※本記事は、株式会社ナフコ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ナフコは、資材・DIY・園芸用品、生活用品、家具・ホームファッション用品の販売を主たる事業とする小売企業です。九州・中国地区を中心に全国で359店舗を展開し、郊外型の大型店舗で幅広い顧客層に商品を提供しています。
単体従業員数は1,227名です。同社の事業セグメントは「資材・DIY・園芸用品」「生活用品」「家具・ホームファッション用品」「その他」の4つです。
ナフコの企業集団は、同社と非連結子会社2社で構成されています。同社は、資材・DIY・園芸用品、生活用品、家具・ホームファッション用品の販売を主たる事業として、郊外に展開する大型店舗で幅広い顧客層に商品を提供しています。
同社は当事業年度より報告セグメントの区分を変更しました。これにより、事業内容の開示方法が一部見直されています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社は、従業員の平均勤続年数が長く、安定した環境でキャリアを築ける傾向が見られます。多様な働き方への対応や人材育成にも力を入れており、長期的な視点で成長を支援する企業文化がうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、長期的に働く従業員が多い傾向にあることが示されています。これは、安定した環境でキャリアを継続したいと考える方にとって、魅力的な要素となるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,134,158円 |
| 平均勤続年数 | 19.1年 |
| 平均年齢 | 41.7歳 |
| 単体従業員数 | 1,227人 |
同社は、従業員の退職給付に充てるため、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付制度を採用しています。この制度は国内の従業員を対象としています。
退職一時金制度も存在しますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は63.0億円、年金資産は46.5億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、「現場第一主義」と「お客様満足度100%の実現」を経営理念の根幹に据え、店舗運営を通じて地域のお客様の多様なニーズに応える小売事業を展開しています。このビジネスモデルは人的資本への依存度が高く、現場従業員の知識、経験、判断力、コミュニケーション力が業績に直接影響するため、人材の確保・育成・定着を重要な経営課題と位置付けています。
人材戦略の基本方針として、現場第一主義とお客様満足度100%を支える人材の確保・育成・定着を掲げています。具体的には、総合職採用による将来の管理職候補の育成、OJTを中心とした実践的なスキルアップ、業務上必要な資格取得費用の全額会社負担制度などを通じて、従業員の専門性向上と現場力の底上げを図っています。
また、職種区分制度や社員コース制度、限定勤務地制度を活用し、従業員の能力や適性、ライフスタイルに応じた配置・登用を行うことで、多様な働き方に対応し、離職防止と人材定着に努めています。給与等の決定にあたっては、職種、職位、職務内容、責任の範囲、勤務条件、業績および能力を総合的に勘案し、人事評価の結果を昇給・昇格・賞与に反映させる方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。属性(勤続年数、役職等)が同じ男女労働者間での賃金の差異はありません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 1.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 15.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 61.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 78.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 90.2% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ナフコは、九州・中国地区を中心に全国に店舗を展開し、資材・DIY・園芸用品、生活用品、家具・ホームファッション用品などを販売する企業です。幅広い商品を提供することで、一般消費者からプロの業者まで多様な顧客層に対応しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、ホームセンター事業を主軸とし、資材・DIY・園芸用品、生活用品、家具・ホームファッション用品の販売を主な事業としています。九州・中国地区を中心に、関西・中部・関東地区へと店舗網を拡大しており、2026年3月31日現在で34府県に合計359店舗を展開しています。郊外に広い駐車スペースを確保した大型店が中心で、豊富な品揃えと価格で商品を提供しています。
収益は、これらの店舗での商品販売から得ています。海外への売上高はなく、特定の顧客への収益集中に関する記述もありません。当事業年度より報告セグメントの区分を変更しています。
資材・DIY・園芸用品
大工道具、建築金物、ペイント、左官用品、園芸用品、水道用品、エクステリア、木材・シェルフ、ルームアクセサリー、作業用品、グリーン、電材、農業資材などを扱っています。収益は、これらの商品の販売から得ています。当事業年度の売上高は前年同期比で減少しました。米不足の影響で玄米保冷庫や米収穫用品が伸長した一方で、前事業年度の防災用品の反動減がありました。
生活用品
家庭用品、季節用品、収納用品、文具、日用品、調理家電、カジュアル衣料、食品、ヘルス&ビューティー、アウトドア用品、バラエティなどを扱っています。収益は、これらの商品の販売から得ています。当事業年度の売上高は前年同期比で減少しました。政府備蓄米の販売や漬物用品、カジュアル衣料が好調でしたが、暖冬の影響で電気暖房用品が低調でした。
家具・ホームファッション用品
家具、フロアカバリング、カーテン、インテリア小物、照明、寝具、リフォーム、床材などを扱っています。収益は、これらの商品の販売から得ています。当事業年度の売上高は前年同期比で減少しました。ホームファッション用品は好調に推移したものの、ベッドや食卓セットが低調でした。
その他
カー用品、乗り物、ペット用品、灯油などを扱っています。収益は、これらの商品の販売から得ています。当事業年度の売上高は前年同期比で減少しました。自転車やカー用品は好調でしたが、前事業年度の寒波の影響で伸長した灯油の反動減が大きく影響しました。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 資材・DIY・園芸用品 | 820億円 | 806億円 |
| 生活用品 | 476億円 | 461億円 |
| 家具・ホームファッション用品 | 340億円 | 312億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
ナフコの直近の業績は、営業収益が前年同期比で減少した一方で、営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも増加しました。営業収益の減少は、競合激化や防災用品の反動減が影響しています。一方で、物流費や配送費の削減など販売費及び一般管理費の減少が利益の増加に寄与しました。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
ナフコの従業員1人あたりの収益性および生産性を示す指標について、連結ベースでのデータは開示されていません。そのため、従業員1人あたりの売上高や当期純利益の推移を具体的に示すことはできません。ただし、単体の従業員数は1,227人であり、平均勤続年数は19.1年と長期にわたる傾向が見られます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、堅実な財務基盤を維持しつつ、将来に向けた投資も行っている状況です。これにより、事業環境の変化に対応しながら、安定した経営を目指していることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率が高く、手元資金も確保されている状況です。強固な財務基盤は、事業環境の変化に対する耐性を高め、長期的な雇用安定性につながる可能性があります。
自己資本比率はプライム市場の平均(製造業46.8%、非製造業24.2%)と比較して高い水準にあります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 1,540億円 | 1,528億円 |
| 自己資本比率 | 68.4% | 70.8% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 156.1億円 | 89.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出しながら、将来に向けた設備投資を継続している状況です。営業活動によるキャッシュ・フローはプラスであり、本業が順調に資金を創出していることを示しています。
一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出が主な要因でマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュ・フローも、リース債務の返済や配当金の支払いによりマイナスです。
これらの状況から、同社は本業で得た資金を事業の成長に再投資しつつ、財務の健全性も維持している経営状況にあると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △7.1億円 | 30.6億円 |
| 投資CF | △57.3億円 | △58.4億円 |
| 財務CF | △0.1億円 | △39.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △64.4億円 | △27.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、競合他社の存在や新規参入による競争激化、および家具市場の停滞傾向が業績に影響を及ぼす可能性があると認識しています。また、大規模小売店舗立地法や「まちづくり三法」の改正といった法的規制により、計画通りの出店ができない場合も業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ナフコは「店はお客様のためにある」という原則を掲げ、お客様満足度を追求する経営を基本としています。持続可能な社会の実現にも貢献しながら、地域社会と共に発展していくことを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「店はお客様のためにある」という原則を経営の基本方針としています。この原則を踏まえ、「人・商品・店舗」における他社との差別化を図りながら、業績の向上に努める方針です。
経営基盤のさらなる強化のため、商圏人口に応じた「併合店」「ホームセンター単独店」「300坪型小型ホームセンター単独店」「ツーワン・スタイル単独店」の4つの業態を駆使しています。これによりドミナント化を図り、シェアアップに努めていく考えです。既存店の増床や改装も積極的に行い、店舗の活性化を図る方針を示しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「お客様満足度100%」を目指した経営方針を掲げています。お客様の声を背景とした商品開発、作業システムの改善、顧客サービスの向上に全社一丸となって取り組むことを重視しています。
また、サステナビリティに関する方針を定め、取締役会や経営会議等を通じて社会へ新しい価値を提供し、環境問題にも目を向けています。地域社会や企業の持続的な発展に向けて取り組むことを大切にしています。従業員の能力や適性などに配慮しつつ、働く環境の整備を進め、女性の管理職への登用や男性の育児休業取得促進などの施策を推進する方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、先行き不透明な経済環境が続く中で、各セグメントの強化に注力しています。プライベート・ブランド商品の拡充に努め、消費者の生活をより良くする商品やサービスの提供に取り組むことを課題としています。
具体的な商品戦略としては、「資材・DIY・園芸用品」「生活用品」「家具・ホームファッション用品」の3本柱をさらに強化する方針です。お客様のニーズを把握し、他社にない独自の商品開発と調達力の強化に努めています。在庫コントロールの向上やPOSデータをはじめとした情報システムのさらなる活用も継続して取り組むべき課題としています。
また、従業員の労働環境整備にも継続的に見直しや促進に努めています。男性の育児休暇取得率の向上や女性管理職比率の向上も今後の重点テーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ナフコは取締役会設置会社であり、取締役会が経営の意思決定と監督を担っています。監査役会設置会社として、監査役が取締役の業務執行を監査する体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ナフコの株主構成を見ると、筆頭株主は株式会社深勝興産です。その他、複数の個人株主が上位に名を連ねており、特定の株主グループが同社の経営を支えている状況がうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 深勝興産 | 31.57% |
| THE SFP VALUE REALIZATION MASTER FUND LTD. | 7.56% |
| 髙野 將光 | 3.64% |
| 髙野 裕子 | 3.64% |
| 深町 宏子 | 3.63% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は18名(男性16名・女性2名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は石田卓巳氏が務めています。社外取締役比率は13.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 石田 卓巳 | 代表取締役社長HI営業本部長兼経理部担当兼総務部担当 | 1976年労働省入省、山一證券経済研究所、深町家具店を経て、1998年同社入社。事業部長、専務取締役、取締役副社長を歴任し、2010年より代表取締役社長。2025年より現職。 |
| 石田 佳子 | 代表取締役副社長家具営業本部長兼家具商品部長兼販売促進部担当 | 1987年深町家具店入社、1999年同社入社。取締役、常務取締役、専務取締役、取締役副社長を歴任し、2025年より代表取締役副社長。現職。 |
| 髙野 將光 | 取締役副社長HI営業副本部長 | 1987年大沢商会入社、深町家具店を経て、1998年同社入社。事業部長、常務取締役、専務取締役を歴任し、2010年より取締役副社長。2017年より現職。 |
| 深町 圭司 | 常務取締役HI営業本部長補佐 | 1991年西日本ナフコ入社、2000年同社入社。取締役、常務取締役を歴任し、2017年よりHI営業本部長補佐。現職。 |
| 末松 保幸 | 取締役家具事業推進部長 | 1989年同社入社。川崎店店長、事業部長を歴任し、2014年より取締役。2017年より家具事業推進部長。現職。 |
| 山田 泰弘 | 取締役HI商品部長 | 1993年深町家具店入社、2000年同社入社。HI商品部バイヤー、HI商品部次長を歴任し、2017年より取締役。2021年よりHI商品部長。現職。 |
| 山田 勲 | 取締役家具商品部副部長 | 1987年深町家具店入社。HI商品部バイヤー、家具商品部バイヤーを歴任し、2019年より取締役家具商品部副部長。現職。 |
| 今井 朋晴 | 取締役人事部長兼経営企画部担当 | 1993年深町家具店入社。筑後店主任、経営企画部次長、人事部長を歴任し、2019年より取締役。2024年より人事部長兼経営企画部担当。現職。 |
| 北川 大二郎 | 取締役HI商品部次長兼副部長 兼業務部担当 | 1992年深町家具店入社。松永店店長代理、HI商品部バイヤー、HI商品部次長を歴任し、2021年より取締役。2023年より現職。 |
| 宮本 健太郎 | 取締役HI事業推進部長 | 1993年深町家具店入社。トリアス久山店店長、福岡空港店店長、事業部長を歴任し、2025年より取締役HI事業推進部長。現職。 |
| 田辺 一信 | 取締役店舗開発部長 | 1995年深町家具店入社。南佐賀店店長、福岡空港店店長、事業部長を歴任し、2025年より取締役店舗開発部長。現職。 |
| 永野 共世 | 取締役家具商品部副部長 | 1999年同社入社。家具商品部バイヤーを歴任し、2025年より取締役家具商品部副部長。現職。 |
| 石山 寛則 | 取締役家具商品部副部長 | 2003年同社入社。北出雲店店長代理、HI商品部バイヤー、家具商品部バイヤーを歴任し、2025年より取締役家具商品部副部長。現職。 |
社外取締役は、廣瀬隆明氏(広瀬公認会計士事務所所長・監査等委員)、福田義徳氏(福田義徳公認会計士事務所所長)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役および社外監査役が経営の監視と監査に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ナフコの役員報酬は、固定報酬、役員賞与、退職慰労金で構成されています。業績連動型報酬制度や非金銭報酬制度は導入されていません。固定報酬と役員賞与は、職責や業務執行状況を勘案して代表取締役社長が決定しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 16名 | 3.5億円 | 21.6百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 13百万円 | 13.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 12百万円 | 3.0百万円 |
なお、総額には当事業年度に係る役員賞与引当金繰入額28百万円および役員退職慰労引当金の繰入額129百万円が含まれています。また、2025年6月26日開催の定時株主総会の決議に基づき、退任取締役3名に対して役員退職慰労金59百万円が支給されています。
個人別報酬が開示されている役員は、石田佳子氏(1.41億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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