【平均年収732万円】アイティフォー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収732万円】アイティフォー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

アイティフォーは、ソフトウェア開発やシステム機器販売、システムインフラ基盤設置、公共分野向けBPOサービスなどをグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は増加傾向にあり、直近の業績は売上高と経常利益が増加しましたが、当期純利益は前期から減少となりました。


目次

※本記事は、株式会社アイティフォー の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月12日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


アイティフォーグループは、ソフトウェアの設計・開発・保守、システム機器販売、システムインフラ基盤の設置まで一貫したサービスを提供しています。また、公共分野向けのBPO(業務受託)サービスも主な事業として展開しています。

単体従業員数は513名、連結従業員数は892名です。セグメントはシステム開発・販売、リカーリングの2つです。

主な国内グループ会社は、シー・ヴィ・シー(訪問調査サービス)、イーブ(ソフトウェアの開発・人材派遣)、シディ(決済代行・デジタルサービス)、アイティフォー・ベックスなどです。

前連結会計年度末に比べ従業員数が267名増加しており、これは2026年10月1日付でアイセル株式を追加取得し、同社およびその子会社を連結の範囲に含めたことによるものです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


アイティフォーは、ITソリューションを通じて社会の様々なライフステージを支える企業です。従業員の平均年齢や勤続年数からは、一定の経験を積んだ社員が長く活躍している傾向が見られます。同社は、人財への投資を最優先事項と位置づけ、従業員が能力を最大限に発揮できる環境づくりに注力しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、経験豊富な従業員が多数在籍しており、平均勤続年数も比較的長い傾向にあります。従業員の平均年齢も30代後半であり、安定したキャリアを築きやすい環境であると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 7,322,414円
平均勤続年数 11年7ヶ月
平均年齢 39歳2ヶ月
単体従業員数 513人
連結従業員数 892人
単体のグループ内比率 57.5%


同社は、非積立型の確定給付型制度として退職一時金制度を、確定拠出型制度として確定拠出年金制度を設けています。これらの制度は国内の従業員を対象としています。

退職一時金制度はありますが、その支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

確定給付制度に係る退職給付債務は2.0億円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


アイティフォーグループは、経営理念の具現化には「人」が源泉であると考え、人財への投資を中長期的な企業価値向上の最優先事項としています。第4次中期経営計画では「人財へのエンパワーメント」を基本方針に掲げ、事業ポートフォリオの変革に合わせた人事サイクル(採用・育成・配置・評価・処遇)の最適化を進めています。

同社は現在、「成熟期」から「変革加速期」への転換期にあり、既存ビジネスを効率的に遂行する「オペレーティブ人財」の高度化と、新たな価値創出を牽引する「イノベーティブ人財」の確保・育成を戦略的優先課題としています。挑戦が報われる競争力のある人事制度を整備することで、優秀な人財の獲得と定着を図り、持続的な成長基盤を構築する方針です。

報酬体系については、「挑戦と成果が報われる報酬体系」を構築し、企業価値の向上と従業員の処遇を連動させることを基本としています。2026年7月からは、従来の年功的要素を排除し、役割と貢献度を基軸とした「役割等級制度」を導入する予定です。経営計画からブレークダウンされた目標管理制度(MBO)を運用し、成果を数値化して絶対評価を行うことで、個人の貢献が直接的に報酬へ反映される透明性の高い仕組みを担保しています。職責の大きさや難易度、成果責任に基づく等級制度により、年齢に関わらず高い価値を提供する人財に対して市場競争力のある報酬を提供できる体制を整えています。既存事業の延長線上にない変革的な取り組みを評価する「チャレンジ加算」も設置し、失敗を恐れない挑戦を促しています。

人材育成においては、「一人ひとりの主体的な自己研鑽の取り組みをベースに会社は個人の意欲・能力に応じて能力を発揮する場や成長のための機会を提供する」という方針に基づき、従業員の教育・育成に努めています。近年は新卒採用を強化しており、早期戦力化のため新人エンジニア研修には平均1,000時間以上の学習時間を確保しています。また、従業員の技能資格奨励金や対象資格の拡充といったリスキリング奨励の施策を展開し、従業員のキャリアアップやスキルアップを積極的に支援しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男女の賃金差異については、短時間労働者であるパート社員の在籍や、正規雇用労働者における男女の平均継続勤務年数の差異、男性社員の残業時間が女性よりも多いことが影響しています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 10.0%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 64.8%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 65.2%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 59.1%

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
PMP取得者数(対象:技術開発本部) 23.1%
情報処理技術者国家試験資格取得者の割合 81.9%
プロジェクトの見積精度 60.9%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


アイティフォーは、ソフトウェア開発からシステムインフラ基盤の構築、保守・運用、さらにはBPOサービスまで、幅広いITサービスを一貫して提供している会社です。金融機関や公共分野を中心に、顧客のDX推進や業務効率化を支援しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、システム開発・販売とリカーリングの2つの報告セグメントで事業を展開しています。金融機関や公共分野の顧客に対し、専門特化したソリューションを提供し、収益を上げています。特定の顧客への収益集中は見られません。

システム開発・販売

このセグメントは、主にシステム機器の販売、ソフトウェアやシステムインフラ基盤に関する設計・開発から導入・設置までの一貫したサービスを提供しています。金融機関向けのソフトウェア開発やインフラ設備の更改、個人ローン業務支援システム「SCOPE」の販売が堅調に推移しています。また、公共分野向けの自治体情報システム標準化対応案件も増加しています。収益は、ソフトウェア開発や商品販売から得ています。運営は、株式会社イーブ、株式会社アイセル、株式会社ファーストステップ、ブレーン・アシスト株式会社が行っています。

リカーリング

このセグメントでは、ソフトウェア保守、ハードウェアの保守・運用、クラウド、BPOサービスを提供しています。安定的な収益源である保守サービスは順調に伸長しています。公共分野向けBPOサービスでは、収益性の高い案件にリソースを集中させる戦略を進めています。収益は、BPO、保守・運用、クラウドサービスから得ています。運営は、株式会社アイティフォー・ベックス、株式会社シー・ヴィ・シー、株式会社シディが行っています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
システム開発・販売 115億円 137億円
リカーリング 90.3億円 94.3億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5年間で売上高と経常利益が概ね増加傾向を示しています。親会社株主に帰属する当期純利益も増加傾向にありましたが、当期は前期から減少となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 170億円 183億円 207億円 206億円 231億円
経常利益 31.1億円 32.8億円 38.5億円 36.7億円 40.5億円
経常利益率 18.3% 17.9% 18.6% 17.8% 17.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 21.1億円 22.9億円 27.7億円 29.1億円 27.6億円
1株当たり当期純利益(円) 76.84 82.96 101.77 108.09 104.27

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高(連結)および従業員1人あたりの営業利益(連結)は、前期から減少しています。これは、連結従業員数が前期から増加したことが影響している可能性があります。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 32.9百万円 25.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 5.7百万円 4.3百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、安定した事業活動と投資活動を通じて資金を生み出し、強固な財務基盤を維持していることを示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループは、高い自己資本比率とROEを維持しており、強固な財務基盤を有しています。手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、不測の事態への耐性も高い状態です。このような健全な財務体質は、事業の安定的な継続と将来の成長投資を支え、結果として従業員の雇用や給与の安定性にもつながるものとなっています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 190億円 211億円
自己資本比率 79.5% 73.6%
ROE(自己資本利益率) 15.4% 13.9%
現金及び預金 50.4億円 78.1億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益の計上や仕入債務の増加などにより、前期から増加しています。投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券の取得や無形固定資産の取得による支出があったものの、前期に比べて支出が減少しました。

その結果、事業活動で得た資金が投資活動の支出を上回るフリーキャッシュフローは大幅に増加しています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いにより資金が減少していますが、前期に比べて減少幅は縮小しています。これらの資金の流れは、同社グループが本業で安定的に資金を生み出し、健全な範囲で事業投資を行いながら、株主還元も継続していることを示しており、従業員の雇用や給与の安定性、そして将来の成長性につながる財務状況であると言えます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 26.1億円 30.9億円
投資CF △25.1億円 △16.2億円
財務CF △26.7億円 △15.0億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 1.0億円 14.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、地方銀行を中心とする金融機関や地方百貨店を取り巻く厳しい事業環境が継続する場合、取引先の業績やIT投資計画に影響が及び、同社グループの業績が影響を受ける可能性があるとしています。また、既存の大手コンピューター・メーカーや専業システムインテグレーターとの競合が厳しくなっており、情報通信機器類の価格低下に伴う単価の引き下げ圧力が強まることで、同社グループの業績が影響を受ける可能性があると認識しています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、少子高齢化や人口減少に伴う労働者人口減少の時代を迎え、生産性の向上が喫緊の課題であると認識しています。このような事業環境は、優秀な人材の確保や育成に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


アイティフォーは、新しい経営理念とパーパスを掲げ、ITとBPOのノウハウを通じて社会に貢献することを目指しています。持続可能な未来の発展に貢献する企業として、人々の感動と笑顔を生み出すことを大切にしています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


アイティフォーは、2021年12月2日より「『寄り添うチカラ』で人々の感動と笑顔を生み出す」を新しい経営理念としています。パーパス(存在意義)には「地方創生による社会貢献を通してすべての人や企業にサプライズを提供し、持続可能な未来の発展に貢献します」を掲げています。

同社グループは、ITとBPOのノウハウを通じて社会に有益な存在であり続けることを目指し、ITの力でイノベーションを創出し続けることで、人や社会に新たな変革をもたらし、企業価値の向上を目指しています。10年後の目指す姿として、FY2033構想「HIGH FIVE 2033」を長期ビジョンに掲げ、「事業を通じて人々の豊かな時間を創出」することを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


アイティフォーは、新しい経営理念とパーパスの実現に向け、人財の確保と育成に重点を置いています。多様性を尊重し、従業員の成長と満足度を高める取り組みを行っています。

同社グループは、サステナビリティを重要な経営課題と捉え、「地方創生」を軸とした社会貢献を通じて持続可能な地域社会の実現を目指しています。「人財の深化」をマテリアリティ(重要課題)の一つとし、多様な価値観やバックグラウンドを持つ人財が能力を最大限発揮できる環境づくりを推進しています。

「一人ひとりの主体的な自己研鑽の取り組みをベースに会社は個人の意欲・能力に応じて能力を発揮する場や成長のための機会を提供する」という育成方針に基づき、「自ら学び続ける文化をつくる」ことを目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


アイティフォーは、FY2033構想「HIGH FIVE 2033」において、「経営基盤の強化」「収益性の向上」「ESG経営の進化」をベースに、持続可能な成長のための取り組みを推進しています。地域還流型ビジネスを生み出し、地域内で経済が回る事業を実現することを目指しています。

第4次中期経営計画「FLY ON 2026」では、「人財戦略」を重点テーマの一つとして掲げています。具体的には、人財の確保と育成に重点を置き、多様性を尊重し、従業員の成長と満足度を高める取り組みを行っています。

また、新規事業投資、既存事業投資、社内投資、人財投資のほか、持続的な成長のためにM&AやCVCなども積極的に検討しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


同社は監査等委員会設置会社であり、透明・公正な経営体制の構築と迅速な意思決定を重視しています。取締役会は社外取締役の知見も活用し、監督機能を強化しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社グループの株主構成を見ると、複数の機関投資家や信託銀行が上位に名を連ねています。特定の事業会社や創業家が突出して支配的な立場にあるわけではなく、幅広い投資家層に支えられている資本構成となっています。安定的な経営基盤を形成していることがうかがえます。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 12.77%
光通信KK投資事業有限責任組合 6.46%
日本カストディ銀行(信託口) 5.86%
日本カストディ銀行(三井住友信託銀行再信託分・ブラザー工業退職給付信託口) 5.28%
アイティフォー社員持株会 4.01%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役会長は佐藤恒徳氏、代表取締役社長は坂田幸司氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
佐藤 恒徳 代表取締役会長 1998年3月同社入社。執行役員、取締役執行役員、代表取締役常務執行役員、代表取締役社長執行役員事業本部長、代表取締役社長を経て、2025年6月より現職。
坂田 幸司 代表取締役社長 1987年4月同社入社。執行役員、取締役執行役員、取締役常務執行役員技術開発本部長、代表取締役専務執行役員技術開発本部長を経て、2025年6月より現職。
大枝 博隆 取締役常務執行役員事業本部長兼フィナンシャルシステム事業部長 1981年4月同社入社。執行役員、取締役執行役員、取締役常務執行役員事業本部長、取締役執行役員事業本部長兼流通・eコマースシステム事業部長を経て、2025年4月より現職。
中山 かつお 取締役執行役員管理本部長 2003年6月同社非常勤監査役。2010年6月同社取締役執行役員管理本部長より現職。日本コンピュータ・ダイナミクス社外取締役(監査等委員)も現任。
河野 一典 取締役執行役員決済ビジネス事業部長 1996年4月同社入社。ネットワークソリューション事業部長、執行役員事業本部副本部長、執行役員決済ビジネス部部長を経て、2024年6月より現職。


社外取締役は、阿部和香氏(エスケーエレクトロニクス取締役・指名・報酬委員長)、福田伊津子氏(新晃工業社外取締役・監査等委員・指名・報酬委員)、金澤浩志氏(弁護士法人中央総合法律事務所パートナー・監査等委員・指名・報酬委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能強化と経営の透明性・健全性確保を目指しています。独立社外取締役が経営に参画し、客観的な視点から取締役の職務執行を監査する体制です。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、基本報酬と業績連動報酬で構成され、業績との連動性を適切に保ち、健全なインセンティブとして機能することを基本方針としています。業績連動報酬は短期業績に基づく月次報酬と、中長期的な企業価値向上を目的とした業績連動型株式報酬で構成されます。社外取締役および監査等委員である取締役には基本報酬のみを支給しています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 5名 2.8億円 55.1百万円
社外取締役(監査等委員を除く) 1名 6百万円 6.0百万円
監査等委員(社外除く) 1名 17百万円 17.0百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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