【平均年収484万円】東祥 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収484万円】東祥 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

東祥は、『健康』をキーワードに、スポーツクラブ・ホテル・不動産事業をグループ各社とともに展開しています。直近では経営資源の選択と集中を進め、事業体制を強化しました。直近期は減収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社東祥 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、『健康』をキーワードに事業を展開しています。大人専用のスポーツクラブ「ホリデイスポーツクラブ」の運営、ビジネス・観光客向けの「ABホテル」運営、そして賃貸マンション「A・City」を中心とした不動産事業を手掛けています。

単体従業員数は273名、連結従業員数は376名です。セグメントはスポーツクラブ事業、ホテル事業、不動産事業の3つです。

主な国内グループ会社は、ABホテル(ホテル事業)などです。

直近では、スポーツクラブ事業で4店舗を閉店し経営資源の選択と集中を進めました。また、不動産事業では賃貸マンション1棟を売却し、新たにテナントビルを開業しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


東祥グループは、スポーツクラブ運営やホテル事業などを展開しており、従業員の健康を重視した事業活動を行っています。従業員の給与や働き方についても、個人の役割や貢献度を評価し、多様な人材が活躍できる環境づくりに注力していることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、比較的若い年齢層の従業員が中心となっており、平均勤続年数も業界の中では標準的な水準を示しています。人材の定着を促しつつ、新しい人材も積極的に受け入れている傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 4,840,000円
平均勤続年数 6.5年
平均年齢 30.0歳
単体従業員数 273人
連結従業員数 376人
単体のグループ内比率 72.6%


同社では、従業員の退職給付に充てるため、確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。退職一時金制度があり、退職給付として給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。

なお、退職給付債務は1.1億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


東祥グループは、「健康づくりで世のため人のために尽くす」という経営理念に基づき、人的資本への取り組みを最も重要な経営課題と位置付けています。多様性を含めた人材確保と人材育成を大きなテーマとし、時代の変化に合わせた事業活動を行うために新しい視点や価値観を積極的に取り入れる方針です。

従業員の給与やその他の給付については、役割、職務遂行能力、成果、会社業績等を踏まえ、公平かつ納得性のある処遇となるよう決定しています。基本給、昇給、賞与は人事評価制度に基づき、各従業員の業務成果や組織への貢献度を反映して決定される仕組みです。また、従業員の生活水準向上や人材確保・定着のため、経済環境や物価動向を総合的に勘案したベースアップも実施しています。

人材育成の観点では、安定したサービスの提供と質の向上、既存店の収益力回復のため、社員教育の強化を必要不可欠と考えています。スポーツクラブ事業では「ホリデイカレッジ」を運営し、オンラインを含む様々な研修を通じて従業員の知識・能力取得を支援しています。さらに、従業員の健康保持と増進を図るための社内環境整備にも取り組み、「健康経営優良法人」の認定を受けています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は店長職を含めて算出されており、男性労働者の育児休業取得率は正規雇用男性労働者を対象に算出されています。労働者の男女の賃金の額の差異は期末在籍者により算出されています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 4.7%
男性労働者の育児休業取得率 42.9%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 62.9%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 72.7%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 143.1%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ ABホテル株式会社

管理職地位にある労働者に占める女性労働者の割合は支配人を含めて算出されており、男性労働者の育児休業取得率は育児介護休業法の規定に基づき算出されています。

指標 数値
管理職地位にある労働者に占める女性労働者の割合 0.0%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 55.1%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 60.7%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 99.6%

人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針


研修施設における年間使用時間は単体での表記であり、子会社であるABホテル株式会社は研修施設を設けていません。

指標 数値
女性の管理職比率 4.4%
中途採用管理職比率 16.5%
研修施設における年間使用時間 648時間

社内環境整備に関する方針

指標 数値
健康診断受診率 100.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社東祥グループは、『健康』をキーワードに、スポーツクラブ、ホテル、不動産の3つの事業を展開しています。それぞれの事業が独立して運営されており、多様な顧客ニーズに応えるサービスを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、人々の健康的な生活を創造することを目指し、多角的な事業を展開しています。各事業はそれぞれの分野で専門性を持ち、安定した収益基盤を築いています。

スポーツクラブ事業

この事業では、「ホリデイスポーツクラブ」の名称で、全国に95店舗の大人専用会員制スポーツクラブを運営しています。地域の健康づくりやリラクゼーションの場を提供しており、収益は月会費を主とする会員からの利用料から得ています。運営は東祥が行っています。当期の売上高は前期から横ばいとなりました。

ホテル事業

「ABホテル」の名称で、愛知県を中心に38店舗のホテルを運営しています。ビジネス利用から観光まで、幅広い顧客層に快適な宿泊空間とサービスを提供しています。収益は宿泊サービスの提供から得ています。運営はABホテル株式会社が行っています。当期の売上高は前期から増加しました。

不動産事業

「A・City」という名称の賃貸マンションやテナントビル、また「ホリデイゴルフガーデン」というゴルフ練習場を運営しています。愛知県を中心に賃貸マンション51棟2,040室、テナントビル3棟を所有し、駐車場の管理も行っています。収益は賃貸収入やゴルフ練習場の利用料から得ています。運営は東祥が行っています。当期の売上高は前期から大幅に減少しましたが、これは前期に収益用不動産の売却があった反動によるものです。

同社グループの売上高は、主に日本国内の顧客からの収益で構成されており、海外比率は低い傾向にあります。また、特定の顧客への収益集中は当期には見られません。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
スポーツクラブ事業 126億円 126億円
ホテル事業 107億円 123億円
不動産事業 124億円 27.6億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5年間で売上高と利益に変動が見られます。売上高は前期に大きく増加した後、当期は減少に転じています。

一方で、経常利益は過去5年間で増加傾向にあり、当期は特に大きく伸びています。親会社株主に帰属する当期純利益は、過去に損失を計上した期もありましたが、当期は大幅に増加しました。

第46期には親会社株主に帰属する当期純損失を計上しましたが、これはスポーツクラブ事業における固定資産の減損損失が主な要因でした。営業活動によるキャッシュ・フローは、当期も安定してプラスを維持しており、本業で着実に資金を生み出していることがうかがえます。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 273億円 225億円 309億円 356億円 276億円
経常利益 45.5億円 31.4億円 41.0億円 59.4億円 74.8億円
経常利益率 16.6% 13.9% 13.3% 16.7% 27.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 24.2億円 8.6億円 △22.3億円 12.3億円 35.5億円
1株当たり当期純利益(円) 63.29 22.39 △58.20 32.06 95.08

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期から減少しましたが、従業員1人あたり営業利益(連結)は増加しています。これは、売上高が減少した一方で、利益率が改善したことを示唆しています。効率的な事業運営やコスト削減の取り組みが、1人あたりの利益向上に貢献していると考えられます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 88.6百万円 73.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 14.6百万円 19.9百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動で安定的に資金を生み出し、投資活動も行いながら、手元に資金を残している状況を示しています。これは、事業の持続性と成長に向けた基盤が整っていることを示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な現金及び預金によって安定している状況です。当期の自己資本比率は52.5%であり、プライム市場の非製造業平均24.2%や製造業平均46.8%と比較しても高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は当期9.6%となり、プライム市場平均の9.4%を上回っています。手元資金である現金及び預金は207億円を確保しており、事業運営における資金の安定性を示しています。これらの財務指標は、同社グループが安定した経営基盤を有していることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 423億円 452億円
自己資本比率 50.2% 52.5%
ROE(自己資本利益率) 3.4% 9.6%
現金及び預金 212億円 207億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、事業拡大のための投資も行いつつ、手元に資金を残している状況です。当期の営業活動によるキャッシュフローは79.0億円の収入となり、税金等調整前当期純利益が主な要因となっています。投資活動によるキャッシュフローは△13.3億円の支出で、定期預金の払戻による収入があった一方、スポーツクラブ、ビジネスホテル、賃貸マンションに係る有形固定資産の取得や定期預金の預入による支出がありました。この結果、フリーキャッシュフローは65.7億円のプラスとなっています。財務活動によるキャッシュフローは△55.5億円の支出で、社債の償還による支出が主な要因です。これらの資金の流れは、同社グループが本業で安定した収益力を持ち、将来に向けた投資も継続しながら、健全な財務運営を行っていることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる基盤があると言えます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 154.3億円 79.0億円
投資CF △65.7億円 △13.3億円
財務CF △44.2億円 △55.5億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 88.6億円 65.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、スポーツクラブ事業を主力としつつ、ホテル事業や不動産事業も展開しています。国内景気の動向や競合他社との価格競争により、売上高が一時的に縮小したり、事業から撤退したりする可能性があります。また、マーケット環境の変化等により収益や評価額が低下し、固定資産の減損処理が必要となる可能性も認識しています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、スポーツクラブ、ホテル、不動産事業の開発を進める上で、出店に必要な人材が確保できない場合、業績に影響を及ぼす可能性があると認識しています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


東祥は、「健康」をキーワードに多角的な事業を展開し、社会貢献と持続的な成長を目指しています。お客様の健康を支えるとともに、従業員の働きがいや環境への配慮も重視する企業風土が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは「健康づくりで世のため人のために尽くす」を経営理念としています。この理念に基づき、「健康」をキーワードに事業を展開しています。

「持続可能な社会の実現」に向け、お客様に喜ばれ、必要とされる会社として持続的な成長を促進し、地域社会に貢献することを基本方針としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、スポーツクラブ運営などの事業活動を通じて「健康」で社会問題に貢献することを重視しています。上場会社として透明性・公正性のある経営により、持続的な成長を促進する方針です。

また、従業員の健康課題の把握や健康増進、生活習慣病の予防に努め、従業員と会社の持続的な成長を目指しています。顧客に提供するサービス向上のため、社員教育や研修施設への投資を行い、知的財産や無形資産の活用を推進しています。

人的資本への取り組みを最も重要と考え、多様性を含めた人材確保と人材育成に注力しています。常に顧客の視点に立ち、競争優位性の構築と生産性の向上を見据え、ビジネスへのAI活用と実装を推進しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、既存施設の収益力回復及び向上を優先的に取り組むべき課題としています。マーケットの急激な競争環境の変化に適応するため、マーケティング政策を重点的に実施しています。

また、サービス業の根幹となる人的資本の育成と組織能力の強化に努めています。経営基盤の強化として、事業の選択と集中を進める方針です。

サステナビリティに関する取り組みとして、コスト削減にも繋がるCO2排出量を低下させる高効率機器への更新や、従業員の労働意欲向上に向けた健康経営への取り組み、社会貢献活動などを協議しています。今後もカーボンニュートラル等環境保護を意識した設備の更新に継続的に取り組む方針です。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


株式会社東祥は、監査役会設置会社として、取締役会と監査役会が連携し、経営の効率性向上と健全性の維持に努めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社は、創業家である沓名氏が筆頭株主として大きな持株比率を占めており、複数の沓名姓の個人株主が上位に名を連ねる資本構成となっています。これにより、創業家が同社の経営に強い影響力を持つ体制であることがうかがえます。

株主名 持株比率
沓名 俊裕 43.71%
沓名 裕一郎(注2) 11.58%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 6.29%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は沓名裕一郎氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
沓名 裕一郎 代表取締役社長 1997年4月 同社入社、1999年4月 同社取締役、2016年6月 同社代表取締役社長最高執行責任者、2020年6月 同社代表取締役社長より現職。
沓名 俊裕 取締役会長 1973年4月 株式会社和泉芝生入社、1979年3月 同社設立、同社代表取締役社長、2016年6月 同社代表取締役会長最高経営責任者、2023年6月 同社取締役会長より現職。
谷澤 亜希 取締役管理本部長 1997年4月 同社入社、2016年12月 同社執行役員秘書室長兼内部統制室長、2018年6月 同社取締役秘書室長兼内部統制室長、2024年6月 同社取締役管理本部長より現職。


社外取締役は、神谷明文氏(神谷明文法律事務所弁護士・指名報酬委員)、菊池修氏(安城商工会議所常務理事・指名報酬委員)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役2名が出席する取締役会を通じて、外部からの監視・監督機能を確保しています。社外取締役は、法律専門家としての経験や地域貢献の経験を活かし、客観的・中立的な立場から経営の透明性確保に寄与しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、役位や職責、在任年数に応じた固定報酬を基本としています。加えて、売上高や経常利益(率)、ROEなどの業績達成状況を総合的に勘案した業績連動報酬が支給される仕組みです。株式報酬等の非金銭報酬は支給しない方針となっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 3名 1.8億円 58.5百万円
監査役(社外除く) 1名 8百万円 8.4百万円
社外役員 5名 4百万円 0.7百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。