※本記事は、株式会社セキドの有価証券報告書(第64期、自 2025年3月21日 至 2026年3月20日、2026年6月19日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. セキドってどんな会社?
関東や東海地区で輸入ブランド品・韓国コスメの小売と卸売事業を展開しています。
■(1) 会社概要
同社は1963年に関戸電機として設立され、1984年にセキドへと商号変更しました。1989年の関連会社合併などを経て事業を拡大し、1990年に店頭登録銘柄として新規登録、2000年に東京証券取引所市場第二部へ上場しました。2012年に家電店舗販売から撤退してファッション事業に経営資源を集中させ、2020年には韓国のコスメブランドとの日本総代理店契約を締結し、美容事業を本格化させています。
現在の従業員数は単体で52名です。筆頭株主は資産管理会社の関戸興産で、第2位は代表取締役社長の関戸正実氏、第3位は信託銀行等の金融機関となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 関戸興産 | 9.48% |
| 関戸正実 | 6.26% |
| BNB PARIBAS LONDON BRANCH FOR PRIME BROKERAGE CLEARANCE ACC FOR THIRD PARTY 常任代理人 香港上海銀行 東京支店 | 4.57% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性6名、女性0名の計6名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は関戸正実氏が務めています。取締役の総数は3名で、うち社外取締役は1名(比率33.3%)です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 関戸正実 | 代表取締役社長 | 1993年同社入社、同社取締役、常務取締役などを経て、2000年より代表取締役社長。関連会社代表取締役などを歴任し現職。 |
| 弓削英昭 | 取締役執行役員管理部長 | 1988年同社入社、同社総務部長、執行役員総務部長などを経て、2009年より現職。 |
社外取締役は、小手川大助氏(元大蔵省証券局業務課長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「ファッション」「美容」「賃貸部門」「外商部門」事業を展開しています。
■ファッション
輸入ブランドファッション商品や韓国コスメ・雑貨の店舗販売、およびECサイト販売を行っています。一般顧客向けに貴金属、時計、バッグ等を扱う「GINZA LoveLove」と、韓国コスメを扱う「&choa!」を展開しています。
収益源は一般顧客からの商品販売代金であり、運営は同社が行っています。
■美容
韓国コスメブランド製品の日本総代理店として、国内の有力小売業への卸売や公式ECサイトの運営を行っています。複数のコスメブランドを取り扱い、シェア拡大を図っています。
収益源は小売業者等からの卸売代金やECでの販売代金であり、運営は同社が行っています。
■賃貸部門
自社で保有する店舗や駐車場用地を他社へ賃貸する不動産事業を行っています。
収益源はテナント等からの賃貸料であり、運営は同社が行っています。
■外商部門
法人向けの空調設備や照明機器設備などの施設工事、および個人向けのリフォーム工事などを主に行っています。
収益源は法人・個人からの工事代金や商品販売代金であり、運営は同社が行っています。
3. 業績・財務状況
同社の業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近2期間の業績は、主力ブランド契約の終了による売上の減少が響き、減収傾向となっています。利益面でも、売上規模の縮小と店舗網最適化等に伴う特別損失の計上により、経常赤字および最終赤字が拡大する厳しい状況です。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 75億円 | 58億円 |
| 経常利益 | -3億円 | -8億円 |
| 利益率(%) | -4.4% | -13.8% |
| 当期純利益 | -5億円 | -11億円 |
■(2) 損益計算書
売上高の減少に伴い売上総利益も縮小しています。コスト高や出店費用の負担増に加え、売上原価率の上昇が影響し、営業利益率が大幅に悪化する結果となっています。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 75億円 | 58億円 |
| 売上総利益 | 23億円 | 14億円 |
| 売上総利益率(%) | 30.0% | 24.7% |
| 営業利益 | -3億円 | -7億円 |
| 営業利益率(%) | -3.7% | -12.3% |
販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が5億円(構成比24.2%)、地代家賃が4億円(同18.2%)を占めています。また、売上原価の大部分は商品売上原価であり、43億円(構成比99.9%)となっています。
■(3) セグメント収益
主力の美容事業において旧ブランドの終了による減収が大きく影響し、セグメント赤字に転落しています。ファッション事業でも出店コストの負担等により赤字となっています。
| 区分 | 売上(2025年3月期) | 売上(2026年3月期) | 利益(2025年3月期) | 利益(2026年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ファッション | 41億円 | 39億円 | - | -0.6億円 | -1.6% |
| 美容 | 32億円 | 16億円 | 1.0億円 | -1.6億円 | -10.0% |
| 賃貸部門 | 0.4億円 | 0.4億円 | 0.3億円 | 0.3億円 | 86.8% |
| 外商部門 | 2億円 | 2億円 | 0.1億円 | 0.2億円 | 7.8% |
| 連結(合計) | 75億円 | 58億円 | -3億円 | -8億円 | -13.8% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
本業は赤字だが、将来成長のため借入で投資を継続している「勝負型」のキャッシュ・フローとなっています。なお、同社は在庫を多く抱える事業を主力としているため、営業CFのマイナスは棚卸資産(商品・販売用不動産等)の増加(事業拡大)に起因している可能性があり、必ずしも業績悪化を意味するものではありません。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | -1億円 | -2億円 |
| 投資CF | -1億円 | -4億円 |
| 財務CF | 3億円 | 7億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は-840.0%、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は0.9%であり、いずれも市場平均を下回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
「お客様に尽くす」「社員に尽くす」「お取引先に尽くす」の理念のもとに、「高い目標に挑戦」「ウソをつかない」「店頭第一主義」を経営の基本方針としています。
■(2) 企業文化
高い目標を掲げ、従業員一人一人が自らの進歩を求め、地域No.1に挑戦することを重視しています。一人のお客様に一つの商品を一人の社員が販売しサービスを提供する「店頭第一主義」を信条とし、すべての経営活動は店頭を出発点としています。
■(3) 経営計画・目標
本業の収益性が明確に表れる指標として「売上高経常利益率」を重視しています。中期的には、この数値を4.0%まで引き上げることを目標に掲げています。
■(4) 成長戦略と重点施策
ファッション事業では韓国コスメのセレクトショップの拡大やAI顧客解析システムの活用を進め、EC部門では内製化により運営スピードを向上させます。美容事業では、新たな韓国コスメブランドの日本総代理店としてシェアを拡大するとともに、自社オリジナルブランドの展開を通じて顧客接点の強化を図る方針です。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
人権の尊重はもちろんのこと、従業員に対しては働き方改革の推進や適正処遇のための人事考課の導入を進めています。多様性を尊重し、性別や国籍にかかわらず新卒採用、中途採用、社内登用を積極的に行っています。また、外国人スタッフに対する研修など、学習機会を提供する環境整備にも取り組んでいます。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均を大きく下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | 39.4歳 | 13.5年 | 3991000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は常時雇用の従業員数が100名以下であり、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」等による公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
(1) 為替変動リスク
同社は総仕入のうち約37%程度について海外からの直接仕入を行っており、為替相場の変動が仕入コストを変動させるため、業績に影響を与える可能性があります。
(2) 顧客情報の管理
スマートフォンアプリによる顧客管理システムやカード発行により、大量の顧客情報を取り扱っています。個人情報保護方針の策定等で管理に努めていますが、情報流出が発生した場合は業績に影響が及ぶ可能性があります。
(3) 国際情勢の影響
東欧地域での武力紛争や中東での紛争など、世界的な影響を及ぼす事態が続いています。今後の展開によっては、物流の混乱や消費行動の冷え込みを通じて、同社の事業活動や業績に悪影響を与える可能性があります。



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