※本記事は、株式会社福島銀行 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
福島銀行は銀行業を中核とし、リース業務、クレジットカード業務、信用保証業務などの金融サービスをグループ各社とともに展開しています。地域金融機関として地元に密着した営業活動を行っています。
単体従業員数は414名、連結従業員数は460名です。同社グループの事業セグメントは、銀行業、リース業、クレジットカード業・信用保証業の3つです。
主な国内グループ会社は、ふくぎんリース&クレジット、東北バンキングシステムズ(ソフトウェア開発・運用業務)、ふくぎん地域活性化投資(投資事業業務)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
福島銀行は、地域金融機関として安定した事業基盤を持つ企業です。従業員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていると考えられます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の長期的な活躍を支援する環境が整っており、平均勤続年数から従業員の定着傾向がうかがえます。また、平均年齢は働き盛りの世代が中心となっており、経験豊富な人材が多数在籍していることが示されています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,324,000円 |
| 平均勤続年数 | 19.0年 |
| 平均年齢 | 43.4歳 |
| 単体従業員数 | 414人 |
| 連結従業員数 | 460人 |
| 単体のグループ内比率 | 90.0% |
同社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の制度を採用しています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
確定給付型の退職給付債務は15.5億円、年金資産は17.1億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
福島銀行は、地域社会の持続的な発展と当行の成長には人材が極めて重要な「資本」であると認識しています。中期経営計画において「人材開発」を基本戦略の一つと位置づけ、人的資源の最適配置と質的・量的向上を図っています。デジタル技術の活用による業務効率化で創出した経営資源を顧客接点に重点配分し、コンサルティング力の高い人材の育成・活躍を推進しています。
従業員の給与その他の給付は、能力、職務内容、成果、会社全体の業績および市場水準等を総合的に勘案して決定されます。給与体系は、号俸給、資格給、職務給から構成される基本給と各種手当で成り立っています。資格給は人事考課に基づく資格等級、職務給は担当職務および職位に応じて決定されます。賞与は会社全体の業績と個人評価に基づき支給され、業績および成果に応じた体系となっています。
人材育成においては、キャリアパスの見える化や社員能力の可視化を通じて高度化を図り、OJTを中心とした育成施策やフェロー制度の導入により若手社員の早期育成に注力しています。また、外部パートナーとの連携を活用し、事業承継、M&A、デジタルトランスフォーメーション(DX)、有価証券運用等の専門分野における高度人材の育成を進めています。計画的なジョブローテーションや行内公募制度、外部出向、自己啓発支援等を通じて、社員自らが挑戦できる機会の創出と自律的なキャリア形成を支援し、従業員のエンゲージメント向上を通じて企業風土の醸成を図っています。仕事と家庭の両立を支援する各種制度の整備も進め、多様な人材が安心して働き続けられる職場環境の整備に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 25.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 133.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 64.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 70.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 55.8% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
福島銀行グループは、地域に根差した金融サービスを提供しており、銀行業務を中核に据えつつ、多様な金融サービスを展開しています。地域社会の発展に貢献しながら、事業の拡大を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、銀行業務を中心に、リース業務、クレジットカード業務、信用保証業務などの金融サービスを提供しています。地域金融機関として地元に密着した営業活動を展開し、業容拡大に取り組んでいます。
銀行業
預金業務、貸出業務、為替業務、およびそれらに付随する業務等を通じて、地域に密着した金融サービスを提供しています。収益は、これらの金融サービスから得ています。運営は、福島銀行本店および支店、出張所のほか、連結子会社の東北バンキングシステムズ(ソフトウェア開発・運用業務)とふくぎん地域活性化投資(投資事業業務)が行っています。
リース業
リース業務を提供しています。収益は、リース取引から得ています。運営は、株式会社ふくぎんリース&クレジットのリース事業部が行っています。
クレジットカード業・信用保証業
クレジットカード業務および信用保証業務を提供しています。収益は、クレジットカード業務および信用保証業務から得ています。運営は、株式会社ふくぎんリース&クレジットのクレジット事業部が行っています。
同社グループの収益は、本邦の外部顧客に対する経常収益が連結経常収益の90%を超えるため、国内事業に集中していることがわかります。特定の顧客に対する経常収益で連結損益計算書の経常収益の10%以上を占めるものはありません。
| セグメント | 経常収益(2025年3月期) | 経常収益(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 銀行業 | 110億円 | 128億円 |
| リース業 | 23.3億円 | 22.6億円 |
| クレジットカード業・信用保証業 | 1.2億円 | 1.2億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの経常収益は、直近5年間で増加傾向にあります。特に当期は前期から大きく増加しました。
経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に損失を計上しましたが、当期は黒字に転換し、大幅な改善を示しています。これは、前期に計上された次世代バンキングシステム更改に伴う一過性費用の剥落などが影響していると説明されています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 経常収益 | 132億円 | 133億円 | 133億円 | 134億円 | 152億円 |
| 経常利益 | 7.9億円 | 11.4億円 | 11.9億円 | △11.8億円 | 6.9億円 |
| 経常利益率 | 6.0% | 8.6% | 8.9% | △8.8% | 4.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 8.3億円 | 8.7億円 | 8.7億円 | △12.5億円 | 7.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 29.56 | 31.05 | 30.98 | △39.26 | 21.12 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり経常収益(連結)は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたり経常利益(連結)も前期の損失から当期は黒字に転換し、改善が見られます。
これらの指標の改善は、同社グループの収益体質が強化され、組織の効率化が進んでいることを示唆しています。従業員一人ひとりの貢献度が高まっている傾向にあると言えます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり経常収益(連結) | 28.3百万円 | 33.0百万円 |
| 従業員1人あたり経常利益(連結) | △2.5百万円 | 1.5百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
福島銀行は、資金の出入りが活発な状況にあり、財務基盤の健全性と資金の流れを理解することが重要です。これらの情報は、入社後の安定性を判断する上で役立ちます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
福島銀行の財務基盤を見ると、自己資本と手元資金の状況が確認できます。自己資本比率は前期から横ばいの傾向を示しており、ROEは前期のマイナスからプラスに転じています。手元資金である現金預け金は減少している状況です。これらの財務状況は、同社グループの事業運営における安定性や将来の成長性を示す指標となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 241億円 | 239億円 |
| 自己資本比率 | 3.0% | 3.0% |
| ROE(自己資本利益率) | △5.1% | 3.1% |
| 現金預け金 | 556億円 | 313億円 |
なお、銀行は預金が主な負債のため、一般的な計算式による自己資本比率は構造上低くなります。規制上は国内基準4%以上・国際統一基準8%以上が求められます。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
福島銀行のキャッシュフローは、当連結会計年度において、営業活動、投資活動、財務活動のそれぞれで資金の動きが見られます。営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の減少及び貸出金の増加を主な要因として、前期から減少してマイナスとなっています。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出があったものの、前期と比較してマイナス幅が大きく縮小しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、前期のプラスからマイナスに転じています。これらのキャッシュフローの状況は、同社グループが資金をどのように調達し、運用しているかを示しており、今後の事業展開や雇用・給与の安定性を判断する上で重要な情報となります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △152.0億円 | △231.4億円 |
| 投資CF | △95.2億円 | △6.4億円 |
| 財務CF | 17.7億円 | △1.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △247.2億円 | △237.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの主たる業務である銀行業務において保有している金融資産は、主として福島県内の企業及び個人に対する貸出金であり、取引先の契約不履行によってもたらされる信用リスクに晒されています。また、当行の主要な資産及び負債は、貸出金及び預金のほか、国債・株式・各種債券等により形成されており、金利や株価、為替相場などが大きく変動した場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
役職員が不正確な事務又は不正や過失等に起因する不適切な事務を行った場合には、同社グループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
福島銀行は、地元福島への貢献を掲げ、お客さまの課題に真摯に向き合うことを大切にしています。デジタル技術を活用しながら、地域社会の発展と社員の幸福を追求する企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
福島銀行は、「福島のために」「お客さまのために」「そして未来を育むために」という三つの経営理念を掲げています。地元企業の支援やお客さまの資産形成を通じて福島の発展に貢献することを目指しています。
また、お客さまの課題に正面から向き合い、高い倫理観を持って行動することを重視しています。お客さまの幸せを追求できる人材の育成に尽力し、生き甲斐と幸福感をもって働ける職場づくりを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、新中期経営計画「SHINふくぎん 中期経営計画」において、「『デジタル』のチカラで『リアル』の力を最大化」を基本方針としています。DXを推進し、お客さま利便性の向上を図ることを行動指針の一つとしています。
お客さまとの深いコミュニケーションを通じて伴走支援を強化し、課題に真摯に向き合い、信頼される人材の育成に取り組んでいます。自由な発想でビジネスモデルの進化を図り、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。また、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できるよう、挑戦の機会創出と自律的なキャリア形成支援に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、次世代バンキングシステムの活用による業務効率化を一層進めることを重要な課題と認識しています。創出された人的資源を最大限に活用し、対面による「事業者支援」ならびに「資産形成支援」の高度化を図る方針です。
FutureBANKやコパイロット等のデジタルツールを活用し、営業活動の量的拡大と質的向上を両立させることに取り組んでいます。併せて、エリア営業体制のもとでの人材育成やマネジメントの高度化を図り、営業現場における実行力の一層の強化に努めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
福島銀行は監査役会設置会社であり、取締役会が取締役の職務遂行を監督し、監査役会が取締役会の業務執行を監査する体制をとっています。社外取締役3名および社外監査役2名を選任することで、経営の透明性確保とコーポレート・ガバナンスの強化に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主はSBI地銀ホールディングスであり、同社グループが経営に影響力を持つ資本構成となっています。従業員持株会も上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| SBI地銀ホールディングス | 34.12% |
| 技研ホールディングス | 5.35% |
| 福島銀行従業員持株会 | 2.87% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 2.43% |
| アラジン | 1.54% |
なお、SBI地銀ホールディングスは2024年9月6日現在で所有株式数が11,900千株となっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長は鈴木岳伯氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 鈴木 岳伯 | 取締役社長代表取締役 | 1992年同社入行。荒井支店長、組織開発室長、平支店長、執行役員営業本部副本部長、取締役郡山営業部長、常務取締役企画本部長を経て、2025年6月より取締役社長(現職)。 |
| 加藤 容啓 | 取締役会長代表取締役 | 1980年株式会社東邦銀行入行。市場金融部長、総合企画部長、取締役総合企画部長、常務取締役、専務取締役、福島商事株式会社取締役会長、とうほう証券株式会社代表取締役社長、取締役社長を経て、2025年6月より取締役会長(現職)。 |
| 佐藤 俊彦 | 取締役融資・リスク統括部担当 | 1991年同社入行。法人営業チーム企業支援室長、再生支援室長、与信管理室長、与信統括部長、執行役員審査部長兼与信統括部長、取締役業務本部長兼審査部長兼与信統括部長、取締役本店営業部長、取締役業務本部長兼与信統括部長、株式会社ふくぎんリース&クレジット取締役社長を経て、2025年7月より取締役融資・リスク統括部担当(現職)。 |
| 草野 真之 | 取締役営業統括部担当 | 1991年同社入行。岡部支店長、植田支店長、本宮支店長、営業統括室長、営業支援部長、営業戦略部長、法人営業部長、執行役員営業本部副本部長兼法人営業部長、執行役員平支店長、執行役員営業本部長兼市場金融部長、取締役営業本部長兼市場金融部長を経て、2025年7月より取締役営業統括部担当(現職)。 |
社外取締役は、二瓶由美子氏(桜の聖母短期大学教授)、石井浩氏(福島県商工会議所連合会常任幹事兼福島商工会議所専務理事)、竹内淳一郎氏(SBIネオファイナンシャルサービシーズ取締役副社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会は取締役7名で構成されています。取締役・監査役10名中5名が社外役員で構成されており、相互牽制が図られ、中立的な監督・監査機能が十分に発揮される体制となっています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブが機能するよう設計されています。業務執行取締役の報酬は固定報酬としての基本報酬のみとし、監督機能を担う社外取締役も基本報酬としています。基本報酬は、役位、職責、在任年数に応じて他行水準、同社の業績、従業員給与の水準を総合的に勘案して決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 69百万円 | 13.8百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 11百万円 | 11.0百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 26百万円 | 5.2百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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