※本記事は、株式会社ワットマン の有価証券報告書(2025年3月期、2024年4月1日 ~ 2025年3月31日、2025年6月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ワットマンは、国内外でリユース品の小売業を展開するほか、新品のEC小売業も手掛ける企業です。同社グループは、多岐にわたる品目を扱うリユース店舗と自社ECサイトを通じて事業を展開しています。
単体従業員数は88名、連結従業員数は141名です。セグメントはリユース事業、新品EC事業、全社(共通)の3つです。
主な国内グループ会社は、ホビーサーチ(新品EC事業)などです。
店舗政策では、2024年4月に「ワットマン テック・スタイル横須賀中央店」を移転増床オープンしました。また、資本配分の最適化のため、ワットマンタイランドの直営店舗を閉鎖しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ワットマンは、リユース事業を主軸に展開する企業です。同社グループでは、事業活動を通じてサステナビリティ課題への取り組みを重視しており、環境に配慮した働き方を推進しています。従業員が長期的に活躍できるような環境づくりにも力を入れていることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ワットマンでは、従業員の平均勤続年数と平均年齢から、比較的安定した人材構成が見られます。これは、従業員が一定期間にわたりキャリアを築いていることを示唆しています。年齢構成もバランスが取れており、多様な世代が共に働く環境であると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,659,000円 |
| 平均勤続年数 | 12.7年 |
| 平均年齢 | 41.0歳 |
| 単体従業員数 | 88人 |
| 連結従業員数 | 141人 |
| 単体のグループ内比率 | 62.4% |
同社には確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)があります。この制度は国内グループ会社および海外子会社に適用されます。
また、退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
退職給付債務は66百万円、年金資産は14百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ワットマンは、人的資本・多様性確保の方針として、中核人材の登用における多様性の確保に努めています。具体的には、女性役員の選任や女性管理職の登用、中途採用者の管理職登用といった実績があります。
人材育成や社内環境整備に関する方針については、現時点では測定可能な目標は示されていません。しかし、今後中長期的な人材育成方針において、測定可能な目標の設定を検討していく方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理職に占める女性労働者の割合および男性労働者の育児休業取得率は、育児介護休業法に基づく公表を行っていないため記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 54.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 77.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(非正規労働者) | 82.9% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ワットマンは、リユース事業と新品EC事業の二つの柱で収益を上げている同社グループです。国内外で幅広い商品を取り扱い、多様な顧客層にサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ワットマンは、リユース品の小売業であるリユース事業と、新品のEC小売業である新品EC事業を国内外で展開しています。同社グループは、ワットマン、連結子会社のホビーサーチ、WATT MANN(THAILAND) CO.,LTD.の計3社で構成されています。
リユース事業では、神奈川県を中心に店舗を展開し、仕入れた商品をクリーニングして販売しています。ワットマンテック、ワットマンスタイル、ブックオフ、カウマン、ワットマンホビー/Game Station、SPO&CAM、ワットマンカメラの6業態で運営しています。新品EC事業では、主に問屋から仕入れた新品商品を自社ECサイトで販売しています。
同社グループの成長戦略として、リユース事業では「安定的な成長と確実な利益創出」を、ホビーサーチ事業では「成長」を重視しています。また、M&Aによるインオーガニックな成長も積極的に検討しています。
リユース事業
リユース事業は、国内およびタイ王国でのリユース商品の店舗販売とネット販売を行っています。神奈川県に展開する店舗で商品を仕入れ、クリーニングを施した上で消費者に販売しています。
収益は、電化製品、服飾品、パッケージメディア、ホビー、その他リユース品の販売から得ています。運営は、ワットマンおよびWATT MANN(THAILAND) CO.,LTD.が行っています。
新品EC事業
新品EC事業は、新品商品を中心とした自社ECサイトでの販売を行っています。主に問屋から仕入れた新品商品を顧客に提供しています。
収益は、ホビー商材の新品EC販売から得ています。運営は、ホビーサーチが行っています。
| セグメント | 売上高(2024年3月期) | 売上高(2025年3月期) |
|---|---|---|
| リユース事業 | 49.2億円 | 52.9億円 |
| 新品EC事業 | 29.3億円 | 30.9億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で継続的に増加傾向にあります。直近の当連結会計年度においても、前期から増収となりました。一方で、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、前期と比較して減少しています。これは、M&A関連の情報収集・調査費用やホビーサーチ事業での人員体制拡充に伴う人件費の先行的な増加、国内一部店舗の減損損失、タイ現法の事業整理損失引当金繰入額といった成長戦略に沿った費用や一時的な損失が発生したことによるものです。
| 項目 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 36.3億円 | 54.1億円 | 74.2億円 | 78.5億円 | 83.8億円 |
| 経常利益 | 2.8億円 | 2.9億円 | 5.1億円 | 6.6億円 | 5.9億円 |
| 経常利益率 | 7.6% | 5.4% | 6.8% | 8.4% | 7.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.1億円 | 2.6億円 | 3.5億円 | 4.6億円 | 3.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 94.85 | 30.30 | 40.66 | 52.56 | 39.44 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期と比較して増加しています。これは、連結従業員数が増加する中で、売上高がそれを上回る伸びを示したことによるものです。一方、従業員1人あたり営業利益(連結)は、前期から減少しています。これは、売上高は増加したものの、M&A関連費用や人件費の増加、減損損失などの影響により、営業利益が減少したことが要因となっています。
| 指標 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 56.9百万円 | 59.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.7百万円 | 4.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、安定した財務基盤を維持しつつ、将来の成長に向けた投資も行っている状況です。これらの財務状況は、事業運営の安定性や将来の成長投資の余力に繋がる要素となっています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な現金及び預金によって安定している状況です。自己資本比率はプライム市場平均と比較して高い水準を維持しており、財務の健全性を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。これらの財務状況は、事業運営の安定性や将来の成長投資の余力に繋がる要素です。
| 指標 | 2024年3月期(前期) | 2025年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 32.4億円 | 34.3億円 |
| 自己資本比率 | 65.2% | 67.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 15.1% | 10.4% |
| 現金及び預金 | 18.8億円 | 18.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが前期から減少したものの、4.0億円の収入となっています。これは主に、税金等調整前当期純利益の減少や法人税等の支払額の増加があった一方で、仕入債務の増加等が影響しています。投資活動によるキャッシュフローは、新店投資や有形固定資産の取得、敷金及び保証金の差入による支出が増加し、△1.4億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払額が増加したことにより、△2.8億円の支出となっています。
これらの結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは2.5億円のプラスを維持しており、本業で得た資金で成長投資を行いながらも、手元資金を確保できている状況です。この資金の流れは、同社グループが安定した事業基盤を持ちつつ、将来に向けた投資を継続していることを示しており、雇用や給与の安定性にも繋がる要素であると考えられます。
| 項目 | 2024年3月期(前期) | 2025年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 4.1億円 | 4.0億円 |
| 投資CF | △0.9億円 | △1.4億円 |
| 財務CF | △2.5億円 | △2.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3.2億円 | 2.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、リユース事業において競合他社の出店やキャンペーン、フリマアプリの浸透などにより、商品の仕入に不足が生じる可能性があります。これにより、販売機会の損失が発生し、業績に影響を及ぼすリスクがあります。また、海外事業では、為替の動向や各国の政治・経済状況の変化、法律・税制の改正といったカントリーリスクが想定されています。これらの事態が発生した場合、同社グループの業績や財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、成長戦略の遂行に必要な優秀な人材の採用を重視しています。雇用環境等により採用が難化した場合、戦略の遂行が滞り、同社グループの業績または財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ワットマンは、リユース事業とホビーサーチ事業を核に、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。コーポレート・ガバナンスの強化にも注力し、透明性と公正性を重視する企業文化を築いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ワットマンは、中期的な企業価値の向上をビジョンに掲げ、持続的かつ力強い成長の実現に取り組んでいます。そのために「オーガニック成長戦略」と「インオーガニック成長戦略」の二つの軸を推進しています。
オーガニック成長戦略では、主力のリユース事業とホビーサーチ事業(新品EC事業)を核とした取り組みを進めています。インオーガニック成長戦略では、M&Aの積極的な活用を通じて非連続な成長を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、持続的な成長と企業価値の最大化を支える基盤として、コーポレート・ガバナンスの強化に注力しています。経営の透明性・公正性を確保し、迅速な意思決定とリスク管理体制の強化を通じて、柔軟かつ堅実な経営を実現する企業風土を目指しています。
また、社外取締役の機能強化や内部統制体制の整備を進め、ステークホルダーの信頼に応える経営体制を構築しています。人的資本・多様性確保の方針として、中核人材の登用等における多様性の確保に努めています。その結果、女性役員の選任や女性管理職の登用、中途採用者の管理職登用の実績があります。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、持続的な成長と企業価値の最大化を支える基盤として、コーポレート・ガバナンスの強化を重点テーマとしています。経営の透明性・公正性を確保し、迅速な意思決定とリスク管理体制の強化を通じて、変化の激しい事業環境においても柔軟かつ堅実な経営を実現することを目指しています。
具体的には、社外取締役の機能強化や内部統制体制の整備を進め、ステークホルダーの信頼に応える経営体制の構築に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ワットマンは、取締役会設置会社であり、監査役制度を採用しています。経営の意思決定の迅速化、監査機能の強化、適時な情報開示を重視したガバナンス体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は代表取締役社長である川畑泰史氏であり、個人株主が上位に名を連ねています。また、株式会社ハードオフコーポレーションが第2位の株主として名を連ねており、事業会社からの支援も受けていることがうかがえます。創業家と見られる個人株主が複数名、上位株主として存在していることも特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 川 畑 泰 史 | 20.50% |
| ハードオフコーポレーション | 14.70% |
| 渡 邉 未 来 | 3.90% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は川畑泰史氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 川 畑 泰 史 | 取締役社長(代表取締役) | 2005年アクセンチュア株式会社入社、2013年同社経営コンサルティング本部シニアマネジャー。2014年同社取締役に就任し、2018年代表取締役社長より現職。ホビーサーチ代表取締役社長も務めています。 |
| 小 松 創 | 常務取締役 | 1998年株式会社ゼロエミッション入社、2001年株式会社ムラウチ電気上席執行役員。2008年同社入社後、2013年取締役、2014年常務取締役より現職。ホビーサーチ取締役も務めています。 |
| 渡 邉 匡 | 取締役 | 2001年中央青山監査法人入所、2007年新日本監査法人入所し公認会計士登録。2011年同社入社後、執行役員経理総務グループ長を経て、2020年取締役経理IRグループ長より現職。 |
社外取締役は、片岡宏介氏(片岡公認会計士事務所所長・東京鐵鋼取締役(監査等委員))です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会が経営の意思決定と業務執行の監督を行い、監査役会が取締役の職務執行を監査する体制です。社外取締役は、社外での経営に関する豊富な経験や高い見識、専門的見地から客観的かつ適切な監督を行うことが期待されています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、優秀な人材の確保と企業価値向上への意欲を引き出すことを目的に、取締役の報酬に関する決定方針を定めています。報酬は固定報酬、業績連動報酬、株式報酬で構成され、基本報酬が40%~100%、業績連動報酬および株式報酬が0%~60%を目安としています。当事業年度に支給された報酬等は固定報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 1.0億円 | 34.3百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 3百万円 | 3.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 6百万円 | 1.6百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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