※本記事は、株式会社アサックス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
アサックスは、不動産担保ローン事業、信用保証事業、不動産賃貸事業、不動産販売事業を主な事業内容としています。不動産を担保とする事業資金等の融資や、金融機関が行う不動産担保融資に対する信用保証などを展開しています。
アサックスの単体従業員数は57名、連結従業員数は59名です。
主な国内グループ会社は、フォーサイト(不動産事業)などです。
同社グループは、当連結会計年度よりASAX America, Inc.を連結の範囲に含めており、連結財務諸表を作成しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社アサックスは、不動産担保融資を主要事業とする金融サービス企業です。少数精鋭の体制で事業を展開しており、従業員の専門性と長期的なキャリア形成を重視する傾向が見られます。安定した環境で専門性を高めながら働きたいと考える方にとって、同社グループの給与水準や働き方は重要な要素となるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が比較的長く、従業員が長期的にキャリアを形成している傾向が見られます。平均年齢も30代後半であり、経験豊富な人材が中心となって業務を遂行していることが伺えます。これは、専門性の高い不動産担保融資事業において、継続的な知識やスキルの蓄積が重視されていることを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,933,023円 |
| 平均勤続年数 | 12.2年 |
| 平均年齢 | 35.9歳 |
| 単体従業員数 | 57人 |
| 連結従業員数 | 59人 |
| 単体のグループ内比率 | 96.6% |
同社は、退職給付制度として確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。この制度は国内の従業員に適用されます。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、中長期的な成長のために、経営理念を理解しロイヤルティの高い優秀な社員の確保と育成を必須と位置づけています。この方針に基づき、従業員の賃金体系の見直しや社員研修の充実といった人的資本への投資を積極的に行っています。
給与制度は優秀な人材の確保・定着における重要な要素と捉え、社会情勢や経営環境の変化を踏まえたベースアップの検討や人事考課制度の見直しを必要に応じて実施しています。従業員各々の役割、人事考課に基づく職務遂行能力及び行動の評価結果、同社グループの業績等を総合的に勘案し、貢献度に見合った適正な給与水準となるよう決定しています。
人材の確保においては、多様性が企業価値向上に資するとの認識のもと、性別、年代、国籍等を問わず、企業力を高める経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観を持った人材の確保に努めています。育成面では、社員を会社の重要な財産と捉え、「企業行動憲章」の制定に加え、キャリアに応じたOJT研修や階層別研修、外部研修への参加費用支援を通じて、知識や技術の習得、コンプライアンスの徹底を図り、高い専門性と倫理観を兼ね備えた人材の育成を進めています。
また、全ての従業員が安心して活躍できる環境を整備するため、公平な人事評価体制や内部通報制度を充実させています。特に女性従業員に対しては、個別の事情を考慮した柔軟な勤務条件の設定、育児休業や短時間勤務制度の積極的な取得推進、職域の多様化、社内意識改革など、ワーク・ライフバランスの実現に向けた取り組みを行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
同社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示項目は記載を省略しています。
女性活躍に関する指標及び目標
| 指標 | 2026年3月期末 | 2030年3月期末目標 |
|---|---|---|
| 女性従業員比率 | 36.8% | 35%程度 |
| 女性管理職比率 | 7.7% | 10%程度 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社アサックスは、不動産担保ローン事業を主軸に、信用保証事業、不動産賃貸事業、不動産販売事業を展開しています。同社グループは、これらの事業を通じて収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループの主な事業は、不動産担保ローン事業です。この事業は、不動産を担保とした融資を提供することで収益を得ています。
また、不動産賃貸事業も収益源の一つとなっています。同社グループの営業収益は、主に不動産担保ローンと不動産賃貸から構成されています。
同社グループは、不動産担保ローン事業を主要な事業としており、他の事業セグメントは重要性が乏しいとされています。そのため、事業セグメントごとの詳細な情報は省略されています。
同社グループの営業収益は、その90%以上が日本国内の外部顧客からのものであるため、事業活動は主に国内に集中していることがうかがえます。特定の外部顧客への収益集中は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しています。そのため、それ以前の連結経営指標は記載されていません。
直近の業績としては、当連結会計年度において営業収益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益が計上されています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | - | - | - | - | 87.8億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | 60.8億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | 69.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | 39.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | 119.76 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの収益性と生産性を示す指標として、従業員1人あたりの営業収益と営業利益が挙げられます。これらの指標は、同社グループの効率的な事業運営状況を示しています。
当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期との比較はできませんが、当期の従業員1人あたりの営業収益および営業利益が示されています。これらの数値は、同社グループの従業員が創出する収益と利益の規模を表しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり営業収益(連結) | - | 148.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | 98.6百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
アサックスグループは、事業活動と投資活動において資金の流出が見られます。この資金流出は、主に事業拡大のための融資実行や投資活動によるものであり、財務活動による資金調達で賄われている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
アサックスの財務基盤を見ると、自己資本比率は40.6%となっています。これはプライム市場の非製造業平均(24.2%)を上回る水準です。ROE(自己資本利益率)は7.5%であり、プライム市場平均(9.4%)と比較するとやや低い水準を示しています。
手元資金である現金及び預金は81.1億円となっており、前期の51.7億円から増加しています。自己資本である純資産も528億円と、前期の491億円から増加傾向にあります。これらの数値は、同社グループの財務の安定性を示す指標となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 491億円 | 528億円 |
| 自己資本比率 | - | 40.6% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 7.5% |
| 現金及び預金 | 51.7億円 | 81.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度におけるアサックスグループのキャッシュフローは、事業活動による資金の出入りが△65.8億円の支出となりました。これは主に、営業貸付金の増加額や法人税等の支払額、賃貸資産の増加額が、税金等調整前当期純利益等の資金増加要因を上回ったことによるものです。不動産担保ローン事業を主要事業とする同社グループにとって、営業貸付金の増加は事業拡大に伴う資金支出と解釈できます。
投資活動によるキャッシュフローは△3.2億円の支出となっています。これは主に、関係会社貸付金の純増加額が、投資有価証券の償還による収入等の資金増加要因を上回ったことによるものです。財務活動によるキャッシュフローは73.5億円の収入となり、長期借入金の純増加額が配当金の支払額を上回ったことが主な要因です。
これらのキャッシュフローの状況から、同社グループは事業拡大のための融資実行や投資活動に資金を投じ、それを借入によって賄っている成長投資フェーズにあることがうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | △65.8億円 |
| 投資CF | - | △3.2億円 |
| 財務CF | - | 73.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | △69.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの事業構造に関するリスクとして、不動産市況の変化に伴う影響が挙げられます。不動産市況が悪化した場合、担保不動産の価格下落により新規の貸付が減少する可能性があります。また、顧客獲得競争の激化もリスク要因として認識されています。
他業種や同業種からの市場参入により競争が激化した場合、優良顧客の獲得が困難になったり、既存顧客を奪われたりする可能性があります。これらの市場環境の変化は、同社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクとして、人材の育成と確保が挙げられています。不動産担保ローン事業は専門的な知識を必要とするため、採用した人材が十分に戦力とならない場合や、優秀な人材が採用できない、または外部に流出した場合に、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アサックスは不動産担保ローン事業を核に、堅実な経営と社会貢献を目指す企業です。社員を重要な財産と捉え、持続的な成長と多様な働き方を重視する企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、不動産担保ローン事業において、不動産市況の影響を受けやすい環境下でも、担保価値の下落による貸倒リスクを抑えることを重視しています。
好況時、不況時にかかわらず、貸倒れを抑えたローコスト経営を堅持し、着実な成長を続けていくことを基本方針としています。
中長期的には、不動産担保ローン事業で培ったノウハウを活用し、信用保証事業や不動産賃貸事業を通じて収益基盤の強化と多様化を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、社員を会社の重要な財産と認識し、経営理念をよく理解し、ロイヤルティが高い優秀な社員の育成が必須であると考えています。
社員の行動原理・原則を記した「企業行動憲章」を制定し、業務遂行に必要な知識や技術の習得、コンプライアンスの徹底を通じて、高い専門性と倫理観を兼ね備えた人材となるよう育成を行っています。
サステナビリティを巡る課題への対応は企業の存在と活動に必須の要件であるとの認識のもと、事業活動を通じた持続可能な社会の実現に自主的に行動するよう努める企業風土です。
人材の確保においては、性別、年代、国籍等を問わず、多様な視点や価値観を持った人材の確保に努めており、多様性を中長期的な企業価値向上に資するものと捉えています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、企業ブランド力の強化を課題の一つとしています。企業認知度及び商品の有用性の積極的なプロモーション活動を行い、企業ブランド力の強化を図る方針です。
また、企業体質の強化も重点テーマであり、お客様の企業採算に乗る金利での資金供給を基本方針とし、優良な顧客の開拓と信用コストを抑えた営業貸付金残高の積み上げに取り組んでいます。
資金調達面では、金融機関との取引拡大に加え、市場からの直接調達等、調達方法の多様化により財務内容の安定性を高め、企業体質の強化を図っています。
さらに、人材の育成も重要な課題であり、キャリアに応じた階層別研修やOJT研修、外部研修への参加費用支援等を通じて、社員の専門性と倫理観の向上を目指しています。
全ての従業員が安心して活躍できる環境整備として、公平な人事評価体制や内部通報制度の充実、女性従業員への柔軟な勤務条件設定、育児休業・短時間勤務制度の推進等、ワーク・ライフバランスの実現に向けた取り組みを進めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アサックスの取締役会は、経営戦略の立案と業務執行の監督を担っています。同社は監査等委員会制度を中心としたモニタリング体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
アサックスの株主構成を見ると、筆頭株主はフレキシブルであり、代表取締役会長の草間庸文氏が個人で第2位の株主となっています。また、代表取締役社長の草間雄介氏は草間庸文氏の二親等内の親族であり、フレキシブルの代表取締役も務めています。これらの状況から、創業家およびその関連会社が上位株主を占め、同社の経営に強い影響力を持つ資本構成であることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| フレキシブル | 34.55% |
| 草間 庸文 | 28.50% |
| 光通信 | 7.51% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は草間雄介氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 草間 庸文 | 代表取締役 会長 | 1973年4月 安田生命保険相互会社入社、1974年9月 同社取締役、1994年5月 同社代表取締役社長、2020年6月 同社代表取締役会長より現職。 |
| 草間 雄介 | 代表取締役 社長 兼審査部長 | 2008年4月 オリックス株式会社入社、2013年3月 同社入社、2020年6月 同社代表取締役社長兼審査部長より現職。ASAX America, Inc.Presidentも務める。 |
| 池尻 周平 | 取締役 営業統括部長 | 2002年3月 同社入社、2016年6月 同社取締役営業統括部長、2024年6月 同社取締役営業統括部長より現職。 |
| 小林 一成 | 取締役 管理部門担当 | 2003年3月 同社入社、2024年6月 同社取締役・管理部門担当より現職。 |
社外取締役は、成田隆一氏(フローク・アドバイザリー代表取締役社長・監査等委員)、林康司氏(林総合法律事務所代表弁護士・監査等委員)、寺本敏之氏(ホウライ代表取締役会長CEO・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員会制度を中心として経営のモニタリングを実施しています。独立性を保持する複数の社外取締役が、専門知識や経験に基づき、客観的かつ中立的な立場から経営の監督や監査を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
アサックスの取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)の報酬は、固定報酬、賞与、退職慰労金で構成されています。社外取締役の報酬は、その役割と独立性の観点から固定報酬のみとなっています。監査等委員である取締役の個人別報酬は、監査等委員の協議により決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 1.2億円 | 30.2百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 12百万円 | 3.1百万円 |
同社グループの役員報酬総額は1.3億円であり、対象となる役員の合計は8名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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