※本記事は、株式会社ZOA の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ZOAは、パソコンや周辺機器、バイク用品の店舗・通信販売を行う小売事業と、不動産の売買・賃貸を行う不動産事業を主軸としています。全国に「OAナガシマ」など22店舗を展開し、インターネット通販サイト「e-zoa.com」も運営しています。
単体従業員数は71名です。セグメントは小売事業、不動産事業の2つです。
ZOAは、パソコンや周辺機器、バイク用品を店舗または通信販売で提供する小売事業と、不動産の売買および賃貸を行う不動産事業を主軸としています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ZOAは、パソコン専門店を主軸とする小売事業と不動産事業を展開しています。同社では、従業員一人ひとりの専門知識の習得を重視し、個人の成果を評価する報酬制度を設けています。比較的勤続年数が長く、安定して働き続けられる環境が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、働き続けやすい環境が整っていることがうかがえます。平均年齢も比較的高い水準であり、人材の定着が進んでいる傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,115,759円 |
| 平均勤続年数 | 14年11ヶ月 |
| 平均年齢 | 44歳2ヶ月 |
| 単体従業員数 | 71人 |
同社は確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)を設けています。この制度は国内の従業員に適用されています。
また、退職一時金制度もあります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ZOAは、企業理念である「三位一致 お客様の感動と会社の成長と社員の成長を一致させよう」に基づき、お客様に感動を与える従業員の育成を目指しています。パソコン専門店として圧倒的な知識や情報が重要であると考え、専門知識の習得に力を入れています。具体的には、Webミーティングを活用した全社員向けの勉強会や、社内グループウェアでの情報交換を通じて、日々の知識習得に取り組んでいます。
従業員給与等の決定方針は、継続的な成長に向けた動機付けを目的として設計されています。年齢や性別、勤続年数等に関わらず、個人の予算達成状況や知識・スキル、会社の方向性への理解度など、様々な指標で評価が行われます。会社の方向性の理解度については、拡販商品やサービスの提供割合等を数値化し、その実績に応じて毎月の「月次賞与」という歩合給制度を通じて評価・還元する仕組みです。
個人の予算達成状況や知識・スキルを元に、高度な人材については年齢や性別に関係なく、管理的な地位への登用も積極的に行われています。賞与については、夏季と冬季に半期の実績を元に従業員一人ひとりを個別に評価して支給額を決定するほか、業績に応じた期末賞与も設定されており、1年間の貢献度を評価して支給額が決定されます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率については、育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 2.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 57.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 90.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 90.9% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ZOAは、主にパソコンや周辺機器、バイク用品の販売を行う小売事業と、不動産の売買や賃貸を行う不動産事業を展開しています。両事業を通じて、顧客のニーズに応じた商品やサービスを提供し、収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、情報機器小売と不動産という二つの柱で事業を展開しています。小売事業では、店舗販売とインターネット通信販売を組み合わせ、幅広い顧客層にアプローチしています。不動産事業では、不動産の売買や賃貸を通じて安定的な収益確保を目指しています。
小売事業
小売事業では、パソコン本体や周辺機器、バイク用品などを店舗および通信販売で提供しています。OAナガシマ、コンピュータプラザZOA、パソコンの館といった店舗ブランドを展開し、インターネット通販サイト「e-zoa.com」も運営しています。
収益は、パソコン本体系商品、周辺機器、DOS/Vパーツ、ソフト・サプライ、バイク関連商品、通信販売、サービス&サポートといった多岐にわたる商品やサービスの販売から得ています。直近では、パソコン本体の売上が増加傾向にあり、通信販売も好調を維持しています。
不動産事業
不動産事業では、不動産の売買および賃貸を行っています。優良な販売物件の確保に努め、来年度に向けた仕込み・調達に注力しています。
収益は、不動産の販売から得ています。直近では販売件数が減少し、売上高は減少傾向にあります。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 小売事業 | 84.4億円 | 89.9億円 |
| 不動産事業 | 8.3億円 | 5.3億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
直近の業績について、同社の売上高、経常利益、当期純利益は増加傾向にあることが示されています。これは、主要事業における取り組みが収益に貢献していることを示唆しています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社は、従業員一人あたりの収益性や生産性に関する具体的な数値は開示されていません。しかし、事業活動を通じて効率的な運営を目指していることがうかがえます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ZOAの財務状況を見ると、本業で安定的に資金を生み出し、事業の維持・成長に向けた投資も行っていることがわかります。手元資金も確保されており、堅実な経営基盤がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ZOAの財務基盤は、自己資本比率が高く、収益性を示すROEもプライム市場平均を上回る水準にあります。手元資金は前期から減少していますが、一定の現金を保有しており、事業運営の安定性につながる要素です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 29.3億円 | 31.9億円 |
| 自己資本比率 | 54.1% | 60.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 10.1% | 10.3% |
| 現金及び現金同等物 | 12.5億円 | 10.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ZOAのキャッシュフローは、本業で安定した資金を生み出している状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは収入超過となっており、税引前当期純利益の計上や、売上債権、仕入債務、棚卸資産の減少が主な要因です。
一方で、投資活動によるキャッシュフローは支出超過となっており、有形固定資産の取得や投資有価証券の取得に資金を投じていることがわかります。これは、事業の維持や将来に向けた投資を継続していることを示しています。
財務活動によるキャッシュフローは支出超過であり、長期借入金の返済や配当金の支払いが行われています。営業活動で得た資金で投資活動を賄い、さらに余剰資金を生み出しているため、資金繰りは安定していると言えます。このような資金の流れは、事業の持続可能性と成長への取り組みを支える基盤となります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 7.3億円 | 4.3億円 |
| 投資CF | △0.7億円 | △2.0億円 |
| 財務CF | △1.7億円 | △3.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 6.6億円 | 2.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
競合の激化による販売単価の下落や利益率の低下のリスクが挙げられています。主力商品であるパソコン本体及び周辺機器等の販売単価は変動が激しく、予測を超えた価格変動が発生した場合に業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ZOAは、お客様の感動と社員の成長を重視し、専門性を追求する企業文化を持つ会社です。顧客との対話を大切にし、従業員の知識・技術向上を通じて、お客様に「感動・安心」を提供することを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ZOAは、「お客様の感動と会社の成長と社員の成長を一致させよう」という「三位一致の精神」を経営の基本方針としています。同社は、商品の価値を「価格の安さ」だけでなく、「感動・安心」に置くことを重視しています。お客様に信頼され支持される専門店として、従業員の知識・技術向上を通じてあらゆるニーズに対応し、サービスやサポートを提供することを最重要課題としています。お客様との対話を大切にし、その声に基づいた商品やサービスの開発に注力することで、企業価値の最大化を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ZOAは、「三位一致」の経営理念のもと、接客力・サポート力・専門性の強化を重視する企業風土があります。お客様との対話を通じてニーズを引き出し、専門的な視点から最適な商品提案と安心できる購入環境を提供することを目指しています。eスポーツに精通した従業員が具体的な提案を行うなど、専門性を活かした差別化を図っています。また、サステナビリティを重要な課題と認識し、従業員全員で環境や社会貢献に取り組む意識を共有しています。男女の分け隔てなく、自主的に意欲をもって活躍できる職場づくりにも努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ZOAは、主事業であるパソコン及び関連商品の販売強化に向けて、より専門性の高い店舗づくりを経営課題としています。この課題に対処するため、従業員の知識・技術向上に力を入れています。具体的には、定期的な社内勉強会や社内グループウェアを活用した情報・技術共有を実施しています。また、より高度な修理やサポートに対応するため、修理・サポート専用部署を設置し、専任担当者の技術習得と設備増強を進めています。お客様の声をシステムで収集・分析し、必要なサービス提供に繋げる取り組みも行っています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
株式会社ZOAは、監査等委員会設置会社として、透明性の高い経営体制を構築しています。取締役会は経営に関する意思決定を行い、監査等委員会が業務執行の監督と監査を担っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は代表取締役社長執行役員の伊井一史氏です。上位には事業会社であるダイワボウ情報システムや複数の個人株主が名を連ねています。これにより、特定の株主が経営に影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 伊井 一史 | 17.33% |
| ダイワボウ情報システム | 11.55% |
| 長嶋 しのぶ | 11.55% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表取締役社長執行役員は伊井一史氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 伊井 一史 | 代表取締役 社長執行役員 | 1983年株式会社オリエントファイナンス入社。1999年同社入社、社長室長。2005年同社取締役就任。2013年同社代表取締役社長就任。2014年同社代表取締役社長執行役員より現職。 |
| 小野 秀樹 | 常務取締役 執行役員営業本部長 兼不動産事業本部長 | 1994年株式会社スリーエフ入社。2015年同社入社、新規事業部長。2017年同社執行役員営業本部長。2020年同社取締役執行役員。2022年同社常務取締役執行役員。2025年同社常務取締役執行役員営業本部長兼不動産事業本部長より現職。 |
| 安井 明宏 | 取締役 執行役員管理本部長 | 1995年ダイワボウ情報システム株式会社入社。2001年同社入社、販売推進課主任。2014年同社執行役員社長室長兼管理副本部長。2015年同社取締役執行役員社長室長兼管理本部長。2016年同社取締役執行役員管理本部長より現職。 |
社外取締役は、坂口央乙氏(坂口税理士事務所代表・監査等委員)、奥田徹平氏(奥田司法書士・土地家屋調査士・行政書士事務所代表・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社です。取締役会は経営の意思決定と業務執行の監督を行い、監査等委員会が監査機能を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、固定報酬(月額報酬)と譲渡制限付株式報酬で構成されています。個別の報酬額は、株主総会で決議された報酬総額の範囲内で、各々の経営能力や貢献度を考慮して代表取締役社長に一任されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 85百万円 | 28.4百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 8.0百万円 |
| 社外役員 | 2名 | 5百万円 | 2.5百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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