※本記事は、株式会社アドヴァングループ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
アドヴァングループは、建築用仕上材の輸入販売を主軸に事業を展開しています。タイルや石材などの床壁用仕上材に加え、蛇口などの水廻り商品やシステムキッチンといった住宅設備機器を世界のトップメーカーと共同開発し、国内で直接販売しています。
単体従業員数は114名、連結従業員数は217名です。同社グループの事業セグメントは、建材関連事業、不動産賃貸事業、その他の3つです。
主な国内グループ会社は、アドヴァン管理サービス(不動産賃貸事業)、アドヴァンロジスティクス(建材関連事業及びその他)、ヤマコー(建材関連事業)などです。
2024年7月には、ユニットバスの製造・販売・施工業を行うアドヴァンテックを吸収合併し、建築用仕上材や住宅設備機器との複合提案を強化しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
アドヴァングループは、建材関連事業を主軸とし、多様な人材の育成と働きやすい環境づくりに注力している企業です。社員が長く安心して働けるよう、人材育成や職場環境の整備に力を入れている傾向が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が40歳を超え、平均勤続年数も13年を超える水準となっています。このことから、比較的長期にわたって勤務する従業員が多い傾向にあることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,635,323円 |
| 平均勤続年数 | 13.54年 |
| 平均年齢 | 40.24歳 |
| 単体従業員数 | 114人 |
| 連結従業員数 | 217人 |
| 単体のグループ内比率 | 52.5% |
同社及び一部の子会社は、確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、持続的な企業価値向上に向けて、多様な人材が能力を最大限に発揮できる環境整備と人材育成を基本方針としています。業務のマニュアル化を推進することで早期の人材育成を図るとともに、各種資格取得の支援やOJTを通じて個々のスキルアップを促しています。心身ともに健康かつ安全に働くことができる職場環境づくりにも努めています。
給与その他の給付の額及び内容については、市場水準や物価動向に勘案しつつ、会社の業務や各部門の貢献度等に対する公正な評価に基づき決定されています。これにより、従業員のモチベーション向上と適切なインセンティブ付与を図り、労働関係法令を遵守した適正な処遇を推進しています。
また、若手技術者の育成にも力を入れており、工場では地域の若い人材を積極的に雇用し、世界最新鋭の加工ロボットを操作できる技術者へと育成しています。連結子会社のヤマコーでは、職人を正社員として雇用し、一流のタイル工事職人となるまで育成する取り組みも行われています。地域社会との共生を目指し、物流センターでは地元のシニア世代を積極的に雇用するほか、クリーンで快適、安心安全な職場環境の維持にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の額の差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 17.1% |
女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性役員の占める割合 | 11.1% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アドヴァングループは、建築用仕上材の輸入販売を主軸に、不動産賃貸事業や物流管理事業を展開しています。国内外の建材を直接販売する独自のビジネスモデルが特徴です。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、建築用仕上材の輸入販売を主たる業務とし、これに関連する事業活動を展開しています。主に店舗・商業施設、住宅・マンション等に使用されるタイルや石材などの建築用仕上材、水廻り商品、住宅設備機器を世界のトップメーカーと共同開発し、輸入販売しています。輸入した商品は、施主や工務店、工事会社などに直接販売しており、カタログやウェブサイトで同一価格を明示している点が特徴です。また、ショールームを全国5ヶ所に展開し、商品の質感を確認できる場を提供しています。
同社グループの事業は、主に「建材関連事業」と「不動産賃貸事業」、そして「その他」の3つのセグメントで構成されています。
建材関連事業
この事業では、床・壁用の建築用仕上材に加え、蛇口などの水廻り商品やシステムキッチンなどの住宅設備機器を共同開発・輸入し、国内で直接販売しています。商品加工の一部はアドヴァンロジスティクスに委託しており、商品の一部はヤマコーへ販売しています。2024年7月にはユニットバスの製造・販売・施工を行うアドヴァンテックを吸収合併し、複合提案を推進しています。収益は、建築用仕上材や住宅設備機器の販売から得ています。
不動産賃貸事業
アドヴァン管理サービスが、同社ビル、物流センター及び社宅を同社及びアドヴァンロジスティクスへ賃貸しています。収益は、これらの不動産の賃貸から得ています。運営は、アドヴァン管理サービスが行っています。
その他
このセグメントは物流管理業を担っており、アドヴァンロジスティクスが同社商品の入出庫業務を行っています。
同社グループは、商品決済時の為替変動リスクに対し為替予約を行っており、為替動向が経常利益や親会社株主に帰属する当期純利益に大きく影響を与える傾向があります。外部顧客への売上高は本邦が90%以上を占めており、国内市場が主要な収益源となっています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 建材関連事業 | 184億円 | 169億円 |
| 不動産賃貸事業 | 1.3億円 | 1.5億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動が見られますが、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は大きく増加する期があるなど、利益面で大きな変化を示しています。特に当期は、売上高が減少したものの、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は前期から大幅に増加しました。これは為替予約評価益の計上が大きく影響しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 176億円 | 204億円 | 203億円 | 185億円 | 170億円 |
| 経常利益 | 57.5億円 | 51.6億円 | 162億円 | 87.6億円 | 121億円 |
| 経常利益率 | 32.7% | 25.3% | 79.8% | 47.3% | 71.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 38.2億円 | 33.6億円 | 103億円 | 60.1億円 | 80.6億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 94.83 | 88.97 | 278.86 | 169.07 | 235.43 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から増加しています。一方で、従業員1人あたりの営業利益は前期から減少する傾向が見られます。これは、仕入コストの増加や棚卸資産廃棄損の計上などが影響していると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 77.5百万円 | 78.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 13.2百万円 | 10.3百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、安定した財務基盤を築き、事業活動で得た資金を適切に活用している状況です。これは、将来にわたる事業の継続性や、従業員の雇用・給与の安定性にもつながる重要な要素と言えます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率とROEを示しています。自己資本比率は71.5%と、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)も14.1%と、プライム市場平均を上回る水準です。手元資金として82.7億円の現金及び預金を保有しており、事業運営の安定性につながる要素と言えます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 539億円 | 603億円 |
| 自己資本比率 | 67.1% | 71.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 11.6% | 14.1% |
| 現金及び預金 | 161億円 | 82.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定した資金を生み出し、それを投資や財務活動に充てている状況を示しています。当期における営業活動によるキャッシュフローは49.8億円の収入となり、前期から増加しました。これは税金等調整前当期純利益や減価償却費の増加要因に対し、法人税等の支払い、為替予約評価益の計上などによるものです。
投資活動によるキャッシュフローは△31.6億円の支出となり、前期の収入から支出へと転じました。これは主に定期預金の預入や有形固定資産、投資有価証券の取得による支出が、定期預金の払戻による収入を上回ったことによるものです。フリーキャッシュフローは18.3億円のプラスを確保しており、本業で得た資金が投資を上回る状況です。
財務活動によるキャッシュフローは△67.2億円の支出となり、長期借入金の返済、自己株式の取得、配当金の支払いなどが主な要因となっています。これらの資金の流れは、同社グループが事業で安定的に資金を創出し、成長に向けた投資を行いながら、財務の健全性を維持していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる基盤があると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 18.9億円 | 49.8億円 |
| 投資CF | 11.9億円 | △31.6億円 |
| 財務CF | △16.4億円 | △67.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 30.8億円 | 18.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、国内建築業界における人手不足や労務コストの上昇、原材料・資材の供給不足、建築資材やエネルギー価格の高騰など、経済状況や建築需要の変動が業績に影響を及ぼす可能性を認識しています。また、海外メーカーからの商品仕入れが大部分を占めるため、為替相場の著しい変動が生じた場合には、業績に影響を及ぼすリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、国内建築業界における人手不足や労務コストの上昇が事業環境に影響を及ぼす可能性をリスクとして認識しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アドヴァングループは、常に新しい挑戦を続け、社会貢献を目指す企業です。お客様に満足いただける商品を提供し、持続可能な社会の実現に貢献することを重視しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
アドヴァングループは「昨日より今日、今日より明日」をモットーに、日々成長していくことを目指しています。同社グループは、建築用仕上材と住宅設備機器の総合メーカーとして、商品のデザイン性、機能性、コストに徹底的にこだわり、お客様に満足いただける商品を提供することで社会に貢献することを基本方針としています。社名の由来である「ADVAN(前進)」の通り、固定概念にとらわれず常に新しい挑戦を通じて次のステップへ進むことを重視しています。世界中のトップメーカーと提携し、日本のニーズに合った商品開発を行うことで、多様なユーザーに選ばれ続ける信頼と商品力の維持を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
アドヴァングループは「昨日より今日、今日より明日」をモットーに、日々成長を追求する企業風土です。固定概念や過去の成功にとらわれず、常に新しい挑戦を通じて次のステップへ進む「アドヴァンらしさ」を大切にしています。営業スタッフは顧客から直接意見を伺い、市場トレンドを商品開発に活かすとともに、常に知識の蓄積に努めています。同社グループは社会と協調し、持続可能な発展に貢献する取り組みを進め、人や環境にやさしい企業として活動しています。地域社会との共生やクリーンで快適、安全安心な職場環境の提供にも注力し、多様な人材の採用と育成を通じて企業価値向上を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
アドヴァングループは、不透明な経営環境が続く中で、環境への取り組み、地域社会との共生、クリーンで働きやすい安全安心な職場環境の整備を重点課題としています。これらを継続的に進めることで、持続可能な社会への貢献を目指しています。また、クリーンな企業として、ワールドクラスの環境認証取得商品やリサイクル素材を主原料とする商品など、サステナブルな商品の開発と販売を推進していく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アドヴァングループは、取締役会設置会社および監査役会設置会社として、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置付けています。社外取締役や社外監査役を配置し、経営の透明性と健全性の確保に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
アドヴァングループの株主構成を見ると、筆頭株主は不二総業であり、その後に山形兄弟が続きます。同社グループの役員には山形姓の人物が複数おり、創業家やその関連会社が上位株主として名を連ねていることが特徴です。これにより、特定の株主グループが経営に強い影響力を持っていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 不二総業 | 49.90% |
| 山形兄弟 | 7.50% |
| 岡 秀朋 | 3.86% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は末次廣明氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山形 雅之助 | 代表取締役会長 | 1993年同社入社後、取締役商品部長、専務取締役商品部長、代表取締役専務を経て、2004年代表取締役社長に就任。2019年代表取締役会長、2024年取締役会長より現職。 |
| 末次 廣明 | 代表取締役社長 | 1985年同社入社後、取締役東京支店営業二部長、常務取締役営業本部長、専務取締役営業本部長を歴任。2008年取締役副社長営業統括、2018年代表取締役副社長営業統括を経て、2019年代表取締役社長より現職。 |
| 山形 朋道 | 代表取締役副社長 | 1995年同社入社後、東京支店営業部部長、執行役員、取締役経理部長、取締役物流担当を歴任。2018年専務取締役を経て、2024年代表取締役副社長より現職。 |
| 山形 さとみ | 専務取締役総務経理本部長 | 2003年同社入社後、経営企画室室長、企画広告宣伝部長、執行役員企画広告宣伝部長を歴任。2019年常務取締役企画広告宣伝部長、2022年常務取締役総務本部長を経て、2022年専務取締役総務経理本部長より現職。 |
社外取締役は、森藤眞治氏(元東急建設常務執行役員)、笹枝章夫氏(笹枝事務所代表)です。
同社は監査役会設置会社です。社外取締役は、企業経営の経験と見識を活かし、独立した立場で取締役会における助言と監督の役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
アドヴァングループの役員報酬は、役位別の固定報酬を基本としています。これは、同社グループの持続的成長と企業価値向上に資するものであり、各取締役の職位や役割に応じた透明性と公正性の高い報酬体系を目指しています。報酬水準は、社外役員を中心とした任意の委員会で審議され、決定プロセスにおける透明性と客観性を高めています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 100百万円 | 24.9百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 7百万円 | 3.3百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 10百万円 | 2.0百万円 |
当事業年度における報酬等の総額は1.2億円であり、報酬の支給対象となった役員の総数は11名です。
個人別報酬の開示に関する該当事項はありません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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