※本記事は、夢みつけ隊株式会社 の有価証券報告書(第45期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月25日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. 夢みつけ隊ってどんな会社?
カタログ通販の老舗企業です。中高年男性をターゲットにした、趣味性や独自性の高い商品展開が特徴です。
■(1) 会社概要
同社は1980年に株式会社コスミックとして設立され、通信販売を開始しました。2004年にジャスダック証券取引所へ上場し、2006年にはライフステージ有限会社(現ライフステージ株式会社)を子会社化して介護事業に参入しました。2011年に現在の社名である夢みつけ隊株式会社へ商号変更し、2022年の市場区分見直しにより東京証券取引所スタンダード市場へ移行しました。
現在の従業員数は連結で10名、単体で2名と少数精鋭の体制をとっています。大株主構成については、筆頭株主は代表取締役の佐々木ベジ氏で、第2位は証券業務を行う株式会社SBI証券、第3位は個人株主となっています。経営トップが過半数の株式を保有するオーナー経営体制です。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 佐々木ベジ | 52.72% |
| SBI証券 | 8.36% |
| 石原慎也 | 2.83% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性5名、女性0名の計5名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役は佐々木ベジ氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 佐々木ベジ | 代表取締役 | フリージアグループ会長、ピコイ代表取締役などを経て、2009年より現職。フリージア・マクロス会長等も兼任。 |
| 前田信幸 | 取締役 | 2000年同社入社。経営情報推進局長、業務推進室などを経て、2021年より現職。ライフステージ代表取締役を兼任。 |
社外取締役は、大髙英夫(元ピコイ取締役)、小畑元(元大館市長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「通販小売事業」「不動産事業」「介護事業」を展開しています。
■(1) 通販小売事業
中高年男性をメインターゲットとした「付加価値訴求型通販」を行っています。自社発行のカタログやWebサイトを通じて、健康食品や消耗品のリピート販売、独自性の高い商品の販売などを展開しています。また、コールセンター業務による受注やアウトバウンド等の販売促進活動も行っています。
主な収益源は、一般消費者からの商品販売代金や、外部企業への役務提供による対価です。運営は、同社および子会社のホット・コミュニケーションが行っており、ホット・コミュニケーションはコールセンター業務を担当し、顧客対応や販売促進を担っています。
■(2) 不動産事業
東京都内や大阪府などに保有する販売用不動産の売却および賃貸を行っています。市況を慎重に判断しながら販売用不動産の売却を進めるとともに、売却時までの収益確保を目的として保有物件の賃貸運用も行っています。
収益は、販売用不動産の売却益および保有不動産からの賃貸収入です。運営は主に同社が行っています。
■(3) 介護事業
千葉県八千代市において、「八千代フィットネスデイサービス」という名称で通所介護(デイサービス)事業を行っています。利用者の自立した日常生活の支援や家族の介護負担軽減を目標に、利用者の心身の状態に応じたサービスを提供しています。
収益源は、介護保険制度に基づく介護報酬および利用者からの自己負担金です。運営は、連結子会社であるライフステージ株式会社が行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5期間の業績を見ると、売上高は年度によって大きく変動しており、特に不動産販売の有無が全体業績に強く影響しています。利益面では黒字と赤字を繰り返しており、安定的な収益基盤の構築が課題となっています。直近の決算では大幅な減収となり、営業損益は赤字に転じましたが、経常利益段階では黒字を維持しています。
| 項目 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 6.7億円 | 5.5億円 | 2.6億円 | 5.4億円 | 2.5億円 |
| 経常利益 | 1.8億円 | 0.9億円 | 0.3億円 | 1.6億円 | 0.9億円 |
| 利益率(%) | 26.3% | 15.5% | 10.1% | 29.2% | 36.5% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 1.9億円 | 0.8億円 | -0.2億円 | 1.4億円 | 0.9億円 |
■(2) 損益計算書
直近2期間の損益構成を見ると、売上高は半減していますが、売上総利益率は改善しています。これは利益率の低い不動産販売の売上が減少した一方、相対的に利益率の高い通販事業や持分法投資利益などの影響によるものと考えられます。しかし、販管費の負担を吸収しきれず、営業損益は赤字となっています。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 5.4億円 | 2.5億円 |
| 売上総利益 | 2.5億円 | 1.6億円 |
| 売上総利益率(%) | 46.6% | 64.7% |
| 営業利益 | 0.6億円 | -0.1億円 |
| 営業利益率(%) | 11.7% | -5.3% |
販売費及び一般管理費のうち、従業員給与・賞与が0.4億円(構成比25.1%)、支払手数料が0.2億円(同13.7%)を占めています。
■(3) セグメント収益
セグメント別の状況を見ると、通販小売事業は増収となり、利益も大きく伸長しました。一方、不動産事業は販売用不動産の売却がなかったため大幅な減収減益となりました。介護事業は売上がほぼ横ばいで推移していますが、依然として赤字の状態が続いています。
| 区分 | 売上(2024年3月期) | 売上(2025年3月期) |
|---|---|---|
| 通販小売事業 | 1.3億円 | 1.6億円 |
| 不動産事業 | 3.6億円 | 0.4億円 |
| 介護事業 | 0.6億円 | 0.6億円 |
| 連結(合計) | 5.4億円 | 2.5億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
夢みつけ隊は、通販小売事業、不動産事業、介護事業を展開しています。
同社の営業活動によるキャッシュ・フローは、持分法による投資利益の計上やその他流動資産の増加などにより、前年度から減少しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、当年度は取引がありませんでした。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増加などにより、前年度から増加しました。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 2.5億円 | -0.6億円 |
| 投資CF | -0.0億円 | - |
| 財務CF | -2.6億円 | 0.6億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは、「お客様に夢と喜びを提供する」ことを基本方針とし、カタログを眺めながら「欲しいものを見つける喜び」を感じてもらうことを使命としています。中高年男性をターゲットとした「付加価値訴求型通販」を展開し、日本一の「ウォンツ創造企業」を目指しています。
■(2) 企業文化
同社は、「新しさ」「夢」「面白さ」「楽しさ」「めずらしさ」を基本コンセプトとした商品群を「ウォンツ商品」と呼び、これらを創造し提供することを重視しています。また、企業の社会的責務を自覚し、透明度の高い経営を目指す姿勢を持っています。
■(3) 経営計画・目標
同社は株主利益重視の観点から、営業活動全般の収益性と資本効率を高めることを目指しており、中期的には以下の指標を重要項目として目標設定しています。
* 株主資本当期純利益率(ROE):20%以上
■(4) 成長戦略と重点施策
商品戦略としては、独自性の高い「ウォンツ商品」の開発強化とブランド化を推進し、顧客のファン化を促進します。顧客戦略では、中高年男性層の拡大に加え、女性市場も視野に入れた新規顧客の獲得に注力します。また、趣味やライフスタイルに合わせたジャンル特化や新メディア開拓も進めます。
* 通販小売事業:顧客層の拡大、コールセンター機能の活用、商品のコストダウンによる利益率向上。
* 不動産事業:賃貸収入の増加、市況判断による販売用不動産の売却検討。
* 介護事業:利用者数の増加、業務効率化による利益率向上。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社グループは、多様性を考慮した人材育成に取り組んでおり、管理職登用においては性別・国籍・採用ルートの制約を設けず、能力や適性で判断しています。また、働き方改革のもと、時差出勤やリモートワークを取り入れ、個々のライフスタイルに応じた柔軟な働き方ができる環境整備を進めています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均を大きく下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 52.7歳 | 28.8年 | 3,862,381円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社および連結子会社は従業員規模等の理由により公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 在庫リスク(通販・介護)
通信販売業界では配送スピードが求められるため、一定の在庫を保有する必要がありますが、これにより在庫金額が増加し業績に影響を与える可能性があります。同社は最小ロットでの仕入やカタログ再掲による消化促進等の対策を行っています。
■(2) 業界における競合
通信販売は参入障壁が低く、異業種からの参入やメーカー直販の増加により競争が激化しています。競合他社の増加により同社グループの業績が影響を受ける可能性があります。同社は独自性を保ちつつ変化に対応することで対処する方針です。
■(3) 個人情報の漏洩リスク
多数の顧客データを保有し、外部委託先へもデータ預託を行っているため、情報漏洩のリスクがあります。万一漏洩が発生した場合、損害賠償請求や社会的信用の低下により業績に影響を及ぼす可能性があります。同社は社内体制の整備や委託先の管理監督を通じてリスク低減を図っています。
■(4) 不動産市況の影響
不動産事業は景気や金利、価格動向の影響を受けやすく、これらの急激な変化が業績に影響を与える可能性があります。同社は取締役会での慎重な判断や所有不動産の分散によりリスク低減を図っています。また、借入金依存度が高いため、金利変動が資金調達や業績に影響する可能性があります。



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