※本記事は、株式会社南陽 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
南陽は、主に建設機械や産業機器の販売、建設機械のレンタルを中心とした事業活動を展開しています。子会社12社、関連会社1社で構成される同社グループは、多岐にわたる商品とサービスを提供しています。
単体従業員数は158名、連結従業員数は521名です。セグメントは建設機械事業、産業機器事業、砕石事業の3つです。
主な国内グループ会社は、南陽レンテック(建設機械事業)、共栄通信工業(産業機器事業)、共立砕石所(砕石事業)などです。
当連結会計年度において、アプリオリは新たに株式を取得し連結子会社となりました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
南陽グループは、建設機械事業や産業機器事業などを展開する企業です。同社グループの給与水準や働き方について、有価証券報告書から読み取れる情報を基に解説します。安定した事業基盤を持つ同社グループが、どのような人材戦略を持ち、従業員にどのような働き方を提案しているのか見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢と平均勤続年数から、一定の経験を積んだ人材が長く活躍している傾向が見られます。これは、従業員が長期的にキャリアを形成しやすい環境が整っていることを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,635,000円 |
| 平均勤続年数 | 12.5年 |
| 平均年齢 | 41.3歳 |
| 単体従業員数 | 158人 |
| 連結従業員数 | 521人 |
| 単体のグループ内比率 | 30.3% |
同社は、従業員に対し退職金規程に基づく確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の退職一時金制度及び確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。連結子会社は、退職一時金制度、中小企業退職金共済制度及び特定退職金共済制度を採用しています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
南陽グループは、人材を最も重要な経営資源と位置づけ、持続的な成長の源泉と考えています。ステークホルダーとの強固な繋がりを築き、課題解決を提案・実現できる人材の確保と次世代リーダーの育成に注力しています。
給与その他の給付の額及び内容については、提出会社において業務執行取締役で構成される人事給与会議が毎年4月に開催され、複数回の審議を経て決定されています。
また、サステナビリティ基本方針に基づき、環境・社会・ガバナンスの重要課題解決に向けた人材育成を推進しています。具体的には、「人材の育成及び確保」として研修の拡充、「健康で働きがいのある職場作り」としてストレスチェックの実施、「ダイバーシティ&インクルージョン」として男性育休取得の推進や女性従業員の採用強化に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく公表を行っていないため、開示されていません。
グループ全体(連結)
提出会社及び連結子会社を合算した集計値です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性育児休業取得率 | 81.8% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
南陽グループは、建設機械事業、産業機器事業、そして砕石事業の3つの主要な事業を展開しています。これらを通じて、社会インフラの整備や産業活動を支える多岐にわたる製品とサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、建設機械や産業機器の販売・レンタル、および砕石の製造・販売を主な事業としています。これらの事業は、それぞれ異なる市場ニーズに応えながら収益を上げています。国内市場が売上高の大半を占めており、特定の顧客への収益集中は見られません。
建設機械事業
建設機械事業では、建設機械や産業用車輌の販売、および建設機械のレンタルを行っています。収益は、商品及び製品の販売等と建設機械のレンタル等から得ています。運営は、南陽、南陽レンテック、南陽重車輌が行っており、直近の売上高は増加傾向にあります。
産業機器事業
産業機器事業では、電子機器や油空圧機器などの産業機器の製造と販売を手掛けています。収益は、商品及び製品の販売等から得ています。運営は、南陽、共栄通信工業、戸髙製作所、エイ・エス・エイ・ピイ、AQUAPASS、アプリオリ、浜村、南央国際貿易(上海)有限公司、NANYO ENGINEERING (MALAYSIA) SDN.BHD.、NANYO ENGINEERING VIETNAM CO., LTD.、建南和股份有限公司が行っており、直近の売上高は減少傾向にあります。
砕石事業
砕石事業では、砕石の製造と販売を行っています。収益は、商品及び製品の販売等から得ています。運営は、共立砕石所が行っており、直近の売上高は減少傾向にあります。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 産業機器事業 | 223億円 | 220億円 |
| 建設機械事業 | 137億円 | 144億円 |
| 砕石事業 | 5.6億円 | 4.4億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
過去5期間の売上高は変動が見られますが、直近では増加に転じています。経常利益は概ね横ばいで推移しており、安定した利益水準を維持している状況です。親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の期間で大きく増加しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 348億円 | 393億円 | 380億円 | 365億円 | 368億円 |
| 経常利益 | 26.6億円 | 32.2億円 | 30.4億円 | 31.1億円 | 30.5億円 |
| 経常利益率 | 7.6% | 8.2% | 8.0% | 8.5% | 8.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 17.4億円 | 21.5億円 | 19.9億円 | 20.4億円 | 23.6億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 136.52 | 168.31 | 156.60 | 163.09 | 190.00 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
従業員1人あたりの売上高は前期から減少しています。同様に、従業員1人あたりの営業利益も前期と比較して減少傾向にあります。これらの指標は、同社グループの生産性や組織効率の推移を示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 72.5百万円 | 70.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.7百万円 | 5.4百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
南陽の経営の安定性を評価するため、財務基盤の厚みや資金の流れ、事業を取り巻くリスクについて確認します。同社グループは、安定した財務基盤を維持しながら事業活動を行っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定している状況です。自己資本比率はプライム市場平均と比較して高い水準を維持しており、財務の健全性を示しています。ROEはプライム市場平均に近い水準で推移しており、収益性も確保されています。手元資金も増加傾向にあり、事業運営の安定性につながる要素です。これらの状況は、入社後の雇用や給与の安定性にも寄与すると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 257億円 | 275億円 |
| 自己資本比率 | 62.3% | 65.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 8.1% | 8.9% |
| 現金及び預金 | 90.3億円 | 108億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、それを投資に回しつつも余剰資金を確保している状況です。営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益の増加により資金が増加しました。投資活動によるキャッシュフローは、主に有形固定資産の取得により資金が減少しています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払及び自己株式の取得により資金が減少しました。
これらの状況から、同社グループは本業で安定した資金を創出し、将来に向けた投資も行いつつ、健全な財務状態を維持していることがうかがえます。これは、入社後の雇用や給与の安定性、そして会社の持続的な成長に期待が持てる要素と言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 49.4億円 | 41.1億円 |
| 投資CF | △21.8億円 | △12.8億円 |
| 財務CF | △9.5億円 | △13.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 27.5億円 | 28.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、事業環境の変動リスクを認識しています。建設機械事業および砕石事業は公共事業や民間建設投資の動向に、産業機器事業は半導体電子部品市場の市況に大きく依存しており、これらの市場の急激な変動は業績に影響を及ぼす可能性があります。また、建設機械事業の事業エリアが九州・沖縄地区に集中しているため、当該地域の経済環境の悪化が業績に影響を与えるリスクも存在します。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
南陽は、時代の変化に対応しながら事業活動を展開してきた企業です。社会への貢献と働きがいのある職場作りを基本理念に掲げ、持続的な成長を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
南陽は創業以来、時代の要請に適合した事業活動を行ってきました。その活動の基本理念として、社外に対しては「社会への貢献」を掲げ、社会の役に立つ会社を目指しています。
また、社内に対しては「働き甲斐のある職場作り」を掲げています。社員全員が働き甲斐をもって業務に臨むことにより、社会の役に立つ人材を育成することを目指しています。
中長期的には、既存事業の成長、M&Aによる事業領域の拡大と組織力強化、そして持続的成長を可能にするサステナビリティ経営の推進を通じて、経営の安定性と成長性の実現を目指す方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、社員全員が働き甲斐をもって業務に臨む職場作りを大切にしています。社会の役に立つ人材の育成を目指すことが、企業風土の根幹にあります。
サステナビリティ基本方針として、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の重要課題解決に注力しています。製商品の拡充と新たな技術開発、グループ間の連携強化を通じて、ステークホルダーへの最適なソリューションを提案できる人材を育成し続けることを重視しています。
具体的には、「人材の育成及び確保」「健康で働きがいのある職場作り」「ダイバーシティ&インクルージョン」といったマテリアリティ(重要課題)に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、持続的成長を可能にするサステナビリティ経営の推進を重点テーマとしています。製商品・サービスの提供を通じて循環型社会の実現を推進しています。
また、ステークホルダーの課題解決を提案・実現できる人材の確保と次世代リーダーの育成を推進しています。健全性・透明性の高い経営の実施に努め、コーポレート・ガバナンスの充実に注力しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
南陽は監査等委員会設置会社であり、取締役会は業務執行の監視・監督機能を担っています。社外取締役が経営の独立性と客観性を確保する体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
南陽の株主構成を見ると、筆頭株主は個人である武内英一郎氏です。上位には複数の個人株主が名を連ねており、西日本シティ銀行や三井住友銀行といった金融機関も主要株主として同社グループを支えています。特定の株主グループが上位に複数存在し、安定した資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 武内英一郎 | 4.39% |
| 西日本シティ銀行 | 3.52% |
| 三井住友銀行 | 3.50% |
| 小林敬子 | 3.19% |
| 白江やす | 2.81% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性8名・女性3名)で構成され、女性役員比率は27.3%です。代表取締役社長は篠崎学氏が務めています。社外取締役比率は36.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 武内英一郎 | 代表取締役会長 | 1986年12月同社入社。取締役社長室長、専務取締役管理本部長などを経て、2008年6月同社代表取締役社長。2023年6月より現職。 |
| 篠崎学 | 代表取締役社長 | 2001年6月同社入社。経営企画室長、取締役管理本部長兼経営企画室長などを経て、2023年6月より現職。 |
| 眞野耕二 | 常務取締役事業統括 | 1981年4月同社入社。執行役員産機営業本部信州支店長、取締役産機事業本部長などを経て、2024年4月より現職。 |
| 南雲一紀 | 取締役建機事業本部長 | 1984年11月同社入社。執行役員建機事業本部営業部長、取締役建機事業本部副本部長などを経て、2017年4月より現職。 |
| 古賀貴文 | 取締役建機事業本部副本部長 | 2005年3月同社入社。建機事業本部管理部長、建機事業本部副本部長などを経て、2016年6月より現職。 |
| 栗田真欣 | 取締役産機事業本部長 | 1993年4月同社入社。産機事業本部南九州支店長、執行役員産機事業本部副本部長などを経て、2025年4月より現職。 |
社外取締役は、奥田貫介氏(おくだ総合法律事務所所長)、斧田みどり氏(斧田みどり公認会計士事務所所長)、南谷敦子氏(南谷綜合法律事務所代表弁護士)、漆間麻紀氏(漆間公認会計士事務所代表)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会における議決権を持つことで、取締役の職務執行に対する監査・監督機能の強化を図っています。社外取締役が独立した客観的な立場から実効性の高い監査・監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
南陽の役員報酬は、固定報酬である月例報酬、業績連動報酬である役員賞与、そして中長期インセンティブとしての株式報酬で構成されています。報酬の決定にあたっては、指名・報酬諮問委員会の審議と答申を経て取締役会が決定しており、客観性と透明性の確保に努めています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 2.0億円 | 33.3百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 8.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 13百万円 | 3.2百万円 |
なお、非金銭報酬等は、譲渡制限付株式報酬として当事業年度に費用計上された額です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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