【平均年収756万円】尾家産業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収756万円】尾家産業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

尾家産業は、外食・中食業態やヘルスケアフード業態向けの食品卸売業を主軸に、物流・システム支援、C&C店舗運営、プライベートブランド商品の開発・販売も手がけています。直近の業績は売上高と経常利益が増加し、組織全体の生産性も向上しています。


目次

※本記事は、尾家産業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


尾家産業は、外食・中食業態やヘルスケアフード業態向けの食品卸売業を主な事業としています。物流・システム支援、C&C店舗運営、プライベートブランド商品の開発・販売も手がけています。

単体従業員数は832名、連結従業員数は873名です。報告セグメントは「食品卸売事業」の1つです。

主な国内グループ会社は、寿屋商事(業務用食品・卸売事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


尾家産業は、食品卸売事業を展開する企業として、従業員の働きがいと健康を重視した環境づくりに注力しています。人材育成や多様な働き方の推進、エンゲージメント向上に向けた具体的な施策を通じて、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる企業文化を目指していることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均年齢が40代前半、平均勤続年数が14年を超えており、比較的長期にわたって勤務する従業員が多い傾向にあることが示されています。これは、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、参考となる情報です。

項目 数値
平均年間給与 7,559,000円
平均勤続年数 14.2年
平均年齢 40.2歳
単体従業員数 832人
連結従業員数 873人
単体のグループ内比率 95.3%


同社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付制度を採用しています。これは、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度です。

この制度は国内グループ会社に適用されます。退職一時金制度もあり、勤務期間と等級、評価に応じて積み上がったポイントに基づいた一時金が支給されます。

退職給付債務は26.3億円、年金資産は16.2億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、経営戦略と人材戦略を連動させ、人的資本の可視化を重視しています。人事制度「Grow&Challenge」を通じて、等級ごとの期待値の明確化、納得感の高い考課、等級に応じた賃金水準の実現を目指しています。

処遇の改善として「業界No1の給与水準」を目指す方針を掲げています。また、人材育成に重きを置く企業風土の醸成に向け、「OIEオリジナル教育体系プログラム」を導入し、ヒューマンスキル、テクニカルスキル、コンセプチュアルスキルの習得を支援しています。

具体的には、中核人材育成選抜研修やロジカルシンキング研修、キャリアデザイン研修を実施しています。自己啓発支援制度として、通信教育受講料や資格取得費用の全額補助も行っています。

さらに、社員の健康と働きがいを経営の重要な財産と捉え、「OIE健康宣言」を掲げ、心身ともに健康で活力ある環境づくりを推進しています。ダイバーシティ&インクルージョン、リスキル・学び直し、社員エンゲージメント向上、時間や場所にとらわれない働き方(在宅勤務、育児・介護休業制度の浸透、DX推進)を人材戦略の共通要素として取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率は、育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 10.4%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 63.3%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 70.7%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 72.0%

人材育成・エンゲージメント


これらの指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものです。

指標 数値
有給休暇取得率 43.3%
女性管理職 19名

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


尾家産業グループは、ホテルやレストラン、居酒屋といった外食業態、病院や高齢者施設などのヘルスケアフード業態、さらにテイクアウトやデリバリーといった中食業態に対し、食品卸売業を主軸とした事業を展開しています。これに加え、物流やシステム支援、C&C(キャッシュアンドキャリー)店舗の運営、プライベートブランド(PB)商品の開発・販売も手掛けています。

同社グループの収益は、主に食品卸売事業から得られています。商品別に見ると、冷凍食品が最も大きな割合を占め、次いで常温食品が続いています。非食品の売上高は特に伸長しています。

地域別では、関西地区が最も大きく、関東地区がそれに次ぐ規模となっています。関東地区の売上高は特に伸長しています。同社グループの売上高は、そのほとんどが日本国内の顧客によるものであり、特定の顧客に売上が集中している状況は見られません。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、直近3期間において売上高と経常利益が増加傾向を示しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の期でわずかに減少したものの、概ね堅調に推移していることがうかがえます。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 - - 1,114億円 1,193億円 1,293億円
経常利益 - - 32.6億円 36.1億円 38.7億円
経常利益率 - - 2.9% 3.0% 3.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 - - 30.6億円 28.1億円 28.1億円
1株当たり当期純利益(円) - - 344.43 339.57 338.34

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、従業員1人あたりの営業利益も同様に増加しています。これらの指標の改善は、組織全体の生産性が向上していることを示しています。これは、同社グループが効率的な事業運営を通じて収益力を高めている傾向にあることを示唆しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 142.3百万円 148.1百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.3百万円 4.4百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


尾家産業グループの財務基盤は、自己資本比率やROEの水準から安定した状態を示しています。キャッシュフローの状況を見ると、本業で得た資金を投資に回しつつ、余剰資金も確保していることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


尾家産業グループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)の双方で安定した水準を維持しています。自己資本比率は当期で41.3%となっており、非製造業のプライム市場平均(24.2%)と比較して高い水準を示しています。これは、外部からの借入に過度に依存せず、自社の資本で事業を支える力が強いことを意味します。

ROE(自己資本利益率)は当期で17.9%であり、プライム市場平均(9.4%)を大きく上回っています。自己資本を効率的に活用して利益を生み出す力が高いことを示しています。手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、不測の事態や今後の事業展開に必要な資金を確保している状況です。これらの財務指標は、同社グループが安定した経営基盤の上で事業を継続していることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 145億円 170億円
自己資本比率 38.5% 41.3%
ROE(自己資本利益率) 20.7% 17.9%
現金及び預金 61.3億円 78.9億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


尾家産業グループの当連結会計年度におけるキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、それを将来への投資に充てている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは32.7億円の収入となり、本業が着実に資金を稼ぎ出していることがうかがえます。これは主に、税金等調整前当期純利益や減価償却費、仕入債務の増加額によるものです。

一方で、投資活動によるキャッシュフローは△29.8億円の支出となりました。これは主に定期預金の預入や投資有価証券の取得によるものであり、将来に向けた資金の運用や資産形成に積極的な姿勢を示しています。財務活動によるキャッシュフローは△9.8億円の支出となり、主に配当金の支払いによるものです。結果として、フリーキャッシュフローは2.9億円の収入となっており、本業で得た資金を投資に回しつつも、自由に使える資金を確保している状態です。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を基盤とし、将来の成長に向けた投資も行っていることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 37.4億円 32.7億円
投資CF △5.5億円 △29.8億円
財務CF △10.8億円 △9.8億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 32.0億円 2.9億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、全国を商圏として外食産業等に対する飲食材料の卸売業を営んでいます。景気動向や個人消費動向の変化による外食産業界の業況によって、同社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

また、主要取扱品目である飲食材料の一部においては、国際価格の変動や為替変動により仕入価格が大きく変動する場合があります。当該仕入価格の上昇を販売価格へ転嫁できない場合には、利益率が低下する等、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループの事業において、物流網の安定確保は極めて重要です。トラックドライバーの時間外労働の上限規制の適用により、輸送能力の制約や人手不足を背景として、配送運賃及び人件費は上昇傾向にあります。想定を超える物流費及び人件費の高騰や、協力物流会社における車両確保が困難となった場合には、同社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


尾家産業は、業務用食品卸売業を本業とし、食を通じて社会に貢献することを目指しています。顧客第一主義を基軸に、社員の幸福と企業の安定成長を追求する企業文化を育んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


尾家産業グループは、1947年の創業以来、業務用食品卸売業を本業とし、主に外食産業の発展に貢献することを使命としています。経営の基本は顧客第一主義を基軸に、顧客の発展とともに成長し続けることです。

同社グループの経営理念は、「私達は、自己の能力を啓発し、奉仕と感謝の心をもって取引先にとってなくてはならない存在となり、社員の幸福と企業の安定成長をはかり、社会と食文化の発展に貢献する」です。

長期ビジョン「OIE vision 2035」では、「食を通じて関わる全ての人に「おいしさ」「やさしさ」「笑顔」を届ける「いい会社」の実現」を目指しています。第6次中期経営計画のスローガンは「Change!Challenge!Create!」(変われ! 挑め! 創り出せ!)です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


尾家産業グループは、顧客第一主義を経営の基軸とし、顧客の発展とともに成長し続けることを大切にしています。企業理念には、社員の能力啓発と奉仕・感謝の心が示されています。

人事制度「Grow&Challenge」では、等級ごとの期待値の明確化、納得感のある考課、等級に応じた賃金水準の実現を目指しています。また、「OIE健康宣言」を掲げ、社員の健康と働きがいを重要な財産と考え、活力ある環境づくりを推進しています。

同社グループは、ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、在宅勤務やフレックスタイム制度など、制約なく働ける環境整備に取り組んでいます。リスキル・学び直し支援や社員エンゲージメント向上策を通じて、社員の成長を促す企業風土を醸成しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


尾家産業グループは、人財の確保を優先的に対処すべき課題の一つとしています。健康経営を推進し、時短や有給休暇取得の促進、フレックスタイム制度や在宅勤務制度など、社員の働き甲斐向上施策に取り組んでいます。

また、DX推進による生産性向上や、物流業界の労働時間上限規制への対応として配送効率向上、受注電子化促進にも取り組んでいます。

持続可能な社会の実現に向けては、SDGsに賛同し、「SMILE PROJECT活動」を推進しています。ESGの観点から独自の目標を掲げ、環境保護や再生活動、健康経営にも注力しています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


尾家産業は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営監視機能を担っています。意思決定と執行の分離を目的とした執行役員制度も導入されています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の株主構成を見ると、筆頭株主はサンホーム共栄会であり、発行済株式の総数に対する所有株式数の割合は12.52%です。また、三井住友信託銀行が第2位、尾家美津子氏が第3位に名を連ねています。上位株主には、尾家産業従業員持株会やオイエコーポレーションといった同社グループに関連する団体も複数含まれており、安定した資本構成となっています。

株主名 持株比率
サンホーム共栄会 12.52%
三井住友信託銀行(MSM3信託口) 9.63%
尾家 美津子 5.19%
尾家産業従業員持株会 3.86%
オイエコーポレーション 3.61%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長執行役員管理本部長兼マーケティング本部長は尾家健太郎氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
尾家 啓二 代表取締役会長 1978年同社入社後、管理部統括兼経理部長兼システム部長、営業本部副本部長兼東京支店長、東日本統括、常務取締役、営業本部長兼営業企画統括などを歴任し、2004年代表取締役社長に就任。2023年より現職。
尾家 健太郎 代表取締役社長執行役員管理本部長兼マーケティング本部長 2008年同社入社後、商品部商品課長、滋賀営業所長、経理部長などを経て、2016年執行役員管理本部副本部長に就任。2017年取締役管理本部長、2023年より現職。
坂口 泰也 取締役専務執行役員営業本部長 2012年同社入社後、大阪広域営業部第一課長、大阪広域営業部長などを経て、2016年執行役員広域営業統括に就任。2017年取締役営業本部副本部長、2018年営業本部長、2024年より現職。
野々村 透 取締役上席執行役員マーケティング本部副本部長 1981年同社入社後、和歌山営業所長、堺支店長、大阪支店長などを経て、2013年執行役員中日本西部統括に就任。2017年取締役、2022年取締役上席執行役員、2024年より現職。


社外取締役は、田辺彰子氏(公認会計士、田辺彰子公認会計士事務所代表)、岩辺裕昭氏(元ダイハツ工業取締役)です。

同社は監査役会設置会社であり、監査役(独立役員3名を含む社外監査役3名、うち1名は常勤監査役)による経営監視機能を備えています。社外取締役2名と社外監査役3名は、一般株主と利益相反が生じるおそれがない独立役員として東京証券取引所に届け出ています。社外役員は取締役会や監査役会に出席し、議案の審議や決定に際して意見表明を行うことで、経営の妥当性・適正性の確保に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、月額固定報酬、業績連動報酬、および株主との価値共有を目的とした譲渡制限付株式報酬から構成されています。業績連動報酬は、売上達成率、営業利益率、ROE、PB売上達成率、ヘルスケアフード売上達成率、エンゲージメントスコアといった評価指標に基づいて算定されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 1.6億円 41.2百万円
社外役員 5名 39百万円 7.8百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。