※本記事は、丸八証券株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
丸八証券は、金融商品取引業を中核とする「投資・金融サービス業」を展開し、顧客に資産運用の幅広いサービスを提供しています。有価証券の売買、媒介、引受け、募集・売出しの取扱いなどを主要業務としています。
単体従業員数は138名です。セグメントは「投資・金融サービス業」の1つです。
丸八証券は、有価証券の売買、媒介、引受け、募集・売出しの取扱い、その他金融商品取引業に付随する業務を単一の報告セグメントである「投資・金融サービス業」として展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
丸八証券は、地域に根差した対面証券会社として、お客様本位の業務運営を重視しています。社員の専門性向上と働きやすい環境整備に力を入れており、長期的なキャリア形成を支援する方針が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、社員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する環境を整えていることがうかがえます。平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高いことから、経験豊富な社員が多く在籍している傾向があります。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,489,000円 |
| 平均勤続年数 | 15年9ヶ月 |
| 平均年齢 | 44歳2ヶ月 |
| 単体従業員数 | 138人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
同社は、確定拠出年金制度および確定拠出型の特定退職金共済制度を採用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
丸八証券は、中期経営計画の重点施策である「資産運用の高度化」「資産形成支援の強化」「円滑な資産承継支援」を実現するため、「人の成長が会社の成長」という考えのもと、人材を重要な経営資本と位置づけています。お客様および地域社会との信頼関係を基盤とする「人間性」と、金融・資産運用に関する幅広い知識に基づく「専門性」を兼ね備えた人材の育成を基本方針としています。
給与については、役職に応じた職能・職務等級ごとの給与テーブルに基づき決定され、入社10年未満の非管理職社員には毎年定期昇給を実施しています。管理職は役職の昇格に連動して給与が上昇する仕組みです。賞与は年2回支給され、基本給総額の1ヶ月分を基準とする「基本賞与」と、会社の営業利益に応じた「利益賞与」の合計で構成されます。個人の成果が支給額に反映される仕組みです。
人材育成においては、新入社員・若手向けの独自研修やキャリアに沿ったグループ合同研修、国内外研修、ロールプレイング大会など、専門性向上に資する多様な研修を実施しています。マネジメント研修やカフェテリア研修、社内ワークショップ等を通じて体系的な人材育成を推進し、従業員の資質向上と生産性向上につなげています。また、「地元愛知への貢献」と「人材の育成・労働環境整備」を重点テーマとしており、社員のスキルアップ支援としてファイナンシャル・プランナーや相続診断士資格の取得促進、外部機関による階層別研修、自主参加研修制度の導入を行っています。労働環境の整備としては、衛生管理委員会の定期開催、ストレスチェックの実施、在宅勤務制度や短時間勤務制度の拡充、長時間労働の削減、有給休暇取得促進に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
男性労働者の育児休業取得率は、育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。また、男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 25.6% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| ファイナンシャル・プランナー資格取得率 | 77.5% |
| 相続診断士資格取得率 | 79.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
丸八証券は、金融商品取引業を中核とする「投資・金融サービス業」を展開しており、顧客の資産運用を幅広くサポートしています。地域に密着した対面営業を重視し、多様な金融商品とお客様本位のサービスを提供することで収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は金融商品取引業を中核とする「投資・金融サービス業」を主な事業内容としています。顧客の委託を受けて有価証券の売買を執行する業務や、自己の計算による有価証券の売買(トレーディング業務を含む)を行っています。また、有価証券の引受けおよび売出し、募集および売出しの取扱い、その他金融商品取引業に付随する業務も手掛けています。
同社は地域に密着した対面による提案営業をビジネスの柱としています。国内外の株式、投資信託、債券など、顧客のニーズに合わせた商品ラインナップの拡充に努めています。さらに、地元企業や自治体の役職員を対象としたセミナーを通じて金融リテラシーの向上を後押しし、高齢社会に対応した「家族サポート証券口座」の取扱いを開始するなど、地域に根差したお客様本位の業務運営を行っています。
同社の収益は、主に受入手数料、トレーディング損益、金融収支から構成されています。受入手数料は、株式の委託手数料の増加により大きく伸びています。一方で、投資信託の販売手数料は減少しましたが、投資信託の信託報酬は増加しています。トレーディング損益も増加傾向にあります。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の業績は、直近の期間において、収益および利益の推移は提供されたデータからは具体的な傾向を把握することができません。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の収益性および生産性に関する1人あたり指標については、提供されたデータからは具体的な傾向を把握することができません。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
丸八証券の財務状況は、事業活動で得た資金を投資に回しつつ、手元資金を確保している状態を示しています。この会社の財務基盤がどのような状況にあるかを確認します。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
丸八証券のキャッシュフローは、当事業年度において営業活動による資金の流入が大きく増加しました。これは主に預り金及び受入保証金の増加や税引前当期純利益の計上によるものです。投資活動による資金の流出は前期に比べて減少しており、投資有価証券の売却収入が取得支出を上回ったことが影響しています。財務活動では配当金の支払いによる資金流出が見られますが、前期よりも減少しています。これらの資金の流れから、同社は事業活動で得た資金を効率的に運用し、財務的な安定性を維持している状況がうかがえます。現在の事業基盤は堅調であり、従業員の雇用や給与の安定性にも良い影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △35百万円 | 10.8億円 |
| 投資CF | △4億95百万円 | △50百万円 |
| 財務CF | △3億19百万円 | △2億39百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △5億30百万円 | 10.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、国内および海外の株式・債券相場が下落または低迷した場合や為替相場の動向により、流通市場での売買高が減少し、受入手数料等が減少する可能性があります。また、自己勘定で行うトレーディング業務の損益は、株式・債券・為替の市況によって大きく変動するリスクがあります。これらの市場変動は、同社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
金融商品取引業者は、金融商品取引法等の法令・諸規則等の規制のもとで営業行為を行っています。法令違反等が発生した場合、訴訟や行政処分等を受ける可能性があり、同社の経営成績および財政状態に影響を及ぼすことがあります。同社では、役職員の資質向上を目的とした研修やコンプライアンスに関する研修を実施し、倫理観とコンプライアンス意識の向上に努めています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
丸八証券は、「未来の安心のために」という基本理念を掲げ、お客様、株主、従業員、そして地域社会への貢献を目指している会社です。透明性の高い経営とお客様第一の営業を重視し、地域に根差した証券ビジネスを展開しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
丸八証券は、「未来の安心のために」という基本理念を掲げ、お客様への堅実な資産形成と喜び、株主への永続的な成長と喜び、従業員への考え働く幸福と喜び、そして地元愛知への貢献と喜びの実現を目指しています。
基本方針として、透明性の高い明確なコーポレート・ガバナンス(企業統治)の確立、お客様を第一に考えた収益の最大化の確立、業務水準の均一化による付加価値向上の確立を掲げています。同社は、中期経営計画において、営業基盤の拡大、推進体制の強化、収益構造の安定化を引き続き目指す方向性を示しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
丸八証券は、基本理念である「未来の安心のために」に基づき、お客様、株主、従業員、社会への「喜び」の提供を大切にしています。特に、従業員に対しては「考え働く幸福と喜び」を重視する姿勢が見られます。
サステナビリティに関する取り組みでは、「地元社会への貢献」と「人材の育成・労働環境整備」を重点テーマとしています。地元愛知への貢献として、名古屋証券取引所や地方自治体との連携、キャリア教育支援、スポーツイベントへの協賛など、地域に密着した多様な活動を行っています。また、お客様の最善の利益追求のため、社員のスキルアップ支援や働きやすい労働環境づくりに努める企業風土があります。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
丸八証券は、資産形成・資産運用の重要性が高まる一方で、国内外のマーケット環境が複雑化していることを経営課題として認識しています。この状況に対し、地域に密着した対面営業を通じて、お客様一人ひとりの状況に応じた適切な助言や金融商品の提案、投資情報の提供を行うことを重視しています。
また、少子高齢化の進行に伴う世代間の資産移転の必要性に対応するため、相続・贈与を含む資産承継への支援を重要な課題と位置付けています。法令等を踏まえたコンプライアンスおよびサイバー攻撃を含むリスク管理態勢の高度化、内部管理・ガバナンス体制の一層の充実も今後の重点テーマとしています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
丸八証券は監査等委員会設置会社であり、取締役会と監査等委員会が連携して経営を監督する体制を構築しています。社外取締役が多数を占めることで、客観的な視点からのガバナンスを強化しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
丸八証券の株主構成を見ると、筆頭株主は東海東京フィナンシャル・ホールディングスであり、主要な事業会社が上位株主として名を連ねています。複数の事業会社が上位に位置することで、安定した資本基盤を形成していることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 東海東京フィナンシャル・ホールディングス | 43.63% |
| 豊証券 | 7.79% |
| 野村プロパティーズ | 5.45% |
なお、前事業年度末において主要株主であった中村 吉孝は、当事業年度末現在では主要株主ではなくなっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は鈴木卓也氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 鈴木 卓也 | 代表取締役社長 | 1990年東京証券(現 東海東京証券)入社後、東海東京フィナンシャル・ホールディングス執行役員、東海東京証券専務執行役員などを歴任。2021年6月より現職。 |
| 鈴木 雅人 | 代表取締役副社長 | 1988年丸万証券(現 東海東京証券)入社後、西日本シティTT証券執行役員、浜銀TT証券代表取締役副社長などを歴任。2025年6月より現職。 |
社外取締役は、中村昭彦氏(三菱UFJ銀行顧問・中部国際空港社外取締役)、山田尚武氏(弁護士法人しょうぶ法律事務所代表社員)、広井幹康氏(元エスカ代表取締役社長)、小笠原修文氏(小笠原修文公認会計士事務所代表)です。
丸八証券は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が取締役の業務執行を監督する体制を構築しています。社外取締役は、客観的・中立的な立場から専門知識と経験に基づき、取締役会の意思決定と業務執行の妥当性・適正性を確保する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
丸八証券の取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬と業績連動報酬である賞与で構成されています。業績連動報酬は、中期経営計画の進捗や当期の利益状況、財務状況、株主配当の額などを総合的に判断し、当期純利益の3%から7%を支給総額として決定する方針です。監査等委員である取締役の報酬は、監査等委員会で協議のうえ決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 92百万円 | 30.5百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 14百万円 | 14.0百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 23百万円 | 4.6百万円 |
当事業年度における役員報酬等の総額は1.3億円であり、対象となる役員の総数は9名です。一人あたりの平均報酬は14.3百万円となっています。
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