【平均年収571万円】富山銀行 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収571万円】富山銀行 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

富山銀行は、富山県及び石川県を主要な営業基盤とし、グループ各社とともに銀行業務やリース業務などの金融サービスを展開しています。連結従業員数325名で、直近期は増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社富山銀行 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


富山銀行は、銀行業務を中心にリース業務などの金融サービスを展開しています。同社は富山県及び石川県を主要な営業基盤とし、これらの業務に積極的に取り組んでいます。

単体従業員数は319名、連結従業員数は325名です。セグメントは銀行業、リース業、その他の3つです。

主な国内グループ会社は、富山リース(リース業)、富山保証サービス(その他)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


富山銀行は、地域に根差した金融機関として、従業員の働きがいと成長を重視する企業文化を持っています。サステナビリティへの取り組みを経営の重要課題と位置づけ、人的資本経営を通じて持続可能な地域社会の実現を目指しています。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社グループがどのような環境を提供しているのかを見ていきましょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


富山銀行では、従業員の定着性が高く、長期的なキャリア形成が期待できる環境が整っていることがうかがえます。平均勤続年数や平均年齢のデータからは、安定して働き続けられる職場であることが示されています。

項目 数値
平均年間給与 5,713,000円
平均勤続年数 16.3年
平均年齢 41.8歳
単体従業員数 319人
連結従業員数 325人
単体のグループ内比率 98.2%


同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。同社および連結子会社を対象としています。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は15.8億円、年金資産は22.0億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


富山銀行グループは、第7次中期経営計画において人的資本経営を重点戦略の一つに掲げています。パーパスである「地域を愛し、お客さまに常に寄り添い続け、最も頼りにされる銀行を実現」を達成するため、人材の確保、育成、長期的に働ける職場づくり、そして環境変化や経営戦略に対応した人財アロケーションを推進しています。

給与決定においては、人材の採用・定着・モチベーション維持向上を目的とした方針が定められています。具体的には、個人の職務遂行度や成果、組織への貢献度、自己成長意欲を公正に評価し、給与や賞与に反映させる成果および役割に基づく評価制度を導入しています。また、地域金融業界や富山県内企業等の賃金動向を考慮し、競争力を保つための適正な報酬水準の維持に努めています。ダイバーシティ推進のため、多様な働き方を尊重する柔軟な報酬制度も設けています。

人材育成プランとして、「能力開発」「エンゲージメント」「DE&I」の3つの柱を掲げ、人材レベルの底上げと多様な専門人材の育成、働きがいと幸福を実感できる職場づくりを目指しています。能力開発では、体系的な行内・行外研修制度やセミナー、資格取得助成を通じてキャリア形成を支援しています。エンゲージメント向上に向けては、エンゲージメントサーベイの導入や特別有給休暇の増加、福利厚生の充実に取り組んでいます。DE&Iの推進では、女性職員のキャリア支援として、ライフイベントと仕事の両立支援制度や、若手から管理職昇格前までの各節目に応じたキャリア研修を実施しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結グループにおける記載が困難なため、提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
女性管理職比率 3.0%
男性育児休業取得率 100.0%
男女賃金差異(全労働者) 60.0%
男女賃金差異(正規雇用) 64.7%
男女賃金差異(非正規雇用) 72.3%

多様性・登用


連結グループにおける記載が困難なため、提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
総合職に占める女性の割合 16.0%
管理職に占める中途採用者の割合 13.1%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


富山銀行グループは、地域に根ざした金融機関として、銀行業務を中核に据え、リース業務をはじめとする多様な金融サービスを提供しています。顧客のニーズに応じた幅広いサービスを通じて収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、銀行業務を中心にリース業務などの金融サービスを展開しています。事業は主に「銀行業」と「リース業」の二つの報告セグメントと、その他の事業セグメントで構成されています。

銀行業

預金業務、貸出業務、国内為替業務、外国為替業務、証券投資信託・保険商品窓口販売業務など、多岐にわたる金融サービスを提供しています。収益は、預金や貸出金からの利息収入、有価証券の運用益、各種役務取引等から得ています。運営は、富山銀行が行っています。

リース業

リース業務を専門に行っています。収益は、顧客へのリース契約に基づくリース料収入から得ています。

その他の事業セグメント

報告セグメントには含まれない保証業務を行っています。

同社グループの経常収益は、有価証券関係収益の増加が影響しています。また、特定の顧客に収益が集中することはありません。事業活動は主に日本国内で行われており、海外の外部顧客に対する経常収益は連結経常収益の90%を超えないため、海外比率は低い傾向にあります。

セグメント 経常収益(2025年3月期) 経常収益(2026年3月期)
銀行業 80.5億円 120億円
リース業 16.1億円 17.4億円
その他の事業セグメント 36百万円 33百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、経常収益は変動しながらも直近の期で大きく増加しています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も、直近の期で増加傾向を示しています。特に当連結会計年度においては、有価証券関係収益の増加が経常収益の増加に寄与しました。また、株式等関係損益の増加や与信費用の減少が経常利益の増加につながっています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
経常収益 84.6億円 108億円 101億円 96.8億円 138億円
経常利益 3.8億円 16.0億円 7.9億円 12.9億円 17.8億円
経常利益率 4.4% 14.8% 7.8% 13.3% 12.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 3.3億円 9.7億円 6.3億円 9.5億円 10.5億円
1株当たり当期純利益(円) 61.32 179.72 116.68 177.35 196.31

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの経常収益は、前期と比較して増加しています。また、従業員1人あたりの経常利益も前期から増加傾向にあります。これらの指標の改善は、組織全体の効率化や収益体質の強化が進んでいることを示唆しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり経常収益(連結) 28.7百万円 42.4百万円
従業員1人あたり経常利益(連結) 3.8百万円 5.5百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


富山銀行は、財務基盤の安定性を維持しつつ、将来に向けた投資を継続している状況です。資金の流れからは、事業活動で得た資金を投資に充てていることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


富山銀行の財務基盤は、事業活動を支える重要な要素です。純資産や自己資本比率は、同社グループの健全性を示す指標となります。また、手元資金の状況は、不測の事態への耐性や事業継続能力に関わるため、入社後の雇用や給与の安定性を考える上で注目すべき点です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 294億円 320億円
自己資本比率 5.1% 5.5%
ROE(自己資本利益率) 3.2% 3.5%
現金預け金 307億円 318億円


なお、銀行は預金が主な負債のため、一般的な計算式による自己資本比率は構造上低くなります。規制上は国内基準4%以上・国際統一基準8%以上が求められます。

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュ・フローを見ると、当連結会計年度の営業活動による資金の出入りはプラスとなりました。これは主に預金が増加したことによるものです。一方、投資活動による資金の出入りはマイナスとなっており、有価証券の取得による支出が増加したことが主な要因です。財務活動による資金の出入りもマイナスで、自己株式の取得による支出が減少したことが影響しています。

これらの結果、フリーキャッシュ・フローはマイナスとなりました。同社グループは、事業活動で得た資金を投資に充てている状況であり、将来に向けた事業展開への姿勢がうかがえます。これは、中長期的な成長性や、それに伴う雇用・給与の安定性に関わる重要な情報です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △40.4億円 93.7億円
投資CF 18.7億円 △95.5億円
財務CF △4.5億円 △2.7億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △21.8億円 △1.8億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは富山県を主要な営業基盤としており、地域経済の動向が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、地元競合他行やメガバンク、ノンバンク等との競争激化もリスクとして認識しています。これらの要因は、同社グループの収益性や事業成長に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、人事運営上の不公平・不公正・差別的行為から生じる損失・損害を人的リスクとして認識しています。これにより、経済的な損失や社会的な信用の失墜につながる可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


富山銀行は、地域社会への貢献と健全な経営を追求し、お客さまからの信頼を最も大切にする企業文化を築いています。変化する金融経済環境に対応しながら、地域に根差した存在意義の実現を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


富山銀行は1954年の創業以来、「健全経営を維持しお客さまから信頼されること」、「地域経済の発展とお客さまのご繁栄を通して社会貢献を図ること」、「創造性、自発性を尊重し明るい企業文化を創ること」を経営理念としています。

同社グループは2024年4月より、第7次中期経営計画「Change & Challenge」を開始しました。

新たに制定したパーパス(存在意義)は、「地域を愛し、お客さまに常に寄り添い続け、最も頼りにされる銀行を実現します」です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


富山銀行は、経営理念に基づき、人材を「人財」ととらえ、お客さまの課題解決に向けた多様な人材の育成と、従業員一人ひとりが活躍可能な働きがいのある職場環境の整備を推進しています。

同社グループは、持続可能な地域社会の実現、健全な経営管理態勢の確立、働きがいのある職場環境創りをSDGsへの取り組みの重点推進項目としています。

また、気候変動を含む環境や社会に係るリスク・機会への対応方針や取組計画について、経営会議及び取締役会に定期的に報告・審議し、ガバナンスを重視する姿勢を示しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、少子高齢化の進展や人口動向の変化、競争の激化、海外情勢の影響など、先行き不透明な経営環境に直面しています。

こうした中、株式会社Plan・Do・Seeとの提携により、北陸エリア等におけるホスピタリティ産業の成長・発展を通じた地域の所得向上や雇用創出・人材開発に取り組んでいます。

また、第7次中期経営計画のもと、ガバナンス態勢の強化、法令等遵守、お客さま本位の業務運営の実践、各種リスク管理の態勢強化を進め、地域社会の持続的な発展に貢献することを目指しています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


富山銀行は、意思決定の透明性・公共性を確保し、迅速かつ果断な経営を通じて企業価値の向上を図ることをコーポレート・ガバナンスの要諦としています。取締役会は経営に関する重要事項を決定し、取締役の職務執行を監督する体制です。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


富山銀行の株主構成を見ると、複数の事業会社や従業員持株会が上位に名を連ねています。筆頭株主は株式会社Plan・Do・Seeであり、その他にも株式会社北陸銀行、株式会社ホクタテといった事業会社が主要株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
Plan・Do・See 4.90%
北陸銀行 4.38%
ホクタテ 3.35%
トナミホールディングス 3.01%
富山銀行従業員持株会 2.80%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は13名(男性12名・女性1名)で構成され、女性役員比率は7.0%です。代表取締役頭取は中沖雄氏が務めています。社外取締役比率は38.5%です。

氏名 役職 主な経歴
中 沖 雄 取締役頭取(代表取締役) 1986年株式会社日本興業銀行入行、2002年みずほ証券株式会社不動産投資銀行部長、2016年同社執行役員、2019年同社入行、2020年取締役頭取より現職。
森 永 利 宏 取締役専務執行役員 1984年同社入行、2006年総合企画部リスク統括室長、2011年取締役経営企画室長兼総合企画部長、2021年取締役常務執行役員、2025年取締役専務執行役員より現職。
髙 田 恭 介 取締役専務執行役員 1982年日本銀行入行、2006年同行秋田支店長、2011年同行札幌支店長、2017年名古屋鉄道株式会社専務取締役CFO、2019年矢作建設工業株式会社代表取締役副社長、2024年同社取締役執行役員、2025年取締役専務執行役員より現職。
寺 尾 晋 一 取締役常務執行役員リスク統括室担当 1987年株式会社三菱銀行入行、1996年株式会社東京三菱銀行ニューヨーク支店、2016年三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社、2023年同社入行、2025年取締役常務執行役員リスク統括室担当より現職。
末 武 真 吾 取締役執行役員本店営業部長 1994年同社入行、2011年営業統括部企画役、2020年取締役金沢営業部長、2023年取締役執行役員金沢営業部長、2025年取締役執行役員本店営業部長より現職。
金 田 卓 也 取締役執行役員経営管理部長 1993年同社入行、2011年駅南支店長、2019年経営管理部長、2021年執行役員経営管理部長、2023年取締役執行役員経営管理部長より現職。
西 岡 浩 紀 取締役執行役員事務部長 1990年同社入行、2009年事務部企画役、2017年審査部資産査定管理室長、2022年事務部長、2024年執行役員事務部長、2025年取締役執行役員事務部長より現職。


社外取締役は、大澤眞氏(株式会社フィーモ代表取締役)、野田万起子氏(Human Delight株式会社代表取締役)、海下巧氏(海下巧公認会計士事務所開設・監査等委員)、新田洋太朗氏(日本海ガス絆ホールディングス株式会社代表取締役社長・監査等委員)、山口省蔵氏(株式会社金融経営研究所代表取締役所長・監査等委員)です。

同社は2025年6月27日開催の定時株主総会の決議に基づき、監査等委員会設置会社へ移行しています。委員の過半数が社外取締役で構成される監査等委員会が業務執行の監査・監督を担い、透明性の高い経営を実現しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


富山銀行の取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬、および株式報酬により構成されています。監督機能を担う社外取締役(監査等委員である取締役を除く)については、その職務に鑑み基本報酬のみを支払うこととしています。業績連動報酬は連結経常利益を指標とし、株式報酬は譲渡制限付株式報酬を年1回支給する体系です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 7名 1.1億円 16.4百万円
監査等委員(社外除く) 1名 8百万円 8.0百万円
監査役(社外除く) 1名 2百万円 2.0百万円
社外役員 7名 19百万円 2.7百万円


同社は2025年6月27日開催の定時株主総会の決議に基づき、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しました。取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)に対する非金銭報酬等の総額の内訳は、業績連動報酬及び非金銭報酬として譲渡制限付株式報酬を支給しています。使用人兼務役員の使用人給与相当額は23百万円、員数は3名です。

連結報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。