【平均年収651万円】WDI 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収651万円】WDI 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

WDIは、WDI JAPAN、Wolfgang's Steakhouse JAPANなどを傘下に持つ持株会社です。国内外で多様なレストランブランドを展開し、多くの従業員を擁しています。直近期は売上高が増加傾向にあり、経常利益も大きく伸びましたが、純利益は減少しました。


目次

※本記事は、株式会社WDI の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


WDIは持株会社であり、単体従業員数は5名、グループ連結従業員数は2,386名です。

同社グループは、様々な業態のレストランを運営しており、国内外で多岐にわたるブランドを展開しています。連結子会社16社を中心に事業を展開しています。

主な国内グループ会社は、WDI JAPAN・5(日本)、Wolfgang's Steakhouse JAPAN・3・5(同)、W Teppan Ginza 1chome(同)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


WDIグループは「ダイニングカルチャーで世界をつなぐ」という企業理念のもと、国内外で多様なブランドを展開しています。持株会社である同社グループは、多様性に富んだ人材が活躍できる環境づくりと、従業員の主体的なキャリア形成支援に力を入れています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員の主体的な挑戦と成長を促す人事制度を運用しており、職務や役割に基づいた処遇を行っています。平均勤続年数や平均年齢からは、一定の経験を積んだ人材が在籍している傾向が見られます。

なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 6,512,416円
平均勤続年数 10.7年
平均年齢 41.5歳
単体従業員数 5人
連結従業員数 2,386人
単体のグループ内比率 0.2%


退職給付制度として、確定給付型と確定拠出型の両制度を採用しています。これらの制度は一部の在外連結子会社において適用されています。

退職一時金制度は存在しますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。当連結会計年度末における退職給付債務は2百万円、確定拠出制度への要拠出額は11百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは「ダイニングカルチャーで世界をつなぐ」という企業理念のもと、レストラン事業を通じて「人と人」及び「文化と文化」を結びつける役割を担っています。企業の持続的な成長のためには、経営環境の変化に対応し、組織力の強化を図ることが重要であると認識しています。

人事制度を「キャリア・ディベロップメント・プログラム(CDP)」と位置づけ、従業員の主体的なキャリア形成を支援しています。評価・育成を通じた「人財を育てる仕組み」として運用されており、従業員の成長を後押しする方針です。

従業員給与は固定報酬としての基本給と、業績連動報酬としての賞与により構成されています。年齢、性別、勤続年数等に偏ることなく、職務や役割に基づいた処遇を行うことで、従業員の主体的な挑戦と成長を促進しています。多様性に富んだ人材の採用を国内外で進め、女性社員比率の向上や海外からの働く仲間の比率向上を重点テーマとしています。

具体的には、産休・育休制度や時短勤務制度の導入と、それらが活用される組織文化の浸透に努めています。また、簡単なマニュアルの多言語化や、共に働く仲間へのホスピタリティを発揮することで、より良い職場環境の構築を目指しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 株式会社WDI JAPAN

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 8.0%
男性労働者の育児休業取得率 61.5%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 74.7%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 77.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 93.8%

多様性・登用

指標 数値
女性社員比率(2025年度) 29.2%
国内の全従業員数に占める海外からの働く仲間の比率(2025年度) 15.8%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


WDIグループは、国内外で多様なレストランブランドを展開し、飲食サービスの提供を主力事業としています。持株会社体制のもと、各地域やブランドの特性に応じた事業運営を行っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、持株会社体制のもと、国内外で多岐にわたるレストラン事業を展開しています。顧客への飲食サービスの提供を主な収益源とし、一部の業態では衣料品や雑貨の販売も行っています。収益は料理提供時や物品引渡時に認識されます。

同社グループの事業は、主に以下の4つのセグメントに分かれています。

日本

国内で最も多くの店舗を展開し、多様なブランドの直営およびフランチャイズ運営を行っています。収益は、飲食サービスの提供および物品販売から得ています。運営は、WDI JAPANやWolfgang's Steakhouse JAPANなどが行っています。

北米

米国を中心にレストラン事業を展開しています。収益は、飲食サービスの提供から得ています。運営は、WDI International, Inc.、WDI Canada Restaurant, Inc.、W STEAK WAIKIKI, LLCなどが行っています。

ミクロネシア

ミクロネシア地域でレストラン事業を展開しています。収益は、飲食サービスの提供から得ています。運営は、WDI International, Inc.が行っています。

アジア

アジア地域でレストラン事業を展開しています。収益は、飲食サービスの提供から得ています。運営は、P.T. WDI Indonesiaが行っています。

同社グループは海外事業も展開しており、地域ごとの経済的特性を考慮した戦略を立案しています。直近の売上高を見ると、日本セグメントが最も大きく、前期から増加しています。北米セグメントとミクロネシアセグメントは前期から減少しましたが、アジアセグメントは前期から大きく増加しています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
日本 234億円 264億円
北米 70.6億円 66.0億円
ミクロネシア 12.8億円 12.1億円
アジア 2.4億円 3.5億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5年間で増加傾向にあります。経常利益は変動が見られますが、直近の当連結会計年度では大きく増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度において減少しています。これは特別利益の計上がある一方で、減損損失や店舗閉鎖損失といった特別損失も計上されたことによるものです。営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度で大幅に増加しており、本業での資金創出力は堅調に推移しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 192億円 262億円 310億円 320億円 345億円
経常利益 △6.6億円 9.1億円 15.9億円 7.0億円 13.9億円
経常利益率 △3.4% 3.5% 5.2% 2.2% 4.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 7.3億円 9.4億円 10.5億円 9.3億円 2.4億円
1株当たり当期純利益(円) 114.64 149.56 168.36 148.77 37.67

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から増加しています。従業員1人あたり営業利益も前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。これは、価格の適正化による客単価の向上やインバウンド消費の拡大、積極的な出店などが影響していると考えられます。組織全体の効率化が進んでいることを示唆しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 14.1百万円 14.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.3百万円 0.5百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


WDIグループの経営状況は、本業で着実に資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている段階にあります。財務基盤と資金の流れから、同社グループの安定性と成長への取り組みを見ていきましょう。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


WDIグループの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期からやや減少したものの、非製造業のプライム市場平均を上回る水準を維持しています。ROE(自己資本利益率)は前期から大きく減少しており、プライム市場平均を下回る水準となっています。手元資金である現金及び預金は増加しており、事業運営における資金の安定性を示しています。これらの状況は、同社グループの事業活動を支える上で重要な要素です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 81.1億円 79.4億円
自己資本比率 28.5% 27.4%
ROE(自己資本利益率) 15.6% 3.6%
現金及び預金 51.5億円 57.8億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


WDIグループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費、減損損失の計上により、前期から大きく増加しています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得や敷金及び保証金の差入による支出が増加したため、前期よりも減少幅が拡大しています。これにより、事業活動で得た資金を上回る投資を行っている状況です。

財務活動によるキャッシュフローは、長期借入による収入が増加した一方で、長期借入金の返済や配当金の支払いが減少要因となり、前期の減少から増加に転じています。これらの資金の流れから、同社グループは本業で安定的に資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた積極的な投資を行っていることがうかがえます。これは、入社後の事業拡大や新たな挑戦の機会に繋がり、雇用や給与の安定性にも寄与する可能性があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 3.3億円 17.2億円
投資CF △2.5億円 △21.1億円
財務CF △6.7億円 7.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 0.8億円 △3.9億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


WDIグループは、外食事業における競争激化のリスクを認識しており、市場規模の縮小が見込まれる中で、各ブランドの独自性を高める方針を示しています。また、海外での事業展開に伴う経済要因や法的規制の変更、為替相場の変動など、海外活動に係るリスクも存在します。

③ 人材・組織に関するリスク


WDIグループは、優秀な人材の継続的な確保を重要な経営課題と認識しています。必要な人材が確保できない場合や、採用費用・人件費が著しく上昇した場合には、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


WDIは、「ダイニングカルチャーで世界をつなぐ」という企業理念のもと、国内外でレストラン事業を展開する持株会社です。多様な食文化を世界に広めることを使命とし、ホスピタリティを重視する企業風土を築いています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


WDIグループは、「ダイニングカルチャーで世界をつなぐ」を企業理念としています。世界の様々な国と地域で育まれた食文化を担い、その伝道師の役割を果たすことを使命としています。

この企業理念を実現するため、「ホスピタリティ」「本物志向」「チャレンジスピリッツ」「グローバル」をキーワードに、国内外でレストラン事業を展開しています。安心・安全を基盤とした個性ある食事の楽しみ方を提供し続けることで、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


WDIグループは、企業理念を実現するためのキーワードとして「ホスピタリティ」「本物志向」「チャレンジスピリッツ」「グローバル」を掲げています。2025年度からは「信頼されるブランド創り」をテーマとし、「ホスピタリティ」「本物志向」「チャレンジスピリッツ」「グローバル」「サステイナビリティ」の5つのフィロソフィーを念頭に置いています。

DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)の推進を重視し、スタッフ一人ひとりの多様性を尊重し、お互いを理解することで誰もが安心して働けるインクルーシブな職場環境の実現を目指しています。お客様だけでなく、一緒に働く仲間へのホスピタリティを大切にするカルチャーが醸成されています。

多様な人財が働くことを重視しており、国内外で様々な文化や価値観を持つ人財の採用を進め、新たなアイデア創出や企業価値向上に寄与すると考えています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


WDIグループは、少子高齢化に伴う労働力不足や原材料・エネルギー価格高騰など、外食産業を取り巻く課題に対応しています。2025年度より「Brand Lab Project」をスタートし、ブランドのコンセプトやストーリーの理解を深め、スタッフ一人ひとりがブランドの伝道師となることを目指しています。

Q.S.C.A(Quality・Service・Cleanliness・Atmosphere)の向上に日々取り組み、マルチブランドそれぞれの個性を磨き上げ、独自性の高いブランドづくりを確立しています。サステイナビリティ経営として「環境」「食材」「人財」の3つのテーマでアクションを進めており、特に「人財」においては「働きがい認定企業」に認定されています。

働く環境の整備を進め、定着率向上を目指す取り組みや、女性社員比率の向上、海外からの人財の受け入れ促進にも注力しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


WDIは監査役制度を採用しており、取締役会による業務執行の監督と監査役による監査を軸とした経営監視体制を構築しています。取締役会は少数の意思決定機関とすることで、経営環境の変化に迅速かつ効率的な経営判断ができる体制を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


WDIの株主構成を見ると、筆頭株主はSoken Corp.であり、創業家である清水洋二氏や清水謙氏も上位株主として名を連ねています。関連会社と創業家が上位を占める資本構成となっています。

株主名 持株比率
Soken Corp. 24.13%
清水 洋二 9.36%
清水 謙 2.46%


なお、前事業年度末において主要株主であった清水洋二氏は、当事業年度末時点では主要株主ではなくなりました。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長は清水謙氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
清水 謙 代表取締役 社長 1992年さくら銀行入行、1993年Soken Corp.代表取締役社長、1998年同社入社取締役、2008年同社代表取締役社長より現職。
清水 洋二 取締役 会長 1963年東急不動産入社、1971年同社代表取締役社長、2008年同社取締役会長より現職。
佐々木 智晴 取締役 管理本部本部長 1989年太陽神戸銀行入行、2001年同社入社、2006年同社取締役より現職。
堀内 順 取締役 1993年同社入社、2007年P.T. WDI Indonesiaプレジデント・ダイレクター、2015年同社取締役より現職。


社外取締役は、中谷巌氏(株式会社不識庵 代表取締役)、阿部佳氏(合同会社ケイプラス 代表社員)です。

同社は監査役制度を採用している会社です。社外取締役2名を選任しており、経営全般について客観的な立場から幅広い提言を得ています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社では、取締役の報酬は固定報酬としての基本報酬と非金銭報酬としての株式報酬により構成されています。基本報酬と非金銭報酬の構成割合は、他社の動向や取締役報酬の水準等を踏まえ、企業価値向上のための適切なインセンティブとなるように決定されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 1.4億円 33.9百万円
社外役員 5名 29百万円 5.8百万円


上表には使用人兼務取締役の使用人給与相当額が含まれておりません。また、譲渡制限付株式報酬の総額は、当事業年度に費用計上した額であります。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。