※本記事は、株式会社京都きもの友禅ホールディングス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
京都きもの友禅ホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は18名、グループ連結従業員数は335名です。
同社グループは、呉服等の販売を主たる業務としています。連結子会社である京都きもの友禅株式会社が振袖等を中心とした呉服販売・レンタル、宝飾品販売、呉服に付随した写真撮影スタジオの運営、オンラインストアでの呉服関連商品販売、および顧客への割賦販売業務を行っています。また、株式会社京都きもの友禅友の会は割賦販売法に基づき会員積立業務を営み、京都きもの友禅株式会社の販売促進を助成しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、Mission「記憶に、そして心に。」のもと、人的資本の強化を重要な経営課題と位置づけています。社員一人ひとりの能力を最大限に活かせる職場環境の整備に注力し、柔軟な働き方を推進することで、社員のエンゲージメント向上を図っています。和装事業における専門性と接客品質の向上を目指し、個人の業績や会社全体の成果に連動した報酬制度を導入しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社単体の従業員は、平均年齢が40代前半、平均勤続年数が10年を超えており、比較的長く勤める社員が多い傾向が見られます。これは、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、参考となる情報です。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 3,733,000円 |
| 平均勤続年数 | 13.9年 |
| 平均年齢 | 43.7歳 |
| 単体従業員数 | 18人 |
| 連結従業員数 | 335人 |
| 単体のグループ内比率 | 5.4% |
同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)を採用しています。この制度は当社及び連結子会社に適用されています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、Mission「記憶に、そして心に。」のもと、人的資本の強化を重要な経営課題と位置づけています。和装事業において、お客様の人生の節目に寄り添う接客や提案を担う人材の力が企業価値の源泉であると認識し、全社的な育成、適正配置、マネジメント力の向上を通じて組織全体の生産性向上を目指しています。
給与は基本給に加えて、個人の業績に連動するインセンティブ報酬と会社業績に連動する賞与で構成されています。市場水準や同業他社の報酬動向を踏まえ、職責、役割、能力、経験、業績への貢献度、評価結果などを総合的に勘案して適正な報酬水準を設定しています。
人材育成においては、呉服販売に求められる高い接客技術と商品知識を習得するための体系的な教育体制を整備し、中途採用者へのサポートも充実させています。また、性別や年齢に隔たりのない多様な人材登用を推進しており、特に女性社員が多数を占める事業特性を踏まえ、女性管理職の登用や育児・介護と仕事の両立支援に力を入れています。
働き方改革として、テレワークやフレックスタイム制度を導入し、育児短時間勤務期間の延長や介護等による勤務形態の選択制度、家族の事情による休暇制度を創設するなど、社員が長く柔軟に働ける環境づくりを進め、社員エンゲージメントの向上を図っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 57.1% |
| 男性の育児休業取得率 | 0.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 64.2% |
| 男女賃金差異(正規雇用労働者) | 65.7% |
| 男女賃金差異(非正規雇用労働者) | 0.0% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 京都きもの友禅
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 31.6% |
| 男性の育児休業取得率 | 0.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
京都きもの友禅ホールディングスは、持株会社としてグループ全体の経営管理を担い、呉服等の販売を主たる業務とする同社グループの事業を統括しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、京都きもの友禅ホールディングス、連結子会社の京都きもの友禅、そして株式会社京都きもの友禅友の会の3社で構成されています。京都きもの友禅は、振袖を中心とした呉服の販売とレンタルを主力とし、宝飾品販売、写真撮影スタジオの運営、オンラインストアでの呉服関連商品の販売、割賦販売業務を手掛けています。
株式会社京都きもの友禅友の会は、会員積立業務を行う前払式特定取引業者であり、会員に「お買物カード」を発行し、積立金にボーナス分をプラスすることで京都きもの友禅の販売促進を助成しています。同社グループの収益は、主に和装事業における呉服等の販売・レンタルから得られており、これに付随する写真撮影やオンラインストアでの販売、金融収益も収益源となっています。
直近では、振袖の販売及びレンタルが好調に推移し、売上を大きく伸ばしています。写真撮影事業では、独立店舗型のスタジオを閉店し、和装店舗内に撮影スタジオを併設する運営体制へと方針を転換し、運営効率の改善を進めています。オンラインストアも自社サイトの運用改善によりアクセス数を増やし、振袖販売やレンタル、その他の和装商品で堅調な売上を記録しています。地域別では関東が売上高の最も高い構成比を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期にわたり変動が見られましたが、直近の連結会計年度において大幅な黒字転換を果たしました。売上高は前期から増加に転じ、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、数期にわたる損失計上から黒字へと大きく改善しています。これは、利益体質への転換に向けた取り組みが実を結び、収益基盤の強化が進んだ結果と言えます。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 84.8億円 | 83.3億円 | 70.2億円 | 51.6億円 | 59.5億円 |
| 経常利益 | 17百万円 | △2.7億円 | △10.6億円 | △7.5億円 | 2.6億円 |
| 経常利益率 | 0.2% | △3.2% | △15.0% | △14.5% | 4.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △1.9億円 | △4.7億円 | △13.4億円 | △9.2億円 | 2.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △15.66 | △41.46 | △119.47 | △74.30 | 13.35 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、従業員1人あたり営業利益も前期の損失から黒字へと大きく改善しています。これは、売上高の増加に加え、在庫構成の見直しや販売単価の適正化、不採算店舗の統廃合や広告・販促費の見直しといったコスト構造改革が奏功し、組織全体の生産性が向上したことを示しています。収益体質の改善と組織効率化の進展がうかがえる状況です。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 14.3百万円 | 17.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △2.0百万円 | 0.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
京都きもの友禅ホールディングスは、財務の安定性において、本業で着実に資金を生み出し、投資も賄えている状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
京都きもの友禅ホールディングスの財務基盤を見ると、自己資本比率は当期に37.9%となり、前期の27.2%から上昇しています。これはプライム市場の非製造業平均24.2%を上回る水準です。
ROE(自己資本利益率)は当期8.7%で、前期の△39.4%から大幅に改善し、プライム市場平均9.4%に近い水準となっています。手元資金である現金及び預金は当期30.1億円と、前期の16.7億円から増加しており、資金の厚みが増している状況です。
これらの財務状況は、同社グループの経営体質が改善し、事業運営の安定性が高まっていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 19.8億円 | 31.0億円 |
| 自己資本比率 | 27.2% | 37.9% |
| ROE(自己資本利益率) | △39.4% | 8.7% |
| 現金及び預金 | 16.7億円 | 30.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
京都きもの友禅ホールディングスのキャッシュフローを見ると、当期は営業活動によるキャッシュフローが9.4億円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上、売上債権や棚卸資産の減少によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは△1.3億円の支出となり、有形固定資産の取得や投資有価証券の取得による支出が主な要因です。財務活動によるキャッシュフローは5.5億円の収入で、株式の発行による収入が短期借入金の返済を上回ったことによるものです。
結果として、本業で得た資金で投資を賄い、さらに余剰資金を生み出すフリーキャッシュフローは8.1億円のプラスとなっています。この状況は、同社グループが安定した資金創出力と健全な財務運営を行っており、将来の成長に向けた基盤が整っていることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △2.7億円 | 9.4億円 |
| 投資CF | 0.1億円 | △1.3億円 |
| 財務CF | △5.5億円 | 5.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △2.5億円 | 8.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、売上全体の約3割を占める「振袖」販売及びレンタルにおいて、少子化の進行による新成人減少が業績に影響を及ぼす可能性を認識しています。また、主要事業である呉服及び加工料金の上昇に伴う原価率の上昇もリスクとして挙げています。これは人手不足やインフレーション、物流コストの高騰などが要因です。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、呉服販売業務において優秀な人材を適時に確保し育成することの重要性を認識しています。要員計画数を下回る採用状況が生じた場合、業績に重要な影響を及ぼす可能性があると記載しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
京都きもの友禅ホールディングスは、和装事業を通じてお客様の人生の節目に深く関わり、記憶と心に残る価値提供を目指しています。持続的な成長と企業価値向上を追求する中で、どのような経営方針や企業風土を大切にしているのかを見ていきましょう。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、Mission「記憶に、そして心に。」を存在意義及び判断・行動の基準と位置づけています。和装事業を通じて、お客様の人生の節目に深く関わり、商品品質に加え、接客、提案、顧客理解、アフターフォロー等を通じて、お客様及びご家族の記憶と心に残る価値を提供することを経営の基本方針としています。
このMissionを経営の軸として、お客様の喜び・満足、社員の成長と働きがい、同社グループの収益力向上、並びに株主への還元を同時に実現し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、Mission「記憶に、そして心に。」を全社の判断と行動の基準として浸透させることで、お客様の記憶と心に残る価値提供へと高めることを重視しています。Missionを中核として、人的資本の強化、販売品質の向上、ガバナンス体制の進化、成長投資を含めた経営戦略全体を一体的に推進し、持続的な成長モデルの構築を進めています。
社員個人がより成果を出せる能力開発及び教育体制と組織力の向上に貢献できる人材育成を推進しています。また、社員が長く安心して働くために、多様な価値観を尊重し合える社内環境の整備を進めています。仲間を尊重し、安心して働ける職場づくりを進めるとともに、社員一人ひとりが自分らしく力を発揮し、安心して長く働き、成長できる組織づくりを目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、過去の業績低迷を複数の経営課題が顕在化した結果と認識しており、2027年3月期を「成長フェーズ」と位置づけています。持続的な成長モデルへ移行するため、Mission「記憶に、そして心に。」のもとで、事業・組織・経営基盤の進化と、中長期的な企業価値向上に資する成長投資を通じて、持続的な成長モデルへ移行していく必要があると認識しています。
主な対処すべき課題として、人的資本の強化と組織基盤の整備を挙げています。人事制度、教育制度、働く環境等の整備を通じて、仲間を尊重し、安心して働ける職場づくりを進め、社員一人ひとりが自分らしく力を発揮し、安心して長く働き、成長できる組織づくりを進めています。
また、全社的な育成、適正配置、マネジメント力の向上を図ることで、組織全体の生産性と実行力の向上につなげています。ガバナンス体制の進化も重要なテーマであり、グループ指名・報酬委員会の運用を通じた審議体制の整備、意思決定プロセスの透明性・客観性の向上、執行体制の実効性向上を図っています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査等委員会設置会社であり、多様な視点を取り入れた透明性の高い経営体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
筆頭株主はナガホリであり、事業会社です。上位株主には証券会社や個人投資家が名を連ねています。資本構成は多様な株主によって支えられている状況です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ナガホリ | 3.86% |
| 楽天証券共有口 | 2.48% |
| SBI証券 | 2.47% |
| 小山 忠人 | 2.35% |
| BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNY GCM CLIENT ACCOUNTS M LSCB RD | 2.24% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性4名・女性2名)で構成され、女性役員比率は33.3%です。代表取締役社長は浅香竜也氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 浅香 竜也 | 代表取締役社長 | 2001年4月東京通運(現 SBSロジコム)入社、2017年6月同社入社、2024年6月代表取締役社長管理本部長兼経営管理部長兼総務人事部長就任、2025年3月より現職。 |
| 橋本 和之 | 常務取締役 | 2000年3月同社入社、2013年6月取締役営業副本部長兼営業一部長就任、2023年4月専務取締役就任、2024年4月より現職。 |
| 服部 雅親 | 取締役 | 1982年4月かざん入社、1995年12月同社入社、2010年6月代表取締役専務営業本部長就任、2025年3月より現職。 |
社外取締役は、有川勉氏(公認会計士・有川公認会計士事務所)、宮澤佐和子氏(公認会計士・赤坂有限責任監査法人)、漆原梢氏(弁護士・みそら法律事務所)です。
同社は監査等委員会設置会社です。取締役会は監査等委員でない取締役3名と監査等委員である取締役3名(うち社外取締役3名)で構成されています。監査等委員を取締役会の構成員とすることで、監督機能の強化とコーポレート・ガバナンスの充実を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社では、企業価値の持続的な向上と株主との価値共有を目的とした報酬体系を採用しています。取締役の報酬は、固定報酬と譲渡制限付株式による株式報酬で構成されています。監査等委員である取締役および社外取締役には、その職務に鑑み固定報酬のみが支払われる方針です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 39百万円 | 13.1百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 9百万円 | 1.7百万円 |
なお、非金銭報酬等は、譲渡制限付株式報酬制度に基づく当事業年度における費用計上額を示しています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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