レダックス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

レダックス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

レダックスは東京証券取引所スタンダード市場に上場し、中古車の買取・直販・輸出を行う自動車流通事業と、商用車のリースバック関連事業を主に展開する企業です。直近の業績では、売上高が前期比で微減となったものの、構造改革による収益性の改善や固定資産売却益の計上などにより、最終黒字転換を果たしています。


※本記事は、レダックスの有価証券報告書(第39期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. レダックスってどんな会社?


レダックスは、中古車の買取直販ビジネスを中核に、海外輸出や物流業界向けのリースバック等を展開しています。

(1) 会社概要


同社は1987年に中古車の仕入・販売業として設立され、1999年に株式の上場を果たしました。その後、ライブドアオートやカーチス等への商号変更、持株会社体制への移行などの組織再編を経て、2023年にレダグループホールディングスが親会社となりました。2024年に現在のレダックスへと商号を変更しています。

現在の従業員数は連結で198名、単体で19名です。筆頭株主は親会社のレダグループホールディングスで、第2位は外国法人のEMMINENCE,LLC、第3位は同社代表執行役会長の加畑雅之氏です。

氏名 持株比率
レダグループホールディングス 54.50%
EMMINENCE,LLC 4.19%
加畑雅之 4.02%

(2) 経営陣


同社の役員は男性7名、女性0名の計7名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表執行役社長は長倉統己氏が務めています。取締役7名のうち2名が社外取締役です。

氏名 役職 主な経歴
長倉統己 取締役兼代表執行役社長 1990年国際証券入社。ジー・スリーホールディングス代表取締役社長等を経て、2020年同社入社。2023年より現職。
加畑雅之 取締役兼代表執行役会長 1979年レダグループホールディングス設立。2012年同社取締役に就任し、関連会社の役員を歴任。2023年より現職。
渡邊雄太 取締役兼専務執行役 1997年第一勧業銀行入行。東京スター銀行法人営業本部長等を経て、2024年同社入社。2026年より現職。
平野忠邦 取締役(監査委員長) 1965年運輸省入省。海上保安庁次長、日本貨物航空専務、関西国際空港副社長等を歴任し、2016年より現職。
河村建夫 取締役 1967年西部石油入社。衆議院議員、文部科学大臣、内閣官房長官などを歴任し、2026年より現職。


社外取締役は、内田輝紀氏(元大蔵省印刷局長・弁護士)、田村守氏(成城キャピタルパートナーズ代表取締役)です。

2. 事業内容


同社グループは、自動車流通事業およびリースバック関連事業を展開しています。

自動車流通事業


同社グループの中核として、中古車の買取、販売、輸出、および自動車部品の販売や納車後の車検・保険等のアフターサービスを提供しています。国内の一般ユーザー向けに直接買取り・販売を行う「買取直販」モデルを推進するほか、新興国を中心とした海外向けの中古車輸出も行っています。

一般顧客や業者からの車両販売代金、オークションでの売却代金、保証サービス等の付帯サービス料が主な収益源です。運営はカーチスが国内の買取直販を、アガスタが輸出事業を、タカトクが部品販売を、新興自動車が整備・販売をそれぞれ担っています。

リースバック関連事業


運送事業者などを対象に、保有するトラックなどの商用車を買い取り、そのまま賃貸するリースバックや商用車の買取・販売、さらには物流会社のM&Aアドバイザリー業務を提供しています。物流事業者の資金繰り支援や経営安定化に貢献するサービスを展開しています。

商用車の販売代金や、リースバック契約に基づく車両の賃貸料などが主な収益源です。本事業はカーチスロジテックが受託・運営を行っていましたが、経営資源の最適化に伴い外部企業へ事業運営を委譲し、同社は金融・投資の知見を活かした専門的支援に特化しています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5年間の業績を見ると、売上高は180億円台から200億円規模へと拡大基調にありますが、当期は前期比でわずかに減収となりました。利益面では、構造改革による収益性の改善が進み、経常赤字の縮小を果たしています。さらに、当期は固定資産の売却益などを計上した結果、親会社株主に帰属する当期利益が黒字へと大きく転換し、収益基盤の回復傾向が表れています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 184億円 191億円 191億円 200億円 198億円
経常利益 2.1億円 -4.7億円 1.5億円 -1.4億円 -1.1億円
利益率(%) 1.2% -2.4% 0.8% -0.7% -0.6%
当期利益(親会社所有者帰属) -4.2億円 -0.2億円 -0.1億円 -0.3億円 1.7億円

(2) 損益計算書


売上高が微減となった一方で、売上総利益は増加しており、売上総利益率も改善しています。これは在庫車両構成の一新や在庫回転率の向上といった構造改革の成果によるものです。営業利益は依然として赤字ですが、粗利率の改善と経費の効率化により、赤字幅は縮小傾向にあります。

項目 2025年3月期 2026年3月期
売上高 200億円 198億円
売上総利益 29億円 30億円
売上総利益率(%) 14.5% 15.1%
営業利益 -2.0億円 -1.2億円
営業利益率(%) -1.0% -0.6%


販売費及び一般管理費のうち、給与手当が11.4億円(構成比37%)、地代家賃が5.7億円(同18%)、広告宣伝費が2.8億円(同9%)を占めています。

(3) セグメント収益


自動車流通事業は、在庫戦略の刷新などによる収益性改善に取り組んでいますが、売上高は前期比で微減となりました。リースバック関連事業も、事業運営の外部委譲に伴い減収となっています。全体として売上規模は維持しつつ、事業の選択と集中を進めています。

区分 売上(2025年3月期) 売上(2026年3月期)
自動車流通事業 199億円 197億円
リースバック関連事業 1.7億円 1.3億円
連結(合計) 200億円 198億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


本業が低迷し、事業の見直しが迫られる状況です。
なお、同社は在庫を多く抱える事業を主力としているため、営業CFのマイナスは棚卸資産(商品・販売用不動産等)の増加(事業拡大)に起因している可能性があり、必ずしも業績悪化を意味するものではありません。

項目 2025年3月期 2026年3月期
営業CF -8.6億円 -2.4億円
投資CF 0.2億円 7.7億円
財務CF 0.9億円 -0.3億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は2.4%で市場平均を下回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は66.0%で市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


「顧客ファースト」のスローガンの下にお客様の価値観を尊重し、迅速かつ適切なサービス提供を心掛け、常に顧客満足を追求しています。地域社会・経済の発展に貢献する企業活動を推進し、質の良い商品・サービスを提供することで企業価値および株主価値の向上に資することを経営の基本方針としています。

(2) 企業文化


同社グループは「顧客ファースト」の理念を事業活動の根幹に据え、お客様との長期的な信頼関係を築き、クルマに関わるあらゆるサービスを通じて生涯にわたる安心・快適なカーライフを提案する文化を重視しています。また、環境保護に取り組みながら地域社会へ貢献し、多様性を持った社員が活躍できる場を創造しています。

(3) 経営計画・目標


同社グループは事業の継続的な発展に注力し、売上高、営業利益、売上高営業利益率の向上を指標として安定的な成長と株主価値を高める努力を続けています。

(4) 成長戦略と重点施策


投資事業、金融事業、不動産事業、M&Aコンサルタント事業など新たな事業を積極的に推進しています。中核の自動車流通事業では、お客様から仕入れた良質な車両を直接小売販売する「買取直販」モデルを推進するとともに、海外での中古車流通網の構築などグローバル展開の拡大に注力しています。また、最先端のAIや金融技術を活用した新領域への参入に向けた提携も進めています。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


事業セグメントの多様化を持続的に推進するうえで、人材を最大の経営資源と位置付けています。従業員一人ひとりが質の高い商品・サービスを提供できるよう能力開発を支援するとともに、性別や国籍を問わず多様な人材が活躍できる雇用環境の整備や、能力に基づく適切な評価・処遇の決定を推進しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均を大きく下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2026年3月期 47.1歳 9.7年 4,180,000円


※平均年間給与は基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 40.0%
男性育児休業取得率 0.0%
男女賃金差異(全労働者) 88.8%
男女賃金差異(正規雇用) 86.5%
男女賃金差異(非正規雇用) 97.7%


また、同社は「サステナビリティに関する考え方及び取組」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、女性比率(14.1%)、外国人比率(4.0%)、中途採用者の比率(70.7%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 国内外の経済情勢による消費需要の変動


日本や主要国での景気後退、消費者マインドの下振れによる自動車の買い控え、あるいは中東等の国際情勢による影響が、同社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 古物営業法など自動車流通に関する法的規制


中古自動車の販売・買取りにおいて古物営業法や道路運送車両法など様々な法規制を受けており、違反時の厳格な罰則や、将来的な法規制の改廃等によるコンプライアンス費用の増加がリスクとなります。

(3) 海外販売における為替変動の影響


海外へ中古車を輸出販売する際、主に米ドルなどの外貨建てで行っているため、急激な為替変動が生じた場合、収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。