* 2029年3月期の営業利益1億円
■(4) 成長戦略と重点施策
持続的な成長を実現するため、商品開発と営業機能の一体化による全体最適化や、ブランド刷新による価値向上に取り組んでいます。さらに、環境に配慮した商品ラインナップの拡充と、DX推進による業務変革を進めています。
* ブランドの刷新とファンコミュニティの強化
* 顧客起点の商品・価格設計と価格マネジメントの実施
* AI活用や基幹システム一新による業務オペレーションの自動化
* サステナビリティに関する取り組み(食品ロス廃棄削減など)
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社は、人的資本の充実が重要であると認識し、社員が継続して能力を発揮できる職場環境の整備を進めています。ワークライフバランスの向上を図るため、有給休暇の取得推進や柔軟な働き方の限定的運用を行うとともに、労働条件の改善に向けた労使協議会を実施し、多様な人材の確保と育成に取り組んでいます。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均とほぼ同じ水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | 42.8歳 | 16.0年 | 6,175,051円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 原材料調達と委託製造への依存
同社ブランド商品の多くは国内外の優良メーカーに製造を委託しており、原材料の産地も分散しています。天候不良や災害、国際情勢の緊迫化などにより原材料の供給や製造が困難になった場合、売上の多くを占める同社ブランド商品の供給に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 食品の安全性や信頼性の確保
農水産物の産地偽装や食品添加物の表示違反など、食品業界全体の信頼に関わる問題が発生するリスクがあります。同社では品質管理について厳重に注意を払っていますが、万が一食品の安全性や信頼性を損なう問題が発生した場合、企業のブランド価値が低下し業績に重大な影響を与える可能性があります。
■(3) 法規制と食物アレルギーへの対応
食品の開発や販売にあたり、製造物責任法や不当景品類及び不当表示防止法など様々な公的規制を受けています。また、食物アレルギーに対する表示義務の遵守も求められます。これら法規制の遵守が困難になった場合やアレルギー物質に関する問題が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。



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