※本記事は、デリカフーズホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
デリカフーズホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は25名、グループ連結従業員数は850名です。
同社グループは、外食産業や中食産業向けの青果物事業を主軸とし、ホール野菜の販売、カット野菜やミールキットの製造・販売を手掛けています。その他、物流事業、研究開発・分析事業も展開しており、連結子会社6社を中心に事業を推進しています。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)デリカフーズ(青果物事業)、デザイナーフーズ(研究開発・分析事業)、エフエスロジスティックス(物流事業)などです。
2026年4月1日付で、同社グループはデリカフーズを存続会社、デリカフーズ長崎を消滅会社とする吸収合併を実施しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
デリカフーズホールディングスは、青果物流通のリーディングカンパニーとして、持続可能な社会の実現に貢献することを経営方針に掲げています。同社グループは、人財の育成と組織力の向上を生命線と捉え、心身両面で健全な環境づくりを重視しています。社員一人ひとりが自らのキャリアを主体的に描ける企業文化の醸成を目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が比較的高く、平均勤続年数も一定の水準を保っており、従業員が長期的にキャリアを築いている傾向がうかがえます。これは、安定した環境で専門性を深めたいと考える方にとって魅力的な要素となるでしょう。なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,608,000円 |
| 平均勤続年数 | 8.3年 |
| 平均年齢 | 48.0歳 |
| 単体従業員数 | 25人 |
| 連結従業員数 | 850人 |
| 単体のグループ内比率 | 2.9% |
なお、直近の主要子会社のデータは以下の通りです。
| 会社名 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| デリカフーズ株式会社 | 2歳 | 36.5年 | 7,000円 |
同社グループは、退職給付制度として、主に確定給付型の制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と、確定拠出型の制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。これらの制度は国内グループ会社に適用されています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付制度における退職給付債務は2.4億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
デリカフーズホールディングスは、経営理念の実現に向け、人財の育成と組織力の向上を事業活動の生命線と位置づけています。社員一人ひとりが挑戦的な仕事と多様な経験を通じて成長を実感し、主体的にキャリアを描ける企業を目指しています。食への探求心と業界の未来を切り拓く高い志を持つ仲間を求めています。
従業員の給与額は、職務内容、役割、能力、経験、成果を総合的に勘案し、各人の貢献が公正かつ適切に反映されることを基本方針としています。また、従業員の生活安定のため、地域賃金水準や物価水準も考慮し、報酬水準の確保に配慮しています。評価制度と報酬制度の透明性・納得性を高めることで、能力開発と成果創出を促進する方針です。
同社グループは、2022年4月に「キャリア推進室」を設立し、若手から幹部候補まで幅広い研修制度を刷新・整備することで、人財育成体制の強化・拡充を進めています。また、グループ全従業員の健康管理を担う「健康管理室」を設置し、常勤の産業保健師が全国拠点で健康支援に取り組んでいます。
さらに、多様な価値観を持った人財の活躍が持続的な成長に不可欠であると認識し、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。女性管理職の育成、多様な働き方への制度拡充、専門人財やグローバル人財のキャリア採用などを通じて、社会的課題を解決できる組織の醸成を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ デリカフーズ
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 18.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 22.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 75.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 73.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 99.5% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
デリカフーズホールディングスは、持株会社としてグループ全体の経営戦略を統括しています。外食産業や中食産業向けの青果物事業を主軸に、物流事業、研究開発・分析事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、外食需要の堅調な推移や省力化ニーズの高まりを捉え、売上を伸ばしています。青果物事業を主たる事業とし、ホール野菜の販売やカット野菜、ミールキットの製造・販売を行っています。また、グループの総合力を活かした提案型営業の強化も図っています。
同社グループは日本国内での事業展開に注力しており、本邦以外の外部顧客への売上高はありません。特定の主要顧客に収益が集中している状況もありません。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 青果物事業 | 578億円 | 610億円 |
| 物流事業 | 8.5億円 | 12.0億円 |
| 研究開発・分析事業 | 82百万円 | 49百万円 |
青果物事業
外食産業や中食産業向けのホール野菜の販売、カット野菜及びミールキットの製造・販売を行っています。収益は、外部顧客への青果物の販売から得ています。運営は、デリカフーズ、デリカフーズ長崎、デザイナーフーズ、農業法人デリカファームが行っています。
物流事業
同社グループの青果物事業を支える物流サービスを提供しています。収益は、グループ会社やグループ外の顧客への物流サービス提供から得ています。運営は、エフエスロジスティックスが行っています。
研究開発・分析事業
青果物の品質向上や新たな価値創造に向けた研究開発、および受託分析を行っています。収益は、受託分析事業などから得ています。
持株会社
グループ全体の経営管理と戦略立案を担っています。収益は、グループ会社からの収益などから得ています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5年間で売上高が継続的に増加し、直近の連結会計年度では過去最高を更新しました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、前期から大幅な増益となり、過去最高の水準となっています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 398億円 | 479億円 | 528億円 | 588億円 | 622億円 |
| 経常利益 | △2.4億円 | 7.7億円 | 12.6億円 | 8.8億円 | 21.7億円 |
| 経常利益率 | △0.6% | 1.6% | 2.4% | 1.5% | 3.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △7.5億円 | 7.0億円 | 10.1億円 | 5.4億円 | 15.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △50.57 | 47.25 | 62.28 | 33.26 | 93.38 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期からわずかに減少しています。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から大幅に増加しており、収益性の改善が進んでいることがうかがえます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 74.0百万円 | 73.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.0百万円 | 2.5百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動を通じて着実に売上を伸ばし、利益を大幅に改善している状況です。キャッシュフローも本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資も行っています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROEが前期から改善しています。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しており、ROEもプライム市場平均を上回る水準となっています。手元資金も増加しており、事業運営に必要な流動性を確保している状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 90.3億円 | 104億円 |
| 自己資本比率 | 33.9% | 35.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 6.1% | 15.6% |
| 現金及び預金 | 37.2億円 | 53.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業の事業活動で得た資金を将来の成長投資に充てている状況です。営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費などにより、当期も収入となっています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出などにより、支出が増加しました。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の純増額や長期借入金の借入れによる収入があったものの、長期借入金の返済や配当金の支払いにより、収入となっています。本業で安定的に資金を生み出しつつ、設備投資を継続していることから、事業の成長性が見込まれる状況です。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 37.9億円 | 31.6億円 |
| 投資CF | △8.1億円 | △18.3億円 |
| 財務CF | △34.2億円 | 0.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 29.8億円 | 13.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、青果物の生産・収穫が天候や気象、自然災害に左右されるリスクを抱えています。仕入価格の高騰や販売機会の損失により、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、設備投資に関するリスクも存在します。新工場建設に伴う立ち上げ費用や減価償却費により、一時的に財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
新型感染症等の蔓延が及ぼす影響に関するリスクがあります。従業員に感染が拡大した場合、一時的に操業を停止するなど、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
デリカフーズホールディングスは、青果物の加工流通を通じて日本の農業と国民の健康増進に貢献することを目指す企業グループです。持続可能な社会の実現と企業価値の向上を追求する姿勢を経営の根幹に置いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、Purpose(パーパス)及びMission・Vision・Value(MVV)を経営の基本方針として定めています。事業展開の目的は「日本の農業の発展」と「国民の健康増進」への貢献です。
青果物加工流通分野において青果物の価値を追求することで、未来に向けた「持続可能な農業」と「食を通じた健康増進」を実現する付加価値創造企業を目指しています。長期ビジョンとしては、「野菜の総合加工メーカーとしてのポジション確立」「持続可能な農業の実現」「個人の幸福と会社の繁栄の両立実現」を掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループでは、MVVを実現するための社員の行動指針として、全20項目からなるCredo(クレド)を定めています。これらの新たな価値観に基づき事業を展開しています。
「サステナブル宣言」を公表し、「青果物の流通を通じて、日本の農業の発展と人々の健康増進に貢献する」ことを経営方針に掲げています。永続的な成長を志向するとともに、持続可能な社会の実現に貢献するため、SDGsへの貢献およびESG活動に積極的に取り組むことを表明しています。企業運営においては、「損得の前に善悪」で考える公正かつ堅確な実践を重要なマテリアリティの一つとしています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、気候変動に左右されない持続可能な安定供給体制の構築を最大の経営課題の一つとしています。「農業への参入」「輸入野菜の国産化」「長期保存技術の開発」「就農支援プラットフォームの構築」といった諸施策を進めています。これにより、日本の食を支えるインフラ事業者へと進化することを目指しています。
また、質・量両面での人財の拡充も重要な経営課題です。「多様な人材の採用」「挑戦・イノベーションを起こす人財の育成」「次世代リーダーの育成」に取り組むことで、社会的課題を解決できる組織の醸成を進めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
デリカフーズホールディングスは、取締役会、監査役会、会計監査人を設置する企業統治体制を採用しています。経営の健全性と透明性を確保し、株主の権利を重視するコーポレート・ガバナンスの充実を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
デリカフーズホールディングスの株主構成を見ると、筆頭株主は創業家とみられる個人株主です。また、事業会社であるエア・ウォーターも上位株主として名を連ねています。複数の個人株主が上位に位置しており、特定の株主グループが経営に一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 舘本 篤志 | 12.55% |
| エア・ウォーター | 10.59% |
| 舘本 勲武 | 5.94% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
デリカフーズホールディングスの役員は11名(男性8名・女性3名)で構成され、女性役員比率は27.3%です。代表取締役社長は大﨑善保氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 大﨑 善保 | 代表取締役社長 | 1990年小原入社後、ユキモード代表取締役社長を経て、1997年デリカフーズ入社。同社取締役、常務取締役を歴任し、2017年2月より同社代表取締役社長に就任。デリカフーズ、楽彩、デザイナーフーズなどグループ各社の役員を兼任し、現職。 |
| 舘本 勲武 | 取締役会長 | 1964年カーラ入社後、東海パスカルチャリートを経て、1979年デリカフーズ代表取締役社長に就任。グループ各社の代表取締役社長を歴任し、2013年4月より同社取締役会長に就任。 |
| 小林 憲司 | 取締役 | 1990年丸紅プラント入社後、シージーアイ取締役を経て、2003年東京デリカフーズ入社。営業部長、取締役、常務取締役、取締役副社長を歴任し、2016年6月より同社取締役に就任。デリカフーズ代表取締役社長も兼任し、現職。 |
| 仲山 紺之 | 取締役 | 1990年三和銀行(現三菱UFJ銀行)入行後、人事部次長、支店長兼支社長を歴任。2018年同社入社後、管理部部長、執行役員管理本部長を経て、2020年6月より同社取締役に就任。楽彩、デザイナーフーズ、エフエスロジスティックスの役員を兼任し、現職。 |
| 市野 真理子 | 取締役 | 1989年泉万醸造入社後、ニューラムを経て、1999年デザイナーフーズ入社。同社取締役、メディカル青果物研究所代表取締役社長を歴任。2020年4月よりデザイナーフーズ代表取締役社長、2023年6月より同社取締役に就任。デリカフーズ長崎、楽彩の役員を兼任し、現職。 |
社外取締役は、尾崎弘之氏(早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター研究院教授)、柴田美鈴氏(弁護士)、高力美由紀氏(新潟食料農業大学食料産業学部教授)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会、監査役会、会計監査人を設置しています。社外取締役3名が選任されており、客観的・独立的な立場から経営全般の監督・助言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
デリカフーズホールディングスの役員報酬は、基本報酬(金銭報酬)、業績連動報酬、非金銭報酬(譲渡制限付株式)で構成されています。基本報酬は役位、担当職務、業績、貢献度などを総合的に勘案して算定され、社外取締役および監査役は固定報酬のみが支給されます。業績連動報酬は、前年度の実績や業績数値、個人考課に応じて加算される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.4億円 | 28.3百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 12百万円 | 11.8百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 19百万円 | 3.8百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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