※本記事は、セフテック株式会社 の有価証券報告書(第68期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月30日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. セフテックってどんな会社?
同社は、工事現場の安全を守る保安用品の販売・レンタルを全国で展開する総合安全企業です。
■(1) 会社概要
同社は1952年に有限会社岡﨑商店として設立され、道路工事用赤色警戒灯の製造・賃貸を開始しました。1995年に現社名へ変更し、2004年にジャスダック証券取引所へ株式を上場しました。その後、2013年に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)へ上場し、2025年現在は東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。
2025年3月31日現在、連結従業員数は380名、単体従業員数は365名です。筆頭株主は有限会社裕﨑興産で、第2位は同社会長の岡﨑勇氏、第3位は事業会社の光通信となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 有限会社裕﨑興産 | 31.20% |
| 岡﨑勇 | 10.91% |
| 光通信 | 5.38% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性0名の計7名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は岡﨑太一氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 岡﨑 太一 | 代表取締役社長兼執行役員社長 | 2014年入社。総務兼特命プロジェクト担当、取締役兼執行役員経営企画室長を経て2019年より現職。 |
| 岡﨑 勇 | 取締役会長 | 1963年入社。代表取締役社長、愛知フェンス工業(現東阪神)代表取締役社長などを歴任し2019年より現職。 |
| 佐藤 雄考 | 常務取締役兼常務執行役員財務本部長兼子会社担当 | 1994年入社。経理部次長、執行役員経理部長兼子会社担当などを経て2015年より現職。 |
社外取締役は、坂野宣弘(公認会計士・税理士)です。
2. 事業内容
同社グループは、「保安用品事業」を展開しています。
■保安用品事業
工事現場の安全確保や円滑な進行に必要な機材全般を提供しています。主な品目には、案内や注意喚起を行う「標識・標示板」、立入制限を行う「安全機材(フェンス、バリケード等)」、危険区域を明示する「保安警告サイン(工事灯、コーン等)」、作業員の安全を守る「安全防災用品」などがあります。
収益は、エンドユーザーへの「直販」、代理店経由の「卸」、および短期間使用するユーザー向けの「レンタル」から得ています。運営は主に同社が行い、連結子会社の東阪神が標識・標示板全般およびバリケード・フェンス類の一部の製造販売を行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5期間の業績を見ると、売上高は100億円前後で安定的に推移していますが、利益面では減少傾向が見られます。特に直近の2025年3月期は、売上高こそ微増したものの、利益率は3.5%まで低下しており、経常利益および当期利益ともに前期を下回る結果となりました。
| 項目 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 101.1億円 | 103.5億円 | 99.7億円 | 101.2億円 | 103.1億円 |
| 経常利益 | 10.1億円 | 12.1億円 | 8.7億円 | 5.5億円 | 3.6億円 |
| 利益率(%) | 10.0% | 11.7% | 8.8% | 5.4% | 3.5% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 6.5億円 | 7.8億円 | 5.5億円 | 3.4億円 | 2.1億円 |
■(2) 損益計算書
売上高は前期比で増加しましたが、売上原価および販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は減少しました。売上総利益率は低下しており、収益性の改善が課題となっています。営業利益率は前期から低下しています。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 101.2億円 | 103.1億円 |
| 売上総利益 | 47.6億円 | 46.9億円 |
| 売上総利益率(%) | 47.0% | 45.4% |
| 営業利益 | 5.4億円 | 3.5億円 |
| 営業利益率(%) | 5.3% | 3.4% |
販売費及び一般管理費のうち、従業員給与及び賞与が18億円(構成比42%)、運搬費が7億円(同16%)を占めています。
■(3) セグメント収益
同社グループは保安用品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の詳細な増減分析はありませんが、品目別では標識・標示板や安全防災用品、レンタル売上が増加しました。一方で利益データは単一セグメントのため記載を省略しています。
| 区分 | 売上(2024年3月期) | 売上(2025年3月期) |
|---|---|---|
| 保安用品事業 | 101.2億円 | 103.1億円 |
| 連結(合計) | 101.2億円 | 103.1億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
セフテックのキャッシュ・フローの状況は、営業活動により資金が増加し、投資活動と財務活動で資金が支出されました。営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益や売上債権の減少などにより増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得により支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の減少や配当金の支払い、リース債務の返済などにより支出となりました。これらの結果、連結会計年度末の現金及び現金同等物は増加しました。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 8.5億円 | 11.8億円 |
| 投資CF | 0.1億円 | -1.3億円 |
| 財務CF | -9.9億円 | -7.2億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは「安全と環境にやさしい総合安全企業を目指す」をテーマに掲げ、工事現場の安全管理に不可欠な保安用品および保安システムの提供を行っています。また、環境美化と環境負担の低減に役立つ新商品の開発とその販売・レンタルを通じて、社会的な貢献を果たすことを経営理念としています。
■(2) 企業文化
同社は、顧客・株主・社員・取引先との共存共栄を図ることを常に念頭に置き事業活動を行っています。また、社員の士気を高め、創意工夫を啓発して社業発展の原動力となるような意識改革を進めるとともに、人事活性化施策を展開していく方針を持っています。
■(3) 経営計画・目標
同社グループは、株主第一義の経営を行う上で、収益力の指標として自己資本当期純利益率(ROE)の達成を中長期的かつ継続的な目標としています。
* 自己資本当期純利益率(ROE):6.0%以上
■(4) 成長戦略と重点施策
同社は、安全と環境を重視した高機能・高付加価値新商品の開発に注力し、他社との差別化を図っています。また、建設業者のレンタル移行に対応するため、顧客に密着したレンタル営業を推進しつつ、商品の効率的な運用管理を行うことで利益確保を目指しています。さらに、海外調達率の向上や内製化により原価低減を進めています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社は、「人材の定着と育成」および「多様性を尊重した組織作り」を重視しています。ワークライフバランスを整えるための残業時間削減や年休取得率向上など職場環境の整備を進めるとともに、研修や資格手当制度により従業員の資質向上を支援しています。また、女性の活躍推進に向け、女性管理職割合の増加に取り組んでいます。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 42.5歳 | 13.5年 | 4,902,972円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 5.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 40.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 67.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用) | 70.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(非正規雇用) | 40.1% |
また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、離職率(8.3%)、平均残業時間(13.49時間/月)、年休取得率(65.5%)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) レンタル資産投入による損益への影響
レンタル資産は投入額の償却期間と売上期間が必ずしも一致せず、通常は売上期間の方が長くなります。そのため、レンタル事業拡大の一時期においては、償却額の増加に見合う売上が計上されず、業績悪化要因となる可能性があります。同社は採算性を考慮した単価と稼働期間を設定しています。
■(2) 市場環境の変化
同社グループの業績は、公共工事予算や民間工事の動向、地方自治体の財政状況の影響を受ける可能性があります。これに対し、競争力のある新商品の開発や営業力強化に取り組み、市場動向の影響を受けにくい安定的な収益基盤の構築に努めています。
■(3) 輸入国の経済状況について
仕入の一部を中国より輸入しており、中国の経済状況や政策等により商品供給に問題が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。同社は国内仕入先との関係維持や類似機能商品の仕入体制を整え、安定供給に努めています。



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