※本記事は、株式会社焼肉坂井ホールディングス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
焼肉坂井ホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は519名、グループ連結従業員数は719名です。
同社グループは、焼肉、寿司、居酒屋、ファーストフード、フレンチなど多岐にわたる外食事業を展開しています。連結子会社8社を中心に、国内外でチェーン店運営やフランチャイズ加盟店への商品販売を行っています。
主な国内グループ会社は、(親会社)ジー・コミュニケーション、(連結子会社)ジー・アカデミー(休眠会社)、(連結子会社)タケモトフーズ((外食事業)・外食店舗の運営)、(連結子会社)エコ―商事などです。
同社グループは、当連結会計年度において食品加工事業の製造事業を停止しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社焼肉坂井ホールディングスは、外食事業を展開する同社グループの持株会社です。同社グループは「人」を持続的な企業成長を支える重要な基盤と位置づけ、多様な人材の採用と育成、定着に注力しています。持続的な企業成長と従業員の働きがいを両立させるための人材戦略を推進していることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が10年を超えており、比較的長く働く従業員が多い傾向が見られます。平均年齢も40歳代前半となっており、経験豊富な人材が活躍していることがうかがえます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,139,311円 |
| 平均勤続年数 | 10.3年 |
| 平均年齢 | 40.4歳 |
| 単体従業員数 | 519人 |
| 連結従業員数 | 719人 |
| 単体のグループ内比率 | 72.2% |
同社は確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。
給与体系の改定に伴い2006年3月31日付で退職給付制度を廃止しており、退職一時金は同日までの在職期間に対する退職金を算定し、本人退職時まで支払いを留保しています。
退職給付債務は9百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは「人材」を持続的な企業成長を支える重要な基盤と位置づけ、採用数の確保だけでなく、採用した人材の育成に積極的に取り組んでいます。採用・育成・定着を循環させることで、サービス品質の向上と持続的な成長、企業価値の向上を目指しています。
従業員の給与やその他の給付については、公正で透明性が高く、従業員が納得できる評価を基本方針としています。役割・職責・成果に応じた適切な給与水準を設定し、従業員のモチベーション向上と優秀な人材の確保・定着を図るとともに、競合他社の水準も踏まえた競争力のある処遇体系の維持に努めています。給与は基本給、諸手当、賞与で構成され、賞与は同社グループの業績と個人の評価を総合的に勘案して決定されます。
また、同社グループは「人」を最も大切にする「不易流行」の精神のもと、外国人社員の積極採用と育成に力を入れています。日本語教育や接客研修、コミュニケーション支援、生活面でのフォローに加え、副店長・店長候補や管理職候補の育成にも注力しています。さらに、人材育成と人材活用のDX化を目的に「人材マネジメントシステム」を導入し、採用から育成、配置、評価までを一気通貫で管理することで、人材の見える化や育成支援、離職防止、組織課題の可視化に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は、育児介護休業法に基づく育児休業等および育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 6.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 45.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 54.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 74.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 90.9% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ㈱壁の穴
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
指標及び目標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 当社グループの管理職に占める女性比率 | 6.3% |
| 当社グループの管理職に占める外国人比率 | -% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
焼肉坂井ホールディングスは、主に外食事業を展開する持株会社です。多様なブランドの飲食店を運営し、直営店とフランチャイズチェーンの両方で事業を拡大しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、外食事業を単一セグメントとして展開しています。焼肉業態の「肉匠坂井」「焼肉屋さかい」をはじめ、寿司業態の「平禄寿司」、居酒屋業態の「とりあえず吾平」「村さ来」、ファーストフード業態の「おむらいす亭」「長崎ちゃんめん」など、幅広いジャンルのチェーン店を運営しています。
連結子会社を通じて、フードコートの一括運営、イタリアン業態「壁の穴」、寿司・海鮮居酒屋業態「七福」、フレンチ業態「ドミニク・ブシェ トーキョー」、水族館の飲食事業、ステーキ・カレー業態「ふらんす亭」なども手掛けています。収益は、これらの直営店舗の運営によるものと、フランチャイズ加盟店への商品販売から得ています。
近年は、インバウンド需要の取り込みや新規出店、既存ブランドのリブランディングにも積極的に取り組んでいます。海外展開も進めており、中国で「手のひら食パンうさぎの杜ベーカリー」や「平禄寿司」、インドネシアで「村さ来」などをフランチャイズ方式で展開し、アジア圏を中心に店舗数を増やしています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、この5年間で増加傾向にあります。一方で、経常利益は減少傾向を示しており、直近2期は親会社株主に帰属する当期純損失を計上しています。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、減損損失や法人税等調整額の計上が主な要因となりました。しかし、営業活動によるキャッシュ・フローは継続してプラスを維持しており、本業での資金創出力は確保されています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 183億円 | 231億円 | 228億円 | 235億円 | 242億円 |
| 経常利益 | 10.0億円 | 4.8億円 | 6.1億円 | 4.3億円 | 2.4億円 |
| 経常利益率 | 5.5% | 2.1% | 2.7% | 1.8% | 1.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4.6億円 | 2.8億円 | 2.4億円 | △6.1億円 | △4.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 1.96 | 1.18 | 1.00 | △2.61 | △1.78 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期と比較して減少しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から減少する結果となりました。
これは、原材料価格や人件費、水光熱費などの高騰が収益を圧迫し、生産性にも影響を与えている状況を示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 34.7百万円 | 33.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.7百万円 | 0.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社焼肉坂井ホールディングスは、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。現在の財務状況や資金の流れから、同社グループの安定性と成長性を見ていきましょう。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は35.6%であり、前期の40.6%から減少しています。これはプライム市場の非製造業平均と比較すると高い水準です。ROE(自己資本利益率)はマイナス6.5%で、前期のマイナス8.6%から改善していますが、プライム市場平均を下回っています。手元資金である現金及び預金は52.3億円と、前期の49.4億円から増加しており、一定の流動性を確保している状況です。これらの財務状況は、今後の事業展開や雇用・給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 67.5億円 | 62.3億円 |
| 自己資本比率 | 40.6% | 35.6% |
| ROE(自己資本利益率) | -8.6% | -6.5% |
| 現金及び預金 | 49.4億円 | 52.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが5.6億円のプラスとなりました。これは主に減価償却費や減損損失が資金増加要因となった一方で、法人税等の支払いが資金減少要因となったためです。
投資活動によるキャッシュフローは△16.3億円のマイナスとなり、前期の△5.6億円から大幅に減少しています。これは主に有形固定資産の取得や関係会社への貸付けによる支出が影響しています。
財務活動によるキャッシュフローは12.5億円のプラスで、主に長期借入れによる収入が資金増加に寄与しています。その結果、フリーキャッシュフローは△10.7億円となり、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況です。この資金の流れは、同社グループが事業拡大に向けた積極的な投資フェーズにあることを示しており、将来的な成長への期待がある一方で、短期的な資金流出が続いている状況です。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 8.3億円 | 5.6億円 |
| 投資CF | △5.6億円 | △16.3億円 |
| 財務CF | 10.3億円 | 12.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2.7億円 | △10.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、輸入食材に頼る事業構造のため、輸入先の政策や貿易協定、為替変動などにより仕入コストが増大するリスクを認識しています。また、採算性の良い店舗に隣接して競合他社が出店した場合、経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、さらなる成長を図るため人材の確保・育成を重要課題としています。少子高齢化等により、十分な人材の確保・育成ができない場合、サービスの低下による集客力の低下や、必要な従業員数を確保するための人件費の増加、または出店計画どおりの出店が困難となること等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
焼肉坂井ホールディングスは、「食」を通じて人々に幸せと笑顔を提供することを経営の根幹に据えています。変化の激しい時代においても、本質的な価値を大切にする「不易流行」の精神で進化を続ける企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
焼肉坂井ホールディングスグループは、全ブランド、業態において「食を通して幸せになっていただく、食を通して笑顔を作り出す」という想いのもと、店舗運営に励んでいます。同社グループは、「食」を通じて関わるすべての人に幸せを提供し、その輪を社会へと広げていくことを使命としています。そのために最も大切なものは「人」であると考えています。
技術が進化し効率化が進展しても、食の本質は変わらないという考えです。お客様の心を動かす「美味しさ」と「おもてなしの心」、そしてそれを支える「人の情熱と技術」を重視しています。世の中の変化にかかわらず、本質的に変わらないものを常に大切にする「不易流行」の精神のもと、時代の変化に柔軟に対応しながら進化を続けていくことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
焼肉坂井ホールディングスグループは、「食を通して幸せになっていただく、食を通して笑顔を作り出す」という想いを大切にしています。同社グループに関わるすべての人に幸せを提供し、その輪を社会へと広げていくことを使命とし、その中で「人」を最も大切なものと位置づけています。お客様の心を動かす要素として「美味しさ」と「おもてなしの心」、そしてそれを支える「人の情熱と技術」を重視しています。
持続可能な社会の実現に向けて、多様な人材が安心して成長できる環境づくりにも注力しています。具体的には、グループ内における外国人社員の積極採用や、人材育成・人材活用のDX化を目的とした人材マネジメントシステムの導入を進めています。社員一人ひとりが働くモチベーションの向上や最大限の成果を発揮できる環境を追求するカルチャーがあります。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
焼肉坂井ホールディングスグループは、厳しい経営環境の中、特に人材の確保と育成の強化を継続的な課題としています。採用面では、外食分野における特定技能制度の新規受け入れ停止の影響を踏まえ、日本人・外国人を問わず中途採用により即戦力人材の確保を図っています。従業員からの紹介による採用の拡大、新卒採用の再強化、単発・短時間勤務サービス利用者からの正社員登用の促進など、多様な採用方法を活用しています。
今後は単なる人員確保にとどまらず、定着と育成を重視した人材構造への転換を推進しています。既存社員に対しては、評価制度の見直しによる納得感の向上、教育カリキュラムの見直しによる研修制度の充実、早期離職の抑制及び定着率の向上に取り組んでいます。
また、店舗における適正なシフト運用を徹底し、パート・アルバイト人件費の予算実績管理を強化することで、人件費の適正化と労働生産性の向上も図っています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
焼肉坂井ホールディングスは、健全で透明性の高い経営体制の確立を重要な経営課題と位置づけています。経営環境の変化に迅速かつ的確に対応できるガバナンス体制の充実を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
焼肉坂井ホールディングスの筆頭株主は株式会社ジー・コミュニケーションであり、同社グループの資本構成において大きな影響力を持つ事業会社です。これにより、特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ体制となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ジー・コミュニケーション | 50.29% |
| 沼田 昭二 | 9.59% |
| アリアケジャパン | 0.94% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は髙橋仁志氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 髙橋 仁志 | 代表取締役社長 | 1990年4月株式会社三重銀行入行、1994年3月株式会社ハーシーズ設立代表取締役、2008年10月株式会社コイサンズ設立代表取締役、2023年6月同社代表取締役社長より現職。 |
| 杉本 英雄 | 代表取締役会長 | 1985年4月株式会社日本エル・シー・エー入社、2007年6月株式会社焼肉屋さかい代表取締役会長、2018年4月同社代表取締役会長より現職。 |
| 稲吉 史泰 | 取締役第二営業本部長 | 1996年4月蒲郡信用金庫入庫、2005年8月同社入社、2021年4月同社取締役第二営業本部長より現職。 |
| 山下 淳 | 取締役管理本部長兼 戦略支援本部長 | 2002年1月株式会社ジー・コミュニケーション入社、2010年6月株式会社さかい取締役、2020年6月同社取締役管理本部長兼戦略支援本部長より現職。 |
社外取締役は、畑中裕氏(エムアンドシーコンサルティング代表取締役)、星谷哲男氏(日本冶金工業社外取締役(監査等委員))です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による意思決定と業務監督機能、そして監査役会による監査体制を構築しています。経営の意思決定と業務執行機能を分離し、執行役員制度を導入することで、迅速かつ機動的な経営を目指しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
焼肉坂井ホールディングスの役員報酬体系は、定額の基本報酬に加え、会社業績の向上と中長期的な企業価値向上を目的とした業績連動報酬である賞与、そして株主価値の共有を目的とした譲渡制限付株式報酬により構成されています。社外取締役の報酬は、その役割を考慮し基本報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 94百万円 | 23.5百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 6百万円 | 6.2百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 17百万円 | 4.3百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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