※本記事は、明治電機工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、制御機器、産業機器、計測機器などの販売を主軸とし、FAエンジニアリング力を駆使したシステム提案を行う企業です。自社開発製品の設計・製造も手掛けています。
単体従業員数は550名、連結従業員数は709名です。
主な国内グループ会社は、名電エンジニアリング(電気機器の設計・製造・販売)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
明治電機工業は、製造業の課題解決を支援する事業を展開しており、従業員の専門性と実践力を重視した人材育成に力を入れています。多様な人材が能力を最大限に発揮できるよう、公正な職場環境の整備やワークライフバランスの向上にも取り組んでいます。このような環境が、同社で働く上での特徴となっています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が40代前半であり、平均勤続年数も比較的長い傾向が見られます。これは、長期的なキャリア形成を支援し、従業員が安定して働き続けられる環境が整っていることを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,655,993円 |
| 平均勤続年数 | 16.8年 |
| 平均年齢 | 41.2歳 |
| 単体従業員数 | 550人 |
| 連結従業員数 | 709人 |
| 単体のグループ内比率 | 77.6% |
同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方の退職給付制度を採用しています。同社は確定給付企業年金制度と確定拠出企業年金制度を導入しており、一部の連結子会社では中小企業退職金共済制度及び非積立型の確定給付制度を採用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
確定給付制度における退職給付債務は23.3億円、年金資産は45.6億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「信頼 すべては人から始まる お客様と共に 従業員と共に 社会と共に」という経営理念のもと、人材を企業価値創造の源泉と位置付け、経営戦略と一体で人材戦略を推進しています。製造業の課題解決を支援する存在として、専門性と実践力を備えた人材の確保、育成、定着に注力しています。
具体的には、事業戦略に即した計画的な採用と、役割および成果に基づく人事制度の運用、体系的な育成を行うとともに、自己申告面談等を通じて従業員の自律的な成長を支援しています。給与やその他の給付は、コース等級制度と公正な人事評価基準に基づき決定され、基本給は役割と責任に応じた水準、賞与は会社業績と個人の成果・貢献度を総合的に勘案して支給されます。
また、多様性の尊重と人権尊重を基本とし、性別、国籍、社歴等にかかわらず能力を発揮できる公正な職場環境の整備を進めています。特に女性、外国人、中途採用者に対しては、キャリア形成のための教育・研修支援、計画的な育成・採用、出産・育児との両立支援、組織風土の醸成など、能力発揮をサポートする環境整備に努めています。ワークライフバランスの向上や健康管理の充実も図り、従業員のエンゲージメント向上と組織力強化を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。連結子会社は女性活躍推進法および育児介護休業法の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 5.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 66.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 58.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 56.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 63.1% |
女性
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 12.0% |
外国人
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 外国人管理職比率 | 13.7% |
中途採用者
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 中途採用者管理職比率 | 32.5% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
明治電機工業は、制御機器、産業機器、計測機器などを扱う専門商社として、顧客の生産現場を支える事業を展開しています。単なる商品の販売にとどまらず、FAエンジニアリング力を活かしたシステム提案や、自社開発製品の設計・製造、さらにはソフトウェア開発、保守、修理まで一貫して提供することで、顧客の多様なニーズに応えています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、制御機器、産業機器、計測機器等の販売を主軸としています。日本を代表するFA機器メーカー各社と強固な関係を築き、オムロン、横河電機、シュナイダーエレクトリック、パナソニックグループ、日置電機、CKDといった大手電気機器メーカーの代理店として、幅広い商品を提供しています。顧客は主に自動車関連企業であり、商品開発、生産技術、設備保全、購買などの部門に対し、最適なソリューションを提案しています。
収益は、これらの機器販売と、それに付随するシステム設計・製造、ソフトウェア開発、保守・修理サービスから得ています。特に、エンジニアリング事業本部では個別ニーズに対応したシステム商品の設計・製造を行い、顧客の生産現場における多様な要求に迅速に応える体制を整えています。物流のシステム化にも注力し、注文翌日には商品を届ける「1-Day Delivery」体制を構築し、顧客満足度の向上を図っています。
海外展開においては、海外に進出した国内取引先の現地ニーズに応えることを目的としており、トヨタ自動車および関連各社をはじめとする海外工場をターゲットに事業を展開しています。当連結会計年度の売上高は前年同期比で減少しましたが、産業機器や計測機器、その他品目では売上を伸ばしています。また、株式会社デンソーへの販売が同社グループの総販売実績の約14.7%を占めており、特定の顧客との取引が収益に影響を与える傾向があります。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動があるものの、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は着実に増加傾向を示しています。当連結会計年度においては、売上高は前年同期から減少しましたが、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも増加となりました。これは、設備案件における利益率の改善や為替差益の発生などが影響しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 677億円 | 709億円 | 746億円 | 787億円 | 764億円 |
| 経常利益 | 24.4億円 | 30.5億円 | 33.3億円 | 36.0億円 | 40.9億円 |
| 経常利益率 | 3.6% | 4.3% | 4.5% | 4.6% | 5.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 17.8億円 | 21.9億円 | 24.3億円 | 24.4億円 | 28.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 154.08 | 173.23 | 191.46 | 191.34 | 223.14 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から減少しましたが、従業員1人あたりの営業利益は増加しています。これは、売上高が減少した一方で、利益率の改善や効率的な事業運営により、従業員一人ひとりが生み出す利益が増加していることを示しています。組織全体の収益性が向上している傾向が見られます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 109.3百万円 | 107.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.6百万円 | 5.2百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
明治電機工業グループは、本業で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いながら、手元資金を厚くしている状況を示しています。強固な財務基盤とキャッシュフローの健全性は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が高く、手元資金も潤沢であることが特徴です。自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較しても高い水準にあり、安定した経営基盤を築いていることがうかがえます。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均と比較するとやや低い水準ですが、着実に改善傾向を示しています。
手元資金である現金及び預金は前期から大きく増加しており、不測の事態への耐性や今後の事業展開に向けた資金余力があることを示しています。これらの財務指標は、同社グループが安定した経営を継続し、従業員の雇用や給与の安定性にも寄与する基盤を持っていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 348億円 | 383億円 |
| 自己資本比率 | 63.4% | 66.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 7.2% | 7.9% |
| 現金及び預金 | 79.1億円 | 148億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度における同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが84.0億円のプラスとなりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上や売上債権、棚卸資産の減少などによるものです。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出などにより△6.8億円のマイナスとなっています。
この結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは77.2億円のプラスとなり、本業で得た資金が投資を上回る健全な状態を示しています。財務活動によるキャッシュフローは配当金の支払いなどにより△9.4億円のマイナスとなりました。同社グループは本業で安定的に資金を生み出し、必要な投資を行いながらも、手元資金を増加させていることから、将来の成長に向けた余力と安定した財務運営が期待できます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 16.1億円 | 84.0億円 |
| 投資CF | △4.8億円 | △6.8億円 |
| 財務CF | △8.9億円 | △9.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 11.3億円 | 77.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、自動車関連産業及びトヨタグループへの販売依存度が高い傾向にあります。また、主要な仕入先であるオムロン株式会社への仕入依存度も比較的高くなっています。これらの特定の取引先への依存度は、各業界や企業の動向が同社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
また、海外市場への進出には、為替リスクや国際金融、戦争、テロ、疫病などの政治的、社会的リスクが内在している可能性があり、これらの事象が発生した場合には経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
明治電機工業は、日本の「ものづくり」を支える企業として、顧客、従業員、社会との信頼関係を重視した経営を行っています。持続的な成長と企業価値向上を目指し、環境変化に対応した新たな価値創造に取り組む企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は設立以来、「Supporting Industry Company」を標榜し、日本の「ものづくり」に対するお役立ち企業となるべく事業を展開しています。経営理念は「信頼 すべては人から始まる お客様と共に 従業員と共に 社会と共に」です。商社機能を持ったFAエンジニアリング企業として技術力を磨き、顧客満足度と顧客期待度の向上に努めています。
同社グループは、2024年度から第11次中期経営計画をスタートさせ、「エリアNo.1の存在価値のあるパートナーになる」をスローガンに掲げています。環境変化に応じた新たな価値創造と価値提供を通じて、社会課題や顧客課題の解決に貢献することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、経営理念の実践である「サステナビリティ基本方針」に基づき、重要課題を特定し、中長期の経営計画に反映させています。全役員・従業員が積極的・能動的にその実現に取り組む企業風土です。従業員一人ひとりが能力を高め、それを最大限発揮できるよう、会社が成長をサポートし、自らキャリアを形成できる制度や仕組みの整備を重要視しています。
特に女性、外国人、中途採用者においては、能力発揮にあたりハンディとならないよう、人材育成と環境整備に努めています。女性に対しては、キャリア形成のための教育・研修支援、次世代の女性管理職の計画的な育成や準管理職への登用、出産・育児との両立支援、女性が活躍するための組織風土の醸成に取り組んでいます。外国人には社内外における教育・研修支援、事業戦略に基づく計画的採用、海外子会社との人材交流を推進しています。
中途採用者には社内外における教育・研修支援、事業戦略に基づく計画的採用を行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
第11次中期経営計画における主要な戦略課題として、「事業品質向上」を掲げ、各地域における事業品質の向上に取り組んでいます。「成長投資と収益力強化」では、成長領域への人的投資、コアビジネスの強化と全エリアへの展開を推進しています。
「サステナビリティ推進」として、事業を通じた社会課題への貢献とサステナビリティ経営の推進を重点テーマとしています。「資本コスト経営」では、株主還元の充実とIR活動の強化に取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
明治電機工業は、経営の監督機能と執行機能を分離し、取締役会の監督機能を強化することで、経営の透明性・公正性を確保する監査等委員会設置会社を採用しています。独立社外取締役を含む取締役会が、経営の重要事項について審議・決議を行う体制となっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの株主構成を見ると、筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行であり、機関投資家が上位に名を連ねています。また、合同会社ワイコーポレーションや明治電機工業従業員持株会も主要な株主として名を連ねており、幅広い層に支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 14.24% |
| 合同会社ワイコーポレーション | 9.57% |
| 明治電機工業従業員持株会 | 4.34% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性5名・女性2名)で構成され、女性役員比率は28.6%です。代表取締役社長は杉脇弘基氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 杉脇 弘基 | 代表取締役社長 | 1987年4月同社入社、2012年4月MEIJI CORPORATION取締役社長、2021年6月より同社代表取締役社長現職。 |
| 舟橋 範 | 代表取締役専務 | 1983年3月同社入社、2010年4月MEIJI CORPORATION取締役社長、2012年6月同社取締役企画管理本部長、2024年4月より同社代表取締役専務現職。 |
| 諸戸 慎也 | 取締役 | 1994年4月同社入社、2023年4月執行役員第1営業本部長、2026年4月より同社取締役現職。 |
社外取締役は、水尾衣里氏(名城大学人間学部教授・監査等委員)、浅井清貴氏(浅井清貴税理士事務所開業・監査等委員)、竹内裕美氏(弁護士法人鬼頭・竹内法律事務所パートナー・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社を採用しており、経営の監督機能と執行機能を分離することで、経営の透明性・公正性を確保しています。独立社外取締役が取締役会の過半数を占め、経営の執行に対する実効的な監督と監査を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社では、取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は、固定給与である基本報酬、業績連動報酬、および譲渡制限付株式報酬で構成されています。一方、監査等委員である取締役の報酬は、職務の性質上、固定給与である基本報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 1.9億円 | 48.1百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 17百万円 | 16.9百万円 |
| 社外取締役 | 3名 | 16百万円 | 5.4百万円 |
なお、取締役の報酬等の総額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれておりません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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