※本記事は、株式会社フジタコーポレーション の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
フジタコーポレーションは、飲食・小売、製造・卸売、農畜産を主たる業務とする企業グループです。同社グループは、多業種・多業態展開により、顧客ニーズの変化に対応した多様なサービスを提供しています。
単体従業員数は121名、連結従業員数は126名です。セグメントは飲食・小売部門、製造・卸売部門、農畜産部門の3つです。
同社グループは、2021年10月より食品製造販売を開始し、2022年8月には農業に参入しました。2023年2月には株式会社TOMONIゆめ牧舎を連結子会社化し酪農業に参入、2025年4月からは道の駅の運営も受託しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社フジタコーポレーションは、飲食・小売、製造・卸売、農畜産といった「食」に関わる多様な事業を展開しています。同社グループは、持続的な成長のために人材の確保と育成を最重要課題と位置づけており、多様な人材が能力を発揮できる環境づくりに注力しています。特に外国人労働者の積極的な受け入れや、障がい者・高齢者の雇用を通じて、社会的な責任を果たすとともに、多様な働き方を支援する環境整備を進めているのが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、特定技能外国人の採用拡大や若手人材の積極登用により、従業員の平均年齢が若返る傾向にあります。平均勤続年数からは、一定の経験を持つ人材が在籍しつつも、新たな人材が加わり組織が活性化している様子がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 3,742,278円 |
| 平均勤続年数 | 9.6年 |
| 平均年齢 | 39.7歳 |
| 単体従業員数 | 121人 |
| 連結従業員数 | 126人 |
| 単体のグループ内比率 | 96.0% |
同社は、従業員の退職給付制度として確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。この制度は同社を対象としており、連結子会社には退職金制度がありません。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、持続的な成長に向けた最大の経営リスクを「将来の労働力確保」と定義しています。グローバル採用と若返りによる運営基盤の強化を掲げ、多様な人材が能力を発揮できる環境整備を重要視しています。
報酬面では、戦略的人員構成による処遇の最適化を図っています。特定技能外国人の採用拡大や若手人材の積極登用による人員構成の変化を反映し、管理監督職への重点配分を行うことで、キャリアパスの魅力を向上させ、生産性向上をリードする人材を確保する方針です。また、職種別の報酬体系を確立し、店舗スタッフと企画・事務・教育・管理スタッフの役割を明確に切り分け、それぞれの市場価値と生産性貢献度に基づいた報酬体系への移行を進めています。
具体的な取り組みとして、多国籍人材の定着支援や国・地域を拡大した採用活動を継続し、外国人スタッフが柔軟かつ長期的に就業できる受け入れ体制の構築を強化しています。若手スタッフや外国人スタッフが早期にスキルを習得し、現場のリーダーへと昇格できる教育・評価制度の確立を通じて、キャリアアップの可視化を推進しています。女性管理職比率や男性育児休業取得率の現状を課題と認識し、責任ある地位に就くことへの心理的障壁を取り払う施策を検討しています。外国人雇用に加え、障がい者や高齢者の雇用を通じた社会的責任を果たすとともに、多様な働き方に即した労務管理体制の整備を進めています。新規事業への挑戦機会の創出、次期経営幹部・管理職の育成、社内教育体制の確立、離職率低下への取り組みも重視しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 21.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 82.8% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 82.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 101.2% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ㈱TOMONIゆめ牧舎
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 0.0% |
任意開示
| 指標 | 目標 | 実績(当連結会計年度) |
|---|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 20.0% | 21.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 1.0% | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異 | 85.0% | 82.8% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
フジタコーポレーショングループは、飲食・小売、製造・卸売、農畜産の3つの事業部門を展開しています。北海道の地域資源を最大限に活用し、「人・まち・働ける環境」をつなぐ新たな価値創造を推進していることが特徴です。多業種・多業態での事業展開により、顧客ニーズの変化に対応しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、飲食店舗や小売店舗の運営、食品の製造・販売、酪農業など、多岐にわたる「食」関連事業を展開しています。フランチャイジー事業で培ったノウハウを活かしつつ、独自の発想でオリジナルブランド事業も開発・出店しています。また、地域資源を活用した事業展開を積極的に進めており、北海道の食材や文化を広めることにも注力しています。海外での事業展開はなく、収益は全て国内から得ています。特定の顧客への収益集中は見られません。
飲食・小売部門
同社が運営する飲食店舗および小売店舗、並びにフランチャイザーとして事業展開している「かつてん」のフランチャイズ本部事業が主な内容です。フランチャイジー事業の店舗運営で培ったノウハウを活かし、オリジナルブランド事業の開発・出店も進めています。収益は、店舗運営による売上やフランチャイズ事業から得ています。
製造・卸売部門
同社が指定管理者として運営する北海道寿都郡黒松内町の「黒松内町特産物手づくり加工センター(トワ・ヴェール)」におけるチーズ、ハム、ベーコン、アイスクリームの製造、加工および販売事業が中心です。収益は、これらの食品の製造・販売から得ています。
農畜産部門
子会社である株式会社TOMONIゆめ牧舎が経営する乳牛の飼養を行っています。収益は、酪農業から得ています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 飲食・小売 | 43.1億円 | 45.3億円 |
| 製造・卸売 | 3.7億円 | 3.3億円 |
| 農畜産 | 2.1億円 | 2.1億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
直近の連結会計年度において、同社グループは売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の全てで前年同期を上回る結果となりました。原材料費や光熱費の高止まり、人件費関連コストの上昇など、事業を取り巻く環境は厳しい状況が続いています。このような状況のもと、同社グループは中期経営計画に基づき、高収益が見込める業態への新規出店や改装、新規事業への参入を進めています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | 45.9億円 | 48.9億円 | 50.7億円 |
| 経常利益 | - | - | 1.3億円 | 1.1億円 | 1.5億円 |
| 経常利益率 | - | - | 2.8% | 2.3% | 3.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | 53百万円 | 97百万円 | 1.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | 14.82 | 27.78 | 36.02 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
連結従業員数が増加する中で、従業員1人あたりの売上高は前期から減少傾向にあります。一方で、従業員1人あたりの営業利益は前期から増加しており、収益性の改善が見られます。これは、効率的な事業運営や高収益が見込める事業への注力により、従業員一人ひとりの利益貢献度が高まっていることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 43.7百万円 | 40.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.0百万円 | 1.3百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務の安定性の観点から、同社グループの現在地を示します。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率はプライム市場平均と比較して低い水準にあります。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を上回る水準を示しています。手元資金である現金及び預金は前期から減少しています。これらの財務状況は、今後の事業展開や雇用・給与の安定性を検討する上で重要な要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 2.4億円 | 3.5億円 |
| 自己資本比率 | 8.5% | 12.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 51.2% | 42.8% |
| 現金及び預金 | 3.7億円 | 3.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは1.9億円のプラスとなりました。これは主に税金等調整前当期純利益と減価償却費によるものです。投資活動によるキャッシュフローは△1.5億円のマイナスとなり、主に有形固定資産の取得による支出が影響しています。財務活動によるキャッシュフローは△0.9億円のマイナスで、短期借入金の純増加があったものの、長期借入金の返済による支出が主な要因です。
これらの結果、フリーキャッシュフローは0.4億円のプラスとなっています。本業で得た資金で投資活動を賄い、余剰資金を生み出している状況です。この資金の流れは、同社グループが事業活動を通じて資金を創出し、将来への投資を行いつつも、一定の資金余力を確保していることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2.2億円 | 1.9億円 |
| 投資CF | △2.4億円 | △1.5億円 |
| 財務CF | △1.4億円 | △0.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △0.1億円 | 0.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社グループは、当連結会計年度において営業利益と親会社株主に帰属する当期純利益を計上しているものの、有利子負債が負債純資産の71.9%を占め、手元流動性に比して高水準にあります。このため、一部の取引金融機関から返済条件の緩和を継続して受けている状況であり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しています。同社グループは、収益確保とコスト削減による収益力強化、販路拡大、および財務体質の改善に向けた対応策を講じています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの売上高の89.4%を占める飲食・小売事業は、フランチャイズ契約に基づいて店舗を展開しています。フランチャイザーの経営方針や商品施策、経営状況により、来店客数の減少や顧客単価の低下を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、飲食・小売事業においては多くの同業他社との競争が予想されており、市場動向が同社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、高品質の商品とサービスを提供するために優秀な人材を必要としており、店舗責任者等の育成には十分な時間をかけています。しかし、人材育成が順調に進まなかった場合や、必要な人材を十分に確保できなかった場合には、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
フジタコーポレーションは、地域社会への貢献とお客様の「心の豊かさ」の提供を重視し、「食」を通じて人々の生活を豊かにすることを目指している企業です。地域に根差した事業展開と、多様な「食」の提供を通じて、信頼される企業であり続けることを大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
フジタコーポレーションは、「地域の皆様からの支持を受け、信頼される企業でありたい」という強い信念を経営方針としています。同社グループは、単に食事や商品を販売するだけでなく、お客様の生活を豊かに彩る「心の豊かさ」の提供を目指しています。今後は店舗運営に加え、食品マーチャンダイジング事業の収益化や地場食材の活用を通じて、生産・加工地域の発展に貢献し、「食」全体の発展に努めることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
フジタコーポレーションは、社訓である「創意」「熱意」「誠意」をもって事業に取り組むことを大切にしています。同社グループは、サステナビリティを重要な経営課題と認識し、安全・安心な「食」の安定供給を前提条件としています。環境問題への配慮として温室効果ガス排出削減やリサイクルの促進、人的資本においては安全衛生な職場環境の確保と多様性の促進、外国人労働者の積極的な受け入れを進めています。また、性別や国籍にとらわれない多様な人材の採用と、障がい者や高齢者の雇用を含む社会的責任を果たすことを重視しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
フジタコーポレーションは、安定的な収益確保体制の構築に向け、組織編成や展開業態の絞り込みを進めています。喫緊の課題として、次期を担う人材の確保・育成を最重要視しており、スキルアップ研修の充実や自己啓発支援、次期管理職の育成に取り組んでいます。また、食品製造、農業、酪農といった新規参入事業の経営基盤固めも課題として認識しています。地域貢献として、「食」全体の発展や生産・加工地域との連携、フードマイレージの削減も重点テーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
フジタコーポレーションは監査役会設置会社であり、社外取締役や社外監査役を選任することで、経営の健全性と透明性を維持する体制を構築しています。取締役会は社外の視点を取り入れ、適正な意思決定と業務執行の監督機能を担っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
フジタコーポレーションの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社であるJFLAホールディングスです。同社は代表取締役社長の遠藤氏が取締役を兼務しており、経営との関連性がうかがえます。また、ダスキンも上位株主として名を連ねており、フランチャイズ本部として継続的な営業取引があることが示されています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| JFLAホールディングス | 11.28% |
| 藤田 博章 | 4.79% |
| ダスキン | 3.84% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は遠藤大輔氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 遠藤 大輔 | 代表取締役社長 | 1998年4月大阪ヒルトン株式会社入社、2001年9月株式会社プライム・リンク入社、2016年6月同社社外取締役、2019年3月同社代表取締役社長より現職。 |
| 清水 清作 | 専務取締役 経理・総務部門管掌 | 1988年4月株式会社藍屋入社、1995年12月同社入社、2001年9月同社取締役経理部長、2008年8月同社専務取締役経理・総務部門管掌より現職。 |
社外取締役は、森下將典氏(KOZOホールディングス代表取締役社長)、松原淳二氏(札幌海鮮丸代表取締役社長)、上岡由紀子氏(弁護士法人上野・横山・渡法律事務所弁護士)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役3名と社外監査役2名を選任することで、社外の視点を取り入れた適正な意思決定と業務執行に対する監督機能を担保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
フジタコーポレーションの役員報酬は、取締役(社外取締役を除く)に対しては金銭による基本報酬と譲渡制限付株式報酬で構成されています。これは企業価値の持続的な向上と株主との価値共有を目的としています。一方、社外取締役の報酬は、その役割と独立性を考慮し、金銭による固定報酬のみが支給されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 27百万円 | 8.9百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 5百万円 | 4.9百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 4百万円 | 0.8百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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