※本記事は、株式会社大東銀行 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
大東銀行は、銀行業を中心に、クレジットカード事業、リース事業、信用保証事業などの金融サービスを展開しています。本店と56の支店を通じて、地域に根ざした営業活動を行っています。
単体従業員数は405名、連結従業員数は413名です。同社グループの事業セグメントは、銀行業務、リース業務、その他の3つです。
主な国内グループ会社は、大東リース(リース業務・その他)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社大東銀行は、地域社会の発展に貢献する金融機関として、従業員の働きがいと成長を重視しています。ここでは、同社の給与水準や働き方の特徴、人材育成への取り組みについてご紹介します。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が17.3年と長く、従業員が安定してキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も40.1歳となっており、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,707,000円 |
| 平均勤続年数 | 17.3年 |
| 平均年齢 | 40.1歳 |
| 単体従業員数 | 405人 |
| 連結従業員数 | 413人 |
| 単体のグループ内比率 | 98.1% |
同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。これらの制度は国内グループ会社に適用されます。
退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。当連結会計年度末における退職給付債務は11.4億円、年金資産は7.7億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
大東銀行は、経営理念である「共創力と提案力で地域の豊かな未来を実現する」のもと、地域社会やお取引先の課題解決を通じて新たな価値を創造し、地域の豊かな未来を実現することを目指しています。第7次中期経営計画では「人財基盤の強化」を主要テーマに掲げ、持続的成長と企業価値向上を図る方針です。
人材の確保においては、男女や年齢に関係なく、内外の課題解決に積極的に挑戦する柔軟な発想を持つ人材を求めています。従業員の給与は、仕事の難易度や責任の重さ、意欲、実績、能力、経験、成長期待度に応じて年齢に関係なく支給され、賞与は銀行の業績と個人の貢献度合いに基づいて決定されます。
人材育成では、職員のスキルレベル向上と能力開発のため、育成のPDCA管理や全店一斉職場研修を毎週定例開催しています。入社から5年目までの職員を対象としたキャリア形成支援研修や、資格取得支援として受験料負担などの自己啓発促進策も実施しています。
社内環境整備においては、若手・女性・シニア人材の積極登用を進め、女性活躍の促進と育児支援に力を入れています。具体的には、女性管理職登用を促すジョブローテーション、産休・育休者への職場復帰支援や情報配信、育児時短制度の活用・拡充、育児環境に配慮した人事異動などに取り組んでいます。また、定時退行の継続と年間14日間の休暇取得奨励により、ワークライフバランスの拡充も図っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的な地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 15.5% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 59.4% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 63.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 57.3% |
人材育成方針・社内環境整備方針における指標目標及び進捗状況
これらの指標は、同社グループにおいて主要な事業を営む大東銀行単体の計数です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職(次長職)に占める女性割合 | 15.5% |
| 有給休暇取得率 | 69.2% |
| 営業担当者の女性割合 | 25.6% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
大東銀行グループは、銀行業を中核事業として、地域に根ざした金融サービスを幅広く提供しています。預金や貸出といった伝統的な銀行業務に加え、リース事業、クレジットカード事業、信用保証事業なども展開し、多様な顧客ニーズに応える事業構造となっています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、銀行業を中心とした金融サービスを提供しており、主に預金や貸出、有価証券投資などから収益を得ています。地域に密着した営業活動を通じて、個人および法人顧客の金融ニーズに対応しています。海外での事業展開はなく、収益はすべて国内の顧客との取引から生じています。また、特定の顧客に収益が集中している状況は見られません。
銀行業務
銀行業務では、預金、貸出、有価証券投資、内国為替、証券投資信託、保険商品の窓口販売業務などを手掛けています。地域に根ざした営業を展開し、顧客へのサービス向上に積極的に取り組んでいます。収益は、貸出金利息や有価証券利息配当金などの資金運用収益が中心です。当連結会計年度の経常収益は前期から増加し、経常利益も増益となりました。
リース業務
リース業務では、ファイナンス・リース等の業務を行っています。収益は、リース事業からの経常収益から得ています。当連結会計年度の経常収益は前期から減少しており、経常利益も減益となりました。
その他の事業セグメント
その他の事業セグメントには、クレジットカード事業と信用保証事業が含まれます。住宅ローン等を利用する顧客への信用保証業務や、カード利用による消費活動に対する与信と決済代行を行うクレジットカード業務を提供しています。当連結会計年度の経常収益は前期から減少しましたが、経常利益は増益となりました。
| セグメント | それぞれ経常収益(2025年3月期) | それぞれ経常収益(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 銀行業務 | 118億円 | 141億円 |
| リース業務 | 11.2億円 | 10.7億円 |
| その他の事業セグメント | 3.0億円 | 2.8億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの経常収益は、過去5年間で変動が見られましたが、直近の当連結会計年度では大きく増加しました。経常利益も同様に変動しつつも、当連結会計年度において増加傾向を示しています。親会社株主に帰属する当期純利益も、直近の当連結会計年度で増加となりました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 経常収益 | 129億円 | 130億円 | 136億円 | 132億円 | 155億円 |
| 経常利益 | 21.9億円 | 20.2億円 | 18.9億円 | 20.2億円 | 24.9億円 |
| 経常利益率 | 17.0% | 15.5% | 13.9% | 15.2% | 16.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 12.0億円 | 12.8億円 | 12.6億円 | 13.3億円 | 16.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 94.81 | 101.38 | 99.02 | 105.06 | 132.66 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり経常収益(連結)は、前期から増加しています。また、従業員1人あたり経常利益(連結)も前期から増加しました。これらの指標の改善は、同社グループの生産性が向上している傾向を示しており、組織全体の効率化が進んでいることがうかがえます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり経常収益(連結) | 31.6百万円 | 37.5百万円 |
| 従業員1人あたり経常利益(連結) | 4.8百万円 | 6.0百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務の安定性の観点から、同社グループの現在の状況を示します。資金の出入りには銀行業特有の動きが見られます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、純資産は前期から減少しています。自己資本比率は前期から低下しており、ROE(自己資本利益率)は前期から上昇しています。手元資金を示す現金預け金は前期から減少しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 327億円 | 300億円 |
| 自己資本比率 | 3.7% | 3.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.8% | 5.5% |
| 現金預け金 | 353億円 | 343億円 |
なお、銀行は預金が主な負債のため、一般的な計算式による自己資本比率は構造上低くなります。規制上は国内基準4%以上・国際統一基準8%以上が求められます。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローは前期に比べてマイナス幅が大幅に縮小しました。これは主に貸出金の増加によるものです。投資活動によるキャッシュフローは前期のマイナスからプラスに転じており、有価証券の売却及び償還による収入が取得による支出を上回ったことが要因です。
財務活動によるキャッシュフローは前期とほぼ同水準のマイナスとなっており、配当金の支払などが主な要因です。フリーキャッシュフローはマイナスですが、前期から大幅に改善しています。銀行業の特性上、キャッシュフローの動きは一般事業会社とは異なるため、これらの資金の流れを総合的に見て雇用や給与の安定性を判断する必要があります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △312億円 | △53億円 |
| 投資CF | △53億円 | 47億円 |
| 財務CF | △4億円 | △4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △365億円 | △5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、我が国の経済動向、特に主たる営業基盤である福島県の経済動向、不動産価格及び株価の変動等により、貸出先の経営状況が悪化し、不良債権及び貸倒償却引当費用が増加する信用リスクを認識しています。また、金利、有価証券の価格、為替等の変動により損失を被る市場リスクも存在します。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、新型インフルエンザ等感染症の流行により、役職員への感染が拡大し、業務運営上十分な人員が確保できなくなるリスクを認識しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
大東銀行グループは、地域社会との共創を重視し、持続可能な未来の実現を目指す金融機関です。お客さまのパートナーとして、共に価値を創造していく企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「共創力と提案力で地域の豊かな未来を実現する」を経営理念として掲げています。この理念の実践を通じて、企業価値の向上に取り組んでいます。地域金融機関として、地域のお客さまとより良い関係を構築することを重視しています。お客さまの良きパートナーとして、様々な悩みに対して解決策を真剣に考え提案することで、共に新たな価値を創造し、地域の豊かな未来を創造していくことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、経営理念に基づき、地域社会の発展と持続的な企業価値の向上に努める「サステナビリティ方針」を制定しています。その中で、「地域経済・社会」、「ダイバーシティ」、「金融サービス」、「環境保全」をSDGs目標達成のための重点テーマとし、ESG経営を念頭においた活動を展開しています。また、年齢や性別にとらわれない多様な人財の活躍を促進するため、若手職員の積極登用、女性活躍促進、育児支援、ワークライフバランスの拡充など、人材育成環境の整備に継続的に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループを取り巻く経営環境は、地域の人口や事業者の減少、働き手の不足といった構造的問題が残る中、デジタル技術の進歩などにより日々変化しています。また、金利ある世界への回帰による収益構造のシフトにより、地域金融機関としての真価が問われる環境となっています。このような中、同社は2026年4月から「第7次中期経営計画」をスタートさせました。この計画では、「顧客基盤の強化・拡大」、「事業者支援の質的向上」、「人財基盤・デジタル活用の強化」を主要テーマとして、取り組みを推し進めていく方針です。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
株式会社大東銀行の経営体制とガバナンスについてご紹介します。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、監査等委員会設置会社としてコーポレート・ガバナンスの強化を図っています。経営の透明性を高めるため、複数の社外取締役を選任し、取締役会で重要事項の決定と業務執行の監督を行っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は事業会社である東邦銀行です。また、大東銀行行員持株会も上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 東邦銀行 | 19.55% |
| 大東銀行行員持株会 | 4.33% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 2.73% |
| 日本証券金融 | 1.83% |
| THE BANK OF NEW YORK MELLON 140044 | 1.32% |
なお、前事業年度末において主要株主であったHSホールディングスは、当事業年度末現在では主要株主ではなくなりました。前事業年度末において主要株主でなかった東邦銀行は、当事業年度末現在では主要株主となっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役会長兼社長は鈴木孝雄氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 鈴木 孝雄 | 取締役会長兼社長 代表取締役 | 1976年4月同社入行、常務取締役、専務取締役を経て、2010年6月同社取締役社長に就任。2024年3月より現職。 |
| 岡 安 廣 | 専務取締役 代表取締役 | 1974年4月同社入行、執行役員審査部長、取締役審査部長を経て、2013年6月同社常務取締役に就任。2022年6月より現職。 |
| 鈴木 輔 | 常務取締役 営業開発部長 | 1997年4月同社入行、人事総務部長、執行役員人事総務部長を経て、2023年6月同社取締役事務システム部長に就任。2025年6月より現職。 |
| 大八木 孝之 | 常務取締役 | 1984年4月同社入行、執行役員審査部長、取締役審査部長を経て、2025年6月同社常務取締役審査部長に就任。2025年7月より現職。 |
| 畑 中 敦 志 | 取締役 | 1993年4月同社入行、執行役員福島ブロック長兼福島支店長兼福島南支店長を経て、2025年6月同社取締役郡山北ブロック長兼本店営業部長兼深沢支店長に就任。2026年4月より現職。 |
社外取締役は、瓜生利典氏(エフコムホールディングス取締役副社長・監査等委員・指名・報酬委員)、松本順丈氏(GPSSホールディングス執行役員・監査等委員・指名・報酬委員)、金成孝典氏(福島県中小企業団体中央会副会長・監査等委員・指名・報酬委員)、菅波香織氏(いわき法律事務所所長・監査等委員・指名・報酬委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役の3分の1以上を社外取締役とすることで、経営の透明性確保に努めています。監査等委員である取締役は取締役会における議決権を有し、経営の監督・牽制機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬、および非金銭報酬(譲渡制限付株式報酬)で構成されています。社外取締役については、その職務に鑑み基本報酬のみを支払う方針です。基本報酬の3割程度を目安に業績連動報酬、金銭報酬合計の2割程度を目安に非金銭報酬を支払うものとしています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 1.3億円 | 21.5百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 13百万円 | 13.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 16百万円 | 4.0百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。連結報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、役員ごとの連結報酬等の総額等は記載されていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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