※本記事は、株式会社 関門海 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
関門海グループは、食材に関連する技術開発と調達力を強みとし、とらふぐ料理専門店「玄品」の店舗展開を主力事業としています。また、通信販売や小売り・流通業界への食材販売も行っています。
単体従業員数は171名、連結従業員数は174名です。同社グループは店舗運営事業の単一セグメントです。
関門海グループは、国内においてはとらふぐ料理専門店「玄品」の店舗運営を主力とし、通信販売や小売り・流通業界への食材販売も行っています。海外には2社の連結子会社を通じて事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
関門海は、飲食小売業を主力とする同社グループにおいて、人材の確保と育成を重視しています。従業員の成長を支える研修制度や、多様な働き方を支援する環境整備を通じて、働きがいのある職場づくりに取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
関門海では、従業員の平均年齢が30代後半であり、平均勤続年数も7年を超えています。これは、比較的若手から中堅層が中心となって活躍し、一定の定着傾向が見られることを示しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,411,000円 |
| 平均勤続年数 | 7.4年 |
| 平均年齢 | 37.5歳 |
| 単体従業員数 | 171人 |
| 連結従業員数 | 174人 |
| 単体のグループ内比率 | 98.3% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループの人材戦略は、企業理念の根幹である「人づくり」に基づいています。少子高齢化の進行に伴う人材確保の困難に対応するため、新卒採用を中心とした若手人材の積極採用に注力しています。
社内での教育・研修の充実・強化に取り組むとともに、雇用環境のさらなる改善や福利厚生の充実を通じて、継続的な人材の確保、育成、定着に努めています。
従業員の給与、賞与及びその他の給付の額と内容については、個々の職務内容、勤続年数、役職等に応じた適切な報酬水準を設定しています。独自の「人づくり査定」に基づき、個々の従業員の成長に応じた評価に加え、店舗等各部門の業績達成度に応じた評価を組み合わせることで報酬体系を決定しています。
また、出産や育児等のライフイベントに応じて柔軟な働き方ができるよう、時短勤務などの働き方を導入しています。日本語研修などを通じて外国籍の方など多様な人材が活躍できる仕組みづくりも整え、人材の確保に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。連結子会社は海外子会社のみであるため、記載されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 21.7% |
| 男性育児休業取得率 | 60.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 84.5% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 80.6% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 99.3% |
多様性・登用
これらの指標は提出会社単体の数値であり、連結ベースでの算定は困難であるため提出会社の数値によっています。役職者とは係長級以上の役職を示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 役職者に占める女性労働者の割合 | 25.8% |
人材育成・エンゲージメント
これらの指標は提出会社単体の数値であり、連結ベースでの算定は困難であるため提出会社の数値によっています。役職者とは係長級以上の役職を示します。従業員の所定外労働時間の実績は、年480時間を超過している従業員の平均であり、年480時間以下の従業員は含んでいません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 役職者一人当たりの残業時間 | 35.5時間 |
| 従業員全員の所定外労働時間 | 554.0時間 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
関門海は、主に食材に関連する技術開発と調達力の強化を通じて、品質と安全面に優れた食材を低価格で提供することを強みとしています。とらふぐ料理専門店「玄品」の店舗展開を主力事業としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、とらふぐ料理専門店「玄品」の店舗運営を主軸とした事業を展開しています。食材の技術開発と調達力を競争力とし、差別化された食材を低価格で提供することで収益を上げています。具体的には、直営店舗でのとらふぐ料理の提供に加え、フランチャイズ事業における食材販売やロイヤリティ収入、さらには通信販売や小売り・流通業界への食材販売なども行っています。
同社グループは店舗運営事業の単一セグメントであり、事業構造はシンプルです。収益は主に「玄品」等の直営店舗での料理提供から得ており、これにフランチャイズ事業や小売り・流通業界への食材販売が加わる形です。特定の製品やサービスへの収益集中は見られますが、特定の顧客への依存はありません。また、売上高の大部分が日本国内の外部顧客によるものであり、海外比率は低い傾向にあります。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5年間で売上高は増加傾向にありましたが、直近の連結会計年度では利益面で前期を下回る結果となりました。売上高は堅調に推移しているものの、原材料費の高騰や人件費、広告宣伝費の増加が利益を圧迫した状況です。特別損失として減損損失も計上されており、これらの要因が利益の減少につながっています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 26.0億円 | 42.1億円 | 50.2億円 | 52.6億円 | 52.7億円 |
| 経常利益 | 57百万円 | 66百万円 | 2.1億円 | 3.0億円 | 1.8億円 |
| 経常利益率 | 2.2% | 1.6% | 4.1% | 5.7% | 3.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1百万円 | 2.1億円 | 3.3億円 | 3.8億円 | 1.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 0.04 | 15.06 | 24.15 | 27.60 | 9.03 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期と比較して減少しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少する傾向が見られます。これは、売上高の増加がわずかであった一方で、原材料費の高騰や人件費、採用費、広告宣伝費といったコストが増加したことが影響していると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 31.5百万円 | 30.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.0百万円 | 1.1百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、本業で安定した資金を生み出しつつ、投資も行いながら、手元資金を確保している状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は、当期は前期から増加し、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は当期は前期から減少しましたが、プライム市場平均に近い水準です。手元資金である現金及び預金は、当期は前期から減少しています。これらの財務基盤は、同社グループが事業を継続していく上での安定性を示す指標となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 12.9億円 | 14.1億円 |
| 自己資本比率 | 38.9% | 51.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 34.4% | 9.2% |
| 現金及び預金 | 14.0億円 | 7.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当期の営業活動によるキャッシュフローは資金の獲得となりました。これは税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費の増加要因があったものの、仕入債務の減少や棚卸資産の増加などが減少要因となったためです。投資活動によるキャッシュフローは資金の使用となりました。これは有形固定資産の取得による支出が主な要因です。財務活動によるキャッシュフローも資金の使用となり、短期借入金の返済や長期借入金の返済が主な要因となっています。これらの結果、フリーキャッシュフローは資金の獲得となりました。本業で資金を生み出しつつ、投資活動も行っている状況であり、今後の事業展開や雇用・給与の安定性を見極める上で重要な指標となります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 6.0億円 | 2.0億円 |
| 投資CF | 3.3億円 | △1.4億円 |
| 財務CF | △15.6億円 | △6.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 9.4億円 | 66百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの主力事業であるとらふぐ料理専門店「玄品」は、とらふぐの調達や食の安全性に関する問題が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、「玄品」の店舗売上高は、業態の特性上、冬場である11月から3月に売上が偏重する傾向があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、ふぐ調理師免許の取得・登録に注力していますが、出店地域においてふぐ調理師免許保持者が不足した場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
関門海は、「玄品」ブランドのとらふぐ料理事業を主力とする企業です。人間の可能性を信じ、愛に満ちた社会の創造を目指す企業理念のもと、事業を展開しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
関門海グループは、「人間の宇宙をも一体化する可能性を確信し、本当のやさしさ・高い理想・信念・行動力を併せ持つ、主体性ある進化する個人を育て、愛に満ちた社会を創造する」という企業理念を基本方針としています。
主力事業である「玄品」のブランド価値向上を目的とした再成長と収益性向上に取り組んでいます。
具体的には、「玄品」の価値を最大限に磨き上げ、とらふぐ料理業界でのシェア拡大と各店舗の収益性向上を目指しています。さらに、フランチャイズの日本全国および海外への拡大を推し進める方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
関門海グループは、企業理念の根幹に「人づくり」を据え、主体性ある個人の育成を重視しています。
新卒採用を中心とした若手人材の積極採用と社内教育の強化に取り組むとともに、賃上げや福利厚生の充実を通じて従業員満足度の向上を図っています。
多様な人材が活躍できる環境整備を進め、働き方改革や女性活躍推進にも取り組むことで、持続的な成長を支える組織基盤の構築に努めています。また、育児や介護と仕事の両立支援として、育児休暇や育児期間中の時短勤務などを導入し、働きやすい社内環境整備を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
関門海グループは、持続的な成長と企業価値向上を実現するため、経営基盤の強化を重要な課題と認識しています。
特に、人材確保と育成を重要な課題と捉え、人的資本経営の推進に取り組んでいます。
また、業務運営の効率化とリスク管理体制の強化、コーポレート・ガバナンスの一層の充実を通じて、内部管理体制の強化に努めています。さらに、余剰食材の賄利用や物流の効率化、廃油のリサイクル化、節電節水などの環境配慮の取り組みも推進しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
関門海は、取締役会と監査役会を設置する体制で経営の監督を行っています。取締役会は経営の基本方針や業務の意思決定を担い、監査役会は取締役の業務執行を監査しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
関門海の筆頭株主は椿台です。また、代表取締役社長の旧姓である田原久美子氏も上位株主として名を連ねています。このように、事業会社と個人株主が上位を占める資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 椿台 | 30.65% |
| サントリー | 5.10% |
| 田原久美子 | 1.83% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
関門海の役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表取締役社長は山口久美子氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山口 久美子 | 代表取締役社長 | 1998年2月㈲サンミート(現㈱椿台)代表取締役、2012年11月同社入社、2017年6月同社取締役副社長、2020年6月同社代表取締役社長より現職。 |
| 大村 美智也 | 取締役 事業統括本部長 | 1989年5月同社入社、2004年6月同社取締役、2017年7月㈱西國玄品ふぐ代表取締役社長、2024年9月同社取締役事業統括本部長より現職。 |
社外取締役は、松下義行氏(非破壊検査㈱顧問)、近藤行弘氏(近藤行弘綜合法律事務所代表)、小田利昭氏(公認会計士小田事務所代表・清稜監査法人代表社員)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役1名と社外監査役2名を含む体制を通じて、経営の監視機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
関門海の役員報酬は、株主総会で定められた報酬限度額の範囲内で決定されています。取締役の報酬は、報酬審議会において会社の業績や経営内容などを総合的に勘案して決定されます。監査役の報酬は、監査役会にて協議の上で決定される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 17百万円 | 8.6百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 4百万円 | 4.2百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 5百万円 | 1.8百万円 |
当事業年度における役員報酬等の総額は27百万円であり、対象となる役員数は合計6名です。
なお、取締役の支給額には使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。また、使用人兼務役員の使用人給与の総額は11,700千円であり、対象となる員数は1名です。
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